お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士Vガンダム』ちょっとした感想 V-9(第25~27話)

今回は、機動戦士Vガンダム』の感想記事第9回目です。

 

前回、ザンスカール帝国の首都に攻撃をかけたウッソたち。それだけでも大きなことなのですが、今回ご紹介の3話では、帝国のトップであるマリアを人質に取り、それに伴う駆け引きのさまが描かれます。敵味方ともに良く動き、そしてその間におけるキャラの行き来(拘束したりされたり等)も活発。一瞬たりとも見逃すことができない形が続きます。

 

なお、前回(第22~24話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第25話「敵艦と敵地へ」

1993年9月17日放送
登場した敵他:コンティオ、ゾロアット、シャイターン、ギガシィ、戦艦アマルテア、戦艦シノーペ

「家があって、人がいて…初めて“暮らし”というものがあるんだ。そういうことをちゃんとわかっていれば、ニュータイプにだってなれると思うよ。」


STORY:ザンスカール帝国の首都空襲に成功したウッソたちでしたが、サイド2から帰還したズガン艦隊の一部と接触し、戦闘が勃発。彼らは、厳しくそして激しい戦いを強いられることになります。その中でウッソは、ペギー・リーの情熱ある戦い方を知るのです。そして、リーンホースJr.からはぐれてしまったウッソとオデロたちは、ペギーの治療のため再びザンスカール帝国への潜入を計画。それは部分的に成功しますが、予期せぬハプニングの連続により、ウッソは女王マリアに謁見し、ペギーは捨て身の攻撃に出るのです。初めて“シャクティの母親”として目にする女王マリアに、ウッソは何を思うのでしょうか?


戦闘を経てウッソたちがザンスカール帝国への再潜入を決意し、またウッソが初めて女王マリアと出会う(見るだけなら過去に何度か経験はある)一編。前半ではズガン艦隊との一部との激戦が、後半では偶然となり行きの連続で、ウッソたちがベスパのドックを引っ搔き回した末女王マリアと出会うなど、戦闘&ストーリーどちらも激しく動き、そして予想だにしない展開が連続した、非常に面白いお話でした。一部ペギーの行動にはムリがあるなぁとも感じましたが、後半の展開の二転三転っぷりにいい意味で圧倒されたため、そこまで気になりませんでしたね。


首都空襲を成功させて、安堵しながらサイド2を離れていくリーンホースJr.。しかし、運悪くサイド2から引き返してきたズガン艦隊の一部に捕捉されたことで、戦闘に巻き込まれてしまいます。前回までの単独行動の鉄拳制裁を食らったウッソは、休む間もなく出撃。シュラク隊の1人であるペギーのバックアップを受けながら戦場に出ますが、コンティオを中心に組成されたクロノクルの部隊は、圧倒的な機動性と攻撃力を見せ、ウッソたちは着実に追い詰められていきます。前回大戦果を挙げたにもかかわらず、急転直下、大ピンチに陥ったリーンホースJr.。でも、前回のあの作戦の目的は「サイド2の艦隊(今回でズガン艦隊であったことが判明)を首都に引きつけるため」だったんだから、航路によってはその帰ってきた艦隊と接触する可能性があるというのは、十分予想できたはずなんですよね。敵の艦隊が予想以上に強くてピンチに陥るのはわかるけど、敵が攻めてきたこと自体に驚いてピンチに陥るのは…ちょっとお粗末かなぁ。そんなズガン艦隊は、地球連邦軍艦隊に勝利している状態で帰ってきているので、戦力に余裕もあるうえ、兵士たちの戦意も高い状態。そこに、クロノクルが率いるコンティオ部隊が合流してきますから、かなりの強敵でした。今までは試験中でありクロノクルの乗るものしか出てこなかったコンティオですが、今回より本格的に実戦投入。ゾロアットのワイヤービームを進化させた兵器:ショットクローは、特にペギーのガンイージを苦しめました。なんか絡めとる系の武器好きだよね、ベスパのモビルスーツって。


劣勢の戦局を打開するため、ウッソはハンガーとブーツを犠牲にすることを前提とした、捨て身の作戦を決行。これによりクロノクルらのコンティオにスキができ、さらにオリファーがウッソの戦法を応用したことで、戦艦アマルテアに直接ダメージを与えることに成功。ここからウッソたちの怒涛の反撃が始まり、ペギーのガンイージが下半身大破のダメージを負ったものの、彼らはコンティオやゾロアットを複数機撃破し、その宙域からの離脱に成功するのでした。Aパート後半の戦闘では、ウッソがそのセンスを爆発させた、奇抜な戦法を連発。リーンホースJr.にハンガーとブーツのストックがあることから、現在ヴィクトリーガンダムとして合体中のそれらを攻撃しながら切り離して囮&目くらましに利用。さらに、ストックパーツで再びヴィクトリーガンダム合体した後は、ビームサーベル2本を重ね合わせて、その反発力を利用してブーメラン状にしてコンティオを撃破するなど、ただただビックリさせられる戦法が連続します。前者については以前も似たようなことをやってたからわかるけど、後者についてはこんなの思いつかなかったぞ。このようなウッソの戦いっぷりに触発されてか、これを機にウッソたち側の反撃が開始。オリファーは、ハンガーとブーツを戦艦アマルテアに特攻させてハッチに大ダメージを与えるという大胆かつムチャな戦法を披露し、ペギーはガンイージの下半身が大破し自身が重傷を負っている状態でも、クロノクルのコンティオと粘り強く戦います。ここでのオリファーとペギーは、ウッソに負けないくらい本当にカッコいい。でもやっぱり、皆戦い方がムチャすぎるよ…。


戦闘宙域から離脱したもの、ポジション取りを誤ったせいで、リーンホースJr.とすぐ合流できなくなった、ウッソのヴィクトリーガンダムとペギーのガンイージ、そしてマーベットのゾロアット。そこには勝手に出撃してきたオデロたちの魚の骨もおり、ペギーが重傷を負っていることを重く見たマーベットは、懲戒覚悟でザンスカール帝国への潜入を試みる決意をします。すぐさまカモフラージュをし、帰還中のズガン艦隊に張り付いて、何とかドックの近くまで来た彼ら。しかし、ペギーが勝手に出撃したほか、ウッソが偶然艦隊の兵士たちに見つかったことで、事態は思わぬ方向へと向かっていきます。前半が戦闘に比重を置いていた分、本格的なドラマ展開は後半・Bパートが中心。誤ってズガン艦隊の後ろに位置取りをしてしまったウッソたちは、リーンホースJr.にすぐに帰還することもできず、またペギーが重傷を負っていて救急キットでの治療では限界があることから、ザンスカール帝国に再潜入し、現地の赤十字の医療施設を使うことを思いつきます。魚の骨が位置取りを誤った理由はちょっとムリヤリ(前半でオデロたちが出撃するそぶりなど見せていなかったため)ですが、これによりウッソたちが再度ザンスカール帝国に潜入しなければならないという状況を作り出しているのがGood。ここにペギーの負傷を絡めているので、彼らの判断におかしさがない(できるかどうかは別として)のも秀逸です。赤十字は国を超えて独立した機関だから、そこに行けばリガ・ミリティア側であっても治療が受けられるだろうという発想もナイスですね。こうして方針が決まり、帝国に潜入すべくカモフラージュを始めるウッソたち。しかしここでペギーが勝手に出撃し、彼女を追ったウッソが、ヴィクトリーガンダムから降りている間にベスパの兵士たちに捕まってしまったことから、事態は少しずつややこしくなっていきます。この事態がややこしくなっていく過程も、また見事。ペギーの独断出撃はちょっと違和感がありますが、そのほかについてはこれまた自然な形で1つ1つの展開がつながれており、二転三転するドラマがとても面白かったですね。


ズガン艦隊に難民の子供として捕虜となったウッソは、そのまま成り行きで女王マリアの演説に立ち会うことに。そこで初めて、彼は生で彼女の姿をはっきりと目撃します。やがて居合わせたクロノクルがウッソの存在に気づき、ドックは戦場へと変化。ウッソは強行突破して女王マリアのもとへ向かい、自分の素性とシャクティのことを話しますが、ペギーのガンイージの攻撃がそれを邪魔します。やがてドック内は混乱で包まれ、そこから脱出すべくペギーのガンイージヴィクトリーガンダムで抱えたウッソは、逃げようとする女王マリアを偶然発見して…。ウッソは捕虜になったので、本来であればすぐ独房か何かに入れられるはず。しかし、帰還したズガン艦隊は女王マリアの言葉を受けることになっていたため、彼はベスパにとって敵なのにもかかわらず、女王マリアの演説に立ち会うことになります。ここで、演説を聞くことになるウッソ・その存在に気づくクロノクル・ウッソの正体に気づかずのほほんとしている兵士たちの、三者三様の反応が実に面白く、ちょっと笑っちゃいました。そして、演説が終わるとクロノクルはウッソのことを指摘し、正体がバレたウッソは強行突破して女王マリアに接近。自分がシャクティの友人であることを伝え、その後ガンイージの隣にあるヴィクトリーガンダムの元へと戻ります。そして、ドックから脱出しようとすると、再び女王マリアと遭遇。ウッソは純粋に保護する目的で、彼女を手に乗せようとします。これに対して女王マリアはどんな反応を見せるのか?次回に続く―!

 

 

 

第26話「マリアとウッソ」

1993年9月24日放送
登場した敵他:コンティオ、リグ・シャッコー、ゾロアット、ギガシィ

「ウッソ、約束するんだよ。何が何でも生き残るんだよ。私たちの分まで、生きるんだよ!」


STORY:マリアを人質に取ったウッソでしたが、その戦い方の迷いから、ペギーを戦死させてしまい、逆に捕虜として拘束されてしまいました。そんな彼は、マリアの慈悲と、奇妙なめぐりあわせにより、オデロたちが身を寄せていたサンノゼ・ファクトリーにやってきます。そこでマリアから菓子袋をもらったことを機に、翌日行われる儀式の全貌と、脱出の糸口を知るのです。そして儀式当日、ウッソたちは力を合わせてギロチンから脱出し。ヴィクトリーガンダムガンイージを取り戻しました。しかし、そこに新たなる敵:リグ・シャッコーが立ちはだかります。中に乗っているのは―!


戦闘描写は序盤のドック内のシーンにほぼ集約されており、ペギーの死、そしてその後展開されるマリア主義の異常性にスポットを当てたお話。意外にもペギーの死はお話上あまり重要視されておらず(その分ウッソの考え方に影響を与えた形になっている)、その後のベスパとウッソのやり取り、儀式において披露されるザンスカール帝国民のカルト性などが強く印象に残りました。ウッソは特に軍事教練等は受けていないはずですが、その身体能力の高さも披露。小柄ゆえに、ああいうトリッキーな動きもできるんだなぁ。


前回、半ば偶然マリアを人質にとることになったウッソたち。彼女を盾にするのは有効な戦法になるはずですが、ウッソの迷い、そしてクロノクルの果敢な攻撃により、あっという間にウッソたちの優勢は崩されてしまいます。ウッソは逆にマリアをかばいながら戦うという厳しい状況に置かれた末、自分をかばったペギーを目の前で死なせ、さらには自身もマーベットとともに捕虜となり、ヴィクトリーガンダムは鹵獲されるという失態を生む結果を招いてしまします。敵の親玉を人質に取っているのだから、敵陣であるドックからの脱出やその後の戦闘において、彼女を盾にするのは、卑怯ながらも非常に有効な手段のはず。多くの人がパッと思いつきそうな作戦ではありますが、ウッソはそこまで非情になることができず、そのスキを突かれてクロノクルのコンティオから激しい攻撃を受けることになってしまいます。ここでは、精いっぱい女王マリアを盾にしながらも、その迷いから完全に虚勢を張っているようにしか見えないウッソがポイント。「もっと踏ん切りの付いた行動をすればいいのに」とも思いましたが、こういった子供らしい優しさと不器用さを失っていないこともまた、彼の魅力ともいえるのでしょう。そんな彼は、結局クロノクルの攻撃を防ぎきることはできず、ペギーが無理を押してこの戦闘に介入。自分もろくに動くことができず、ガンイージも下半身が大破している状態であるため、コンティオに対して勝ち目があるわけでもなく、コンティオの攻撃の前に散るのでした。ウッソをかばう形で死んでいったペギー。前回は窮地に立たされながらも生き延びたので、生存ルートもワンチャンあるんじゃないかな…とも思ったけど、前回の次回予告で語られていた通り戦死してしまいました。しかし、彼女の死と考え方は、ウッソに大きな影響を与えており、その死が決してムダではなかったというフォローがなされていたのがGoodでしたね。


拘束されたウッソとマーベットでしたが、当然脱走の機会をうかがっており、マーベットの協力もあってそれに成功。しかし、道中クロノクルとベスパの軍服を着たカテジナと遭遇。クロノクルから殴られたことで、再び営倉に戻されてしまいます。その後、マリアやクロノクル、そしてタシロと、ヴィクトリーガンダムが持ち込まれたという小規模工場:サンノゼ・ファクトリーに行くことになったウッソは、そこで工員に変装したオデロたちと再会。このサンノゼ・ファクトリーは、実はトマーシュなどとかかわりが深い工場でもありました。スキを見て、営倉からの脱走を図るウッソ。兵士に向かってタックルするだけでなく、ライフルの銃身を踏み台にして高く飛び上がったり、その勢いで顔面にドロップキックを決めたりなど、「何か格闘技でも練習してきたのか?」と思ってしまうようなアクロバティックなアクションを見せてくれていました。これを何の訓練もなしでできちゃうんだから、監視カメラで見ていたカガチたちが、彼をニュータイプかもしれないと思うのも、うなずけるよなぁ。そんなウッソは、クロノクルに遭遇したことで営倉に逆戻り。その後サンノゼ・ファクトリーにあるヴィクトリーガンダムのもとへと行くことになり、そこでオデロたちと再会します。サンノゼ・ファクトリーの工場長は、実はトマーシュたちの父:バーツラフ・マサリクの友人。彼はベスパの仕事を受け持つ一方で、ザンスカール帝国の体制に疑問を抱いており、以前からバーツラフたちと密かにやり取りをしていました。案外帝国の体制に対して、疑問を持つ市民たちも少なからずいることがわかる描写。やっぱり、力だけで押さえつける政治体制は、上手くいかないものですね。


女王マリアはウッソと二言三言会話したのち、別の要件のため退場。ウッソは彼女から菓子袋をもらい、オデロたちが兵士たちへの奇襲の機会をうかがっていたことから、それを食べて何も気づいていないフリをします。やがてオデロたちの奇襲は成功し、ヴィクトリーガンダム等の細工に成功。その際ウォレンが偶然菓子袋の中を覗き込んだことをきっかけに、ウッソたちはその菓子袋に込められた秘密に気づきます。明日行われる“儀式”の全貌を知った彼らは、それに乗じた脱出計画を練るのでした。ウッソと女王マリアの会話シーンは、短いながらもいろんなことが想像できる描写。そのセリフや表情から、彼女は女王であり表向きは帝国のトップであるものの、実際には政治的権力がほとんどないこと、そして大きな政治的流れ止める術を全く持っていないことが窺えます。彼女も彼女なりに、苦労してるところがあるんだなぁ。そんな彼女が、ウッソに渡した菓子袋には、翌日開かれる儀式の広場の見取り図と警備体制図、そしてシャクティのいる位置が隠されており、これに気づいたウッソたちは、その儀式に乗じて脱出を図ることを決意します。


翌日。広場に集まった市民たちの中にはシャクティたちの姿もあり、マリアが登場すると儀式が開始。発せられるまばゆい光と、それを異常なまでに感謝し、そしてマリアを信奉する市民たちを見て、シャクティたちは戦慄します。その後、ウッソとマーベット、それにプラスしてタシロの公開処刑へと移行。まずはタシロがギロチンにかけられそうになりますが、その時、ヴィクトリーガンダムガンイージの中に潜んでいたオデロとトマーシュが行動を開始。ギロチンを破壊しウッソたちを救出します。こうして自分たちの乗機に戻ったウッソたちでしたが、ヴィクトリーガンダムはすぐにリグ・シャッコーに捕捉され追い詰められることに。そのパイロットがカテジナであることを、この時ウッソは知りませんでした。Bパート後半で描かれるのが、マリア主義の異常性。女王マリアは定期的に儀式を行っており、彼女から発せられる光に市民たちはありがたみを感じていることが描写されていました。見た目的にはカルトや新興宗教と大差ないものですが、女王マリアの発している光に、何ら細工があるようには見えないのも興味深いところ。マリア主義自体は異常だけど、女王マリア自身の能力は、案外本物なんじゃないかな?そんな儀式の後は、ウッソ・マーベット・タシロの公開処刑が展開。タシロが最初にギロチンにかけられそうになりますが、広場で展示されていたヴィクトリーガンダムガンイージを、オデロとトマーシュが動かし、市民たちを広場から遠ざけ、さらにギロチンを破壊することに成功。ウッソたちを救出します。ウッソたちと並んでタシロも一緒に立っていたシーンでは、ちょっと予想外過ぎて笑っちゃいました。どうやら、カイラスギリー艦隊の指揮を誤り、大損害を出したことがその理由らしいけど…、それでも彼自身のいう通り、公開処刑を食らうほどの大罪ではないと思うなぁ。カガチの思惑が働いているとしか思えないものでしたね。

 

 

 

第27話「宇宙を走る閃光」

1993年10月1日放送
登場した敵他:リグ・シャッコー、コンティオ、ゾロアット、ギガシィ、戦艦アマルテア、戦艦シノーペ

カテジナさん、おかしいよ…おかしいですよ!」


STORY:ウッソの乗るヴィクトリーガンダムを襲うリグ・シャッコーのパイロットは、カテジナでした。カテジナと戦うことに激しい抵抗を覚えるウッソに対して、当のカテジナは、迷いを捨てきれていないものの、クロノクルと連携しヴィクトリーガンダムを追い詰めるのです。やがて、シュラク隊によるザンスカール帝国の再空襲と、リーンホースJr.によるビッグキャノンの発射作戦が敢行。シャクティたちも無事脱出でき、あとはビッグキャノン発射まで戦線を維持するだけでしたが、その中で、ジュンコが命を散らします。そして残されたウッソは、オーティスたちの代わりに、ビッグキャノンの引き金を引くことになるのです。ウッソは、恐怖に震えながらも、戦争終結を信じて意を決して―!


前回とは打って変わって、戦闘シーンが豊富に挿入された一編。ガンイージの発展機:ガンブラスターの戦線投入、ビッグキャノンの発射によるズガン艦隊の大幅な戦力減と、戦局的にはリガ・ミリティア側の圧勝となりましたが、最前線で戦うウッソたちにとっては、決して手を上げて喜べる勝利ではなかった形になっているのが、このドラマに深みを与えてくれていました。そして、シュラク隊を引っ張り続けてくれたジュンコも、とうとう戦死。彼女なら終盤あたりまで生き延びてくれそうな勢いだったけど―、ダメだったか…。


前回、リグ・シャッコーに襲われ窮地に立たされたウッソのヴィクトリーガンダム。しかし、リグ・シャッコーの戦い方に焦りと迷いが見られること、そしてコロニー内にもかかわらずビーム兵器を多用して地上に被害を出し続けていたことから、ウッソはこの戦いを早く終わらせるために、迷いに打ち勝って戦いを続行します。やがて戦いが進む中で、ウッソは感覚的にパイロットの姿を感知。その正体はカテジナであり、自身の街を焼き払ったベスパに彼女が加担していることに、彼は慟哭するのでした。リグ・シャッコーを駆ってウッソを追い詰めていたのは、カテジナ。彼女はクロノクルと行動を共にするうちに、すっかりザンスカール帝国、特にマリア主義の思想に共感するようになり、ベスパの一員として働くようになっていました。ここでちょっともったいないなぁと感じるのが、カテジナがベスパの一員となった理由が明確に示されていない点。彼女の語りや戦いっぷりから、なんとなくその事情が窺えますが、それをもとに「私もベスパの一員になってモビルスーツに乗る!」という発想に行きつくには、ちょっと説得力が弱いかなぁと思います。以前のお話から、もっと彼女がベスパのモビルスーツの魅せられている描写があったら、もっと面白くなったろうなぁ。そんなカテジナは、完全にベスパの側についたわけですが、まだ戦うということには戸惑いと迷いを抱えている印象。戦い方も粗削りで、自国の領土を舞台に戦っているのにその領土に被害を出しまくり、それによりパイロットの迷いと焦りを見抜いたウッソは、怒涛の反撃を開始します。しかし、パイロットがカテジナであることに気づき、再び攻撃の手を緩めてしまうのでした。カテジナさんおかしいですよ!」という有名なセリフは、このシーンが初出。なるほど、確かにウッソが叫びたくなる気持ちもよくわかります。


攻撃に再び迷いが生じたウッソを助けたのが、マーベットのゾロアットと、ジュンコのガンブラスター率いるリーンホースJr.の空襲部隊。ちょうどリーンホースJr.は、カイラスギリー艦隊が残した大量破壊兵器:ビッグキャノンで艦隊を薙ぎ払う作戦を立てており、その陽動として出撃してきたものでした。これによりコロニーに穴が開いたことから、ウッソたちはそこから脱出。リグ・シャッコーからの激しい追撃を受けるも、オデロたちの乗る魚の骨とも合流し、彼らをかばって負傷したジュンコをも回収して、一度リーンホースJr.へと戻るのでした。ウッソへの加勢シーンで、ジュンコがガンブラスターに乗って登場。ガンイージの発展機であり、機動性も操作性もかなり高くなっているはずですが、思ったほど目覚ましい活躍は見せてくれませんでした。クロノクルのコンティオに食らいついたり、身体を張ってリグ・シャッコーのビームライフルから魚の骨を守ったりなどの見せ場はいっぱいあったけど、「これはガンブラスターじゃないとできなかったな!」っていうものは無かったなぁ。そんな援護を受けて、ウッソは再び精神を安定させ、ブーツやハンガーを犠牲にしてコロニーから脱出しリグ・シャッコーの攻撃を回避。魚の骨に無理に合流しようとしたせいで、ジュンコを負傷させてしまいますが、無事全員リーンホースJr.に帰還するのでした。


クロノクルをはじめとする、一部のベスパの部隊がビッグキャノンの存在を感知し、その周辺でも戦闘が勃発。何が何でもビッグキャノン発射までは戦線を維持したいリーンホースJr.は、ありったけの戦力を投入し、ウッソもまだコア・ファイターしか修理が終わっていない状態で出撃します。その後、ナイスタイミングでハンガーとブーツの修理も終わり、ヴィクトリーガンダムへと合体。その鋭い勘を働かせて、次々に敵モビルスーツを撃破していきますが、その中で、ビッグキャノンに生身で降り立とうとしているジュンコの行動に違和感を覚えるのでした。ビッグキャノンは、もともとカイラスギリー艦隊が地上に一大攻撃を賭けるために用意していた、一発限りの超巨大ビーム兵器。『Ζ』などでいうコロニーレーザーみたいなものでしょうか。それを自分たちの艦隊に撃たれればひとたまりもないことは、ベスパ自身がよくわかっているため、リーンホースJr.の真の作戦に気づいてから、その周辺で激しい戦闘が繰り広げられます。ここではリガ・ミリティアもベスパもギリギリの戦いを強いられており、特にウッソは装備の修理もままならない状態で出撃するハメに。運よくハンガーとブーツの修理が完了したため速やかにヴィクトリーガンダムへと合体できたものの、あと少し遅ければ完全にリグ・シャッコーかコンティオに撃墜されていました。支持するゴメスもそうだけど、「皆を守りたい、死なせない」という思いのもと無謀な戦いに挑むウッソも大胆だよなぁ。彼の漢気を感じました。そんなウッソは、ヴィクトリーガンダムへの合体後は獅子奮迅の活躍を見せ、ベスパを圧倒。感覚的にモビルスーツの存在を感知して撃破できるまで勘が研ぎ澄まされており、自分の周囲にいたゾロアット部隊を全滅に追い込んでしまいました。ここでのウッソの反応は、まさにニュータイプそのもの。特に、演出や顔の描き方から、アムロによく似ているなぁと感じました。


ビッグキャノンに降り立ち破壊工作をしていたクロノクルを目撃したジュンコは、自らもその場に降りて交戦。爆弾の位置の説く手には成功するものの、解除までは至らず、ウッソの目の前で爆発四散してしまいます。これによりビッグキャノンが、リモートコントロールを受け付けなくなったことから、ゴメスはウッソに、ビッグキャノンに直接乗り込んで発射するよう指示。大量の戦死者が出ることを知りながら、この一発で戦争を終わらせることができると信じたかったウッソは、意を決してその引き金を引くのでした。クロノクルはコンティが使い物にならなくなったものの、まだビッグキャノンの発射阻止をあきらめておらず、持っていた小型爆弾でリモートコントロールの遮断を画策。ジュンコの予期せぬ介入があったものの、この工作は成功します。爆弾が解除できず殉職という、刑事ドラマでもありそうなシチュエーションで散っていったジュンコ。爆発する直前で半裸のイメージカットに切り替わる演出がなされていたので、一瞬何が起こったのかわからなくなっちゃいました。カットのつなぎ方であれば、爆発シーンの後にこのイメージカットをつないだ方が自然な気が…?そんなジュンコの死を眼前で目撃し、ショックのあまり戦闘どころではなくなってしまったのがウッソ。そこへゴメスの無線通信が入り、彼は自分の身体に鞭打って、ビッグキャノンを発射します。状況が状況なので、仕方ないのはよくわかるけど、ウッソという子供にビッグキャノンという大量破壊兵器の引き金を直接引かせるなんて、ゴメスたち大人はエグいことをするよなぁ。そりゃウッソも、これで戦争が終わると思い込まなきゃ、やってられないですよね。このようにして発射されたビッグキャノンですが、クロノクルとカテジナの別の工作により、わずかに弾道がそれた状態でズガン艦隊に命中。全滅は回避できたものの、ズガン艦隊は大打撃を受け、撤退を余儀なくされるのでした。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第28話から第30話をご紹介予定です。『機動戦士Vガンダム』、観てください!

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