史上初?戦闘機からほっぽり出されて変身を強要される主人公
昔じいちゃんに言われたんだ。負けた自分より、勝てなかった自分を超える努力をしろって!今回の『ウルトラマンデッカー』は、前半戦最終回にふさわしい、デッカーとテラフェイザーの共闘回。その戦闘シーンを中心に、カナタたちの奮闘やスフィアネオメガスの脅威が描かれ、非常に満足度の高い一編になりました。
テラフェイザーの活躍を見せなければならないため、デッカーがいささか苦戦しすぎな印象を受けましたが、前回美味しいところを持っていっているので仕方ないかという感じ。GUTS-SELECT特有のドタバタ感もしっかり挿入されており、楽しんで観ることができました。しっかし、今回でとうとう、アサカゲ博士にカナタの秘密がバレちゃったねぇ。
なお、前回(第11話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
ただでさえ強かったネオメガスが、スフィア合成獣となって再登場するという、どう考えても盛り上がらないはずがない要素が盛り込まれていた今回。テラフェイザー関連で前回挿入されていたような難しい要素(「地球がテラフェイザーを異物と捉えているのか」等)を削ぎ落とし、スフィアネオメガスの撃破に重きを置いていたのがGoodでした。一方で、それ偏重にならず、キャラの成長やストーリーの進行もキチンとやっていたのは、素晴らしかったですね。
以前倒したネオメガスの破片に、スフィアが融合したことで、スフィアネオメガスが誕生。何か特定の目的を持つかのように市街地を侵攻し、GUTS-SELECTがその対処に当たります。テラフェイザーが使えないことからガッツグリフォンで出撃するも、ほとんど効果はなし。ハネジローにけしかけられる形でカナタはデッカーに変身するも、ほとんど太刀打ちできず、イチカたちをかばったことでダウンしてしまいます。スフィアネオメガスの誕生経緯自体は、今回のお話にあまり影響を与えないため、アバンタイトルで淡白に描写。そのぶん、誕生後市街地に出現したそれが、これでもかというほど暴れまわるさまが、長く時間をとって描かれます。今までなんだかんだで怪獣にそこそこ有効だったGUTS-SELECTの兵器も、今回はほぼ無力。ただ、「単純に攻撃が効かない」ではなく「攻撃してもすぐ再生してしまう」という事情で無力であるとしている点が、GUTS-SELECTの株を落とさずにスフィアネオメガスの強さを表現していてGoodでしたね。そして、こうした状況下で現れたのがデッカー。彼もまた奮闘しますが、スフィアネオメガスを追い込むことはできず、防戦一方の末ダウンしてしまいます。今回、カナタは2回変身しますが、どちらも自発的ではなくハネジローの指示によるものなのが面白いところ。いくら信頼関係ができてるからって、いきなりカナタをガッツグリフォンから突き落とすとは思わなかったよ!
スフィアネオメガスは、ソラフネシティ宇宙港付近に待機し、沈黙。しかし、何かしら地球に影響を与えているのは明らかであり、GUTS-SELECTは早急に対応策をとることを迫られます。ハネジローが自ら、テラフェイザーとTRメガバスターの使用を進言する中、スフィアネオメガスに敗北を喫したカナタは―。スフィアネオメガスは今回、ソラフネシティ宇宙港付近に到達した途端、自発的な攻撃を中止(後半の戦闘は、GUTS-SELECTに応戦したに過ぎないもの)。地中に何かしらのエネルギーを送り込み続けていました。この行動は明らかに、スフィアの意志によるもの。スフィアは地球をどうしようと企んでいるのか、気になるところです。ストレートに考えれば、地球そのもののスフィア化だけど―、そんな単純なものかなぁ。こうしたスフィアネオメガスに対し、完敗してしまったのがカナタ。さすがの彼も暗い表情を見せますが、その心までは折れきっていませんでした。スフィアネオメガスへの敗北がドラマ上のカナタのカセになっているのですが、彼が決してくじけることなく、自分が今できる努力を精いっぱいやって行こうとしているのがGood。しかも、過剰にポジティブに描いておらず、仲間に内緒で努力しているさまが、いい塩梅だなと感じました。本当、カナタは熱血系主人公としては、キャラ的にいろんな意味でよくできたキャラだよなぁ!
自信を取り戻したカナタは、カイザキ副隊長の現場指揮のもと、イチカたちとともに地上よりスフィアネオメガスへの攻撃を開始。しかしスフィアソルジャーの攻撃が苛烈さを増し、またテラフェイザーもスフィアネオメガスに劣勢になったことから、再びハネジローにけしかけられる形でデッカーに変身することになります。今までの自分を乗り越えたデッカーが、スフィアネオメガスに負けるはずがなく、テラフェイザーと連携プレーでどんどん攻撃を叩き込むことに成功。最後は、テラフェイザーのTRメガバスターにより勝利をおさめますが…。後半からは、GUTS-SELECTが一丸となった、スフィアメガスの撃退作戦が敢行。スフィアネオメガスと戦うテラフェイザーをバックに、スフィアソルジャー相手に無双するかのように攻撃の雨あられを叩き込むカナタたちは、『ダイナ』のスーパーGUTSというよりは、『ガイア』のXIGのチームハーキュリーズを想起させました。中型銃火器を両手持ちして乱射するなんて、『ガイア』のシンリョク回を思い出すよね。そんな攻撃の最中、テラフェイザーが劣勢に陥ったため、ハネジローの指示でカナタはデッカーに変身。ほぼ完成された連携プレーの末、TRメガバスターでスフィアネオメガスを撃破します。前半最終回として遜色ない快勝という感じでしたが、ラストでアサカゲ博士が、ハネジローの戦闘データより、カナタ=デッカーであることを知ってしまう描写が。はてさて、これがドラマに一体どんな影響を与えるのか?かなり不穏ですね。
◎特撮面
上述のとおり、前半最終回かつテラフェイザーデビュー回の後編であることから、かなり力が入れられていた特撮描写。ミニチュア特撮・CG合成双方気合が入っており、後者については一部浮いている(明らかに合成だとわかる)描写もありましたが、構図のダイナミックさとお話の勢いのおかげで、ほとんど気になりませんでした。いやぁ、コイツは本当に圧倒されたぜ!
ネオメガスの破片にスフィアが融合したことで、スフィアネオメガスが誕生。ソラフネシティ宇宙港に向かって侵攻を開始し、GUTS-SELECTやデッカーは、それを食い止めるため奮戦します。しかし、スフィアネオメガスの力は圧倒的であり、GUTS-SELECTどころかデッカーまでもが、その前に倒れてしまうのでした。前半での戦闘は、ミニチュア特撮を映しつつ、デッカー・GUTS-SELECT・スフィアネオメガスをそれぞれ間近で撮影することで、戦闘の緊迫感を演出していました。またCG合成を多用し、ビルに突っ込んで倒れるデッカーや、スフィアネオメガスを眼前にしてピンチに陥るGUTS-SELECT等、ダイナミックな構図が多数導入されていたのがGood。明らかに合成だなとわかってしまうカットもありましたが、まあこれは仕方ないでしょう。
沈黙したスフィアネオメガスをなんとしても叩くため、GUTS-SELECTによる一大作戦が開始。修理が終わったテラフェイザーがスフィアネオメガスと戦い、再生のため周囲にまとわりつくスフィアソルジャーを、カイザキ副隊長以下カナタらが対応します。怒涛の攻撃の結果、スフィアネオメガスの再生は阻止することはできたものの、テラフェイザーはTRメガバスターを発射する余裕がなく、事態の打開に窮していました。GUTS-SELECTによる一大作戦のシーンでは、意識的にテラフェイザーとカナタたちが同じ画面に映るような構図を多用。このようにすることで、戦闘のダイナミックさだけでなく、同時並行で戦闘が行われている極限っぷりをうまく表現していました。「ストーリー面」でも述べましたが、地上から果敢に攻撃を加えるカナタたちの姿は圧巻。一定の犠牲も出ていましたが、GUTS-SELECTの地上戦用火器も、なかなか強いんだなぁということがよくわかりました。
ハネジローに指示される形で、カナタは再びデッカーに変身。ウルトラデュアルソードを用い、テラフェイザーとの連係プレーでスフィアネオメガスを追い詰めます。そしてラストは、デッカーの好アシストを受けたテラフェイザーの、TRメガバスターでフィニッシュ。スフィアネオメガスは木っ端微塵に吹き飛びます。終盤の戦闘で、前回に続きデッカーとテラフェイザーの共闘が実現。今回は前回とは逆に、テラフェイザーがメインで活躍、デッカーがそのアシストに回るという形になっていました。TRメガバスターの発射シーンは、そのCGエフェクトもさることながら、あまりの衝撃の強さにイチカが吹っ飛ばされそうになっている描写も挿入しているのがGood。TRメガバスターの凄まじさをよく表現していました。この力がもし敵の手に渡ったら、とんでもないことになるよな…。
ナースデッセイ号を襲う謎の停電。その復旧作業に駆け付けたのは、先代GUTS-SELECTの一員である、メトロン星人マルゥルだった!停電の原因とは何なのか?そして、カナタたちはそこで何を見るのか!?
次回は、「ニュージェネレーションヒーローズ」ではおなじみとなった、折り返し地点の総集編。『トリガー』の時もそうだったけど、今回も、総集編回だけど総集編っぽさを感じさせないお話になりそうですね。
読むしかねぇ…。第13話の感想記事も、読むしかねぇんだ!
bongore-asterisk.hatenablog.jp
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