お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『ウルトラマンブレーザー』第10話 ちょっとした感想

最初くらいはちゃんと麻酔弾を使う地球防衛軍の最低限の優しさ

 

 

 

怪獣だって同じだよね。赤ちゃんを守りたいだけだよね。それが悪いことなの…?今回の『ウルトラマンブレーザー』は、前回での次回予告でも触れられていたとおり、デマーガ&ベビーデマーガの怪獣親子にかかるお話。この手のお話は、「怪獣保護か討伐か」でメインキャラが揺れ動きドラマを生み出すパターンが多いのですが、今回は登場人物側のそうした葛藤を極力排除し、どちらが正しいかという議論もあえて挟まず、最終的には怪獣親子保護という結末に向かうという、なかなか新鮮なドラマ展開がなされていました。

 

登場人物たちの考え方は人それぞれですが、その対立をほとんど描いていないのが特徴的。しかしそれは、決して「怪獣保護か討伐か」の議論等からの逃げではなく、わざとに描かないことで、視聴者に考察の余地を与える意図があるのでしょう。シンプルながら、なかなか深みを感じる一編でしたね。

 

なお、前回(第9話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

◎ストーリー面

デマーガ&ベビーデマーガの怪獣親子への対処が焦点となった今回のお話。ハルノ参謀長ら地球防衛軍上層部が討伐を命令する一方、ゲントたちSKaRDの一部は他の解決方法はないか(明確にそう考えていると捉えられるのはテルアキのみ)と考えるというお決まりの構図でしたが、その両者の対立やどちらが正しいかということをあえてほとんど触れず、登場人物たちの行動や表情から視聴者にあらゆる考察を委ねる形になっていたのが面白かったですね。ある意味、前回と同じくぶん投げENDとも言えるのですが、「視聴者に感じさせる」ということに重きを置いた植竹脚本は、本当に秀逸です。さすが、ぶらざぁのっぽ出身というべきか…?

 

仕事を終えて家事に精を出していたゲントが見かけたのは、山梨県の山中での怪獣の卵発見のニュース。翌日が休みであり、息子のジュンが希望したこともあり、プライベートの家族旅行ということで、現地へ。ちょうど防衛軍が怪獣の卵の調査を進めているところであり、ゲントたちはそれを見学します。やがて、怪獣の卵からはベビーデマーガが孵化。防衛軍は威嚇のために発砲しますが、それを聞きつけ子供のピンチを本能的に察知したのか、親であるデマーガまでもが眠りから醒めてしまいます。今回は、前回もあった「ゲントの中でブレーザーの意識が主体となる描写」が、序盤から断続的に挿入。皿洗いしている間にニュース番組をジッと観続けていたことから、洗剤をこぼして妻サトコから本気で心配されてしまいます。本放送視聴時は、「ブレーザーが怪獣の卵の発見のニュースを見て嫌な予感を覚えたのかな」と思ったけど、本編を通して観てから改めて考えると、単に新たな怪獣を狩りたいと考えていた可能性もゼロじゃないんですよね。はてさて、実際はどうだったのか…。そんな描写を経て、山梨県の現場に向かうことになったゲントは、そこでベビーデマーガの孵化に遭遇。防衛軍は発砲しますが、ベビーデマーガには大きくは効いていなさそうでした。ベビーデマーガ相手にさっそく発砲する防衛軍ですが、よく見ると、発射している弾丸は実弾ではなく麻酔弾の模様。いくら防衛軍とはいえ、最初から実弾発砲はしないんですね。安心したよ。

 

ハルノ参謀長ら防衛軍は、デマーガおよびベビーデマーガの討伐を指示。テルアキは多少の迷いを見せますが、ゲントは隊長として、現地から遠回しに上層部の指示に従うよう指示します。そして始まった討伐作戦では、アースガロンMod.2が奮戦するも、メインカメラを損傷して一気に劣勢に。一方でデマーガは着実に弱体化していたため、防衛軍は攻撃の応酬を仕掛けます。あくまでも民間人として、他の市民たちとともにその場を離れるゲントでしたが、ジュンの言葉が彼の足を止めさせて―。中盤より、デマーガ&ベビーデマーガ相手に防衛軍がこれでもかというほどの攻撃を叩き込むさまが描写。詳細は後述しますが、火薬爆破を多用して、防衛軍の本気度を十二分に表現してくれていましたね。でもここまで防衛軍の猛攻を描くのなら、アースガロンMod.2の活躍ももう少し長く描いてほしかったなぁ。ヤスノブがあれだけ殺る気満々だったんだし…。そんな防衛軍の攻撃の下で、ゲントは一般市民として現場から退避。しかし、ブレーザーブレスが現出したり、ジュンから「本当に怪獣を倒す必要があるのか」と問われたりしたことで、その足を止めます。今回、ゲントが対面してSKaRD隊員たちと関わる描写はなし。そのぶん、家族の前での彼の立ち振る舞い方が細かく描写されていました。ブレーザーブレスが出てきちゃったときにあわてて隠すさまはどこかかわいいし、家族の前では地球防衛軍施設課所属としてるのは、実働部隊で働いていることで心配させたくないからなんだろうなぁ。そうした細かなゲントの思いやりや人となりが窺えるのが、これまた面白いですね。

 

理由をつけて、サトコやジュンと離れたゲントは、ブレーザーに変身。ブレーザーは当初殺る気満々で怒涛の攻撃を仕掛けますが、途中から苦しみ始め、なかなかスパイラルバレードを繰り出せない状況に陥ります。しかし、最後は自身を落ち着け、スパイラルバレードを変化させた技で、デマーガとベビーデマーガを地中深くへ返すことに成功。事件は解決を見せ、ゲントはサトコらのもとへと戻るのでした。終盤で、ブレーザーが登場。最初こそ防衛軍同様デマーガを倒すつもりで攻撃を叩き込みますが、デマーガに寄り添うベビーデマーガの姿を見てから、明らかに様子がおかしくなります。一連のドラマの流れだと、ゲントの意識がブレーザーの意識に介入したからこうなったと捉えられますが、ゲント側の今回の事件に対する考え方が最後まで明示されていないことから、逆の可能性もゼロではないというのが興味深いところ。「ゲントが殺る気満々でブレーザーが止める側」というのは、想像したくないですが、可能性が想定できる余地を残しているという意味では、大変面白い描写であると感じました。そんなブレーザーは、最終的には唸り声で防衛軍のミサイル攻撃を退け、スパイラルバレードの変則技で、デマーガとベビーデマーガを地中深くへ返すことで事件を解決。ゲントもサトコたちのもとに戻り、ジュンからブレーザーの活躍のことを聞くのでした。ジュンがブレーザーのことをベタ褒めしてるときのゲントは嬉しそう。ゲントの人間味がよく出ているラストシーンでした。

 

 

 

◎特撮面

ドラマ展開の関係から、地球防衛軍の容赦ない攻撃が特に印象に残った、今回の特撮パート。舞台が山岳地帯となっていることから、ミニチュア破壊がほとんどないぶん、火薬爆破による猛攻の演出が意識的に取り入れられているように感じました。登場直後はノリノリでデマーガを倒そうとしていたブレーザーにも、ちょっとギョッとしたなぁ。

 

防衛軍が調査を進めていた卵から孵化したのは、ベビーデマーガ。それに呼応する形で、親怪獣であるデマーガもその眠りを覚まし、ベビーデマーガへと向かっていきます。熔鉄怪獣の異名を持つデマーガは、周囲を火の海にしながら侵攻を続けるのでした。デマーガ登場シーンから、今回は火薬爆破描写がフルスロットル。「登場シーン時点でここまでやらなくてもいいんじゃないか」ってくらい、ガンガン爆破していてビックリさせられましたね。ちなみに、デマーガが侵攻する山岳地帯のセット内には、大量のソーラーパネルのミニチュアも存在。今らしい描写だなと感じました。

 

出現したデマーガに対し、防衛軍は容赦ない攻撃を敢行。アースガロンMod.2も、原着直後にフルバーストで攻撃を仕掛け、最終的にはダウンしてしまうも、デマーガを大きく弱らせることに成功します。このまま防衛軍の手でデマーガ&ベビーデマーガは倒されるかと思われたその時、ブレーザーが出現します。中盤でも、激しい火薬爆破の演出による、デマーガが防衛軍の猛攻にさらされるさまの描写が多数挿入。CG合成も追加されていることから、見た目のハデさが増しており、特にアースガロンMod.2ダウン直後の攻撃描写は、デマーガとアースガロンMod.2の2体ともの姿が見えないくらいの爆破描写となっており、「これスーツ大丈夫なのか!?」と本気で心配になりました。オーバーすぎる演出ともいえる、ミサイルがこれでもか飛んでくる描写も、防衛軍の攻撃の苛烈さの表現に一役買ってましたね。でもさ、防衛軍もここまでミサイルをブッパできるのなら、もっと前からやってよ…。

 

登場したブレーザーは、レインボー光輪を使ってデマーガの攻撃をあっという間にはじき返し、逆に凍らせてその動きを封じ込めることに成功。スパイラルバレードを繰り出しそのまま倒してしまうのかと思いきや、突然苦しみ始めます。その後、唸り声のような雄叫びで防衛軍のミサイルを排除し、スパイラルバレードを変化させた変則技で、デマーガとベビーデマーガを地中深くへ帰すという行動をとり、事件は解決を見るのでした。終盤でブレーザーが登場。レインボー光輪をいきなり繰り出すも、デマーガを凍らせたときは「なんだかんだで倒すつもりはないのかな」と思いましたが、その直後スパイラルバレードを当然のごとく繰り出したときには「やっぱり殺る気なのかよ!」とツッコんじゃいました。そんなこのシーンで注目したいのが、ブレーザーが苦しんでいるシーンにおける、身体のラインの細かな光の合成。ただブレーザーが苦しんでいる行動だけでなく、赤と青のラインが交互に光りあうさまを見せることで、ブレーザーとゲントの意識が対立していることを表現しているのがGoodでした。今回の描写を見るに、赤がブレーザーで、青がゲントなのかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙から落ちてきた隕石。それがすべての始まりだった。排除しようにも、なかなかそれを破壊できない地球防衛軍そしてSKaRD。それもそのはず、隕石の正体は、強力な宇宙怪獣:ゲバルガだったのだ!未曽有の脅威の前に、ブレーザーまでもが倒れてしまうのか―?

 

次回は、ニジカガチ回に続く前後編回の前編で、奇天烈な見た目の怪獣ゲバルガが登場。VSニジカガチ戦のときとは違い、ガチでブレーザーが敗北するさまが描かれそうです。勝利のカギは間違いなくチルソナイトソードにあるんだろうけど、そこに至るまでのドラマは、どんなものが描かれるんだろう?

 

隕石が開くとき、破滅が顔を覗かせる―!

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

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