お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『新機動戦記ガンダムW』ちょっとした感想 W-11(第31~33話)

今回は、新機動戦記ガンダムW』の感想記事第11回目です。

 

前回よりクローズアップされ始めた、リリーナが元首のサンクキングダム。今回ご紹介の3話でも、そこがお話の舞台の中心となりますが、その前から懸案事項だったウイングガンダムゼロ、そして最近の動きがわからなくなっていたミリアルド=ゼクスの様子等が、同時並行で描かれる形となりました。話があっち行ったりこっち行ったりしている感はありますが、ここの話をおざなりにせず、描いていこうとしている姿勢には、好感が持てますね。

 

なお、前回(第28~30話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第31話「ガラスの王国(サンクキングダム)」

1995年11月10日放送

登場した敵他:ビルゴ、リーオー、エアリーズ

「この国に借りがある。それだけだ。」


STORY:サンクキングダムに来て、リリーナと再会したヒイロは、依然その態度を崩さなかった。そんな中、OZに追い込まれたトレーズ派の一部隊が、サンクキングダムの国境より侵入。それは、これに乗じてサンクキングダムを戦場と化させ、完全平和主義のもろさを露呈させんとする、ロームフェラ財団の作戦でもあった。何とか戦争を回避しようとするリリーナに対し、最低限の防御力と戦闘はやむなしと考えるノイン、そしてヒイロたちは、水面下で行動を開始する。そして攻めてくるモビルドール・ビルゴ部隊!迎え撃つのは…ウイングガンダムと、真っ白なトーラスの部隊だ。リリーナの唱える完全平和主義は、虚構でしかないのだろうか?

 

サブタイトル通り、サンクキングダムの“もろさ”が露呈するお話。リリーナは戦闘回避のために必死で努力するも、結局サンクキングダム内で戦闘を招く結果となってしまい、最終的にはノインたちによる最低限の軍備増強に同意するなど、今回をもってリリーナの理想は壊れたと言っても過言ではない展開が描かれました。いくら自分たちが軍備を放棄しても、相手が攻めてくるならば、自分たち自身を守るために抵抗しなければならないというジレンマ。完全平和主義を実現するためには、まず戦いの火種を撒こうとする敵(財団・OZ)を倒さないといけないってことになるけど、それもリリーナはよしとしないだろうし…。今後、サンクキングダムはどうしていくのでしょうか。

 

某国からの転校生として、リリーナの学園に潜り込んだヒイロとカトル。穏やかにこの国で過ごそうとするカトルに対し、ヒイロは自分があくまでも兵士であること、ゆえに、最低限の借りを返したらさっさと出ていくというスタンスを崩しませんでした。こうして始まった、彼らの学園生活ですが、ドロシーは既にヒイロやカトルの正体を知っており、ヒイロにフェンシングの練習試合を持ち掛け、彼を精神的に揺さぶります。それに屈するヒイロではありませんでしたが、ドロシーはそれすらも想定済みでした。前回ではラストワンカットでしか描かれなかった、ヒイロとリリーナの再会の様子が、今回はAパート前半を使って丁寧に描写。お互い性格は相変わらずでしたが、ヒイロは以前よりも人間味が増しており、リリーナは相手を理解しようと歩み寄る術を身に着けていました。以前にも述べましたが、ウイングガンダムゼロとの一件を経てから、ヒイロは本当に人間味が増しましたよね。第1・2話とかで、相手を倒してゲラゲラ笑っていた頃が、ウソみたいだ…。そんな、ヒイロは、今度は学園生活になじむため、生徒たちとともにフェンシングの授業へ。学生としての潜入は、既に何度も経験しているヒイロでしたが、今回はドロシーという自分の素性を実は知っている存在がいたせいで、多少のやりにくさを覚えます。ヒイロの正体を知らないていで、ヒイロやその関係者しか知らないような情報を小出しにし、着実に彼の心に揺さぶりをかけてくるドロシー。この程度の心理戦に屈するヒイロではありませんでしたが、彼女とのフェンシング対決でマスクを直接攻撃しシールドを破ってしまった演出が、非常に気になります。これは、ヒイロなりの「それ以上立ち入るな」という冷静なメッセージなのか、それともドロシーに揺さぶられたせいで、一瞬自分を見失った結果なのか―?

 

トレーズ派の一部隊が、OZに追い込まれたことによりサンクキングダムの領域に侵入。亡命者として取り扱い、戦闘を回避しつつ彼らを救おうとするリリーナでしたが、ノインや、そしてその部隊自身は、これを利用してサンクキングダムに戦渦を飛び火させようとする思惑があることに気づいていました。それでも、戦闘の回避と彼らの救出に固執するリリーナは、周りの言いつけを無視して屋敷を飛び出し、待ち構えていたドロシーとともに、現地へ向かってしまいます。Aパート後半より、断続的に戦闘シーンが挿入開始。完全平和主義を掲げ、リリーナ自身も国民も戦闘などもってのほかと考えていた彼女たちのもとに、誤って戦禍を持ち込んだのは、トレーズ派の一部隊でした。OZがこの部隊をわざとこの地域に追い込んだのは、意図的にサンクキングダムにも戦闘地域を拡大させ、リリーナたちの掲げる完全平和主義をくじこうとするため。相手にその目論見があることは、トレーズ派のその部隊も気づいており、自分たちを犠牲にしてでもサンクキングダムを戦禍から守ろうとしていました。今回登場のトレーズ派の部隊は、再登場を前提としない単発のゲストキャラクターですが、彼らの悲哀がよく描写されていてGood。玉砕覚悟の悲壮な決意も、彼らへの同情を誘います。そんな彼らにリリーナは亡命を持ちかけますが、彼ら自身はそれを拒否。それでも居ても立っても居られなくなった彼女は、危険を承知で現地へ向かいます。ここでは、リリーナが自分の理想を先行させてしまった印象。戦争というものは、そう“簡単なもの”じゃないのに…!

 

サンクキングダムに迷惑をかけないためにも、玉砕を覚悟していたトレーズ派の一部隊。そこにヒイロが突然現れ、死ぬ覚悟があるのなら、自分たちに協力しろと持ち掛けます。その直後、OZのモビルドール・ビルゴ部隊が、増援を引き連れてサンクキングダムに侵入。トレーズ派の一部隊のリーオー(おとり)を次々に撃破し、自分たちが有利に戦いを進めていると思い込みますが、ひとつの輸送機が突撃してきたことをきっかけに、戦局は大きく変わります。その中に搭載されていたのは、あのウイングガンダムでした。迫りくるOZの部隊の排除が、何よりも先決と考えたヒイロやカトルは、それぞれ行動を開始。サンクキングダム内にウイングガンダムが保存されていたことを知ったヒイロは、それを元手にトレーズ派の一部隊とコンタクトを取り、共同戦線を構築。カトルはノインとともに地上戦用トーラスを持ち出し、OZに対し猛烈な抵抗を見せます。「完全平和主義を掲げるサンクキングダムが、武装を持ち合わせているはずがない」と思い込んでいたこともあってか、Bパートにおける戦闘シーンでは、ヒイロたちの加勢以降、OZがメタメタにやられる描写が連発。それと同時に、久々にウイングガンダムを駆るヒイロや、白いトーラスを駆るカトルたちの姿が、とてもカッコよく描かれていました。ウイングガンダムの強さは言うまでもありませんが、ここではトーラスの活躍にも注目したいところ。最近は地球が舞台であり、この前の宇宙戦でもビルゴやメリクリウス・ヴァイエイト等が中心になっていたため、目立たない機体になっていたトーラス。ですがこれは、本来対宇宙戦用に開発された可変型モビルスーツであることから、敏捷性と攻撃力は相当なもの。そのため、ビルゴに比べると旧型機であるにもかかわらず、それ以上の目覚ましい活躍を見せつけてくれました。宇宙でぐいぐい動けるように設計されてるんだから、それを地上で運用したら、そりゃメチャ強いに決まってるよねぇ。そういえば、このトーラスは、かつてノインがOZにいた頃に導入が開始された機体だし、彼女にとっても愛着や思い入れがあっての導入だったのかな。

 

ウイングガンダムの登場、そしてサンクキングダムが密かに増備を進めていた地上戦用のトーラスの攻撃の前に、ビルゴは次々と撃破。OZは撤退を余儀なくされ、トレーズ派の一部隊は、サンクキングダムの軍人として迎え入れられることになります。水面下での軍備増強等を進めていたことを、ノインは正直にリリーナに告白。リリーナは今回の戦いを通じて、彼女の判断もやむなしとしますが、まだ自身の理想とする完全平和主義をあきらめたわけではありませんでした。今回の一件を通して、「ロームフェラ財団とOZを抑え込むまでは、最低限の武装もやむなし」という方針に転換したリリーナ。完全平和主義に固執せず、柔軟な考え方を見せたのはGoodですが、同時にこの選択は、このサンクキングダムが、彼女の理想から一歩遠ざかることも意味していました。平和を守るためには、最低限の戦いをしなければならない―。悲しいことですが、戦乱の世であり、かつ市民にとっての“正義”と“悪”がコロコロ変わる『W』の世界では、やむを得ない選択と言えるでしょう。そして、リリーナがそうした決断をしたことを、遠目に見ながら笑みを浮かべていたのが、ドロシー。サンクキングダムは、世の中は、結局彼女が望む通り、戦いの歴史に巻き込まれていくしかないのかな…。

 

 

 

第32話「死神とゼロの対決」

1995年11月17日放送

登場した敵他:ウイングガンダムゼロ、リーオー、トーラス

「お前が負けるとしたら、俺じゃない…。ウイングゼロに負けるんだ!」


STORY:ヒルデとともに月面基地からの脱出を果たしていたデュオは、ガンダムデスサイズヘルでOZの部隊を次々に撃破し、ほかのガンダムパイロットたちの行方が分からない中、来る反撃の時に備えていた。一方、OZの技師であるトラント特尉は、回収していたウイングガンダムゼロの機体性能に魅せられ、ガンダムパイロットを用いた実戦データを求め、デュオの居場所を見つけ出し、卑怯な手で彼をウイングガンダムゼロのテストパイロットにした。その機体の持つパワーと恐ろしさに、圧倒されるデュオ。やがてトラント自身も精神に異常をきたし始め、自分の道をふさぐOZの他の部隊やデュオを襲い始めた!死神は、悪魔の機体に打ち勝つことができるのだろうか?

 

サブタイトル通り、ガンダムデスサイズヘルとウイングガンダムゼロの一騎討ちが描かれた一編。それは単なる機体どうしのぶつかり合いではなく、デュオと第26話にも登場したツバロフ特佐の部下:トラント特尉との対決でもありました。今回はヒイロの出番は本編中無く(前回の振り返りナレーションのみ)、デュオのドラマに重きが置かれているのがポイント。デュオがトラント特尉に勝利することができたのは、もちろん技術的な面での差もそうですが、「背負っているものの違い」という、精神的な面での差もあったのでしょう。それにしてもOZ、技術的なことに魅せられて、組織を平気で裏切る兵士が多すぎでしょ…。

 

地球付近の特定宙域で、輸送船が頻繁に消息を絶つ事件に、頭を悩ませていたOZ。派遣された調査団が、現地で目撃したのは、月面基地で行方不明となったはずの、ガンダムデスサイズヘルでした。月面基地への報告もままならないまま、調査団は全滅。デュオは、「死神が、舞い戻って来たぜ!」と豪語し、自分の生存をアピールするのでした。今回は、デュオの主役回。序盤ではまずOZ側の動きが描かれ、視聴者がそのOZの兵士たちと同じ視点に立ちながらドラマが進んでいくことから、ガンダムデスサイズヘルが登場した際の驚きと、兵士たちが感じた恐怖が、よく感じ取れるようになっていました。デュオ/ガンダムデスサイズヘルが生存していることは、以前のお話で描かれていたので、それ自体に特に驚きはありませんが、やはりヌッと出てきたときの恐ろしさと、OZの調査団を蹴散らすそのさまは、“死神”の異名にふさわしいなぁという印象でしたね。ここだけ見ると、デュオは月面基地の一件ですっかり暗黒面に落ちてしまったのかと心配になりますが、このあとの描写で、それは否定される形に。本人の気質は全く変わっておらず、ちゃっかりヒルデとも行動をともにするようになっており、何ならヒイロたちといたときよりも元気そうに過ごしていました。すっかりデュオの良きパートナーとして、彼とともに働くヒルデ。仲良しなのはいいけど、あの大破したリーオーから、どうやって生還したんだ…?

 

月面基地のツバロフ特佐は、宇宙要塞バルジでウイングガンダムゼロの調査研究に当たっているトラント特尉と連絡がほとんどとれないことを問題視し、部下になんとかして連絡をとるよう指示。しかし、当のトラント特尉は、ウイングガンダムゼロの機体そのものに魅せられ、OZとしての目的よりも自分の興味関心を優先させるようになっていました。自分の戦闘データだけでは十分ではないと考えた彼は、付近のコロニーに潜伏しているデュオに目をつけ、彼をウイングガンダムゼロのテストパイロットにしようと画策します。Aパート後半より、上述のとおり第26話でも登場したトラント特尉が再登場。すっかりウイングガンダムゼロのあらゆる面に魅せられており、OZの組織としての目的よりも、自分の欲求を優先し、ツバロフ特佐(レディ・アンを暗殺したことで、ちゃっかりそのポストにおさまっている)の命令を平然と無視し続ける有様でした。第26話であれだけ痛い目見てるのに、全く反省している様子がないのは凄まじいな…。というか、あれだけの失態を犯してるのに、未だにトラント特尉を同じポストに置いてるツバロフ特佐もアレですよね。まあこれは、トラント特尉側がゴネて居座ってるだけなのかもしれないけど。そんなトラント特尉は、なんとしてもウイングガンダムゼロガンダムパイロットが操縦した場合のデータが欲しいと考え、月面基地から脱走し付近に潜伏していたデュオに着目。彼のもとへ向かい、ヒルデや彼の滞在するコロニーを、実質的に人質にとる形で、ウイングガンダムゼロに乗るよう要求します。OZに対して、その生死含めて巧妙に足跡を消しているかに思われたデュオですが、トラント特尉レベルの兵士がサッと調べたらすぐ居場所がわかるくらいには、OZに情報を握られていたらしい。主人公のパワーアップ機であるウイングガンダムゼロも手元に持ってるし、あらゆる情報や装備が筒抜けになってる感じだよなぁ。過去、こんな「ガンダムシリーズ」作品なんて無かったような気が…。

 

ヒルデや潜伏しているコロニーそのものを盾にされ、やむを得ずウイングガンダムゼロに搭乗するデュオ。最初こそ平静を保っていた彼でしたが、戦闘が激化するに連れて、ガンダムデスサイズヘルやコロニー破壊の幻覚を見るようになり、自分が蝕まれていく感覚に戦慄します。そして、これ以上の戦闘続行は危険だと直感したときに、OZの部隊が到着し、トラント特尉に降伏とウイングガンダムゼロの破壊を要求。しかし、ここまでのことをやってきたトラント特尉に、もはやOZの指示に従うという選択肢はありませんでした。Bパート前半で、デュオが始めてウイングガンダムゼロに搭乗。最初は、ヒイロやカトルと同じく、特に問題なく操縦していましたが、戦闘が激化するに連れて幻覚が見えるようになり、デュオの場合は眼前に大量のガンダムデスサイズヘルや、ヒルデがいるはずのコロニーが出現。それらを錯乱状態で全て破壊してしまい、デュオはウイングガンダムゼロの持つ力の恐ろしさに戦慄します。途中から現実と幻覚の境目がわかりにくくなっており、視聴者もデュオと似た視点でウイングガンダムゼロの脅威を描いているのがGood。コロニーを破壊した際は「やっちゃったよ、とうとうやっちゃったよ!」と本気で心配になりましたが、直後デュオの見ていた幻覚だとわかって安心しました。しっかし、ヒイロもデュオもカトルもまともに動かせない機体じゃ、ウイングガンダムゼロって使い道あるのかなぁ。おそらく最終的には、ヒイロウイングガンダムゼロを乗りこなす形になるんだろうけど、問題点を解決する方法があまり見えないですよね。

 

トラント特尉は、デュオの代わりに自らウイングガンダムゼロに乗り込み、OZの部隊を殲滅。ところが、その中で精神に異常をきたし始め、見境のない攻撃を始めてしまいます。彼を止めるべく、デュオは無理を押してガンダムデスサイズヘルで出撃。パワーでは圧倒的にウイングガンダムゼロのほうが上であり、ステータス面での勝ち目はほぼない状態でしたが、デュオがかなりの粘りを見せたことで、ウイングガンダムゼロコクピット部分が破損。トラント特尉もそれに巻き込まれ、彼とウイングガンダムゼロは、宇宙の彼方に消えていくのでした。終盤では、トラント特尉のウイングガンダムゼロと、デュオのガンダムデスサイズヘルの一騎討ちが描写。スペック的には前者のほうが圧倒的に有利でしたが、結果的には後者の勝利。その要因は、パイロットの精神力にありました。トラント特尉は、この時点でウイングガンダムゼロにのまれており、また自分の興味関心のみを優先させている状況。対するデュオは、依然コロニーを救うという使命を持っていたほか、絶対にウイングガンダムゼロには屈しないという強い決意があり、これがウイングガンダムゼロのパワーを押し返します。その結果、トラント特尉を打ち破ることには成功したものの、ウイングガンダムゼロの機体は彼とともに行方不明に。ええ、次は誰の手元に渡るんだろう!?

 

 

 

第33話「孤独な戦場」

1995年11月24日放送

登場した敵他:ビルゴ、エアリーズ、リーオー

ヒイロは選んだんです。一番死の確率の高い、戦場を―。」


STORY:宇宙に身を潜めていたゼクスが、トールギスを駆り再び行動を開始した。それを問題視したロームフェラ財団は、既にゼクス=ミリアルドであることを見抜いていることを利用し、サンクキングダムやトレーズ派を一気に叩いてしまおうと画策する。その作戦に屈さなかったリリーナではあったが、それにかかる会議の直後、財団の放ったモビルドール・ビルゴ部隊に襲われ、自信を喪失しかけるのだった。一方、戦いを求めるヒイロは、自分なりにサンクキングダムを守るため、激戦の予想されるルクセンブルクの街へ、ウイングガンダムで出撃する。しかし、さすがの彼も、大量のビルゴに囲まれてしまってはかなりの劣勢。そのとき、無線通信で聞こえてきた声は―!

 

最近出番が少なかったゼクス/ミリアルドが、再びその行動を開始する一編。のちにヒイロたちと縁深くなる宇宙戦艦ピースミリオンが登場したり、リリーナが完全平和主義の貫徹に自信を喪失しかけたりと、物語上見逃せない要素の多いお話となりました。でも、財団やOZの勢力図の描かれ方が、今までと少し違ってて、お話上矛盾が出てきたなぁ。結局今って、財団やOZの勢力が完全平和主義に押されてるのか、それともなお大きな勢力を維持しているのか、どっちなんだ?

 

サンクキングダムで、己の存在意義等について、悩み考えるカトル。そんな彼を、優しくノインが優しく見守っていた頃、宇宙ではゼクスが、ミリアルドの名を捨て、OZ相手に戦闘を繰り広げていました。既にゼクス=ミリアルドであることをつかんでいた財団は、デルマイユ公爵の意向を受け、サンクキングダムとトレーズ派を一気に叩き潰す作戦を編み出します。それは…。今回は最初に、カトルとノインのシーンからスタート。ウイングガンダムゼロの一件以降、戦いに疑問を持つカトルの葛藤と、そんな彼をフォローするノインの姿が、微笑ましく観れました。久しぶりに、『W』において穏やかなシーンが展開されたって感じだなぁ。しかし、一方の宇宙では、OZが敵勢力と激しく交戦中。その正体は、ゼクスと彼の乗るトールギスでした。ゼクストールギスが久々に登場。この前までは、ミリアルドの名前を使って宇宙への働きかけを行っていましたが、リリーナそしてサンクキングダムの完全平和主義の思想がある程度広まったことを受けてか、再びゼクスに戻って、その身を戦いに投じます。ビルゴ相手に全くひるまず戦うさまは、カッコよかったなぁ!そんな彼自身は、必死に「ミリアルドではなくゼクスだ!」と言い張るものの、デルマイユ公爵を始めとする財団およびOZ上層部にとって、ゼクス=ミリアルドは周知の事実。デルマイユ公爵は、これを利用してサンクキングダムに揺さぶりをかけ、さらに国の取り潰しを計画していました。ここで気になったのが、「依然財団とOZの支配体制は、その勢力を維持していた」という表現。え?この前までは、トレーズ派やサンクキングダムの思想が人々に浸透してきたせいで、その支配体制にかなりの綻びが出来てきてたんじゃなかったっけ?

 

ドロシーより、財団からの、ドイツ・ブレーメンでの会合への出席依頼を受けたリリーナ。ドロシーに言われるがまま、単身彼女とともに現地へ向かうリリーナの一方で、ヒイロは既に財団とOZのルクセンブルク方面への動きを察知しており、リリーナの身に危険が迫っていることを理解していました。カトルをサンクキングダムに残したヒイロは、単身現地へ出撃。最初こそ抵抗したカトルでしたが、ヒイロの本心に気づき、彼を追うことはありませんでした。財団からの会合の誘いは、ルクセンブルクにあるトレーズ派の本拠地と合わせて、リリーナをも叩こうとする財団の罠。リリーナはそんなことも知らず、純粋な気持ちで会合に臨みますが、ヒイロはいち早く財団の真の狙いを察知していました。相変わらず口数が少なく、そして無愛想なヒイロですが、Aパート後半では、彼なりにリリーナやカトルのことを思っているんだろうなと感じられる言動や行動が散見。彼の人間味を感じました。やっぱりヒイロは、本当は割と優しい少年なのかなぁ。そんなヒイロは、他の人間たちに迷惑をかけないため、自らウイングガンダムに乗って、激戦が予想されるルクセンブルクへ。カトルも、最初こそ彼に同行しようとしたものの、その思いを汲み、見送るにとどめます。「ヒイロは選んだんです。一番死の確率の高い、戦場を―。」と語るカトル。ここから、彼の感じ取ったヒイロの強い決意が、ひしひしと伝わってきていてGoodでした。

 

ブレーメンに向かったリリーナを待っていたのは、財団からの、ゼクスにかかる追及。しかし、リリーナはその程度のことには屈さず、また宇宙ではゼクス本人がトールギスで必死の抵抗を見せたことから、財団とOZは予想以上の苦戦を強いられますが、それでも最低限の戦力を、地球に投入することに成功します。防ぎきれなかったゼクスは、そのまま地球まで追いかけるということはせず、現地のリリーナたちにすべてを託します。ゼクス=ミリアルドだということを知っていて、あからさまにリリーナを追及してくる財団。しかしリリーナは、最初こそゼクスが宇宙で活動していることに驚きを見せたものの、以前彼よりサンクキングダムの再興を優先するよう言われていたことを思い出してか、毅然とした態度で対応し、財団の揺さぶりを見事排除してみせます。このあたりのやりとりは、完全にリリーナを子供だと甘く見た財団の作戦負けという感じ。リリーナの決意自体は、以前描写されているため視聴者も知っていることから、ゼクスの名を出してリリーナを追い詰めたと一瞬思い込んでいたデルマイユ公爵の姿は、少々滑稽でしたね。そんな、この会合で話題に出たゼクス本人は、ルクセンブルク基地へ向かうビルゴ部隊と宇宙で交戦中。さすがに全滅させることは出来なかったものの、OZにとってルクセンブルク侵攻が成功するかどうかの最低限の戦力にまで部隊を削ることに成功していたため、その戦果は十分なものでした。いくらゼクスが卓越した操縦技術を持ち、さらにピースミリオンをも作り上げたハワードの調整があったからとはいえ、最新式モビルドールであるビルゴに対し、堂々と勝ってみせるトールギスは異常。今さらだけど、本当に旧型機なのかよ、これ…!?

 

会合からの帰路についていたリリーナは、財団の放ったビルゴ部隊の襲撃に遭遇。しかしこれは、ドロシーからの匿名通信を受けた、ノインとカトルが駆けつけたことで、最悪の事態は回避されます。完全平和主義の貫徹に不安を覚えるリリーナを、カトルは元気づけます。同じ頃、ルクセンブルクでは、トレーズ派とOZによる激戦が展開中。その渦中に飛び込んだヒイロウイングガンダムも、ピンチに追い込まれます。そのとき聞こえてきた声は―!終盤では、恐れていた財団によるリリーナの襲撃が初めて描写。ノインのカトルが駆けつけたため、なんとか事なきを得たものの、それができたのはドロシーからのタレコミのおかげであり、それがなければ完全にリリーナは死んでいる状況でした。いくら完全平和主義を唱えているからとはいえ、あまりにも無防備過ぎたリリーナ。さすがに、出歩く際はもっと護衛をつけたほうがいいと思うぞ…。そして、この一件で、リリーナは一瞬自信を喪失。そんな彼女を、誰よりも支えようとしていたのが、カトルでした。リリーナにとって、今回のことがショックなのはわかるけど、さすがに完全平和主義の考え方に不安感を持つのは、ちょっと描写としてやりすぎな印象。だって、これまでにも何回か危険なときがあったけど、その際彼女のその意志は全く揺らぎませんでしたからね…。まあ、この直後のカトルのセリフがカッコよかったから、良しとするかな。同じ頃、ルクセンブルクで戦っていたヒイロウイングガンダムは、ビルゴに囲まれて大ピンチ。本当に死を覚悟する状況下で、ふと無線通信で聞こえてきたのは、なんとトレーズの声でした。突然、ヒイロにコンタクトを取り出したトレーズ。彼の目的は、一体何だ…?

 

カトル「いつか来る完全な平和。それを信じて、僕たちは戦い続けるんです!」

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第34話から第36話をご紹介予定です。『新機動戦記ガンダムW』。ルクセンブルクの古城に潜入したヒイロは、トレーズから、新型のガンダムを託される。だが、それはゼロと同じ魔のモビルスーツであった―!

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