今回は、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の総括感想記事です。
『ガンダム』と『Ζ』をつなぐ物語として制作された、アニメの作画の気合が半端なさすぎる本作。ガンダム同士の対決が意図的に多く挿入されており、そのせいで若干お話の流れに難ありと感じる箇所もありましたが、総合的に観れば、宇宙世紀の物語をつなぐ作品の1つとして、欠かせないものの1つだなと感じました。
なお、前回（第12～13話[終]＋α）の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
『0083』のタイトルの後ろについているのは、『STARDUST MEMORY』。これはストレートに、デラーズ・フリートの「星の屑作戦」のことを表していると考えられますが、その直訳である「STARDUST OPERATION」ではなく、「STARDUST MEMORY＝星の屑の“記憶”」となっているのが、この物語のすべてを物語っていると感じさせます。この物語は、コウをはじめとする登場人物たちの、戦争に翻弄された人々のはかなさを描いた作品なのです。
コウら戦艦アルビオンのメンバー（モンシアたち不死身の第4小隊を除く）は、本来ならばトリトン基地で順調に訓練を積み、士官になっていくはずでしたが、デラーズ・フリートという敵の登場によりそのプランは崩れ、自分たちの意図しない形で戦いに巻き込まれていきます。そして、軍機を犯してまでガンダム試作3号機を駆り地球を守ったのに、その先に待っていたのは軍法会議でした（結果的に、ガンダムの計画が凍結されたことでコウの罪状は抹消されますが）。
ガトーらデラーズ・フリート側は、ジオン公国再興を夢見て破壊活動を行いますが、それ自体はいつの間にか敵である地球連邦軍の掌の上で踊らされている形になり、最後はそのほぼ全員が地球連邦軍の前に散っていきました。
そう、やったことのいい悪いは別にして、皆世のため誰かのために行動するも、ほとんどそれが報われず、やるせない結果を生んでいるのです。そうしたはかなさが、「星の屑」というワードに込められており、同時にこの作品のハードな展開・世界観を生み出しているといえるでしょう。
観ていて決して爽快感のある作品ではありませんでしたが、上述したはかないドラマの訴求力、そしてガンダム試作1号機フルバーニアンをはじめとするモビルスーツの縦横無尽の活躍に魅せられましたね。この『0083』は。
ただやはり、『ガンダム』と『Ζ』の2つの作品との整合性をとるために、さらにニナの恋愛模様を挿入していることから、途中でドラマの流れがグチャグチャになってしまっているなぁというのは否めない感じ。個人的には傑作とは言い難い作品ですが…それでも、言葉で表現するのが難しい、独特な輝きを放っているように感じます。そう、“星の屑”のように―。
地球を汚染させてしまった人類が、宇宙に殖民して数十年。それに十分になじむ時代となっていた一方で、人類は未だに、戦争の歴史を繰り返していた。
そうした中で、宇宙世紀0153。サイド2のザンスカール帝国が、地球連邦政府に対して独立を宣言。「ザンスカール戦争」が始まった！
それに触れることになってしまった少年少女たちは、自らの意思に反して、戦争にその身を投じることになる―。
U.C.（ユニバーサル・センチュリー）の今、新たなるガンダム伝説が始まる。
シャクティの瞳が見つめる。
―よし、行けるぞ！
ガンダムの形！
Vの鮮烈がガンダムになる！『機動戦士Vガンダム』、君の魂へ！
…というわけで次回からは、1993年放送の『機動戦士Vガンダム』の感想記事が始まります。お楽しみに！
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☆ガンプラ Pick Up！
『0083』に登場したモビルスーツのガンプラの一部を、ピックアップしてみよう！
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