お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動新世紀ガンダムX』ちょっとした感想 X-4(第10~12話)

今回は、機動新世紀ガンダムX』の感想記事第4回目です。

 

今回ご紹介のお話より、フォートセバーンを舞台にした、ニュータイプ:カリス・ノーティラスにかかるお話が始動。凍てつく街を背景に、彼の抱える悩みと強がり、そして成長は、観る者の心を打つ仕上がりとなっています。ガンダムXの改修機:ガンダムXディバイダーも登場する、濃厚なカリスの一連のお話を、ともに追っていくこととしましょう。

 

なお、前回(第7~9話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第10話「僕がニュータイプだ」

1996年6月7日放送

登場した敵他:ベルティゴ、ポーラ・ベアー、パトゥーリア

「僕の力で、この愚かな時代を終わらせることができるんだ。僕の力で…!」

 

STORY:ティファの描いた絵が、北方の街・フォートセバーンを指していると確信したガロードたちは、フリーデンの針路をそこへ取った。すっかりメンバーともなじみ、和気あいあいとした雰囲気が流れる中で、ティファは、まだ見ぬニュータイプの存在と、ガンダムXの敗北を感じ取る。そして、雪原にて何者かの襲撃を受けるフリーデン!ガンダムが全機スクランブル出撃する中、ガロードは、フリーデンめがけて飛んでくる、1機のモビルスーツに気づく。それこそ、ニュータイプ専用モビルスーツ:ベルティゴであり、中に乗っているのは、探していたニュータイプ:カリス・ノーティラスだったのだ。

 

人工ニュータイプであり、今後もストーリーにかかわることになる、カリスの初登場回。それと同時に、ガンダムXの改造形態であるガンダムXディバイダー登場への伏線が張られたお話でもありました。前半にて、びっくりするくらい明るく楽し気なガロードたちが描かれる分、後半の彼らの劣勢っぷりとガンダムXの敗北には、ガツンと衝撃を受けましたね。カリスも悪いヤツじゃないだろうけど、どう見てもノモア・ロング市長に騙されてる感が凄まじいんだが…はてさて。

 

ティファが描いた絵の街は、北方にあるフォートセバーン。それを確信したガロードたちは、フリーデンで現地へと向かいます。長い旅路の中で、メンバーの仲もさらに深まり、ガロードとキッドは何気ない会話もできるようになったほか、ロアビィは大量の私物や娯楽品を艦内に持ち込み改造。楽し気に思い思いの時間を過ごしますが、フォートセバーン現地における、彼らの追い求めているニュータイプが、どのような生活をしているのか、全く想像していませんでした。アバンタイトルで、フォートセバーンにおけるカリスの様子が描かれた後は、しばらくの間ガロードたちの様子が描写。キッドとわだかまりなく話すガロード(キッドは未だにガロードのことを「ガンダム坊や」よばわりだけど)、フリーデンの空きスペースに勝手にビリヤードやらソファーやらを持ち込んで完全な娯楽室にしてしまうロアビィ等、なかなかオチャメな描写が連発します。これらのシーンで一番面白いのが、やはりロアビィの行動。いくら「しばらく滞在することになったから」とはいえ、自腹切ってあれだけの大規模改修をしちゃうなんて、相当なものですよ。一度はフリーデンを離れた際、最初になんだかんだで戻ってきてくれたのもロアビィだったし、もしかして彼、意外にフリーデンのこと気に入ってるのか?そんなガロードやロアビィの一方で、あまり態度が変わらなかったのがウィッツ。と言っても、それは決してほかのメンバーと溝があるからではなく、もともと調子のいい性格であり、既になじんでいたから。今回は、どこで手に入れたのか、北海道のお土産でよくある木彫りの熊の人形を持ち込んでいました。ガンダムエアマスターにずっと載せてたのか、それ…?

 

ガロードに乗せられ、ロアビィのカスタムした娯楽室を訪れるティファ。その後彼女は、艦外に出てフォートセバーンを見つめますが、そのとき、かなりの嫌な予感を察知します。それは、ガンダムXの敗北。あまりの無慈悲な未来に、ティファは思わずガロードに対して口をつぐんでしまいますが…。ガロードたちが楽し気にやっている中でも、ティファは相変わらずの様子。しかし、ガロードに連れられてロアビィの娯楽室にやってきたり、そこで暖かく迎え入れられて顔をほころばせる等、彼女のも彼女なりに、このメンバーに溶け込み始めていることがよくわかります。この直後の、ロアビィが「女性や15歳以下の少年少女からは娯楽室の利用料金はとらない」として、結局大半のメンバーがタダで使えることになり頭を抱えるさまも、面白くてほほえましいですね。ところが、そうした楽しげな雰囲気が一変するのが、Aパート終了間際。これから起こりうる、ガンダムXの敗北という未来を察知したティファは、猛烈な不安に襲われます。

 

夜が明けてなお、引き続き航行するフリーデン。しかし、ティファの進言を受け停止した直後、フォートセバーンの自警団により結成された、ポーラ・ベアー部隊の襲撃を受けます。出動の報せが入り、ガンダムXに乗り込もうとするガロードでしたが、ティファはそれに抵抗。しかし、ガロードはそれでもガンダムXで出撃し、戦いに身を投じます。なれない雪原での戦いは、相手の方が一枚上手で…。フリーデンを襲撃したのは、ポーラ・ベアー部隊。『ガンダム』のザクⅡのような見た目をしていますが、それ以上に特徴的なのが、スノーボードを使って雪原を滑り、相手に素早く接近して攻撃を仕掛けるという、装備と戦法でした。雪原で通常のブースターを使うと、雪を巻き上げて視界不良を引き起こしてしまうので、地面を滑って移動するという仕組みは、なかなかナイスなアプローチ。そしてそのための装備として、スノーボードをチョイスしているのが、センスあるなと感じます。スノーボードじゃ常に体をひねってるから、戦いづらいじゃん」と一瞬思いましたが、相手に接近し足で移動するとなった場合は、スキー板じゃ絶対に歩きにくいので、スノーボードが圧倒的に有利。そう考えると、このチョイスはかなり理にかなっていると言えるでしょう。制作側がどこまで考えてデザインしたかはわからないけど、個人的には、かなり秀逸だと思えるなぁ。そんなポーラ・ベアー部隊の攻撃を受け、またティファからこれでもかというほど出撃をとがめられているにもかかわらず。それを振り切って出撃するガロード。それは決してティファを信用していないわけではなく、ニュータイプという相手と戦うことに対する興味と、己を超えたいという渇望にありました。ガロードが無理を押して出撃する理由と思いは、ティファに対して述べる「俺、信じてるけど…超えてみたいんだ」に、全て集約されていると言えるでしょう。この一言だけで、ガロードの優しさと、ある種の強さを感じ取ることができます。

 

ガンダムXらがポーラ・ベアー部隊の攻撃に苦戦する中、彼らを悠々と飛び越え、フリーデンに直行するモビルスーツが1機。それこそ、ジャミルが探し求めていたニュータイプ:カリスと、彼の乗るベルティゴでした。しかし、カリス側はむしろ自分たちの目的のためにティファを引き入れようとしており、フリーデンを襲撃。ガロードガンダムXで必死に抵抗し食らいつきますが、想像を絶するベルティゴの攻撃の前に、ガンダムXはついに大破。ガロードが気を失っている間、カリスはとどめを刺そうとして―!終盤にて、ベルディゴを駆り、カリスが登場。彼はニュータイプとしての能力を存分に発揮し、ガンダムXを完膚なきまでに叩きのめしてしまいます。カリスはニュータイプですが、ノモア市長に忠誠を誓っており、ティファをかくまっているジャミルたちフリーデンこそ悪と判断。自分たちの目的のために、ティファを救出という名目で誘拐しようとします。立ち位置や考え方は全然違いますが、これ、第1話のライク(アルタネイティブ社の回し者)とやっていること一緒なんですよね。ただ、こっちの方はニュータイプなので、異常に強いというのが厄介なんだけど…。そんなカリスは、ベルティゴで(もはやニュータイプモビルスーツではおなじみの)ファンネル攻撃を食らわせ、ガンダムXを機能停止に追い込むことに成功。ビームサーベルが振り下ろされそうになるところで、今回は終わります。このシーンでは、前回まででさんざんやられていたエニルもチラッと登場。以前はあんなにガロードを自分の手で倒すことを目的としていたのに、今回はベルティゴを応援するだけの女性に成り下がっていました。以前の勢いはどうしたのよ…?

 

 

 

第11話「何も考えずに走れ!」

1996年6月14日放送

登場した敵他:ベルティゴ、ガンダムヴァサーゴ、ガンダムアシュタロン、ポーラ・ベアー

ガロード、走れ!何も考えずに走れ!!」

 

STORY:カリスは、ガロードの命を盾に取る形で、ティファを自分のもとへと引き入れ、フォートセバーンに連れ帰ってしまった。最大のピンチを乗り越えたフリーデンは、すぐさまティファ奪還のためにあらゆる策を講じ始めるが、最も問題だったのは、ガロードの精神的ダメージだった。ガンダムレオパルドガンダムエアマスターの強化改造が終わり、ガンダムXガンダムXディバイダーとして、パワーアップの最終調整に入った頃、ガンダム固執するあのフロスト兄弟が、激しい攻撃を仕掛けてくる。雪原の戦闘で消耗している、ウィッツやロアビィに、もうあとは無い。立ち上がれガロード!今こそ、君とガンダムXディバイダーの力が必要なのだ。

 

ガンダムXの強化形態である、ガンダムXディバイダーの初登場回。しかしお話的には、それよりもガロードの精神的な立ち直りにかなりの重きが置かれており、今回1話をかけて、ガロードがしっかりと再起するさまを、ドラマチックに描いてくれていました。前回登場したカリスの出番がほとんどなかったり、ガロードも劇中に登場しているものの、本編時間のうちの3/4はセリフなしと、大胆な構成が次々に挿入。そしてそれらが、ラストにおけるガロードの再起と、ガンダムXディバイダーの出撃の喜びを、とてつもないものにしてくれています。

 

前回、ガンダムXを大破させた、カリスのベルディゴ。その気になればいつでもガンダムXを倒せる彼でしたが、ガロードがティファとの繋がりが深いことを悟ったカリスは、ガロードの命を盾に取り、ティファに自分のもとへ来るよう迫ります。ガロードを救うことを決心したティファは、独断でカリスのもとへ向かい、カリスはフォートセバーンへ帰還。市民たちから祝福されますが、その一方で、ノモア市長からは思いもよらぬ指示を受けるのでした。もうすでに決着はついていたと言える、ベルティゴとガンダムXの戦闘。カリスの目的はあくまでもティファの身柄確保であることから、彼はこの状況を利用して、ティファに自分のもとに来るよう迫ります。ティファは、ワナだとわかっていながらその誘いに乗り、ガロードそしてフリーデンは、首の皮1枚つながった状態で、何とか助かったのでした。ティファの性格や思考パターンを考えれば、こうした状況下でカリスのもとに行くというのは自然なこと。カリスもなかなか考えたなぁ。そんな彼は、ティファを連れ帰り、ノモア市長の邸宅に彼女を軟禁。しかし、そのノモア市長より、以降ティファと面会することを禁じられたため、カリスは強いショックを受けます。「ニュータイプどうしが触れ合った場合、共鳴してどんな力が発言するかわからないから」という理由で、ティファとの面会を禁止されるカリス。実はノモア市長には別の考えがあったのですが、それはさておき、ここではカリスの表情を通して、ティファと面会できないことの残念さを表現している点に、注目したいところです。このときの彼の表情から察せる感情は、ある種自分の同族であるティファに対する親しみと、それを伝えられない悲しさ・もどかしさだと言えるでしょう。表向きには、感情を捨てフォートセバーンを守るために尽力する兵士として活動しているけど、やっぱりいい意味で内面はまだ子供なんですね、カリスは。

 

窮地を脱したフリーデンは、ティファ奪還のための準備を開始。各ガンダムはすべてかなりのダメージを受けていたことから、キッド主導で、彼の考案した強化改造が施されることになります。キッドらメカマンが、不眠不休で四六時中メンテと改造にあたったことにより、ガンダムレオパルドガンダムエアマスターは改造がほぼ終了し、ガンダムX改めガンダムXディバイダーは、最終調整の段階に。着実に反撃ののろしを上げつつあるフリーデンでしたが、ガロードは未だショックから立ち直れないままでした。Aパート後半より、各ガンダムの大規模改修・改造のほかフリーデンの各メンバーがガロードのことを心配する様子が描写。すべてのシーンに共通して感じ取れることは、「ガロードは本当にメンバーたちから愛されているんだなぁ」ということでした。あれだけ以前は対立していたキッドだって、ガンダムXディバイダー完成のために粉骨砕身して不眠不休で改造にあたり、当初はガロードをガキ扱いしていたウィッツやロアビィも、今では戦友として彼のことを思っていました。いやはや、これだけメンバー全員から愛される主人公キャラって、本当に珍しいですよ。ガロードって幸せだなぁ。そしてだからこそ、視聴者目線的には、いつまでもくよくよして前へ進もうとしないガロードに、もどかしさを覚えるところ。この視点が、劇中のジャミルとほぼ共通していることに驚きます。そう、いつの間にか、視聴者がジャミルに感情移入できる下地が出来上がっているんですよね。そして、今回ラストの展開につながっていくと―。

 

フロスト兄弟が立ち寄った巨大な飛行艇は、新地球統合連邦政府(新連邦)のアイムザット・カートラル諜報統括官のもの。彼らはそこで、フリーデンのガンダムX含むすべてのガンダムの情報や、ティファ等のニュータイプにかかる情報を、アイムザットに報告します。そして、自身らの判断でフリーデンを叩くかどうか決めてよいと指示を受けたことから、そのままフォートセバーン付近の雪原に直行。フリーデンはこれに対処すべく、緊急でガンダムレオパルドガンダムエアマスターを出撃させますが、満身創痍状態のロアビィとウィッツには、かなり荷が重い任務でした。またまた登場、フロスト兄弟。前回の次回予告でのワンシーンから、今回登場することは明らかであり、「まーたガロードたちを追ってきたのか…」と思いながら観ていましたが、彼らの本当の顔が、新連邦の指示を受けて動いているフリーの工作員(のようなもの)であることに驚きました。絶対他人に付き従うタイプじゃないよなぁと思ってたので、これはかなり意外でしたね。でも、シャギアもオルバも、絶対腹に何か変えてるような気がするんだよな。じゃなきゃあんなに素直に従うはずないし…。そんなフロスト兄弟は、アイムザットへの報告を終えたのち、フォートセバーンに向かうフリーデンを急襲。ウィッツとロアビィが、それぞれガンダムエアマスターガンダムレオパルドで出撃しますが、大苦戦を強いられます。ガンダムエアマスターガンダムレオパルドも、キッドたちの手で強化改造されているものの、メインは耐寒装備の増設。そのため、火力はそこまで大きく上がっておらず、劣勢を強いられていました。ガンダムエアマスターガンダムレオパルドも、決して弱い機体ではないんだけど、機動力重視で火力がイマイチなのが難点ですよね。サテライトキャノンはオーバースペックすぎるけど、なんか一発逆転を狙える重火器とかあればいいのになぁ。

 

ガンダムXディバイダーがほぼ完成したにもかかわらず、未だに立ち直れていないガロード。そんな彼を見かねたジャミルは、戦闘中に彼を雪原へと連れ出し、Gコンを奪って凍った湖の上に投げつけることで、彼を試し、同時に「特別な力」にこだわる思考を叩きなおそうとします。最初は戸惑っていたガロードでしたが、意を決して湖へと踏み出し、かなりギリギリのところで、Gコンをつかみ帰還に成功。すっかり立ち直っていた彼は、フリーデンに帰還し、キッドたちの思いを背負って、ガンダムXディバイダーで飛び出します!終盤の展開こそ、今回のクライマックス。相変わらず落ち込みっぱなしのガロードは、ジャミルの手でムリヤリ雪原に連れ出され、Gコンを凍った湖の上に投げつけられます。そして、それをガロード自らの力で取り戻させることで、「特別な力を持たないものなりの強さと力」を彼に教えるのでした。このシーンもまた、セリフの数がかなり絞られており、登場人物たちの細かな表情変化により、それぞれが何を考えているのかを表現。それが、凍った湖に足を踏み出す際のガロードの恐怖、そして帰還した際の立ち直りっぷりを、それぞれドラマチックに描いてくれているのがGoodです。“間”の使い方もうまいし、ジャミルが結局ガロードに何を伝えたかったのか、核心部分をわざとぼかしているのも興味深いところ。このシーンは『X』屈指の名シーンと言っても過言ではないでしょう。そんな立ち直ったガロードが駆るのは、完成したばかりのガンダムXディバイダー。さあ、反撃開始だ!

 

 

 

第12話「私の最高傑作です」

1996年6月21日放送

登場した敵他:ガンダムヴァサーゴ、ガンダムアシュタロン、パトゥーリア

「確かに、俺も力が欲しいと思った。けど違う!それって何かわかんないけど…、違うだろ!!」

 

STORY:猛烈な力を発揮したガンダムXディバイダーは、その圧倒的な機動力と、ハモニカ砲により、ガンダムヴァサーゴを倒し、フロスト兄弟を撤退に追い込んだ。しかし、大きな勝利をつかんだはずのガロードは、カリスを倒しティファを救出することに固執しており、笑顔はなく、どんどん表情は険しくなっていく。そして、終わりの見えない訓練の中で、フォートセバーンでのティファのことを知ったガロードは、いてもたってもいられなくなり飛び出してしまう。そして、潜入した市庁舎にて、ノモア市長の正体と、エニルとの奇妙な関係、そしてカリスの秘密を知るのだった。すべては、ノモア市長のある計画のために、動かされていたのだ―!

 

ノモア市長の正体やカリスの秘密、そしてオルバが本気でガロードたちに憎悪を抱く等、フォートセバーンを舞台にした一連のお話の中で、ターニングポイントとなる一編。序盤においてガンダムXディバイダーの活躍が存分に描かれる分、中盤以降はドラマパートに注力する構成がとられており、最後までドキドキしながら観ることができました。一番の肝となるノモア市長と彼の野望の発覚について、「全てガロードが潜入の末偶然聞き耳を立てて知ることになる」というのは、ちょっとひねりが無くてもったいないなぁという気がしないでもないですが、この段階でガロードが前に出ても、彼らには戦力的に勝ち目がないので、無難な構成だったと言えるでしょう。

 

前回、ガンダムXディバイダーを駆り、ガンダムヴァサーゴとガンダムアシュタロンの前に飛び出したガロード。最初こそ出力調整を誤って転倒してしまうものの、キッドのサポートを受けながら、一切訓練していないにもかかわらず、機体の持つ高機動性と高い火力の各性能を引き出し、フロスト兄弟相手に完全に有利に戦いを進めます。想定外の事態に撤退を決断するシャギアでしたが、敗北したと思われることを快く思わないオルバが、ムダに攻撃にこだわったために、シャギアは負傷。ガンダムヴァサーゴも大破し、フロスト兄弟はかつてない損害を受けるのでした。序盤では、ガンダムヴァサーゴとガンダムアシュタロン相手に、楽々と立ち回るガンダムXディバイダーが、ダイナミックに描写。最初にズッコケたシーンこそギャグっぽい感じでしたが(こうなっちゃうのもまたガロードらしい)、それ以降はメチャクチャカッコいいシーンの連続でした。ガンダムX最大の特徴とも言えるサテライトキャノンが無くなったことで、身軽になり重量感が幾分か無くなったガンダムXディバイダーですが、素の強さは以前のガンダムX以上。以前から機動性の高いガンダムヴァサーゴやガンダムアシュタロンをぶっちぎるレベルでの動きを見せ、右手に大型ビームライフル、左手にはハモニカ砲を持っているのに、それを全く感じさせない立ち回りで攻撃を次々に叩き込んでいきます。そして最後に、無謀にも突撃してきたガンダムアシュタロンに対し、ハモニカ砲を放ってフィニッシュ。ガンダムアシュタロンをかばったガンダムヴァサーゴを大破に追い込むという大戦果を上げます。いや〜、ガンダムXディバイダー、以前から機体の存在は知ってたけど、ここまで強いとは思わなかったよ、嬉しさも相まって、これらのシーンはかなり興奮して観れましたね。

 

ティファを助けに行きたくてしょうがない一方で、カリスに対する己の無力さを痛感しているガロード。彼はのめりこむようにキッドが作った戦闘シミュレータに取り組み、連日怒涛の如く特訓に励みますが、思ったほどの成果が上がらずにいました。そうした中で、フォートセバーンに偵察に向かっていたサラとトニヤが帰還。現地の新聞で、完全に自分たちが悪人扱いされており、かつティファがニュータイプであることが伏せられているのを知ったガロードは、とうとうバギーで飛び出して行ってしまいます。前回・前々回を通して、ガロードは大きく成長。以前と最も変わった点は、「そのまま突貫せずに、一度立ち止まって考えることができる」という点でした。これのおかげで、フロスト兄弟を破った勢いでそのままフォートセバーンに突撃しようとしたけど踏みとどまれたし、「どうすれば相手に勝てるのか」という点に着目して訓練に励むことができたしと、彼の行動が目に見えて変化していることがよくわかります。でもやっぱり、まだ少年としての素は残っていて、やたら強さに固執したり、やや感情に流されやすいところは、まだあるんですよね。まあ、それがガロードらしいと言えるんだけど。しかし、そんな彼も、フォートセバーンの様子が段々とわかり始めると、とうとうフリーデンを飛び出して現地へ。心配するテクスに対し、ジャミルガロードを止めようとしませんでした。ガロードは今、自分の限界を知っているから、無理はしてもムチャはしないだろうという推測ゆえの判断。うーむ、カッコいい。

 

フォートセバーンへの潜入を果たしたガロードは、新聞記事の記述を参考に、市庁舎へと潜入。通気口をたどった末、ノモア市長の部屋にたどり着き、そこにエニルがいるのを目の当たりにします。両者の会話から、2人には大きな秘密があると踏んだガロードは、そのまま尾行して地下深くへと潜入。そこにはモビルアーマー:パトゥーリアが隠されており、ノモア市長は、自分の正体と野望を、大戦時の思い出を織り交ぜながら話します。フォートセバーンそのものが、ノモア市長=元宇宙革命軍:ドーラット博士の野望のために作られたものでした。Bパート前半にて、ノモア市長の正体とエニルとのつながり、そしてカリスのニュータイプ能力の秘密が次々と解明。ストーリー的に、絶対に見逃せない展開の連続となりました。ノモア市長の正体は、かつての宇宙革命軍でニュータイプ計画を指揮していたドーラット博士。彼は大戦中、パトゥーリアと5体のベルティゴで結成されたニュータイプ部隊で地球を制圧するライラック作戦に当たっていましたが、作戦はベルティゴがほぼ全滅したことにより失敗。それでもドーラット博士は地球への恨みを忘れず、ノモア市長としてフォートセバーンを建設し、人工ニュータイプの研究を進めながら、ずっと機会を窺い続けていました。カリスは、彼の作った人工ニュータイプの1人であり、エニルは父ナーダから、生前に戦友だったというドーラット博士のことを聞かされていました。フォートセバーンを舞台にした一連のお話の黒幕は、ノモア市長。胡散臭い見た目をしているなとは思っていましたが、ここまで壮大な計画を立てているとは予想だにしていませんでした。彼が地球に恨みを持つ理由も気になるけど、それ以前に、大戦中に宇宙革命軍のニュータイプが、なぜベルティゴを駆っていたにも関わらず全滅したのかが気になります。地球連邦軍と違って、宇宙革命軍のニュータイプは皆人工ニュータイプで、能力的にも体力的にも弱かったからなのかな。

 

真実を知ったガロードでしたが、不注意から潜入に気づかれてしまったため、半ば強行突破でティファのもとへと突入。そこには、彼の潜入を察知していたカリスが待ち構えていました。ガロードは、カリスを説得すべく、先ほど見聞きした情報を洗いざらい話しますが、カリスにとっては周知の事実。戦局は完全にカリスに有利かと思われましたが、ティファの言葉が、カリスに予想外の大きな衝撃を与えるのでした。今回のラストでは、ティファが軟禁されていた部屋を舞台に、ガロードとカリスが対峙。ここでカリスが、「ノモア博士が野望を抱いていたこと」ではなく、「ティファが生まれながらにしての天然のニュータイプであること」に強い衝撃を受けることが、非常に興味深いです。ドラマ構成的には、1回(カリスが自分自身が人工ニュータイプであることに驚くだろうという)視聴者の期待を裏切ったうえで、別の展開を挿入することでカリスの衝撃をより印象深い形にしていてGood。またお話的には、カリスが自分の知らない予想外の真実があったことを知るという点で、面白い展開だなと感じました。確かにカリスは、自分が人工ニュータイプであることを知っていたし、それも自分が望んだものだった。しかしそれは、ノモア市長から「ニュータイプは人工的なもの」という前提条件を与えられていたからこそ、精神的な安定を保てていたのであり、今回のラストでティファ=生まれながらにしてのニュータイプがいると知ったことで、彼のプライドと精神の基盤が、根底から破壊されたのです。これがカリスにどう作用するのか、次回気になるところですね。そして、こうした不安定な状況の中、やって来るのがノモア市長とエニル。絶体絶命の状況を、ガロードは乗り越えられるのか―!?

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第13話から第15話をご紹介予定です。『機動新世紀ガンダムX』。カリスは、真実を知った。同じ仲間と信じたティファが、自分とは別の存在であることに。その驚愕は、血塗られた過去への後悔を招く。カリスは、ガロードに戦いを挑む。己の贖罪を、果たすために―。

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