ハンパなさすぎるブレーザーのエビ反り
隊長、ふるさとって…いいものですね。今回の『ウルトラマンブレーザー』は、のちにアースガロンの強化パーツとなるレールガン:メガショットの初登場回にして、山怪獣ドルゴの登場回。そして『ブレーザー』初の、怪獣不殺回となりました。
ストーリーは非常に「ウルトラシリーズ」らしいフォーマットで作られており、全くの新規ストーリー&新規怪獣登場にも関わらず、どこか懐かしい雰囲気も感じられたのが面白いところ。こういったお話を、なんのしがらみもなく挿入できるのが、「ウルトラシリーズ」の大きな魅力の1つですよね。
なお、前回(第4話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
メガショットの実験と、その最中に蘇った怪獣ドルゴへの対処が主軸となっていた今回のお話。アンリのメイン回も兼ねていることから、彼女、そしてその友人であるゲストキャラクターのミズホの活躍も目立つ形となりました。複数の要素を同時に走らせてお話を進めていましたが、どの要素もキチンと料理し違和感なくまとめあげていたのがGood。本当に、ブレーザーの脚本作りは安定していますね。
アースガロンに搭載予定の新型レールガン:メガショット。その実験が、秋田県の市之字村にて行われますが、そこはアンリの故郷でもありました。そして、メガショットの実験が行われようとしたとき、反対の声を上げる地元住民が1人。その正体は、アンリの幼なじみであるミズホでした。序盤では、メガショットの実験前の様子が描写。ゲントたちの何気ない会話から、アンリの故郷がここであることと、この村の特産品、そしてテルアキの故郷もまた別地域の農家であることが判明します。こうした一見すると他愛も無いシーンで、各キャラの掘り下げが行われているのはGoodですね。いつか、テルアキの故郷の話も出てきたりするのかな?そんな彼らの和気藹々とした雰囲気をつんざくように、拡声器でメガショットの実験に異を唱えていたのが、アンリの幼なじみであるミズホ。彼女は、実家に残された絵巻物の伝説を持ち出し、ドルゴを目覚めさせないために実験を中止するよう求めますが、その声は無視されることになりました。ここでのアンリの判断が、私情よりも根拠に基づき任務を優先しているのが、軍人らしくて軸がブレておらずGoodだったなという感じ。一方でこのシーンでは、ドルゴが目覚めたときの恐ろしさを、もう少し描いてもよかったかなと思いました。伝説から推測する限り、この村の豊かな水そして土壌はドルゴによるものっぽいから、その辺りを攻めても面白かったのではないでしょうか。
ミズホの進言は科学的根拠が乏しいことから、メガショットの実験は予定通り敢行。最初こそ上手く行っていましたが、途中で伝説通りドルゴが目覚めてしまいます。ドルゴはアースガロンを行動不能に追い込むも、二度寝を始めて一時沈黙。再覚醒まであと1時間となる中、エミからの情報も受けたゲントは、アースガロンの修理を急がせるとともに、祠の御神体をドルゴに再度突き刺すという危険な任務に、アンリとともに挑むことを決定します。村の伝説通り、ドルゴが復活。アースガロンをビーム一撃で行動不能に追いやるほどの強さを見せますが、寝起き立てで完全に覚醒していなかったことから、すぐに眠りこけてしまいます。ドルゴの目覚めた理由が、メガショットの実験よりかは「実験前に祠を破壊して御神体を撤去したこと」にあるのが、実に「ウルトラシリーズ」らしいなという感じ。個人的には、『ティガ』の宿那鬼の話とかを想起しました。眠りこけるさまも、コメディチックでいいですよね。そんなドルゴは、眠ってしまっており、ゲントたちはこのスキにすぐさま作戦を立案。ゲントとアンリ、テルアキとヤスノブに別れて行動を開始し、着々と任務を遂行していきます。作戦立案のシーンでは、今回出番の少ないエミもウェブ会議越しに登場し、全員が強力して次々に案を出しているさまがGood。今までのお話でも感じましたが、『ブレーザー』って、こうした皆が集まって意見を出し合うさまのシーンの描き方が上手いですよね。
ゲントたちの祠のあった地点到達直前、またアースガロンの修理完了まであと一歩のところで、ドルゴが覚醒。その動きに巻き込まれたゲントは、崖下に転落するもブレーザーへ変身。ドルゴに挑みますが、メガショットの追尾機能に苦しめられます。そこへ、修理完了したアースガロンが加勢し、メガショットの追尾をかわしてカウンター攻撃を食らわせることに成功。ブレーザーもスパイラルバレードを駆使してメガショットを破壊し、またアンリが御神体を突き刺したことで、ドルゴは完全に沈黙。ブレーザーは空き地に押し出し、そこでドルゴは再び深い眠りにつくのでした。任務完遂まであと一歩のところで、怪獣が動きはじめるというアクシデントが起こるのも、「ウルトラシリーズ」あるある。予想はしてたけど、いざ実際に見せられると、「やはりこう来たか!」という感じでした。そんなドルゴに対し、ゲントもブレーザーに変身して応戦。ドルゴ自身というよりかは、メガショットの追尾機能に苦しめられた感はありますが、アースガロンのアシストもあり、メガショットを破壊。最後はアンリの手で御神体がもとに戻され、ドルゴは再び眠りにつきます。ラスト、御神体のもとから去ろうとした際、アンリが見た幻影。ちょっと唐突な感じもありましたが、こうした不思議な余韻を残してでの幕引きは、グッと来るものがありましたね。
◎特撮面
第4話までの市街地(郊外のもの含む)戦から打って変わって、自然豊かな山岳地帯が舞台のなった今回のお話。ビルのミニチュア破壊のような特撮描写はなかった(というかできない)一方、土を跳ね飛ばしたり木々を倒すさまを映したりと、こうしたシチュエーションだからこそできる描写が散見されていたのが面白かったですね。山のセットは市街地に比べると予算抑えられる…なんて話もあるけど、『ブレーザー』の場合、そんな山のセットでも妥協なき特撮描写を楽しむことができました。
予定通り進められる、メガショットの実験。その性能に驚くゲントたちの前に、伝説通りの怪獣ドルゴが現れます。メガショットを背中につけた恰好となったドルゴですが、自らのビームにより、一発でアースガロンを行動不能に追い込んでしまうのでした。序盤では、メガショットの性能が存分に描写。捕捉した敵を自動追尾するだけでなく、それから放たれた攻撃を的確に迎撃して無効化するさまは、視聴者にも絶大なインパクトを与えてくれました。実際の火薬爆破とCG合成を交えて作られているこのシーンは、本当に迫力満点。これだけの兵器ならば、確かに来るVSニジカガチ戦でも、きっと絶大な力を発揮してくれることでしょう。そんなメガショットを偶然背中にくっつけて、目覚めてしまったのがドルゴ。しかし、このシーンではメガショットを使わず、自身のビームでアースガロンを退けてしまいます。ビーム一発でノックアウトしてしまったアースガロン。でもまあ、あれだけビームを長く食らって、故障程度で済んでいるのですから、十分な防御力だと思いますよ。
ドルゴは水をガブ飲みしたあと、再度眠りにつき事態は一時沈静化。しかし、再覚醒まであと1時間であることも判明し、ゲントたちは可能な限りの手を打とうとします。全力で挑む彼らでしたが、あと一歩のところでドルゴが再覚醒。ここでブレーザーも登場しますが、メガショットの性能にかなりの苦戦を強いられます。個人的に、今回最もインパクトを受けたのが、水をガブ飲みするドルゴのシーン。水につけたらスーツが傷むというのに、それを大胆にバシャンと池のセットに突っ込ませているさまには、「よくやるなぁ」と感じさせられました。大胆な特撮描写をどんどん取り入れる傾向、いいぞいいぞ!そんなドルゴは、いったん眠ったのち再覚醒。ブレーザーがこれに応戦しますが、ブレーザーを何よりも苦しめたのは、メガショットの性能でした。序盤でも見せた、メガショットの自動追尾機能が、ここで裏目に出る形に。最初こそ攻撃を避けていたブレーザーですが、じょじょに逃げ切れなくなってしまいます。ここでは、ドルゴがそんなに戦う意思がないのに、メガショットが勝手に反応してしまっているのが興味深いところ、また、上空に飛ぼうとするも迎撃されるブレーザーを、あえていったん飛び立ったところを映さずに、そのさまを表現していたことも、面白いと感じました。
ピンチのブレーザーのもとに、修理を終えたアースガロンが現着。テルアキとヤスノブの操縦により、アクロバティックな攻撃を見せたそれは、メガショットの攻撃を撹乱してみせます。そのスキに、間髪入れずにブレーザーがスパイラルバレードを放ってメガショットを破壊。ドルゴは最後の攻撃の言わんばかりに突進してきますが、そのときアンリが御神体をもとに戻すことに成功し、ドルゴは再び眠りにつくのでした。終盤、ブレーザーの好アシストを見せたのがアースガロン。一回転してメガショットに反撃するさまは、合成バリバリでしたが、見た目のインパクトがあったのはもちろん、ある意味で「ブレーザーを超えた!」と思わせてくれたのが、非常に良い演出でしたね。そして、これに負けじと、ブレーザーもスパイラルバレードを繰り出して、メガショットを破壊。スパイラルバレードを1本ずつ指切りで放つのかと思いきや、いつも通り生成したそれを2つに叩き折って同時に放つという荒業を見せてくれました。いや、スパイラルバレードがかなり柔軟な必殺技であることはわかるけどさ…、そんなのありぃ!?
連続する怪獣災害!それに直面しているのは、SKaRDだけではない。市井の人たちも同じなのだ。一般人目線では、これら怪獣災害はどのように写っているのか?テレビ局の3人組を通して、今までのお話を振り返り、そしてその感覚を確かめてみよう!
次回は、『トリガー』以降恒例となった、本編とは別の特別総集編1。完全な外伝作品ですが、テレビ局側からの視点というその切り口が、非常に興味深いです。そう言えば、レポーターの名前が「レイコ」って、もしかして…。
カメラが捉えたものが、全てとは限らない―。
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