お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動新世紀ガンダムX』ちょっとした感想 X-10(第28~30話)

今回は、機動新世紀ガンダムX』の感想記事第10回目です。

 

今回ご紹介の3話で、エスタルドを舞台にしたお話は終了。それと同時に、ニュータイプ研究所に関わるお話が出てきて、ガロードとティファが未だにかつてない形で離れ離れになってしまうことになりました。ロアビィのガンダムレオパルドの強化機体:ガンダムレオパルドデストロイも登場し、物語はいよいよラストスパートへと向かっていきます。

 

なお、前回(第25~27話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第28話「撃つしかないのか!」

1996年10月12日放送

登場した敵他:ガブル、ガンダムヴァサーゴ、ガンダムアシュタロン、パイロ

「人前で泣くのは、今宵が最後です。たとえ新連邦の支配を受けても、あなた様(ウイリス)は、我ら民族の代表です。」

 

STORY:地球連邦軍への降伏が確定しているエスタルドは、グラントの主導のもと、フリーデンを安全に脱出させ、特定ポイントにてウイリスを回収させ、亡命を図る作戦を開始した。しかし、それらは完全に新地球連邦軍側に読まれており、フロスト兄弟の放った新たなる刺客:ミルラ・ドライドの操るガブルが迫る。同じ頃、依然ユリナのもとに身を寄せていたロアビィは、彼女の本当の素性を知り、突然反新連邦ゲリラ組織「民族独立戦線」の戦いに巻き込まれてしまう。その壮絶な戦いと生き様を目の当たりにしたロアビィは、フリーデンへの帰還を決意した。果たして彼は、ガブルに苦しむガロードたちを救うことができるのか?そして、実際の戦いを初めて目にした、ウイリスの大きな決断とは!?

 

ガンダムDXのデビュー後、割と長く続いたエスタルドでの戦いの完結編。戦闘シーンもそこそこ挿入されていましたが、それ以上に時間が長くとられ、そして濃密かつドラマチックに描写されていたのは、ウイリスをはじめとする、このお話でのガロードたち側のゲストキャラクターの心情でした。登場当初はなよなよしていたウイリスも、今回で本当の意味での“国家主席”に成長したと言えるでしょう。一方で、新地球連邦軍側のゲストキャラクターであるミルラは、ほとんど描かれずに退場。ここ数話で登場したゲスト敵キャラの中で、一番印象薄かったな…。

 

前回、リー将軍を失い、また既に降伏を決意していたエスタルド。ウイリスは、フリーデンはこの国とは無関係であることから、降伏前日までにガロードたちを安全に脱出させることと、彼らのための晩餐会を開くことを提案します。ウイリスに少しだけ釘を刺しつつも、彼の“命令”を受けたルクスは、それを準備。晩餐会は盛大に開かれますが、ガロードはイマイチ浮かない顔をしており、またジャミルは、グラントからある話を持ち掛けられていました。序盤では、いったんガロードたち&ウイリスたち側の様子が描写。リー将軍が戦死したことで、軍部の指揮系統はガタガタのはずですが、もともと国の方針として既に降伏が決定されていたからか、ほとんど大きな混乱は起きていませんでした。そんなに中、ウイリスの提案で、晩餐会が催されます。大きな決断ではためらいがちだったのに、晩餐会の開催については即決するウイリス。こういうところが、まだボンボンだなという感じが否めませんでしたが、それまでの回で、彼も彼なりに悩んでいることが描写されていたため、嫌悪感を覚えることはありませんでした。また、このシーンで注目したいのが、ルクスの、命令に対する考え方のセリフ。これが終盤でピリリと効いてくる形になっており、非常にGoodでしたね。

 

ウイリスのもとを離れ、エスタルド国境へと出発したフリーデン。そうしたことを知りつつも、ロアビィはまだ、ユリナのもとを離れようとしませんでした。ユリナに若干皮肉を言われてたところ、突然、彼女が所属する民族独立戦線のメンバーたちが乱入。ロアビィを勧誘しますが、それを受け入れる彼ではありませんでした。リーダーであるテッサ・テインは、口封じのためにロアビィを射殺しようとしますが、そこへ新地球連邦軍の一個小隊が襲撃。ロアビィと彼らは裏口から逃亡を図りますが、その際ユリナが、敵の銃弾に倒れます。やがて、追い詰められたテッサの取った行動は…。Aパート後半からBパート前半にかけては、ロアビィ側の様子が描写。ユリナが民族独立戦線のメンバーであることが明かされますが、直後新地球連邦軍の襲撃を受け、あっという間に壊滅状態に追い込まれます。一連の描写は、やや巻き気味であり、前回全然ユリナの正体に気づいていなかったロアビィが、もう薄々それを勘付き始めていたり、テッサたちがほぼ無策でユリナとコンタクトを取ってきた形になっていたりと、少々ツッコミどころもあり。ですが、ロアビィが戦いの悲惨さとテッサたちの壮絶な生き様を目の当たりにし、このあとの戦いで感情を爆発させることへの過程は、しっかりと描ききられていました。もう少し放送話数に余裕があれば、ユリナやテッサたちのことも深く描かれたんだろうなぁ。ちょっともったいない気がしますね。そんな、ユリナやテッサたちの死を乗り越え、ロアビィは、ユリナの遺言どおりフリーデンに戻ることを決意。テッサが捨て身で開いた逃走ルートから脱出し、バギーで走り出します。

 

フリーデンが谷間を航行しているうちに、特定ポイントに到達。ウイリスはグラントに促され、フリーデンに乗艦しますが、その心には迷いがありました。そんなとき、フロスト兄弟の放ったミルラが操縦するガブルが出現。その巨大な体躯を前にガンダムDXとガンダムエアマスターバースト、そしてジャミルの操縦するガンダムXディバイダーの一斉攻撃でも、まるで歯が立ちません。背後に勝手に進軍を開始したガスタール軍が迫る中、駆け付けたのは―!ここ最近の流れと同様に登場した、今回単発の敵であるミルラ、そしてその乗機ガブル。確かに厄介な相手ではありましたが、前2回に登場したデマーやドゥエートに比べると、インパクトの弱さは否めませんでした。ミルラも確かに振り切れたヤツですが、デマーたちに比べるとイカレ度は低く(デマーたちが極端過ぎるだけなのですが)、またガブルも、コルレルやブリトヴァとは違い防御面においてその力を発揮する機体だったので、なんだか「ただ硬いだけの機体」って印象しか持てませんでしたね。せっかくデカい身体持ってるんだから、パワー面でも威力を発揮してほしかったなぁ。とはいえ、ガブルの防御力はハンパなく、あらゆるビーム攻撃が通用せず、ガロードたちは大ピンチ。そこに駆けつけたのが、帰ってきたロアビィの駆るガンダムレオパルドであり、それが搭載している実弾ミサイルが、勝利への突破口を開きます。ここで登場、ガンダムレオパルド。ユリナたちの死を乗り越えたロアビィは、かなり感情が高ぶっており、普段の戦い方では絶対に見せないような、命知らずの接近戦を仕掛け、豪快に実弾ミサイルの雨あられをガブルへ食らわせます。ここでのロアビィは凄まじい荒々しさを見せており、ガンダムレオパルドはこんな戦い方もできるのかとビックリ。本当、もう少し弾が残っていれば、ガンダムレオパルド単独でガブルを倒せそうな勢いでしたね。

 

ガブルの排除に成功したガロードたちでしたが、ガスタール軍の進軍は止まらずじまい。ウィッツは排除のためにツインサテライトキャノンの使用を進言しますが、それを制止し、自ら降伏の意思を伝えると“命令”したのは、ウイリスでした。こうしてエスタルドへの次なる攻撃を阻止した彼は、城に戻ると、ルクスが夕食の用意をして待機。そこで、ルクスの最期の仕事を知ります。大泣きしたウイリスは、ルクスの遺志を継ぐことを約束し、翌日、エスタルド国家主席として、降伏調印式へ堂々と出席するのでした。ウイリスの身を案じ、なおも亡命を画策していたグラント。しかし、ここでウイリスはルクスのことを思い出し、そして国家主席としての使命に目覚めたことから、自らが降伏を宣言すると意思表示し、グラントに命令します。そんな彼を、ルクスは城で待ち続けていました。終盤では、ウイリスを中心としたエスタルド側のドラマが展開。ウイリスが国家主席として目覚めた時点で、心にジーンと来ますが、それ以上に印象に残るシーンとなったのは、ラストでの、ウイリスとルクスのやり取りでした。ウイリスは軍事裁判による死を覚悟していましたが、ルクスが既にあらゆる工作をしており、自分を身代わりとする代わりにウイリスの戦争責任を一切問わないよう調整済み。最期まで自分に尽くしてくれたことに涙するウイリスに、ルクスは、エスタルド国民と民族の存続を託します。最初こそ、少し怪しげな一面を見せていたルクスでしたが、結局彼に裏はなく、むしろエスタルド側で最もウイリスの身を案じ、そして忠を尽くしていたことが、ここでハッキリとわかる形に。このシーンは、本当に涙なしで観ることはできませんでしたね。ルクスは、『X』に登場したゲストキャラの中で、トップクラスの名キャラであると言えるでしょう。

 

 

 

第29話「私を見て」

1996年10月19日放送

登場した敵他:ラスヴェート、ビットラスヴェート、ガンダムヴァサーゴ、ガンダムアシュタロン、ジェニス改エニルカスタム、ドートレス

「ティファに…手を出すなぁっ!!」

 

STORY:エスタルドを離脱し、北へと向かうフリーデン。ジャミルたちの目指す先は、ニュータイプ研究所だったが、ティファのニュータイプとしての力が弱まっていることもあり、針路を決定することに困難を極めていた。そんな折、フロスト兄弟は、ガロードたちへの刺客として、ニュータイプ研究所より正式にニュータイプの素質ありと認められた兵士:アベル・バウアーを放った。彼の駆るラスヴェート、そしてニュータイプ能力で操られるビットラスヴェートの前に、ガロードたちは窮地に立たされる。ジャミルによる加勢や、ガロードの一か八かの反撃もむなしく、アベルに押されるフリーデン。逆転への突破口を開くカギは、ティファの行動にあった!

 

前回までのエスタルドのお話と、次回以降始まるニュータイプ研究所のお話の、つなぎ役となる単発回。しかしながら、エスタルド編ですっかり疎遠となっていた、ガロードとティファの仲が戻るほか、初めて純粋なニュータイプ(カリスは人工ニュータイプだったので)であるアベルが敵として立ちはだかる等、ストーリー上絶対に外せない一編になりました。アベルのキャラクター的にも、お話内で取り上げているトピック的にも、単発回で終わらせるには惜しすぎるものがあったけど…これも、放送短縮決定の余波だったのかなぁ?

 

前回、エスタルドを脱出したフリーデン。ジャミルは、かつてゾンダーエプタにてカトックより話を聞いた、ニュータイプ研究所を次なる目的地としていました。しかし、頼みの綱であるティファのニュータイプとしての能力が、イマイチ発揮されきれず、正確な針路が取れないまま日々が過ぎていくことに。その間、前回の戦闘で大破したガンダム各機の修理が進められていましたが、ガンダムレオパルドが最も時間を要していました。今回は、ティファの視点でお話がスタート。ガロードと戯れる夢を見たり、ドックに行ってみるもガロードガンダムDXの修理に夢中なのを目の当たりにして戻ってきたりと、彼女がガロードという存在をとにかく求めていることが描写されます。このあとのシーンでテクスも言及していましたが、『X』が始まった頃はガロードがティファにベタベタだったのに対し、今では逆にティファがガロードにベタベタと、関係の中の方向性が逆転しているのが興味深いところ。同時に、ガロードの成長スピードの速さを痛感させられました。最初の頃は成り行きでガンダムXに乗ってたのに、今じゃあ新地球連邦という大きな存在に対し、自分たちはどこへ進むべきか、どう身をふるべきか、しっかり考えているんだもんなぁ。そんな、ティファとガロードのすれ違いは、ティファのニュータイプ能力にも影響を与えており、本来であればすんなり特定できるはずのニュータイプ研究所の場所が、今回序盤では特定できずじまい。ニュータイプ心身の状況により、その能力にムラが出るというのは、過去の作品でもちょいちょい描かれてきたけど、『X』でもそれは同じなんですね。

 

ガロードたちへの刺客として、フロスト兄弟が次に選定したのは、アベル。彼はニュータイプ研究所において、現状唯一ニュータイプの素質ありと認められた兵士でした。彼にラスヴェートを与えたフロスト兄弟は、準備ができ次第彼とともに出撃。ガロードとウィッツは、これに応戦するためスクランブル出撃します。戦闘が始まり、機動性ではアベル側がやや優勢だったものの、戦局はおおむね拮抗。しかしその途中で、フロスト兄弟は戦線離脱し、アベルは頑として撤退しようとしません。その理由は…。今回登場のゲストキャラクターが、アベルニュータイプ研究所において、現状唯一その素質を認められた兵士であり、以前はセインズアイランドを壊滅に追いやった、エニルの仇敵とも言うべき存在ですが(エニル関係の描写はそれほど多くなかった)、意外にオッサンでした。オッサンのニュータイプというと、『ガンダム』のシャリア・ブルを思い出しますね。まあ、あっちは見た目オッサンなものの、実年齢は28歳だったけど…。そんなアベルは、フロスト兄弟に乗せられて、ラスヴェートで出撃。フロスト兄弟が撤退して以降も、己のニュータイプ能力の覚醒を信じ、一歩も退かずにガンダムDXらに食らいついてきます。ラスヴェートは、ややガンダム系の意匠を取り入れた、『W』のトールギスを鈍重にしたようなモビルスーツ。割と良デザインだなと思ったので、今回限りの敵とするには、もったいない気がするなぁ。

 

戦闘中に、アベルニュータイプとしての能力がじょじょに開花したことで、ビットラスヴェートが起動。ガロードたちの相手は、ラスヴェート1機から、ビットラスヴェートを含めた約7機へと増加し、一気に苦しい戦いを強いられます。ただでさえ機動性が高いうえに、全く無駄のない動きをするラスヴェート部隊の前に、ガロードたちは追い詰められ、はやるロアビィの代わりにジャミルガンダムXディバイダーで出撃するも、戦局は大きく変わらずじまい。ガロードが決死の攻撃をすること決意する一方で、ティファは、ガロードを救うため、自らフリーデンのデッキへと走り出します。Bパートより、ニュータイプ能力を部分的に覚醒させたアベルの猛攻が開始。ビットラスヴェートをも操って、ガンダムDXとガンダムエアマスターバーストを徹底的に追いつめ、ガロードたちは死の危機に瀕します。ビットモビルスーツの脅威は、かつてルチルの話でも言及&描写がなされていましたが、今回の場合より厄介なのが、ビットモビルスーツも本来のモビルスーツと同等の能力を持っている点。これにはさすがのガンダムDXやガンダムエアマスターバーストも、ほとんどは打つ手なしの状況でした。1機だけでもそこそこ厄介だった敵が、およそ7倍に増えるのだから、そりゃあ戦局は一気にガロード側に不利になるよねぇ。ジャミルガンダムXディバイダーで加勢するも、ハモニカ砲を破壊されたシーンでは、さすがに「この戦闘の決着は次回に持ち越しか!?」と、本気で心配してしまいました。

 

ガロードの反撃は大きな効果を上げられず、むしろ被弾し墜落する結果に。しかしそのとき、ティファがアベルの乗るラスヴェートを指さし、ガロードがそれに気づいて大型ビームソードを投げつけたことで、一気に形勢逆転を果たします。これにより、ビットラスヴェートは沈黙するも、アベルのラスヴェートはなおも抵抗を継続。これはガンダムDXの渾身の攻撃により抑え込まれ、アベルは撤退していきます。こうして、この戦いを通してガロードとの仲を取り戻したティファは、ニュータイプ能力も元に戻り、ニュータイプ研究所の位置を特定することに成功。一方、敗走することになったアベルは…。このままでは敗北必至なガロードたちに、一発逆転の機会を与えたのは、ティファの決死の行動。アベルの乗る機体を見抜いた彼女は、自らの危険を顧みずに、空爆を受けるフリーデンのデッキに登り、アベル機を指さします。それに気づいたガロードは、ガンダムDXの大型ビームソードを投げつけ、頭部を破壊し大ダメージを与えるのでした。ティファの勇気ある行動と、サブタイトルにもなっている「私を見て」というセリフが、物語のカギになっているこの構成はVery Good。考えてみると、ベタな構成でもあるのですが、ティファの頑張り、そして彼女とガロードの絆の回復を感じられる、アツいドラマになっていましたね。こうして逆転を果たしたガロードは、なおも食らいつくアベルのラスヴェートにさらなる攻撃を加え、撤退に追い込むことに成功。ティファは疲労のため倒れてしまうも、意識はハッキリしており、病床でガロードの手を強く握り、彼との絆を確かめます。今回のラストシーンでは、ガロードとティファの2人きりのシーンが描写。ナレーションによってティファのニュータイプ能力が回復したことが示唆される等、一部描写をわざとすっ飛ばすことで、視聴者に想像の余地と余韻を与えているのが、いい幕切れでした。一方、撤退したアベルはどうなったかというと、本当の目的はニュータイプの抹殺にあったフロスト兄弟の手で射殺。そのシーンを直接描写せず、また理由を問うアベルに、「それがわからないということが、ニュータイプとして完全に覚醒していないことの証明だ」という旨のセリフを吐き捨てるのが、なかなかイカしてるなと感じました。まあ、アベルにとっては、たまったもんじゃないけどね…。

 

 

 

第30話「もう逢えない気がして」

1996年10月26日放送

登場した敵他:ガンダムヴァサーゴ、ガンダムアシュタロン、バリエント

ニュータイプこそ、戦争という環境が生み出した、新しい人類なのよ」

 

STORY:フリーデンがガンダムレオパルドガンダムレオパルドデストロイへと強化改造し、ニュータイプ研究所へ向かっていた頃、フロスト兄弟は、自らの野望を実現するために、ついに大きな作戦に打って出た。それに引っかかってしまったニュータイプ研究所は、ジャミルを招き入れるが、直後フロスト兄弟と新地球連邦軍の攻撃に遭い壊滅してしまう。フリーデンもそれに巻き込まれ、全力で応戦するが、その最中、ニュータイプ研究所からジャミルを救った男:ニコラ・ファファスが、フリーデンからティファを誘拐してしまった!彼らが向かった先は、宇宙。彼らの正体は、新地球連邦軍が最も恐れる戦争の亡霊:宇宙革命軍だったのだ…!

 

物語も30話台に突入し、いよいよ今回はニュータイプ研究所を舞台としたお話に。1話完結とするにはもったいないくらいの情報量でしたが、ニュータイプ研究所の概要の判明とフロスト兄弟の暗躍、そして水面下で活動し続けていた宇宙革命軍がとうとう出てくるなど、ラストスパートに向けて大きな展開が連続していました。若干フロスト兄弟の作戦が上手く行き過ぎな感じはありましたが、今回だけでもお話を完結させるということを考えると、仕方のない面もあるでしょう。さて、ティファは宇宙革命軍に連れ去られちゃったけど、この先どうなっていくのかな…?

 

ティファの言葉をもとに、一路ニュータイプ研究所へと向かうフリーデン。船内では、ガンダムレオパルドが、キッドたちの強化改修によりガンダムレオパルドデストロイとなり、その戦力が増強されたことを喜んでいました。同じ頃、ティファはガロードをモデルに写生中。その日の昼間はいいムードが流れていましたが、夜になると突然涙を流し、ガロードのもとへ駆け込んできます。彼女の予感した不安。ガロードは単なる夢だと彼女を元気づけますが、当の本人はその不安を拭いきれていませんでした。Aパート後半以降は、フロスト兄弟側の描写や戦闘シーンが中心となるため、ガロードとティファのやり取りはこのAパート前半に挿入。「ティファのデッサンのモデルになっているガロード」という微笑ましい構図が見れた一方で、今後の展開を暗示させる不穏な描写(ティファの見た悪夢)もしっかり描写されていました。デッサンのシーンは、よく考えてみると、ガロード側もティファ側も、どちらもわだかまりや不安感を抱えていない、双方平和な状態での関わりあいが描かれた、珍しいシーンだったと言えるでしょう。今までは、どちらかが事件の渦中にいたり、何らかの悩みを抱えていたりという感じだったからなぁ。そして、それと同時並行で描かれたのが、ガンダムレオパルドデストロイのデビュー。キッドの手によりハデにチューンナップされたそれを見て、ウィッツが違和感を覚える一方、ロアビィはかなり満足げでした。ガンダムレオパルドデストロイは、カラーリングが目に映えるレッドとなり、さらに実弾系武装が増設された、ガンダムレオパルドからより攻撃的なスタイルへと強化改造されたもの。なんだかロアビィの性格とスタンスにマッチしないような気もしたけど、ユリナの一件があってから、彼はかなりアグレッシブな感じになったし、そういう意味では、ガンダムレオパルドデストロイは、彼の変化に合わせた正当進化形態と言える…のかな。

 

フロスト兄弟は、ニュータイプ研究所を訪れ、シャギアはカロン所長と、オルバは現地の軍関係者と面会。正反対の情報を伝え、軍のニュータイプ研究所に対する攻撃の口実を作り出します。そんなフロスト兄弟の思惑を全く知らないカロン所長は、やってきたジャミルを、シャギアから聞いた作戦どおりに研究所に招き入れ、直接面談。ニュータイプのことについて議論しますが、お互いの考え方は、全く一致せず、カロン所長はジャミルを拘束してしまうのでした。Aパート後半より、今回の舞台となるニュータイプ研究所が登場。そこの責任者であるカロン所長は、フロスト兄弟を迎え入れつつ、フリーデンのジャミルニュータイプ研究所に招き入れる作戦に、ホイホイ乗ってしまいます。このシーンは、どちらかと言えばフロスト兄弟側の視点描かれているため、パッと見カロン所長はデリカシーのない女性という印象(フロスト兄弟が気にしている、自分たちがカテゴリーFであることを、平気で口走っている)。しかし、その後の彼女の対応や心情描写を観る限り、確かにフロスト兄弟はニュータイプではないという判断を下していたものの、その人間性まで嫌う(「ニュータイプじゃないなら用はない」という対応はしていない)ことはなかったようです。フロスト兄弟にとっては、確かに自分たちに半端者の烙印を押した相手だったのかもしれないけど、よくよく話し合って分かり合おうとすれば、今回の後半のような展開は避けられたんじゃないかなぁ?とはいえ、カロン所長は聖人というわけではなく、ニュータイプ=ビットモビルスーツを操れる存在という認識であることから、ニュータイプは戦争の中から生まれるという考え方の持ち主。ジャミルとは当然考えが合わず、結果ジャミルは拘束されるハメに陥ります。ジャミルカロン所長の考え方に憤慨するのはわかるけど、いきなり「場合によっては強硬策も辞さない」という態度を見せるのは、早すぎたよね。特に護衛もつけずに、単身ニュータイプ研究所に乗り込んでるんだからさ…。

 

オルバからよ情報をもとに、新地球連邦軍はフリーデンへ攻撃を開始。これにはガロードたちが出撃し、徹底的に応戦。一度は軍勢を押し返しますが、倒しても倒してもキリがないその状況に、だんだんと戦局は拮抗していきます。一方、ニュータイプ研究所は、この戦闘のどさくさ紛れてフロスト兄弟の攻撃により壊滅。カロン所長も死亡し、ジャミルも窮地に立たされますが、ニコラという研究員に救われ、無事フリーデンに帰還します。しかし、このニコラには、フリーデンに行かなければならない別の目的がありました。Bパートより、戦闘描写が開始。フロスト兄弟はこの作戦で本気でフリーデンもろともニュータイプ研究所を破壊してしまうつもりであったことから、投入兵力の数はハンパなく、あまりの敵の多さの前に、さすがのガンダムDXたちも緩やかに追い詰められてしまうほどでした。今回のガンダムレオパルドデストロイの登場により、パイロットたちのガンダムがほぼ全ての強化改造ガンダムDXは乗り換えだけど)され、火力も大幅アップしたフリーデン。しかし、キリ無く出てくる敵の前に消耗戦を強いられるハメになります。ガンダムレオパルドデストロイも、最初こそ快調にガトリング砲をぶっ放しまくってましたが、残弾数の関係もあり、じょじょにテンポが落ちていくことに。デビュー戦としては、ちょっとかわいそうな活躍だったかな。このように、ガロードたちが防戦一方だった頃、ニュータイプ研究所はフロスト兄弟の攻撃により壊滅。ジャミルもあわや脱出不可能な状況に追い込まれますが、ニコラという男に救われます。ニュータイプ研究所を破壊するという、当初の目的を達成したフロスト兄弟。確かにこれで、恨みを果たせたかもしれないけど…なんかこう、やるせなさがあったよなぁ。

 

目の前の敵に対処しなければならないことから、ジャミルはすぐにガンダムXディバイダーで出撃。そのスキに、ニコラはティファの部屋へと向かって彼女を誘拐。ジャミルを連れてきたヘリで逃亡してしまいます。サラの通信を受け、それを追うガロードでしたが、ヘリはいったん基地に着陸したかと思うと、今度は宇宙へ向かってロケットが発進。いくらガンダムDXとはいえ、追跡には限界があり、ガロードはそのロケットを見送ることしかできませんでした。今回の一番のツッコミポイントは、この終盤の展開。フリーデンのクルーたちは、ジャミルのケアに夢中で誰一人ニコラの存在に気づいておらず、ほぼノーマークでティファを誘拐されてしまいます。久しぶり出てしまった、フリーデンのガバガバ警備体制。確かに、攻撃を受けてる最中のこの対処だから、そこまで気が回らなかったというのはわからなくもないけど、せめて誰か1人くらい、「そういや、このヘリ誰が操縦して来たんだ?」って疑問を持ってほしかったよなぁ。こんな形で、ティファの誘拐にまんまと成功したニコラの正体は、かつての戦争で消えたはずの宇宙革命軍。ティファの誘拐にいち早く気づいたガロードは、ガンダムDXで全速力で追跡するも、彼らの宇宙への逃亡を許してしまうのでした。未だかつてない形で、その仲を引き裂かれた、ガロードとティファ。そして、いよいよ舞台が宇宙へと移ることを予感させてくれます。さあ、この逆境を、ガロード、そしてジャミルたちは、どう乗り越えていくのでしょうか!?

 

ガロード「返せよ…ティファを返してくれ!約束したんだ。ずっと一緒にいるって、約束したんだ!それにまだ…話したいこともたくさんあるんだ!」

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第31話から第33話をご紹介予定です。『機動新世紀ガンダムX』。宇宙に出たガロードを待っていたのは、新たなる出会いであった。かつての戦争を戦い抜いたその男は、ガンダムにとってもガロードにとっても、会うべくして会う者だった。だが、ガロードを待っていたのは、その男だけではなかった―!

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ガンダムX』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

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