お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『ウルトラマンブレーザー』第9話 ちょっとした感想

音楽と出会ったとき、全てが色づき始めた

 

 

 

だが、出会ってしまった。音楽に―。今回の『ウルトラマンブレーザー』は、以前のカナン星人に続き、過去作怪獣が登場するお話。『Q』以来の登場となるガラモンと、お話のテーマである音楽がどうマッチするのかまるで想像がつきませんでしたが、いざ実際にお話を観てみると、『Q』のようなテイストを取り込みつつ、『ブレーザー』のテーマであるコミュニケーションの要素をしっかりと落とし込んでいた、とても秀逸な一編であると感じました。

 

お話全体も決してハデではなく、その幕切れもある意味尻切れトンボで、昨今の作品からすると説明不足な一面もありましたが、これは言うまでもなく意図的なものでしょう。ギリギリのところまで要素がこそぎ落とされ、残りをいい意味で視聴者の想像に委ねるという、使用されている楽曲も相まって、非常にオシャレで深いお話でしたね。

 

なお、前回(第8話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

◎ストーリー面

今回のテーマは、まさに音楽とコミュニケーション。序盤ではゲントとブレーザーの交流が、中盤以降は、ガラモンの侵攻と同時並行で、ツクシホウイチらセミ人間のグループが音楽を通じて心情変化したさまを描いており、今回のためだけに描き下ろしorアレンジされたBGMが、その深く重厚な、それでいてファンタジックなお話の雰囲気を彩ってくれていました。ハデではないけど独特な魅力を放ち続ける―、そんな一編でしたね。

 

アンリのもとに届いた、コンサートの招待状。それは、10年前に初めて彼女が見かけた、ホウイチら楽団のコンサートへの招待状でした。その後彼女がSKaRD本部へ戻ると、ゲントたちはアースガロンの修理等でてんてこ舞い状態。ゲント自身も異常行動が散見されるようになり、テルアキたちは心配します。ゲントの異常行動の原因は…。序盤では、ゲントとブレーザーの“コミュニケーション”のさまが描写。突然嫌いなはずの野菜ジュースを飲み始めたり、ブレーザーストーンが発熱して熱がったりするのは、全てブレーザーによるものでした。じょじょに意識がブレーザーに乗っ取られつつあるようにも見えるゲントですが、ゲントの心の中での呼びかけに対して素直に反応するなど、柔軟な一面もある模様。中盤を迎える直前で、ゲントとブレーザーがこうしたやり取りをするのは今回が初めてですが、今後こうしたシーンも増えていくのでしょうか。田口監督等が「『ブレーザー』のテーマはコミュニケーション」と言っていますから、きっと何かしらの描写があるのでしょう。

 

多摩川河川敷に隕石が落下。それから出現したのは、異形のロボット怪獣:ガラモンでした。現着したSKaRDは、何かの波長により操られていることを突き止めますが、それが何かかまでは突き止められずじまい。アースガロンMod.2も応戦しますが、ガラモンの驚異の装甲の硬さの前に、ほとんど歯が立ちません。アースガロンの装甲も破壊され、ヤスノブが気を失う中、ゲントはブレーザーに変身。時同じくして、アンリは1つの気づきを得て、ゲントの許可を得てある場所へと向かっていました。中盤では、ガラモンの強さを前面に描写。見た目がかなり独特である一方、力強さはあまり感じられないデザインですが、そのぶん軽快さや強固な装甲で、その強さをアピールしていました。詳細は後述しますが、ガラモンがここまでの強さを発揮するとは思わなかったなぁ。操ってるセミ人間を倒せばすぐ機能停止するので、その弱点との釣り合いをとるために、ここまで設定をモリモリにしたんだろうけど…。このように中で、ガラモンを操る波長にを見て、ピンと来たのがアンリ。彼女は事前にゲントに許可を取り、一路目星をつけたところへ走り出します。ストーリー展開的にこの流れになるのはわかるのですが、波長だけでアンリが、「これはホウイチたちの奏でる音楽と同じだ!」と気づくのには、若干飛躍があるかなという印象。だって、序盤で彼女、「音楽は聞くのは好きだけど、知識は…」みたいなこと言ってますからね。

 

ブレーザーが苦戦する中、アンリが向かったのは、ホウイチらのコンサート会場。誰も観客がいない中で、一心不乱に演奏し続ける彼らに問いかけたアンリに、彼らは自らの正体を明かします。ホウイチたちが人間性と任務の間で板挟みになっていることを知ったアンリは、それでも地球を守るため、ホウイチに対し発砲。彼が負傷し音楽が止まったことで、ガラモンの動きも止まり、ブレーザーはレインボー光輪で逆転勝利を収めますが…。終盤では、ブレーザーの戦闘よりも、アンリとホウイチたちのやり取りに重きが置かれる形に。ホウイチの回想が中心で、アンリのセリフも少ないことから、言葉でのやり取りは控えめなのですが、そのぶん音楽の変化で、あらゆる細かな移り変わりを繊細に表現しているのが秀逸です。言葉では形容しがたいのですが、音楽の変化から、確実にホウイチたちの心が揺れ動いているのがよく分かるんですよね。お話が進むに連れて、仲間たちがアンリと戦うことから、奏者が少なくなっていくのですが、ちゃんとそれを前提とした曲作りになっているのも本当に素晴らしいです。そして最後は、ホウイチがセミ人間としての正体を現すも、アンリに撃たれて負傷したまま幕が降りて終了。その後セミ人間がどうなったのか、一切わかりません。ある意味尻切れトンボな終わり方なのですが、このぶん投げ方がかつての『Q』らしさを感じると同時に、逆に色々想像の余地を視聴者に与えてくれることで、いい余韻となっているのがGood。今回は、本当に不思議でオシャレな一編でした。こうしたお話を、継田さんじゃなくて植竹さんが描くとはなぁ―。

 

 

 

◎特撮面

多摩川河川敷を舞台とすることで、広い空き地でののびのびとした戦闘が描かれていた、今回の特撮パート。ミニチュア破壊はあまりありませんでしたが、そのぶんガラモンの強固さを表現するために、ガラモンが爆発に巻き込まれるさまが何回にもわたって挿入されており、火薬使用量はなかなか多めの特撮シーンともなりました。実際にスーツに着弾させてるから、撮影のときは大変だったろうなぁ。そして、終盤でのブレーザーのレインボー光輪も、美しかったですね。

 

多摩川河川敷に落下した隕石から、ガラモンが出現!撃滅のためにSKaRDが出撃しますが、その強固な装甲のために、アースガロンすら全く歯が立ちません。それでも、左肩の多目的レーザー砲を連射しますが、ガラモンは小さく動きも素早いため、なかなか当たらずじまい。最後はヒップアタックを受け、身体のあちこちにそのヒレが突き刺さり、アースガロンはダウンしてしまうのでした。戦闘シーン序盤から、ガラモンの異常なまでの強さが、これでもかというほど描写。小柄な怪獣なので、攻撃をすばしっこく回避する戦法は予想できましたが、その装甲どころかヒレまでが異常なほど硬く、それでアースガロンがダウンしてしまうさまには、正直カナヅチでぶん殴られたような衝撃を受けました。あのヒレ、柔らかいものだと思い込んでたからなぁ。突き刺さってコクピットすれすれまで迫ってくるそのさまは、緊張感MAXでしたね。

 

アースガロンもヤスノブもダウンしてしまったことから、ゲントはブレーザーに変身。しかし、ガラモンは小柄ですばしっこく、さらにその装甲はスパイラルバレードすらも跳ね返してしまい、ブレーザーも打つ手なしとなってしまいます。猛烈な体当たりや衝撃波攻撃を受けたブレーザーは、完全にガラモンにマウントを取られてしまい、防戦一方になってしまいます。ブレーザーとガラモンの戦闘は、意外にもほぼずっとガラモンの優勢で進行。ここまでブレーザーが追い詰められるとは正直予想外であり、考えようによってはニジカガチ以上に強い怪獣と言えるんじゃないかとも思えました。冒頭でも少し触れたとおり、今回のガラモンは大量の爆破に巻き込まれるほか、このようなアクロバティックな攻撃も披露しているので、スーツアクターさんはとても大変だったろうなぁ…。ちなみに、今回使用されたブレーザーのぐんぐんカットは、今までとは別パターンのもの。左拳がより強調され、往年のウルトラシリーズのぐんぐんカットにより近いものとなりました。今回の登場シーン(ガラモンにアッパーパンチを食らわせて登場)に合わせるために撮りおろされたとも捉えられるけど、これ次回以降も使うのかな?

 

ピンチに陥っていたブレーザーですが、アンリがホウイチに発砲し音楽を止めたことで、ガラモンの動きも完全に停止。このチャンスを見逃さなかったブレーザーは、レインボー光輪を両手に発現させて至近距離で放ち、ガラモンの身体をバラバラにして逆転勝利を収めるのでした。ガラモンの機能停止シーンでは、オリジナルにあった(ゲロらしきもの)を吐くシーンがちゃんと再現。このシーンが挿入されたときは「やっぱりやるよね」と感じました。そしてその後、前回に続き披露されたレインボー光輪。今回は、この前段階でガラモンにスパイラルバレードが通じないことが明確に描かれていたため、ブレーザーの技のチョイスとしても全く違和感のないものになっていたのがGoodでしたね。しっかし、ロボット怪獣相手とはいえ、「至近距離からダブルギロチン攻撃を食らわしてバラバラにする」って、なかなかエグい戦法だよね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山岳地帯に現れた、デマーガとその子:ベビーデマーガ。今、この怪獣親子に審判が下されようとしていた。容赦ない怪獣撃滅作戦を展開しようとするとする地球防衛隊。そのさまに、ゲントは、そしてブレーザーは、何を思うのか―?

 

次回は、今回同様過去作怪獣であるデマーガにプラスして、新規造形であるベビーデマーガの登場回。次回予告からも、なかなかハードな一編になるであろうことが予想されます。ゲバルガとチルソナイトソードの登場回前後編を控え、物語は中盤の盛り上がりへと加速していきますね。

 

命の選択が、迫る―。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

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