お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動新世紀ガンダムX』ちょっとした感想 X-8(第22~24話)

今回は、機動新世紀ガンダムX』の感想記事第8回目です。

 

いよいよ登場、ガンダムDX!今回ご紹介の3話で、『X』後半の主役機であるガンダムDXのデビュー編が完結。もちろん、その強大な力カッコよさもしっかりアピールされていましたが、それ以上に濃密に描かれていたのが、カトックのキャラと、彼との関わりあいを通じたガロードの大きな成長でした。このガンダムDX登場編は、ガロードの考え方の変化にも大きく作用しており、様々な意味で、『X』のターニングポイントとなったお話群と言えるでしょう。

 

なお、前回(第19~21話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第22話「15年目の亡霊」

1996年8月30日放送

登場した敵他:ガンダムDX、ガンダムヴァサーゴ、ガンダムアシュタロン、バリエント、エスペランサ

「あの島、ゾンダーエプタという。そこであんたを待っているヤツがいる。“15年目の亡霊”―。」

 

STORY:フロスト兄弟に襲撃を受けるモビルアーマーを目撃したガロードたち。その正体は、エスペランサであり、中に乗っていたエニルは奇跡的に生還。彼女の証言をもとに、新地球連邦軍が新たなるガンダムの開発を行っていることを知る。さらに、エスペランサのレーダー、そしてカトックへの尋問の結果得た情報をもとに、フリーデンは、ゾンダーエプタへと向かう。そこで待っていたのは、フロスト兄弟とアイムザットの部隊の猛攻と、完成間近のガンダムDXだった!サテライトキャノンの攻撃を回避するため、距離をとって応戦するフリーデンだったが、またも脱走したカトックにより、フリーデンを前に進めざるを得なくなってしまう。カトックが語る、ニュータイプ嫌いの理由とは何か?そして、サテライトキャノン発射をちらつかされたことへの、ジャミルの決断は―!?

 

いよいよガンダムDXの姿がお披露目となるほか、カトックの抱える背景が明らかとなる一編。アイムザットのガンダムDXを使ったハッタリに屈してしまうジャミルには、非常に残念に感じましたが、あの状況なら仕方ない一面もあるし、何より今後ガロードガンダムDXを入手するうえで必要な過程なのかなとも感じました。最大のピンチを迎えたガロードたちが、あきらめずにここからどう巻き返していくのか?とても注目ですね。

 

ゾンダーエプタに鳴り響く非常警報と攻撃の雨あられ。それは、無人島だと思って偶然立ち寄ろうとした、エニルのエスペランサに対する攻撃命令でした。何も知らずに攻撃を受けるハメになった彼女は、戸惑いながらも全力で回避。さらに、偶然ガンダムDXの上を飛行したことで、機体の外見を目の当たりにします。その後、海域を離脱したエニルでしたが、ガンダムヴァサーゴとガンダムアシュタロンが引き続き追ってきており、エスペランサはついに大破。このままエニルも死亡するかと思われましたが、そんな彼女を救うことになったのが、近くを調査中だったガロードガンダムXディバイダーと、ウィッツ/ガンダムエアマスターでした。前々回で再登場したエニルが、早くもまたもや登場。前々回の引きでは、しばらく再登場しなさそうな雰囲気でしたが、今回、ガロードたちにガンダムDXの存在を伝えるという、ストーリー上重要な役割を持って序盤のみ登場します。エニルの操縦技術は、フロスト兄弟も認めるほどであり、ゾンダーエプタではバリエント等の攻撃を全て回避し、最後にフロスト兄弟に攻撃されるまで一切の被弾なしという戦績。確かにこれは、元一バルチャーとは思えない卓越した操縦技術ですわ…。そんなエニルも、さすがにガンダムヴァサーゴとガンダムアシュタロンのダブル攻撃には勝てず、被弾し着水。そのまま攻撃を受けますが、ここでガロードたちが偶然駆けつけます。予期せぬガロードたちの登場により、フロスト兄弟はエニルを消せずに撤退。救われた彼女の口より、ガロードガンダムDXの存在を知ることになります。このシーンでちょっと意外だったのが、エニルの姿を見て、ウィッツとロアビィが「(ガロードの)知り合いか?」ときょとんとしている点。そういえば2人は、ガロードとエニルの因縁を知らないんですよね。

 

前回、ティファに救われたことをきっかけに、フリーデンの捕虜となったカトック。ジャミルは、彼をじきじきに尋問し、様々な情報を引き出そうとしますが、効果は全く出ずじまい。しかし、ジャミル人間性を信頼し始めてか、カトックはじょじょに自分のことを話し始めます。そして最終的に、カトックはゾンダーエプタの存在と、そこで開発されている15年目の亡霊=ガンダムDXのことを話すのでした。Aパート後半では、ジャミルとカトックの尋問でのやり取りがメイン。尋問と言っても、場所は普通の個室で、ジャミルも一切手を出そうとせずに話を訊き出そうとしていることから、重苦しい雰囲気はほとんどありませんでした。テクスですら、ジャミルのこの姿勢に「優しすぎるのは長所か短所か」とちょっぴり苦言を呈していますが、私としては、このやり方が一番ジャミルらしくてしっくり来るけどなぁ。まあ、尋問として効率的なやり方ではないけど…。そんなジャミルの姿勢に、彼を人間のとして認めたからか、カトックはポツポツと、自分の過去のことを話すように。そして最終的に、エニルのエスペランサのレーダーからゾンダーエプタが発見されたこともあり、ゾンダーエプタの存在と、そこで開発されている“15年目の亡霊”のことを語ります。カトックがだんだんと情報を開示していくさまは、短い時間ながら丁寧に描かれており、彼の心情変化がよくわかるGoodな描写でしたね。

 

フリーデンがゾンダーエプタに接近していることを察知したアイムザットは、フロスト兄弟にも指示し、フリーデンへの総攻撃を開始。前回と同じく、ガンダムヴァサーゴとガンダムアシュタロン、そしてバリエントの部隊で攻撃をかけますが、既に対策を講じていたガロードたちは、ほとんど苦戦することなく応戦。フロスト兄弟の攻撃すらも軽々と回避してしまうガンダムXディバイダーを前に、さすがのフロスト兄弟も動揺します。このままいけば、フリーデンは優勢を維持できそうに思えましたが…。Bパートでは、フリーデンがゾンダーエプタに接近したこともあり、戦闘シーンが主に。フロスト兄弟&アイムザット側は、前回とほぼ同じ戦力で挑んで来ますが、それに屈するガロードたちではありませんでした。ガロードパイロットたちは、前回の戦闘を踏まえ、ガロードを中心に徹底的に敵戦力を分析。対抗フォーメーションもガロードが進んで考案し、結果それは成功をおさめます。Bパート前半の戦闘シーンは、ガロードの戦闘スキルの著しい成長を感じられるものに。感覚的にガンダムXディバイダーを操れるだけでなく、ちゃんと頭で考え、敵の次なる攻撃を完全に見抜いて対処しているのが素晴らしいです。これには、さすがのフロスト兄弟も驚くばかり。彼らの受けた衝撃はよくわかるけど、ふと考えてみると、コイツら今回驚いてばっかりだな…。

 

カトックの脅迫により、フリーデンを前に進めざるを得なくなってしまったジャミル。サテライトキャノンの射程に入ったとき、彼は、カトックがなぜニュータイプを憎むのかを知ります。そうした中で、今度はアイムザットより、サテライトキャノンの発射をちらつかせた降伏要求の無線が入電。実際のガンダムDXのサテライトキャノンは未完成であり、発射できる状況ではなかったのですが、それを知らないジャミルには、降伏の選択しかありませんでした。そこへ、ティファが駆け込んできて―。良いペースで進んでいたフリーデンの攻撃ですが、部屋から脱走したカトックが、アサルトライフルを持って艦橋に押し入ったことをキッカケに、戦局が一変。彼に言われるがままフリーデンを前進させることになり、ガロードたちの間に緊張が走ります。このシーンで、カトックがニュータイプを憎む理由が判明。戦時中のコロニー落としの際、ジャミルガンダムXのサテライトキャノンを使って迎撃しましたが、そのコロニーの中にはカトックの妻子が住むものも含まれていたからでした。以降、半ば自暴自棄になった彼は、死に場所を求めて、危険な戦線に赴いたり、問題行動をとったりしていました。カトックが憎しみを持つ理由はよくわかりますが、恨むのであれば、ジャミルよりもその指令を下した旧地球連邦軍を恨むべき。おそらくカトックもそのことをわかっているのでしょうが、同時にその軍の軍人である彼にはそれができず、ニュータイプを憎むことにしたのでしょう。頭ではわかってるけど、心の中で決着をつけきれない。悲しいよなぁ。しかも、彼がフリーデンをサテライトキャノンの射程圏内に行かせようとしている理由が、自分が死ぬためなのですが、結果的に本来恨むべき旧地球連邦軍に資する行動をとってしまっているのが、その悲しさを加速させています。さらにこれにプラスして、アイムザットからサテライトキャノン発射のハッタリをかけられたことで、ジャミルは降伏を決断。フリーデンは、ゾンダーエプタへと入港します。このとき、カトックの口から、開発中のガンダムDXパワーのベースが、かつてジャミルが乗っていたガンダムXそのものであることが明かされるのが、とても興味深いところ。ガンダムDXは、カトックの言う通り、まさに“15年目の亡霊”と言える機体なんだなぁ。さて、完全に追い詰められてしまったガロードたち。ここから彼らは、どうやって巻き返すのか?次回に続く―!

 

 

 

第23話「私の夢は現実です」

1996年9月6日放送

登場した敵他:ガンダムヴァサーゴ、ガンダムアシュタロン

「お前(ティファ)、前に言ったな。「信じてほしい」って。どういう意味だ?」「―人の、心です。」

 

STORY:アイムザットの手に落ちたガロードたちは捕虜となり、ニュータイプであるジャミルとティファは、アイムザット自身の管理下に置かれてしまった。しかし、ジャミルからの秘密指令を既に受けていたガロードたちは、翌日日没時決行予定の、逃亡作戦の準備を始める。しかしそれは、エニルの裏切りによりアイムザット側に漏れており、計画は失敗。ガンダムXディバイダー等の機体はすべて、ニュータイプ研究所へ向けて持ち出されてしまう!このままガロードたちは、敗北のまま終わってしまうのか?そんなとき、あのカトックが現れた!

 

ガロードたち側のガンダムが、ラストシーンのコンテナ爆破時に海に沈んでいく描写のみにしか登場せず、本編の大部分が人間ドラマで構成された、異色の一編。ガロードたちの逃亡作戦はもちろんのこと、カトックの心情変化、そしてニュータイプを認めるのではなく、「ニュータイプに予見された未来を変えるため」にガロードたち側につくという、興味深いドラマが展開されました。カトックって、本当に魅力ある人物だよなぁ。もっと彼の人間性を掘り下げるドラマが、欲しくなったくらいだよ!

 

前回、アイムザット側に降伏することになったジャミルたち。ガロードら一般クルーたちは捕虜となった一方、ニュータイプであるティファとジャミルは、アイムザットの管理下に置かれることになります。アイムザットたち、ひいては大人への怒りが抑えきれないガロードですが、それはカトックの鉄拳により封じ込められることに。状況はガロードたち側にかなり不利でしたが、彼らはまだ反撃をあきらめたわけではなく、またアイムザットの思惑に反して、政府再建委員会は別の方向に舵をとろうとしていました。捕虜となったガロードたちですが、その描写は意外とマイルド。このシーンで最も印象に残ったのは、ガロードのカトックに対する発言でした。ただ黙りこくっているカトックに対し、ガロードは「大人というものがわかってきた」と言い放ち、皮肉りを含むようなセリフで彼を挑発。カトックは何もしゃべらず殴りつけるだけでしたが、ガロードはあえて腕っぷしの抵抗はせず、その目で、引き続き抵抗の意志を示していました。ここは、ガロードの成長も感じられるシーン。序盤の彼なら、ただ思ったことをそのままぶつけていたでしょうが、このシーンでは、戦争そして大人たちへの自分の考えと憂いを交えて話しています。カトックが何も言えなかったのは、ガロードの言っていることが一部的を射ていたからなのでしょうね。こうして、フリーデンを完全に封じ込めたアイムザットでしたが、彼の思惑に反して、政府再建委員会は、ガンダムDXの開発休止を決定。どうしてもガンダムDXの完成にこぎつけたいアイムザットは、政府再建委員会の意向に反して、水面下で独自にニュータイプ研究所とコンタクトを取り始めます。政府再建委員会は、アジア地域の攻略に手こずっており、先に新政府(新地球連邦)樹立を宣言してしまい、反抗勢力の意気を削ぐ方針に変更。不急のプロジェクトとなったガンダムDXは、後回しとなっていました。思った以上に苦しそうな、政府再建委員会。アイムザットも勝手に動き始めちゃったし、こりゃアイムザットの退場も近いかな…。

 

ジャミルからの秘密指令をもとに、翌日日没時を決行時間として、逃亡作戦の準備に入るガロードたち。ゾンダーエプタの施設内の構造を完全に把握したガロードたちは、着々と準備を進めていきますが、エニルの裏切りにより、その作戦がバレていることを知りませんでした。一方ティファたちは、アイムザットともに食事中。そこでカトックが割り込んできて…。このまま屈するガロードたちではなく、営倉にぶち込まれた瞬間に、ジャミルに言われていた逃亡作戦の準備を開始。医務室でテクスからそのことを聞いたエニルの行動により、そのことは早い段階でバレてしまいますが、それがなければほぼ完璧に成功していたであろう作戦でした。前回のラストで、ジャミルが言っていた、「明日の夕日は見れないかもしれないな」というセリフ。絶望感があると同時にカッコよさを感じるこのセリフでしたが、実は「明日の夕日のとき(日没時)に逃亡作戦決行」の指令を意味していました。若干こじつけ感はありますが、明らかにカッコつけ気味なセリフに、明確な意味を持たせているのはGood。なるほどと膝を打ちましたね。そんな作戦は、エニルの行動によってアイムザット側にバレることに。それと前後して、アイムザットはティファやジャミルと共に食事をしますが、そこへカトックが乗り込んできます。皮肉を言いたかったのか、このシーンでは終始斜に構えたようなセリフばかり言っていたカトック。そんな彼に対し、ティファだけは、悲しげな表情をしていました。彼の抱えているものを、敏感に感じ取っていたからでしょうね。

 

ティファの以前の言葉が気になったカトックは、直接彼女と面会。そこで予知夢のことを話されたことをキッカケに、彼は本当の思いを吐露し、そしてある決心をします。その後、日没を迎えて、ガロードたちは逃亡作戦を開始。武器弾薬を調達し牢から逃げ出しますが、格納庫に到達してみると、既にもぬけの殻。ここで彼らは、逃亡計画がバレていたことを知ります。しかし、そんなことであきらめるガロードではなく、仲間の支援を受けながら、ついにアイムザットのもとにたどり着き…。「私の夢は現実です」と述べ、もうガロードやカトックと二度と会えないような気がすると言うティファ。このセリフをキッカケに、カトックの様子が明確に変わり、自分の本心をさらけ出したりコロニー落としの際、妻子が死んだのはジャミルのせいではないこと)、「未来を変えてやる」という意志を持って、今までと違う行動を取ったりと、結果的にガロードたち側に資するような動きをします。これはおそらく、ニュータイプへの反抗心の他に、全てを知っていて自分の怒りを受け止めてくれていたジャミルたちへの贖罪の気持ちも、少しあったことでしょう。カトックの株がさらに上がったけど、こりゃ彼も次回あたりで死んじゃうかもしれないな…。そんなやり取りのあと、日没時に決行されたガロードたちの逃亡作戦は、ガンダム奪還には失敗。しかし、ガロードはあきらめめようとはせず、仲間たちの援護を受けて、アイムザットたちの乗る戦艦にまでたどり着きます。ティファを救おうとする行動は、久々の彼の独断による単独行動ですが、それを承知のうえで、ウィッツら仲間たちが支援してくれているのが、彼らの関係の深まりを感じさせてくれます。やっぱりガロード、メンバーたちから愛されまくってるよなぁ。

 

アイムザットは、ニュータイプ研究所を目指して出航。ガロードの足だけでは追いつけるはずもなく、さらにガンダムヴァサーゴとガンダムアシュタロンの攻撃を受け、足止めを食らってしまいます。もはや打つ手なしかと思われたそのとき、カトックが現れ、「未来を変えるため」にガロードとともに高速艇で出航。再度のフロスト兄弟の攻撃を潜り抜け、アイムザットの戦艦の牽引するコンテナにたどり着きますが、それはアイムザットの手により破壊されてしまいます。アイムザットの戦艦に追いついたはいいものの、既に出航し始めていたうえ、フロスト兄弟の熾烈な攻撃もあり、いくらガロードでも生身での太刀打ちは不可能。もはや反撃の余地なしかと思われたとき、多大なるアシストをしてくれたのが、カトックでした。カトックはガロードの前にふらっと現れ、未来を変えるために共に行動しないかと提案。彼の覇気に押されるがまま、一緒に動くことにしたガロードは、高速艇を駆ってガンダムXディバイダーの格納されている牽引コンテナにまでたどり着きます。上でも触れましたが、軍人であるカトックが「未来を変えるため」という理由に重きを置いて、ガロードたちに協力しているのがGood。今回描写されたティファの言葉だけでは、ちとガロードに協力する理由に説得力に欠ける気がしないでもないですが、詳細はおそらく次回明かされるのでしょう。そんなしつこいガロードたちを、ガンダムXディバイダー等を犠牲にしてまで排除しようとするアイムザット。ガロードたちは、コンテナと共に海に沈みそうになります。またまたピンチを迎えたガロード。しかし、この困難も彼なら、なんとか乗り越えてくれることでしょう。目指すは、ガンダムDXだ―!

 

カトック「お前さん、未来を変える気―あるかい?」

 

 

 

第24話「ダブルエックス起動!」

1996年9月13日放送

登場した敵他:バリエント

「振り回されることはない、好きにしろ。ただし、これだけは忘れるな!…過ちは、繰り返すな。」

 

STORY:フリーデンのクルーたちは、反撃を開始した。ゾンダーエプタでは、粘るウィッツたちのもとに改心したエニルが駆けつけ、島内をほぼ完全に制圧。一方のガロードとカトックも、アイムザットの戦艦に突入し、ついにガンダムDXの格納庫にまでたどり着く。しかし、ガンダムDXには肝心のGコンがなく、このままでは操縦できない!万事休すかと思われたそのときに合流したのは、Gコンを持ったティファとジャミルだった。今、カトックの死を乗り越えて、ガロードガンダムDXに搭乗する。バリエントの大群を退け、その後やってきた新地球連邦軍の軍勢を前にして、ガロードは、ツインサテライトキャノンの引き金を引いてしまうのか―!?

 

ついに起動、ガンダムDX!今回は、ガンダムDXをめぐる一連のお話の完結編。カトックの死という悲しみを乗り越えて、ガロードたちがガンダムDXを入手し、圧倒的な強さを見せるさまが描かれました。終始戦闘シーン多め&ノンストップで物語が進み、かつガンダムDXのデビューというターニングポイントもあるため、30分間ずっと目を離せない展開が連続。そのドラマ展開の都合上、フリーデン側がほぼずっと優勢ですが、終盤でフロスト兄弟の謀略が判明したり、新地球連邦政府が樹立してしまったりと、ちゃんとシメるところはシメているのがいい塩梅です。

 

前回、逃亡作戦がバレたものの、必死に抵抗を続けていたウィッツたち。決してあきらめず粘り切った結果、なんと逆に押し返して戦局をひっくり返します。同じ頃、ガロードとカトックはアイムザットの戦艦に泳ぎ着き、強行突入。武器弾薬を調達し、2人だけの力でガンダムDXの格納庫へとたどり着きます。ガロードたちの必死の抵抗を察知したティファたちもまた、行動を開始するのでした。前回時点では、物量差の前に押され気味だったウィッツたち。しかし、粘り強い抵抗と、フロスト兄弟が水面下で「新地球連邦軍の本部から指示を受けた」ということで一部軍人たちの退避を始めていたことから、じょじょに盛り返していきます。序盤から一転攻勢に出て、全力で戦うウィッツたちの姿は爽快。トドメと言わんばかりにエニルが改心して装甲車で突っ込んで来ますから、ある意味笑えてきます。ちょっとエニルの改心が早すぎる気がしないでもないけど、まあ悪くなかったかな。それと時同じくして、カトックと2人でガンダムDX強奪のために奮闘していたのがガロード。不可能かと思われたアイムザットの戦艦への突入はおろか、格納庫までの突入を果たし、ガンダムDXと対面を果たします。ガロードとカトックは、前回の中盤までは敵どうしだったとは思えないほど息ピッタリで、かつカトック側もノリノリ。敵が投げてきた手榴弾を蹴り返して爆破し、それを格納庫への突入の文字通り突破口にするなんて、ある意味ニュータイプだろ…。

 

カトック「「人を信じろ」って、ティファが言ってたぜ。」

 

格納庫に突入し、籠城したガロードたち。ところが、格納庫内には狙撃部隊がおり、また格納庫のシャッターも破られつつあり、このままでは挟撃を受ける状況に陥ります。しかしここは、カトックの機転とガロードの突貫で、突破。ガロードガンダムDXのコクピットまでたどり着きますが、Gコンがなく操縦できないことから、カトックを援護するため彼のもとに舞い戻ります。武器弾薬も尽きて、今度こそ万事休すとなったとき、現れたのは―!ガンダムDXのもとまでたどり着いたものの、アイムザットの派遣した狙撃部隊からのマークを受けており、なかなか動けないガロードたち。カトックの作戦により、一度はガンダムDXのコクピットに乗り込みますが、操縦用のGコンが無く、このままでは動かせないという状況に陥ります。ガンダムDXのコクピットに乗り込む際のカトックの作戦は、敵の攻撃と行動を利用した、非常に巧みなもの。ほとんど自分たちが武器を使わずに、相手を封じ込めてしまっているのが秀逸です。こうして、敵に囲まれガンダムDXも使えないという、大ピンチに追い込まれたガロードたち。そこへ駆けつけたのは、ガンダムXディバイダー用のGコンを持った、ティファとジャミルでした。ガロードたちの奮闘を察知していたティファは、ジャミルとともに、アイムザットがガロードたちに気を取られているスキに別室に潜入。Gコンを奪還し、「未来を変えるため」にガロードにそれを託そうとしていました。今回は、白イルカの話のとき並みに、ティファが積極的に行動。前回「私の夢は現実です」と言っていた彼女が、自らその現実=未来を変えようと行動している点に、グッときます。ニュータイプの予見する未来って、行動次第で割と変えられるんだね。彼らの見る予知夢は、あくまでも、「その時点で何も行動を起こさなければ、こうした未来になる」ってことなのかなぁ。

 

ティファからGコンを受け取ったのもつかの間、すぐに増援部隊が来て、攻撃の雨あられに遭うガロードたち。それを身を呈して守ったのが、カトックでした。カトックは、ガロードに思いと言葉を託して、皆に見守られながら絶命。彼の遺志を感じ取ったガロードは、ガンダムDXに再び搭乗し、アイムザットの戦艦から脱出。出航していたフリーデンにティファたちを降ろしたのち、追ってきたバリエントの部隊を、いとも簡単に全滅に追い込むのでした。登場時からインパクト大であり、ここ数話では印象残しまくりだったカトックが、ついにここで散ることに。彼がガロードたちに看取られながら、前回の序盤でガロードが言ったことを引用し、「(過去の大人たちの)過ちは繰り返すな」と託すさまは、もう涙なしでは観れない名シーンでしたね。わずか数話で、ここまで印象に残るキャラなんて、珍しいよねぇ。そんなカトックの死を乗り越え、ガロードは馴染みのGコンを使ってガンダムDXを起動。初搭乗とは思えないほどに完璧に乗りこなし、遠距離武器がないにも関わらず、襲撃してきたバリエント部隊を一瞬で全滅させてしまいます。ガンダムDXのデビュー戦の相手は、高機動性が売りのあのバリエント。対するガンダムDXは、まともに使えるのがハイパービームソード2本だけでしたが、そんな逆境など全く問題なしと言わんばかりに、バリエントをなぎ倒していきます。ここでのガロードは、まさに神がかった強さを見せており、そのセンスが爆発している素晴らしい戦闘シーン。初めての機体でなぜここまで操縦できるのかというのは、主人公補正がかかっているからにほかなりませんが、一応「自分の手になじんだGコンを使っているから」という理由付けもされているのがGoodです。

 

思惑が完全に外れ、いらだつアイムザット。そんな彼の前に、フロスト兄弟が再び現れ、自分たちの本当の目的を話し、アイムザットを射殺します。それと時同じくして、フロスト兄弟からの連絡を受けたであろう、新地球連邦軍の一大部隊が襲来。彼らを蹴散らすため、ガロードは、ガンダムDXのツインサテライトキャノンを起動します。ガロードは、その引き金を引いてしまうのか―?ガロードたちの粘りにより、ガンダムDXまで奪われ、一転して完全に立場的に追い込まれてしまったアイムザット。それでもまだ彼は、何かしらの反撃をしようとしていましたが、混乱の最中フロスト兄弟に射殺され、物語から退場することになります。ここで明かされる、フロスト兄弟の過去と目的。完全なニュータイプと言えず、戦時中「カテゴリーF」に分類されて冷や飯を食わされ続けてきた彼らは、今こそ新地球連邦の中で成り上がって世界を変え、カテゴリーFこそが世界を変えるのだということを誇示しようとしていました。今回、カテゴリーFの件で触れられたのは、ほんの少し。詳細については、さらに今後明かされることになるのでしょう。そんな、アイムザットの戦艦での混乱と時同じくして、ガロードが対峙していたのが、新地球連邦軍の一大部隊。彼はツインサテライトキャノンを起動し、発射しますが、狙ったのはその軍勢ではなく、もぬけの殻となったゾンダーエプタでした。ツインサテライトキャノンのチャージ時、カトックの言葉を思い出すガロード。彼がとった選択は、できるだけ人を殺さずに、敵を排除するという戦法でした。これが、序盤のガロードなら、絶対軍勢に向けてツインサテライトキャノンをぶっ放していたはず。ゾンダーエプタを消滅させてツインサテライトキャノンの威力を誇示することで、相手をビビらせて撤退に追い込むだけでなく、敵研究施設も破壊するという形にしていたのがGoodでした。自分なりに、大人たちの過ちを繰り返さなかったガロード。カトックの託した思いは、これからもガロードの中で生き続けることでしょう。

 

戦いを終えたガロードたちは、カトックの死体を丁重に海に沈めて、敬礼。彼に最大限の経緯を払います。それと同じ頃、新地球連邦政府の樹立が宣言され、世界は、良くも悪くも新たなステージへと踏み出そうとしていました。終盤では、カトックの葬儀と、新地球連邦政府の樹立宣言のシーンが同時に描写。単にフリーデン側の独り勝ち状態にしていないのが、いい塩梅です。しっかし、新地球連邦政府が上手くいくようには、全く見えないなぁ。今後ガロードたちの前に敵として立ちはだかることになるんだろうけど、お互いどうかかわっていくんだろう。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第25話から第27話をご紹介予定です。『機動新世紀ガンダムX』。戦争に、正義も悪も無い。ただ互いに正義がぶつかり合い、血を流すだけだ。ノーザンベルの崩壊によって、民族紛争という新たな問題が浮上する。ガロードたちはまた1つ、凄惨なる現実を目の当たりにする―!

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