お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

Blu-rayでも「俺が行く。」『ウルトラマンブレーザー』Blu-ray BOX Ⅰ

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今回は、12月22日(金)に発売された、「『ウルトラマンブレーザーBlu-ray BOX Ⅰ」のレビューです。

 

すっかり定着した、「ニュージェネレーションヒーローズ」作品の、前半戦円盤の年末発売。今年もやはり現行作品の『ブレーザー』が円盤化され、発売日的にもちょっと早めのクリスマスプレゼントになりました。

 

ウルトラシリーズ」に限らず、Blu-ray BOXは高額であり、おいそれとホイホイ手が出るものではありませんが、『ブレーザー』に個人的にドハマりしているので購入。配信全盛となった現在でも、やはりお気に入りの作品は手元に置いて置きたいですもんね(配信だと、いつ配信停止になるかわかんないし)。

 

 

 

Blu-rayは3枚組構成になっており、1,2枚目が本編(第1〜13話)を収録し、3枚目が特別総集編1を含む特典映像を収録というオーソドックスなもの。特典映像の中で大きく時間が割かれていたのは、蕨野さん×田口監督×岩田さんの対談と、『ブレーザー』前半のメイキング映像でした。

 

蕨野さん×田口監督×岩田さんの対談は、『ブレーザー』という作品の魅力→ヒルマ ゲントのキャラクターとしての魅力→ブレーザーのキャラクターとしての魅力の順で展開。蕨野さんが音頭を取る形で、ボリュームたっぷりで進行していました。

 

まずブレーザー』という作品の魅力については、田口監督の並々ならぬこだわりと愛が炸裂。そのうえで、キャスティングされたキャスト陣が、ほぼ各キャラクターイメージと合致していたことが明かされていました。また、本作では「コミュニケーション」が大きなテーマの1つとされていますが、それはゲントとブレーザーのものはもちろん、視聴者と『ブレーザー』という作品のものも意識して作られているというのが、興味深い作劇をしているなと感じさせられました。

 

続いて、ヒルマ ゲントのキャラクター性について。ここでは、撮影前の打合せ(という名の実質的なオーディション)時点で既に蕨野さんに本決まりであったこと、また蕨野さん自身も「自分と似ている、オーディションに通った気がするのとは別の手ごたえを感じた」と語っており、ゲントと蕨野さんがまさしくベストマッチであったことが窺えました。さらに蕨野さんは、撮影開始後もゲントひいてはSKaRD各メンバーのキャラクターづくりについて田口監督と話し合いを重ねていると言い、彼の『ブレーザー』に賭ける思いの強さもひしひしと感じられましたね。「だんだん自分とゲントの境界がわからなくなってきた」って言ってたけど、それもう劇中のブレーザーとゲントの関係性とそっくりじゃん…!

 

最後に、ブレーザーのキャラクター性について。ここでは岩田さんがメインで話しており、スーツアクターとしてのキャラのつかみ方、そして演じ方が語られていました。岩田さんのキャラの捉え方が、かなり直感的なのは、一見すると感覚面に全振りに見えて、実は合理的なキャラ造形の仕方だなという印象。東映特撮とは違い、ウルトラマンは一部例外を除いて、基本的に戦闘中声を出して怪獣や宇宙人相手にしゃべるということがありませんから、その挙動でキャラを表現する必要があるんですよね。そしてその行動というものは、一挙手一投足すべてが合理的に、そして計算されて動かされているものではありませんから、それであれば直感的にキャラを捉えた方が、確かにフレキシブルに演技ができると言えるでしょう。岩田さんの考え方には、なるほど!と本当に膝を打ちました。

 

こうした座談会を経て、続いてはメイキング映像。第1~13話のものがピックアップされており、各話での撮影風景の振り返りという形ではなく、田口監督およびゲントをはじめとする各キャラクターたちにスポットを当てて、彼らの話に合わせて、撮影時の様子やオフショットを流すという構成がとられていました。「ニュージェネレーションヒーローズ」前半の頃と比べると、メイキング映像の作り方もだいぶ変わったんだなぁ。

 

メイキング映像の中で特に印象に残ったのは、OP映像や第1話、そして番宣スポットでも多用されている、夜の市街地でスパイラルバレードを投げるブレーザーの姿。一見すると、何も持たない状態で投擲シーンをまず撮影し、そこにCG合成を載せているように見えますが、実際は合成の際のガイドとなる光の棒を持っているバージョンともっていないバージョンを撮影し、それらを組み合わせたうえでスパイラルバレードを合成し、違和感のないシーンを作り上げているというカラクリでした。わずか10秒ちょっとのシーンですが、ここまで手間がかけられていたんですね~。

 

その他、ブックレットに目を向けると、こちらでも蕨野さんと田口監督へのインタビューが掲載されているほか、各話に担当監督の寄稿が掲載されており、撮影時の裏話やストーリーの作り上げ方が、割と詳述されていました。ウルトラシリーズ」は他作品とは違って監督の介入度が高い(各話のコンセプトの下地を作る段階からかかわってくる)というのは有名な話ですが、改めてその手法が継続されているのだなと感じると同時に、デマーガ回で観られた「まるでゲントとブレーザーの意思が一体化しつつあるように見える描写」の真意が語られていたのには、とても驚きました。

 

…と、特典映像やブックレットだけでも濃厚さ十分な本円盤ですが、非常に残念な点が1つ。既に各所で指摘がなされていますが、ブックレットにおいて第1~3話の解説部分が落丁しているのです。円谷プロ公式からなかなか案内が出ないのは、年末年始に入っちゃったことから、補償しようにも印刷業者等との調整が進まないこと等が原因だと思われるけど、年明けには何らかのお知らせを出してほしいなぁ。

 

 

 

ブレーザー』という作品の表裏双方の魅力を深く知ることのできる、永久保存版ともいえる「『ウルトラマンブレーザーBlu-ray BOX Ⅰ」。まだまだ『ブレーザー』の物語は終わりませんが、来年2月発売予定の「Ⅱ」が、早くも楽しみになってきました。

 

そうそう、これに収録されている上述の座談会では、なぜ主人公であるゲントを、隊員ではなく隊長としたかということにも触れられていたなぁ。ここでの田口監督の考え方は、全ての創作につながる、なかなか興味深い考え方かつ意識しなければならないことだなと思いましたね。

 

 

 

 

 

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