お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動新世紀ガンダムX』ちょっとした感想 X-9(第25~27話)

今回は、機動新世紀ガンダムX』の感想記事第9回目です。

 

ガンダムDXがデビューしたことで、物語は対新地球連邦軍との戦いへとシフト。その一発目として舞台になったのは、南アジアの小国:エスタルドでした。今回ご紹介の3話では、このエスタルドでお話が進行。ガンダムDXの活躍のほか、ガンダムエアマスターの強化形態であるガンダムエアマスターバーストの登場等もありましたが、元々エスタルドがそこそこ劣勢であるため、楽な戦いは1つもありませんでした。エスタルドが新地球連邦軍に勝てる気配がほとんど感じられないんだけど…はてさて、どうなるのでしょうか。

 

なお、前回(第22~24話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第25話「君達は希望の星だ」

1996年9月20日放送

登場した敵他:ドートレス、バリエント、ガディール、パイロン、

「兵隊は所詮、国を守る駒。そう考えねば、国を束ねることなどできません。」

 

STORY:ガンダムDXを奪取したフリーデンが、次に訪れたのは、南アジアの小国:エスタルド。補給のために立ち寄ったそこは、今まさに、新地球連邦との抵抗戦の真っただ中だった。現地軍のトップ:リー・ジャクソン将軍や、空襲による惨状を見たガロードの強い進言により、その戦争に介入することになったフリーデンは、空襲の拠点となっている第11空挺部隊の基地破壊作戦に乗り出す。しかし、寝られたはずの作戦は、新地球連邦軍側に筒抜けであった。フロスト兄弟や新型モビルアーマー:ガディールの猛攻の前に、ガロードたちは反撃できるのか!?

 

今回より、前回樹立した新地球連邦に対し猛烈な抵抗を見せる、小国エスタルドでのお話がスタート。一見すると、前回からのお話とあまり関係が無いようにも見えますが、ガロードがカトックの言葉を思い出しながら戦う等、きちんと前回までの展開を踏まえたうえでのドラマが挿入されていたのが、とても興味深いものでした。今回は、最終的には作戦の目的を完遂したものの、その被害はかなり甚大なものに。いくらガンダムDXの力が強いからって、エスタルド、新地球連邦に勝てるのか…?

 

太平洋を脱し、南アジアを航行していたフリーデンは、突然地雷原に遭遇。前進のため撤去に乗り出しますが、それは地元の小国エスタルドが、対新地球連邦軍用に設置したものでした。フリーデンのことをいち早く察知したリー将軍は、敵の敵は味方理論で、すぐさまコンタクトを取り、ジャミルたちに自分たちに協力するよう依頼。ジャミルは即答できず、回答を保留にしますが、直後起きた空襲を目の当たりにし、ガロードはこの戦争への協力を強く進言します。前回、「先に樹立を宣言すれば、反対派の意欲を削げるだろう」と考えていた新地球連邦軍。しかし、実際はそうでもなく、アジア地域ではまだ戦禍が絶えず、小国たちは新地球連邦に迎合しまいと必死に抵抗していました。今回は、抵抗を続けるアジア地域、中でもその中核として機能しているエスタルドでのシーンからスタート。ここ最近は、ガロードたちが事件にの中心になる(自分たちの意思で事件に介入していく)ことが続いていましたが、今回は完全なる巻き込まれ方で、事件に介入していくことになります。そんな彼らは、エスタルド付近を通過した際地雷原に阻まれ立ち往生。ガンダム全機を投入してその撤去に当たりますが、そこへその地雷原を仕掛けたエスタルドリー将軍たちが登場。新地球連邦軍への抵抗への協力要請に悩むジャミルたちでしたが、その直後、新地球連邦軍からの空襲を受けます。リー将軍は、愛国心に満ち溢れたガチガチの軍人。それに対し、国家元首である若き王:ウイリス・アラミスはどこか及び腰で、側近ルクス・ハノマアクのほぼ言いなりでした。今回の登場人物の中で、一番胡散臭そうなのがルクス。この手のパターンだと、彼は敵(新地球連邦軍リー将軍への反対派)と通じていそうな感じがしないでもないですが、ウイリスへの接し方や進言を見ていると、どれも的確で一理ある発言が多いんですよね。もしかして、胡散臭いと見せかけて、実はただの有能な側近なのか?

 

翌日、正式にエスタルド軍に協力することになったガロードたちは、その作戦会議に出席。そこで、昨日の空襲などを行った、新地球連邦軍第11空挺部隊の拠点を叩く作戦を担当することになります。そして、いよいよ作戦決行の時。ティファにあいさつして出撃したガロードたちは、当初作戦通りにことを運びますが、新地球連邦軍からの予期せぬ攻撃を受けて…。エスタルドへの協力に、最も強く賛成したのがガロード。彼はこの直前、新地球連邦軍の空襲を目の当たりにしており、その惨状から怒りを覚えていたからでした。『X』は戦後の物語であることから、今まで戦争描写はほとんど無い形でしたが、今回リアルなその描写が挿入。確かに、ガロードが怒りに震えるのもよくわかります。そんな、ガロードの発言をキッカケに、エスタルドへ協力することにしたフリーデン。作戦野説明を受け、新地球連邦軍への攻撃を開始します。しかし、その作戦は、先方に読まれていました。エスタルドの作戦は、敵の前線に大規模攻撃をかけて陽動し、そのスキにガラ空きとなった第11空挺部隊の本拠地を叩くというもの。シンプルながら効果的な作戦でしたが、作戦が読まれてしまったほか、新地球連邦軍側の圧倒的な物量の前に、じょじょに劣勢に追い込まれてしまいます。今回、エスタルド側のモビルスーツとして、パイロンが初登場。かつてのジェニスをさらに軽量化したような機体であり、小回りと融通が利きそうな機体ですが、装備している火力等がそこまで強くないこともあり、ドートレス部隊の前に次々と散っていきます。パイロン、運用の仕方によっては、かなりのポテンシャルを持つ機体だと思うんだけどなぁ。今回の活躍はちょっと残念でしたね。そりゃ、ヤケを起こして半ば特攻したって、勝てるものも勝てないよ…。

 

エスタルド軍側の作戦は読まれており、フリーデンのいる陽動作戦部隊は、新地球連邦軍のドートレス・バリエント・ガディールの前後上空の三方向から挟み撃ちにされて大ピンチ。エスタルド軍の主力モビルスーツであるパイロンは、その大多数が破壊され、甚大な被害を受けます。ウィッツのガンダムエアマスターや、ロアビィのガンダムレオパルドも、ただではすまず、機体を大きく損傷。それでも現地で粘り切り、前者はガディールを全滅させ、後者は地上部隊を押し返すという戦果を挙げます。パイロンが次々と撃破されるせいで、物量面でもさらに苦しくなっていくフリーデン&エスタルド軍。それでも、ガンダムエアマスターガンダムレオパルドは、それぞれのポジションで踏ん張り続け、最後まで戦い抜きます。ここでの2機の活躍は、目を瞠るものがあり、ガンダムレオパルドは被弾しまくっても弁慶のごとくその場で動かずに攻撃の手を緩めず、ガンダムエアマスターは両翼が大破してもなおガディールに食らいつき、弾切れを起こしたら直接そのガディールにへばりつき、殴りつけて破壊し勝利するという戦果をあげます。この戦闘シーンは、ウィッツもロアビィもよく頑張ったなという印象。しかし、これで両機とも、しばらく運用出来なくなってしまいました。前々回で海中に沈められたのにすぐ復活しているのを考えると、修理されてまた戦線復帰ということも考えられますが、そろそろ強化された別機体がロールアウトしてくる可能性もあるよなぁ。

 

フリーデン等とは別行動をとり、第11空挺部隊の基地に接近していたガロードは、フロスト兄弟の攻撃に遭遇。護衛についていたパイロン部隊は、あっという間に全滅し、ガロードガンダムDX1機でフロスト兄弟に挑むことになります。1VS2で不利な戦いになるかと思われましたが、ガンダムDXのパワーおよび防御力は、ガンダムXディバイダーのそれを大きく上回っており、ガンダムアシュタロンの両腕を引きちぎり、ガンダムヴァサーゴを正面から蹴り飛ばして、各々をひるませることに成功。その間にツインサテライトキャノンをチャージして、第11空挺部隊の基地を破壊し、今回の作戦を成功に導くのでした。終盤では、ガンダムDXの強さが存分に披露。最初こそ、フロスト兄弟の不意討ちを受け、ガンダムヴァサーゴとガンダムアシュタロンの攻撃にやられっぱなしでしたが、ガンダムアシュタロンの両腕を引きちぎってから、怒涛の反撃を開始。今まであれだけ苦戦していたガンダムヴァサーゴを、片足蹴りだけで退け、動けなくなっているスキにツインサテライトキャノンを起動し、第11空挺部隊の本拠地を消滅させます。一連のシーンでの、ガンダムDXの戦い方は見事。見た目は火力重視で鈍重そうに見えますが、意外にかなりの小回りが効くんですね。ツインサテライトキャノンのチャージタイムも速いし、これは「ガンダムシリーズ」の中でもトップクラスに強い機体と言えるんじゃないか?

 

 

 

第26話「何も喋るな」

1996年9月27日放送

登場した敵他:コルレル、ガンダムヴァサーゴ、ガンダムアシュタロン、ドートレス、バリエント、ガディール

「自由を勝ち取るために戦い抜くことは、悪いことじゃねぇ。違うか?」

 

STORY:第11空挺部隊の基地を壊滅に追い込んだことで、リー将軍は、フリーデンにさらなる協力を求めてきた。街や人々を守るため、自ら進んで戦おうとするウィッツは、全面協力を得てガンダムエアマスターガンダムエアマスターバーストに改修してしまったのに対し、ロアビィは懐疑的な態度を示して、会議の場から出て行ってしまった。そんなとき、エスタルドの同盟国であるノーザンベルが、新地球連邦軍の攻撃を受けているという情報が入り、ガロードとウィッツが加勢に向かう。そこで繰り広げられていたのは、想像を絶する激しい戦いだった!初めて現れるモビルスーツ:コルレルに対し、ガロードガンダムDXは勝てるのか?

 

エスタルドを舞台にしたお話2回目となる今回は、ガンダムエアマスターの強化改造機であるガンダムエアマスターバーストがデビューを果たし、単発の敵モビルスーツにするには惜しい新型機:コルレルがガンダムDXの前に立ちはだかるお話に。戦闘描写中心となるお話でしたが、その分前半部にドラマを集中させてそこで人間模様をしっかりと描くほか、戦闘自体も「個々の戦闘ではガロードたちは勝ったが、戦局的には敗北した」という、『銀河烈風バクシンガー』の後半のような形がとられており、見栄えする戦闘シーンがありながらしっかりとシメるところはシメているなという印象でした。やっぱりこのぶんだと、エスタルドが新地球連邦軍に勝利するのは、難しそうかなぁ。

 

前回の戦績が評価され、国賓級の待遇を受けることになったジャミルたち。サラ等非戦闘要員が食事を楽しんでいた頃、ガロードたち戦闘要員は、エスタルド首脳陣との次の作戦会議に臨んでいました。しかし、抗戦派のリー将軍と和平派のグラント間で話し合いがまとまらないほか、ウイリスもなかなか決断することができず、会議は膠着状態。あらゆることに辟易したロアビィは、その場から立ち去ってしまいます。前回の戦闘は、エスタルドにとっては予想を上回る戦果であったため、リー将軍ら軍部側は、やや強く出気味。そのストッパー役となりうるグラント側も、それを抑え込むために大声をあげて発言することから、会議はだんだんと紛糾していきます。国の行く末がかかっているので、各々の考えがぶつかり合い、議論が白熱するのは当然のことですが、単なる言い合いになって議論が何の進展もしていないのがバッドポイント。ロアビィが辟易して出て行っちゃうのも、よくわかります。グラントは、リー将軍に反対してロアビィがそうした行動をとったと思っていたようだけど、こうした考えに至る時点で、グラントはロアビィのことをわかっていないんですよね。ロアビィは、いろんな意味で、面倒ごとはごめんだというタイプの人間なんだから…。

 

会議は打ち切りとなり、戦いが収まっているこの間に、各所で思い思いの行動をとるガロードたち。ウィッツは、リー将軍らの協力を得て、ガンダムエアマスターガンダムエアマスターバーストに改造して大喜びしていた一方、ロアビィはグラントからの話も断り、行方をくらましていました。そしてガロードは、偶然ウイリスと1対1で話す機会を持つことになり…。後半に戦闘描写が続くため、Aパート後半では、ガロードたちをはじめとするキャラたちの人間模様が挿入。ウィッツがガンダムエアマスターバーストへの強化改造を実現して大喜びしていた頃、ガロードはウイリスと話し、彼の人間性への理解を深めていました。ここで、ガンダムエアマスターバーストが登場。エアマスターがデザインアクセントとして赤を入れていたのに対し、アクセントとして青を入れたデザインに変更となっており、見た目もカラーリングもガラリと変わっていました。この後の戦闘で、その強さが存分に発揮されるのはいいんだけど、よくエスタルドにこれだけの資材が残ってたよなぁ。これと同時に描写されるのが、ウイリスの人間性の部分。前回の描写だけであると、血筋だけで国家主席になってしまった若い2代目という感じでしたが、今回のこの描写を通して、彼は自身の弱さと取り巻く環境を自覚していること、そして彼なりにこのエスタルドを守りたいと考えていることがハッキリと分かります。彼がただのボンボン出ないことが分かったこのシーン。おそらく今後、ここぞというところで覚醒してくれることでしょう。

 

地球連邦軍が、エスタルドの同盟国であるノーザンベルへの奇襲作戦を開始。大量のドートレス部隊やバリエント部隊、そしてガディールの前に、ノーザンベル軍は全く歯が立たず、協力依頼を受けたエスタルド軍は出撃します。フリーデンからは、ガンダムDXとガンダムエアマスターバーストが出撃。デビュー戦ということもあり、快調に敵を撃破していくガンダムエアマスターバーストに対し、ガンダムDXは、シャギア/ガンダムヴァサーゴのワナに引っ掛かり、単独で広場へとおびき出されてしまいます。そこで待っていたのは、今まで見たこともないようなモビルスーツ:コルレルでした。三国同盟を結んでいるエスタルドガスタール・ノーザンベルのうち、新地球連邦軍が攻撃の対象に選んだのは、ノーザンベル。その理由は、もともとエスタルドガスタールは民族間対立を抱えており、ノーザンベルはそれを取り持つ役割をしていたからでした。この作戦はフロスト兄弟が中心になって立案されたものですが、なるほどこれは確かに効果的。いくらフリーデンがついているとはいえ、エスタルドガスタールの軍事力は知れていますから、完全に「やられた!」って感じでしたね。そんなノーザンベルのピンチを聞きつけたエスタルド軍と混じって、ガロードたちも出撃。ガンダムエアマスターバーストで敵を撃破していくウィッツに対し、ガロードガンダムDXはガンダムヴァサーゴに誘い込まれ、デマー・グライフの操縦するコルレルと対峙するハメとなります。コルレルは、「ガンダムシリーズ」の中でもトップクラスに異質なデザインをしたモビルスーツであり、徹底的な軽量化のため、エヴァのような細身に武装はビームナイフのみというという貧弱な見た目が特徴。しかし、その異常なまでの機動性と、デマーの異常性が、ガンダムDXを追い詰めていきます。やたらと“白色”にこだわり、ガンダムDXを斬りつけまくるデマー/コルレル。デマーは、観ていて気持ちのいいキャラではありませんが、今回だけで退場するにはちと惜しいキャラでもあると感じましたね。そういや、結局なんで白色にこだわるのか、詳細な理由はわからずじまいだったな…。

 

コルレルの高機動性と、デマーの異常性の前に、追い詰められる一方のガロードガンダムDX。しかしガロードは、キチンとコルレルの攻撃傾向を見極めており、反撃の機会をうかがっていました。そして、一瞬のスキが生まれたところに集中攻撃を受け、ついにコルレルを撃破。これによりフロスト兄弟をも撤退に追い込むことに成功しますが、そのほかの戦闘地域でノーザンベル軍はほぼ玉砕状態に陥っており、ガロードたち側は、今回の戦局については敗北という形で、戦闘を終えることになるのでした。異常なまでのスピードと、それによる四方八方からの攻撃を繰り出すコルレル。それに比べれば鈍重なガンダムDXの勝利は困難かと思われましたが、ガロードはコルレルの攻撃パターンをずっと観察し続けており、反撃のチャンスを狙っていました。ここでのガロードは、戦闘面での目覚ましい成長が感じられるなぁという印象。コルレルにメタメタにやられており、普通であればパニックになりそうなものですが、コクピットの彼は冷静さを保っていたのですからね。さすがに、大型ビームガンの上に乗られたときはギョッとしてたけど、そこからの大型ビームガンを犠牲にした爆発でひるませる→各所装備のガトリングガンの一斉掃射でハチの巣にして撃破という戦い方は、華麗だったなぁ。ガロードもかなり、戦術を考えて戦えるようになってきましたね。しかし、そうしたガロードの勝利もむなしく、戦局的にはエスタルド側の敗北で戦闘は終結。ウィッツは、ただただ悔しさをかみしめることしかできませんでした。ノーザンベルが陥落し、同盟国の1つを失ったエスタルド。こりゃあ、雲行きがかなり怪しくなってきたぞ―。

 

 

 

第27話「おさらばで御座います」

1996年10月5日放送

登場した敵他:ブリトヴァ、ドートレス、バリエント

「破滅の道を選ぶより、誇りを捨ててでも、生きる道を選ぶべきです!」


STORY:ノーザンベルの陥落は、新地球連邦軍の目論見通り、エスタルドに混乱を引き起こした。国民間で不安感情が高まる中、ついに残りの同盟国であったガスタールまでもが降伏し、エスタルドは孤立することになってしまう。グラントやルクスの進言により、エスタルドは国として降伏する方向へと舵を切ったが、それをよしとしないリー将軍は、祖国に迷惑をかけない形で、最後の攻撃に打って出た!その無謀な作戦を知り、止めるため追うガロードたち。その前に立ちはだかったのは、新たなモビルスーツ:ブリトヴァであった…。

 

エスタルドと新地球連邦軍の戦争が、大きく動く一編。フリーデンがこの事件に介入するキッカケを作ったリー将軍が壮絶な戦死を遂げた他、エスタルドは世界情勢的にどんどん窮地に追いやられることとなり、ガロードたちは、苦しい戦いを強いられることになりました。状況が悲惨な割に、描写が割と淡白or抑えめな印象を受けますが、これはおそらく意図的なものなのでしょう。逆に、描写が抑えめであるからこそ、描かれていない間に何が起こっていたのか、観る者に想像させてくれますからね…。

 

前回、フリーデンを飛び出し、そのまま帰ってこなかったロアビィ。彼は、酒場で出会った女性:ユリナ・サノハラのもとに身を寄せていました。彼女の前では本音を言い、リラックスした様子を見せるロアビィでしたが、そのユリナもまた、ロアビィが毛嫌いしそうな秘密を抱えていることに、全く気付いていませんでした。同じ頃、ジャミルガロード・ウィッツの様子を思い出して、サラ等非戦闘要員たちは、この戦争を機にすっかり彼らは様変わりしてしまったと嘆きます。今回は、ロアビィの視点から物語がスタート。OPを含む冒頭5分ほどは、ガロード等メインキャラクターが一切登場しないという、ちょっと変わった構成がとられています。ここでは、ユリナとの会話を通して、ロアビィの本音が語られる形に。彼の思いがよく理解できましたが、ここで注目したいのは、確かに戦争に辟易してはいるけど、「フリーデンをこのまま抜け出したい」という考えには至っていない点です。以前はすぐに抜けたがってたのにねぇ。ジャミル達との契約の都合もあるとはいえ、彼自身も、かなりフリーデンに親しみを感じていることの表れでしょう。それと時同じくして、戦いの合間の落ち着いた時間で、思い思いの行動をとっていたガロードたち。ガロードやウィッツは、戦いの疲れからすっかり眠りこけていましたが、そんな彼らやジャミルの様子を見て、ティファたちはどこか寂しさを覚えます。ここでの彼女らの抱く感情は理解できるのですが、ティファの「ガロードが遠くに離れていくような感じがする」というのは、若干論理の飛躍があるかなという印象。今回の終盤で、確かにガロードは目覚ましい戦闘テクニックを見せており、ティファのことをあまり気にかけなくなっているので、わからなくはないのですが…。なんというか、この時点でティファにここまで言わせるのは、ニュータイプとはいえちょっとオーバーすぎるかなと思えました。

 

エスタルドと同盟を結んでいたガスタールが、突然新地球連邦に降伏。これにより、エスタルドは地域的に孤立することになったほか、一時的に収まっていた民族紛争の火種が燃え上がり、事態は最悪の方向へと進み始めます。幸福を求めるグラントそして議会と、徹底抗戦を唱えるリー将軍らを前にして、ウイリスは結局決断できずじまい。そんな彼に代わってルクスが出した結論は、新地球連邦への降伏でした。この決定に当然承服できないリー将軍は、独断で行動し始めます。Aパート後半から、事態は一気に進展。ガスタールの降伏と、それによるエスタルド側の戦局悪化が顕著となり、ウイリスを交えた会議は紛糾。ルクスからも、国家主席としての決断を求められますが、結局ウイリスは自身で何も決めることができませんでした。ガスタール関連の出来事は、ナレーションを挿入してコンパクトに描写。やや巻き気味であったのは、放送短縮の影響でしょうか。当初の予定通り1年間の放送だったら、このあたりももっと丁寧に描写されていたのかなぁ。こうした、エスタルドにとって国家存亡の危機という状況下で、意見が全くまとまらない議会側と軍部側。ウイリスは、ここで決断すべきところでしたがそれができず、ルクスの意向に従うこととなります。前回のガロードとのやり取りも踏まえているので、ここではバシッと決めてほしかったところ。とはいえ、いきなり国家存亡の危機に直面して「さあ決断してください」と言われちゃ、誰だって足がすくんじゃうよねぇ。ましてや、国家主席になりたての20歳が、そんなこといきなり決断するなんて、ムチャだよ…。そんなウイリスの代わりに、方針を決定したのが、ルクス。彼は降伏の道を選び、10日間の準備を経て新地球連邦へ正式にそれを通達するとします。新地球連邦側に屈する決断をしたルクス。しかし、ここでの彼の判断は十分アリなものですし、何より、彼自身もまた、エスタルド国民のために何が最善かを考えて動いていることが良くわかったので、Goodな描写でした。やっぱりルクス、新地球連邦のスパイとかじゃなさそうだな。

 

リー将軍は、エスタルドに迷惑をかけない形で、最低限の武装と兵力で出撃。その無謀な作戦を知ったガロードとウィッツは、すぐさまガンダムDXとガンダムエアマスターバーストで追いかけます。しかしそこへ、フロスト兄弟の放った新たなる刺客:ブリトヴァが出現。コルレルとはまた違った高機動性とトリッキーさに、ガロードたちは徹底的に追い詰められますが、その攻撃を完全に見切ったガロードの的確な判断が、逆転勝利を呼びます。無謀な作戦に出たリー将軍を追うガロードたちの前に立ちはだかったのが、ドゥエート・ラングラフが操縦するブリトヴァ。パイロンをやや上半身をマッシブに、下半身を貧弱にしたようなデザインをしていますが、出自は全くの別物であり、コルレルに似た高機動性を発揮したほか、ドゥエートの二重人格も相まって、悪魔的な強さを発揮していました。前回のデマーとは別方向でクセがあり、掘り下げたらそれなりにキャラの魅力が深まりそうな気がするドゥエート。コイツも、今回だけで退場するには惜しい相手だったなぁ。またブリトヴァも、コルレルに比べると出番に恵まれていないなという感じ。VSコルレル戦のときは、ガンダムDXも翻弄されガロードは当初戸惑っていましたが、今回のVSブリトヴァ戦では、初っ端から割と冷静に攻撃パターンを分析。ブリトヴァの強さがワイヤーカッター(ワイヤー状のビームソード)にあると見抜き、直後ウィッツとともに一気に攻撃を仕掛け、あっという間に倒してしまいます。ガロードが飛躍的に強くなってるのは、確かにそうなんだけど、それでもブリトヴァには、もう少しくらい善戦してほしかったな…。

 

ブリトヴァを退け、ガロードたちが現場に向かったときは、既に戦闘は終盤であり、生き残っているのはリー将軍のみ。加勢を申し出るガロードたちでしたが、リー将軍はそれを拒否し、半ば特攻による名誉の戦死を遂げます。失意の中帰還した2人は涙が止まらず、ウィッツはリー将軍の行動に何とか納得しようとしていましたが、ガロードはそれを受け入れることができませんでした。ガロードたちが駆けつけたとき、エスタルド側で残っていたのはリー将軍のみ。それももうボロボロであり、特攻覚悟でドートレス部隊に最後の攻勢を仕掛け、機体を爆破させ部隊にダメージを与え散っていきます。ここで注目したいのが、リー将軍の部隊の戦闘をわざと描写していない点と、リー将軍の死を誰も賛美していない点。制作陣の、いい意味での反戦思想と、戦争そのものへのむなしさが、よく表現できているように感じました。しっかし、これでエスタルド軍は、軍部のトップを失ったことになるぞ。このままストレートに、降伏へと突っ走っていくのかなぁ?

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第28話から第30話をご紹介予定です。『機動新世紀ガンダムX』。人は誰でも一人では生きていけない。世界に目を向けるガロードに対して、ティファは一人、寂しさを感じていた―。

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