お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士Vガンダム』ちょっとした感想 V-15(第43~45話)

今回は、機動戦士Vガンダム』の感想記事第15回目です。

 

ザンスカール帝国との戦争も最終局面へと突入。今回ご紹介の3話では、帝国最大にして最恐の武装であるエンジェル・ハイロゥの脅威が描かれることになります。人々を狂わせ、誰も幸せにしない兵器。その名前が「エンジェル・ハイロゥ」だなんて、皮肉すぎるよね…。

 

なお、前回(第40~42話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第43話「戦場の彗星ファラ」

1994年1月28日放送

登場した敵他:ザンネック、ゾロアット、戦艦スクイード、戦艦アマルテア、戦艦シノーペ

「とどめを刺さないと、いつまでもギロチンの鈴が鳴るぞ?」

 

STORY:ピピニーデンのラステオ艦隊を下し、シュバッテン艦隊への突撃を行うリガ・ミリティア。その陣頭指揮を執るハンゲルグが、自分に振り向いてくれないことから、ウッソは、疎外感を覚えます。その後勃発する戦闘において、ファラのザンネックが出撃。V2ガンダムの目の前に水から飛び出してきた彼女を見て、ウッソはその大胆さに恐怖するのです。今明かされる、宇宙漂流刑後のファラに起きた出来事。一度は中破され危機に陥るウッソでしたが、ジャンヌダルクの援護を機に機転を利かせて、ついにザンネックを打ち破るのです!

 

第40話から登場していたファラのザンネックとの決着回。彼女の細かな心理描写や回想により、宇宙漂流刑後彼女がどう生き、そしてその結果なぜこの性格に変貌してしまったのかが明かされます。ウッソがザンスカール帝国に潜入しているときにその裏で起こっていたことが判明したので、以前のシーンもこれでスッと腑に落ちましたね。また、ウッソが一時的にハンゲルグとの仲が悪くなるものの、戦闘を通じて回復するさまも描写。彼の考え方がいささか単純すぎる気がしないでもないですが、この単純さこそが、まだ少年である彼のいいところとも言えるでしょう。

 

前回、ピピニーデンのラステオ艦隊を撃沈させたウッソたち。続いて彼らは、連邦軍と協力のうえ、タシロ率いるシュバッテン艦隊の撃沈を計画します。その中で、ハンゲルグはどこか他人行儀であることから、ウッソは彼の態度に疑問を持つように。しかし、それはオデロたち親を失った者から見れば甘ったれた考え方であり、またハンゲルグ自身も、ウッソとうまく付き合えないことに悩んでいました。シュバッテン艦隊を叩くための作戦ブリーフィング中、ウッソが有効な提案をしても、ほとんど表情を変えず淡々とそれを受け入れるハンゲルグ。ウッソはその様子を見て、ハンゲルグがどこか他人のように感じてきます。しばらくハンゲルグと会えていなかったため、自分も甘えたいし、ハンゲルグからも求められたいと思うウッソの気持ちはよくわかりますが、彼くらいの年齢なら、ぼんやりとでもいいから「周りとの関係もあるから、あえてそうふるまっているのかな」と気づいてもいいかなぁという印象(実際、この後のムバラク将軍との会話でそれが明かされる)。さすがに、作戦ブリーフィング中に親子の関係丸出しでやってたら、多少なりとも反感を持つ兵士たちもいるかもしれないからね…。そうしたウッソの考え方を、甘ったれだとバッサリ切り捨てるのが、オデロたち。そうだよね。オデロとウォレンも、第2話(時系列的に第1話)の時点で、既に肉親を失ってるんだもんね。そうした立場からすれば、親が生きてるってだけでも、ウッソは幸せに見えるよなぁ。

 

シュバッテン艦隊と接触したことで、戦闘が勃発。ウッソたちはシュラク隊とともに出撃し、敵の最前線へと飛び込んでいきます。向かってくるゾロアットを次々と撃破していく中で、いよいよファラの乗るザンネックが出現。それはウッソをおびき出すかのようにザンネックキャノンを乱射し、いざ1対1になると、なんとファラ自らが単独で宇宙に出、ウッソのいるコクピットへと近づいてきます。彼女の不可解すぎる行動に、彼は戦慄するのでした。Aパート後半より、シュバッテン艦隊との戦闘が開始。ここではファラの考えや行動もある程度時間を割いて描写されており、艦内での彼女がどういった立ち位置で、またどういったふるまいをしているのかがわかります。今までは、身に着けた鈴をシャンシャン鳴らして高笑いしてることが多かったけど、ドッグに向かうと、以前とあまり変わらない様子で部下たちに指示。まだ、常人を装うだけの最低限の正気は保ててるってことなんですね。そんな彼女は、自分が見込んだパイロットの1人:キル・タンドンを乗せ、ザンネックで出撃。ザンネックキャノンを次々に撃ってウッソのV2ガンダムをおびき寄せ、いざ接近してきたら自らコクピットを開けて前に飛び出し、彼をあざ笑うかのように接近してきます。ザンネックキャノンの乱射は、下手をすれば味方にも当たる可能性のある危険な攻撃。レーダーもあまり利かない中で、それでもファラは、「私の感覚を信じろ」として、キルに発射を強行させます。その結果は、確かにゾロアットに当たることもあったものの、おおむね狙い通りにリガ・ミリティア側のモビルスーツに損傷を与えることに成功。ファラは、鈴の音のおかげで感覚が研ぎ澄まされているのか?それとも…!

 

宇宙漂流刑後に起きたこと、そしてウッソへのこだわりを語りながら、接近してくるファラ。完全に彼女に気を取られ、スキができたウッソは、ザンネックのザンネックキャノンの直撃を受け、V2ガンダムの左腕を大破させてしまいます。大ピンチに陥る彼でしたが、その時ジャンヌダルクからのジャベリン部隊が到着。これによりハンゲルグの愛を認識し、また刺激されたウッソは、一度リーンホースJr.に戻って体勢を立て直し、作戦を決行。ザンネックはそれに翻弄される形になり、ファラを逃したもののついにウッソはその撃破に成功します。ウッソが未だに生身の人間に手出しができないことを知ってか知らずか、依然あざ笑いながら近づいてくるファラ。ここで彼女が、宇宙漂流刑後タシロの部下に救出され、その宇宙漂流刑自体が茶番だったこと。また一度ギロチンにかけられかけたタシロは、あの事件の後一度姿を消し、その後ちゃっかりエンジェル・ハイロゥ防衛の任につくことになった顛末が明かされます。なるほど、この流れで行くと、なぜファラがあれだけタシロに肩入れするのか、そしてウッソたちのザンスカール帝国潜入時のギロチンの話について、腑に落ちるし辻褄もあいます。でも、タシロもどこまで本心なんだか…。彼のことだし、ファラを利用するだけ利用して成り上がろうって言うのが、その真意な気がするなぁ。そんなファラに気を取られていたせいで、ウッソはザンネックキャノンの攻撃を受けてV2ガンダムを中破。キルが自分の意図を汲まずにビームの出力を絞ったことに怒ったファラが、彼を射殺する一方その間にジャンヌダルクからの応援部隊が駆け付け、ウッソを救います。今までやられ役だったジャベリンが、この時は大活躍。今までこんなにジャベリンが頼もしく見えたことなんて、ないぞ!またこの時、ウッソがこの応援を見て、「ハンゲルグが自分の動きを見てくれていた=自分を見捨てていない」ということを知る形になっているのもGoodです。こうした動きに刺激を受けた彼は、態勢を立て直し、大量のブーツで攪乱しながらザンネックをついに撃破。その手法は、かつてのマチスの作戦を生かしたものでした。

 

ザンネックを撃破したものの。シュバッテン艦隊は健在。そんな中、ホワイトアークはリーンホースJr.とはぐれていまい、攻撃を回避し敵の懐に潜り込むため、あえてエンジェル・ハイロゥに接近するという危険な手に出ます。ウッソたちもこれに追随。一連の動きをレーダーで確認していたゴメスたちは、不安ながらも彼らを信じ、自分たちの戦いに集中します。しかし、こうした流れもまた、タシロとファラの作戦によるものでした。ホワイトアークが敵の本拠地であるエンジェル・ハイロゥに流されており、楽観できることは何一つない状況のリーンホースJr.。さすがのゴメスも一瞬迷いが生じますが、すぐにウッソたちの今までの戦いぶりを思い出し、彼らを信じて見届けます。ここでのゴメスの言葉が、ウッソたちの今まで積み上げてきた経験と信頼を感じさせてGood。捉え方によっては、ある意味丸投げとも受け取れる言葉ではありますが、それでも「ウッソたちならなんとかやって、生きて帰ってきてくれる」というのが、ゴメスの本心なのは間違いないでしょう。しかし、こうしたホワイトアークの状況も、タシロたちから言わせれば作戦の1つ。「わざとV2ガンダムをエンジェル・ハイロゥに近づけ、カガチたちを怯えさせる」とかなんとか言ってたけど、どこまで当初の予定通りなんだか…。

 

ゴメス「しかし、ガキどもだけでいいのか?…いや、いつでもヤツらだけで、何とかしてきたか。」

 

 

 

第44話「愛は光の果てに」

1994年2月4日放送

登場した敵他:ゲンガオゾ、近衛師団専用リグ・シャッコー、戦艦スクイード

「キスハール!子供をくれるって約束は、どうしたの!?」

 

STORY:漂流する資材運搬船にホワイトアークを偽装したウッソたちは、キスハール・バグワット率いる近衛師団に発見されますが、上手くウソをついて保護を受けることに成功しました。そこで、カリンガ・ウォーゲルとの愛を見て微笑ましく思いますが、直後破壊工作を見られたことで戦闘が勃発。ウッソたちは思いがけず、キスハールを捕虜にすることに成功します。しかし、シャクティが勝手な単独行動をとったことで、キスハールは彼女とともに脱走。エンジェル・ハイロゥに戻ろうとしますが、その動き、そしてファラの唆しが、カリンガとの戦いを生むのです。そしてシャクティは見てしまいました。誤解と愛の果てに、二人が宇宙に散るのを―。

 

ウッソたちがエンジェル・ハイロゥの内部を知り、またシャクティが再びザンスカール帝国側に向かうというストーリー上欠かせない展開がありますが、基本的には、ゲストキャラクターであるキスハールとカリンガにスポットを当てた単発回。サブタイトルからもなんとなくわかる通り、2人の愛は悲恋に終わるのですが、それが大体シャクティのせいであるというのが、なんとも言えないものになっています。彼女自身全く悪気はないし、むしろ戦争を止めるために尽力しようとしてるんだけど、そういう純粋さがよけいに、このドラマをやり切れないものにしているんだよなぁ。自分の勝手な行動で、かつてミューラを死なせてるようなものなのに、また繰り返すのか…。

 

前回、シュバッテン艦隊との戦いの最中、やむを得ずエンジェル・ハイロゥの宙域へと逃げ込んだホワイトアーク。ボロボロの資材運搬船にそれを偽装したウッソたちでしたが、航行中キスハール率いる近衛師団に見つかってしまいます。しかし、ここはとっさのウソでなんとか正体がバレることなくエンジェル・ハイロゥに潜り込むことに成功。キスハールとその部下カリンガの関係性を微笑ましく思うウッソたちでしたが、同時にエンジェル・ハイロゥの中にいる人々の様子に違和感を覚えるのでした。早い段階から登場する、今回のゲストキャラクター:キスハールとカリンガ。最近登場したベスパの兵士たちに比べれば、かなり常識と穏やかさを持っているできた人間たちであり、しかもあからさまに恋愛関係をほのめかせる2人の様子を、ウッソたちは微笑ましく思います。2人がラブラブで、かつ大人の恋愛って感じをほのめかせてくれるのはいいんだけど、キスハールの「君との子供が欲しい」ってプロポーズは、ちょっといろんな意味で直球過ぎないか?そんな2人のラブラブ具合は、エンジェル・ハイロゥに到着してからも続き、ウッソたちの前で濃厚なキスまでしちゃう始末。もうさ、「戦争が終わったら」なんて言わずに、今すぐ結婚した方がいいと思うよ。このような形で、キスハールとカリンガの仲睦まじい姿が描かれる一方で、同時に描写されるのが、エンジェル・ハイロゥの中の様子。まだ完成していないとはいえ、ベスパの他多くの市民たちやサイキッカー(超能力者)たちがおり、彼らもまた祈りを通じてエンジェル・ハイロゥの完成に尽力していました。サイキッカーの中には、シャクティを連れ出そうとした海底都市アンダーフックの市民たちの姿も。お前ら、生きてたのかよ…!

 

女王マリアの鋭い勘から、エンジェル・ハイロゥに侵入者(=ウッソたち)の存在を察知したカガチは、ズガン経由でキスハールたちにその捜索を指示。ウッソたちは、ハッチ部分での破壊工作中に発見され、戦闘にもつれ込みます。ここではウッソたちが機転を利かし、また用意していたワナを放って応戦。これにより近衛師団を撤退に追い込み、かつキスハールを捕虜にすることに成功します。Aパート後半におけるウッソたちとキスハールたちの戦闘は、前者の作戦勝ちといった印象。女王マリアの能力により予想より早く発見されてしまったものの、トリモチを放って敵の動きを抑える、ダミーの中にネットを仕込み、勘違いして撃破したキスハール機の行動を封じるなど、かなり上手い戦法を見せてくれていました。ハッチの前という、極めて行動が制限される閉鎖空間というのも、プラスに働いていましたね。そんな戦闘で、ウッソたちにいいようにやられてしまったキスハールは、近衛師団専用リグ・シャッコーから脱出するも、運悪くV2ガンダムにくっついていたトリモチに衝突。くっついたままホワイトアークに回収されることになり、そのまま捕虜になってしまいます。「女王マリアを命に代えてもなんとしても守る」ことで有名らしい近衛師団の、しかも隊長なのに、あまりにもお粗末すぎる展開。このあとのドラマの都合があるとはいえ、もうちょっとキスハールたちには活躍してもらいたかったな…。

 

捕虜になったキスハールは、あろうことかシャクティを連れて脱走。トマーシュが操縦していた近衛師団専用リグ・シャッコーを奪還して逃亡しますが、これにはシャクティの意志が絡んでいました。一方、シュバッテン艦隊に戻っていたカリンガは、ファラにそそのかされたこともあって打倒ホワイトアークに燃え、そのまま出撃。ウッソたちに追撃されるキスハールの近衛師団専用リグ・シャッコーを、既に敵の手に堕ちたものだと誤解して攻撃を仕掛けます。このままキスハールを捕虜にし、さらに近衛師団専用リグ・シャッコーを前線に出してホワイトアークが鹵獲されたふりを装えば、すんなりエンジェル・ハイロゥに潜入できたはず。しかし、シャクティが単独行動をとったせいで、その作戦は破綻してしまいます。エンジェル・ハイロゥは危険である一方、女王マリアのもとで動いていることから、自分が彼女の娘であるという立場であるということを最大限使えば、平和的に戦争を終わらせられるかもしれない―。そう考えてシャクティは行動を開始します。…が、これがまた成功確率の低い単独行動。もういい加減、誰のプラスにもならない単独行動はやめてくれよ!オデロに「シャクティの病気が始まった」なんて言われちゃう始末だし…。そんな彼女を連れて、近衛師団専用リグ・シャッコーで脱走したキスハールですが、カリンガが率いることになった近衛師団に、逆に攻撃されるハメに。その理由は、ファラにそそのかされた彼女が、キスハールは既に死んだものだと思い込んでいたからでした。ここで惜しいのは、ファラがカリンガをそそのかした理由が明確ではない点。おそらくウッソをおびき出してゲンガオゾでたたく魂胆があったのかもしれませんが、それだけではドラマ的にカリンガを利用するという流れにつなげるには弱かったかなぁと感じます。ファラにとってカリンガが鬱陶しい相手だったり、嫌いな相手だったり等の理由付けがあれば、もっと面白くなったでしょうね。

 

キスハールは何とか誤解を解こうとしますが、ミノフスキー粒子もあってそれは難航。ウッソも、ファラのゲンガオゾからの執拗な攻撃を受け、思うように動けません。やがて攻撃は激化し、キスハールは万が一の場合に備えてシャクティを宇宙へと解放。直後、彼はカリンガと相討ちとなり、両機体は機能停止します。その際、お互いの誤解は解け愛を誓いあいますが、機体が爆発。2人はそれに巻き込まれ、帰らぬ人になってしまうのでした。終盤の戦闘シーンは、ウッソのV2ガンダムがファラのゲンガオゾに引っかかってるため、キスハールとカリンガの戦闘シーンがその中心。ミノフスキー粒子のせいで無線も信号も利用できないため、自分の戦闘スタイル等を披露してなんとか察知してもらおうとするキスハールでしたが、カリンガには全く伝わらず、ビームサーベルで貫かれてしまいます。カリンガはもうキスハールが死んだという前提で動いているので、何をやってもムダ。カリンガにもう少し柔軟性があればなぁ…。でも、シャクティを解放した際に「あれはダミーだ!」って思いこむのは、さすがに行き過ぎてる気がするぞ…。そんなカリンガも、差し違えた直後に、キスハールが生きており自分が戦っていた相手だということを認識。死の間際にエンジェル・ハイロゥをウェディングケーキに見立てて、自分たちだけの結婚式を執り行い、やがて近衛師団専用リグ・シャッコーの爆発の中に消えるのでした。エンジェル・ハイロゥ=天使の輪をウェディングケーキに見立てるとは、なかなか粋な演出。彼らがこの直後死んでしまうことから、本当の意味でそれが、彼らにとっての“天使の輪”にもなったというのが非常に興味深いです。

 

 

 

第45話「幻覚に踊るウッソ」

1994年2月11日放送

登場した敵他:ゾロアット、戦艦スクイード、戦艦アマルテア

「戦場を忘れ、全てを、その穏やかさの中に身をゆだねれば、戦いは止むのです。」

 

STORY:女王マリアとカガチたちは、エンジェル・ハイロゥの試験運用を始めました。まだ起動したばかりなので、マーベットたち一般人たちは違和感を覚える程度でしたが、ウッソはその鋭い感覚が災いし、異常な幻覚を見るのです。やがて、エンジェル・ハイロゥの効果を測定するために、サイコミュを搭載したゾロアットが出撃。応戦するウッソたちでしたが、ウッソ自身は幻覚に悩まされ、戦闘どころではありませんでした。想像を絶するエンジェル・ハイロゥの呪縛から、ウッソは逃れることができるのでしょうか?

 

本作3回目となる、実質的な総集編。今までのものは、登場人物が該当シーンを回想していくというオーソドックスな構成でしたが。今回はエンジェル・ハイロゥの影響によりウッソが過去の記憶をもとにした幻覚を見るという変化球的な構成になっており、戦闘シーンも大半が新規作画だったことから、総集編であるにもかかわらず通常回のように楽しむことができました。過去のシーンを使うものの、背景を入れ替えてウッソが宇宙でその幻覚を見ている演出にしているのも、面白い試みだと感じましたね。

 

建物部分は完成し、あとはサイキッカーたちの能力調整のみとなったエンジェル・ハイロゥ。その試験運用のため、女王マリアは中心部の部屋へと入り、戦争終結への祈りを捧げます。その脳波は、エンジェル・ハイロゥにより、地球連邦軍の方へと拡散。これの影響を最も受けたのは、ホワイトアークの中にいるウッソでした。エンジェル・ハイロゥの脳波操作において最も重要なのが、女王マリアを中心としたサイキッカーたちの強い超能力。こうした超能力に頼るさま、そしてその力で人類を次の時代へ導こうという目的・考え方が、『ガンダム』終盤の展開と酷似しているなぁという印象を受けました。間違いなくこれ、意識してるよね。そんな状況下で始まる、エンジェル・ハイロゥの試験運用。ウッソが最初に、そして最も影響を食らったのは、ニュータイプだから…なのかなぁ。

 

宇宙にいるにもかかわらず、カサレリアでのシャクティとの生活を、ポツポツと思い出していくウッソ。やがて、女王マリアの脳波により、その記憶の幻覚は戦場と家族に関わるものへと変わり、最初は幻覚だとわかっていたウッソも、じょじょに現実との区別がつかなくなり、錯乱していきます。やがて彼は、突然「リーンホースJr.に地球帰還用のブースターを取りに行く」と言い出し、マーベットたちを困らせるのでした。中盤より、ウッソの幻覚を通した総集編が開始。女王マリアの思考に従い、最初はカサレリアでの穏やかな生活に日々だった幻覚は、だんだんと戦場の記憶、そしてシュラク隊など死んでいった仲間たちの記憶へと変わっていきます。この総集編も、全部が全部過去のシーンの流用ではなく、シャクティが川で洗濯するシーンや全裸で水浴びをするシーンなど、新規作画部分も存在。シャクティを見つめてる時のウッソ、今までにないくらいさわやかな笑顔してて笑っちゃいました。

 

ウッソのV2ガンダムを、オデロとトマーシュが止めている間に、トッリ・アーエス率いるゾロアット部隊が出現。サイコミュが搭載され強化されていたうえ、戦闘の要となるウッソがさらに強い幻覚に悩まされていたことから、予想以上の大ピンチに陥ります。ウッソが戦えないことを悟ったオデロたちは、2人で奮闘。その際苦し紛れに放ったジェットパックの光が、ウッソにV2ガンダム光の翼を想起させたことで、ウッソは一時的に正気に戻りゾロアット部隊を撃破。直後、女王マリアも疲労が限界に達したことから、エンジェル・ハイロゥの試験運用は停止され、ウッソは幻覚から解放されるのでした。今回敵として立ちはだかるのは、サイコミュを搭載した改造ゾロアット。ゾロアットは、ウッソたちが初めて宇宙に出た頃からずっと登場している敵ですが、ここまでの息の長い活躍、そしてサイコミュすら搭載できるその柔軟性には驚かされます。そんなゾロアットは、攻撃力自体もアップしているため、オデロたちは苦戦。戦闘の中心となるウッソは、ひどい幻覚症状に悩まされていたことから、まともに戦える状況ではありませんでした。女王マリアの脳波により、シュラク隊の死にざまや、クロノクルとの闘いの日々、そしてカテジナの姿を思い出していくウッソ。クロノクルの幻覚を見てたから何とか戦えてたけど、これ他の幻覚見たままだったら、絶対やられてたよなぁ。そんなウッソを、幻覚から救ったのが、オデロの戦法。ジェットパックを敵に向けて大きく飛ばしたそのさまは、V2ガンダム光の翼に似ており、それをきっかけにウッソは正気を取り戻します。サイコミュ搭載とはいえ、調子を取り戻したウッソ/V2ガンダムの敵ではなかったゾロアット。しかし今回の戦いで、エンジェル・ハイロゥが想像を絶する脅威の兵器であることは、ウッソたちそして視聴者に、強く印象付けられることになりました。本当にこんなものが運用開始されちゃったら、マジで戦局はひっくり返されちゃうな―。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第46話から第48話をご紹介予定です。『機動戦士Vガンダム』、観てください!

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