お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』ちょっとした感想 Conflict-4(第9~11話)

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今回は、機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の感想記事第4回目です。

 

ケリィとの決着、そしてバニング大尉の死を経て、新たな局面へと突入した感のある『0083』。今回ご紹介の3話では、ついにガンダム試作1号機フルバーニアンガンダム試作2号機の決着がつくことになります。それは壮絶な結果になり、その後もさらに物語は展開。なんか、地球連邦軍は決して劣勢に立たされてるわけじゃないけど、要所要所でデラーズ・フリートにしてやられてる感が凄まじいなぁ…。

 

なお、前回(第7~8話+α)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第9話「ソロモンの悪夢」

1992年3月19日発売
登場した敵他:ガンダム試作2号機、リック・ドムⅡ、ザクⅡF2型、ドラッツェ、戦艦サダラーン、戦艦グワジン、ムサイ

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「志を持たぬ貴様らは、いずれ滅びるのだ!ガトー少佐が、ソロモンの悪夢をよみがえらせてくれる…。」


STORY:刻一刻と迫る、コンペイトウにおける観艦式の開始時間。コウたち戦艦アルビオンパイロットたちは、デラーズ・フリートやそれに呼応して決起しようとするジオン公国軍の残党狩りに追われ、疲弊しつつあった。そんな中、ついに執り行われる観艦式。地球連邦軍の予測通り、デラーズ・フリートの大軍勢が攻撃を開始したが、当の連邦軍はそれを楽観視していた。しかし、彼らの気づかぬうちに、ガトーのガンダム試作2号機は、着実にコンペイトウへと接近していたのだ。そして、禁断の兵器が今、放たれる―。


前回からその話題が出ていた、コンペイトウでの観艦式を舞台にしたお話。デラーズ・フリートの襲撃を予測し、準備を整えて楽観視していた地球連邦軍でしたが、ガトーの奇襲作戦はその一歩上を行っており、ガンダム試作2号機の核弾頭の前に、コンペイトウは核の業火に包まれることになります。ガトーの襲撃までは決して地球連邦軍は劣勢ではないんだけど、コウたち前線の人間が必死になって戦っているのに対し、上層部は余裕ぶっこいているのが何とも言えません。こんな上層部のために、コウたちは戦ってるのか…?


ついに迫る、コンペイトウでの観艦式。それへのデラーズ・フリートの襲撃は誰しもが予測しており、宇宙に散らばるジオン公国軍の残党たちも、それに合わせて決起を開始。コウたちは、彼ら残党たちへの対処に追われて疲弊しつつありました。同じ頃、デラーズ・フリートでは、ガトーたちが出撃準備中。眼下に広がる広大な宇宙を見つめて、ガトーは散っていった同志たちに、連邦へ一矢報いることを誓うのでした。Aパート前半から、大量の艦隊や、コウたちの戦闘描写が挿入。しかし、彼らが相手をしていたのはデラーズ・フリートではなく、その決起に呼応して合流しようとしていた、ジオン公国軍の残党たちでした。本作の序盤で、宇宙各地にジオン公国軍の残党が散らばっているとのナレーションがありましたが、今回その残党たちが登場。そしてその中には、『Ζ』および『ΖΖ』に登場するハマーンもいました。彼女は宇宙世紀0083の時点でアクシズに潜伏していましたが、そのアクシズ自体は『Ζ』の時とは違い、ひどく薄暗い荒涼とした空間でした。この時はまだ水面下での活動だったから、あまり惑星内部を開発せず、目立たずに力を蓄えていたって感じなのかなぁ。そんな残党たちのほとんどは、1つ1つが小規模なので、コウたちでも十分倒せる相手。しかし、あまりにもバラバラと現れるため、コウたちは1日に何回も非常招集をかけられるハメになり、さすがに疲弊していきます。帰ってきては出撃、また帰ってきては出撃の繰り返しとなり、心休まる暇もないコウたち。最初はコウやキースのような実戦経験の浅い軍人だけかと思いましたが、モンシアが捕虜に厳しく当たっていたところを見るに、ベテランたちもかなり参っていたようですね。


いよいよ始まった観艦式。ワイアット艦長が観閲旗艦バーミンガムより演説をする中で、戦艦アルビオンデラーズ・フリートの一派の襲撃をキャッチ。直ちに出撃して迎撃に当たります。しかしそこに、ガトーの乗るガンダム試作2号機の姿はありませんでした。そのガトー自身は、襲撃隊とは完全に別行動をとり、最低限の護衛をつけて別の宙域を航行。密かにコンペイトウへ接近しようとしていました。観艦式のシーンは、最初こそワイアット艦長のシーンから始まるものの、途中からガトーらデラーズ・フリート側のシーンに切り替わり、彼らがワイアット艦長の演説を聞いてどう思うかという視点で描かれているのが、興味深いポイント。これにより、視聴者がガトーらデラーズ・フリート側に感情移入しやすくなっており、彼らの今まで感じてきた悔しさや、それをバネにして立ち上がってきたことがよくわかるようになっています。確かに地球連邦軍は腐敗しつつあるし、ワイアット艦長たちも余裕ぶっこいてて軍人としてどうなのって思うところはあるけど、だからと言ってデラーズ・フリート側に大義がある…とは、ちょっと考えにくいかな。一年戦争時代の屈辱っつったって、それ自体も元々はジオン公国側が宣戦布告してやり始めたことだしねぇ(その前段階として、連邦政府側がスペースノイドに対して差別的気味だったとはいえ)。


ジム改(宇宙仕様)大量のモビルスーツを用意して迎え撃つ地球連邦軍でしたが、デラーズ・フリートの襲撃は想定よりも広範囲であり、緩やかながら守りの薄い地域は押されている状況。それでも、コウたちは奮闘し、コンペイトウと観艦式の防衛の任に当たっていました。そして戦いが進むにつれ、相手となるモビルスーツの機動性が増し、アデルは彼らが、今までの敵とは違う歴戦のパイロットたちであると予測します。その時、戦艦アルビオンのレーダーは、ついにガトーのガンダム試作2号機をとらえるのでした。地球連邦軍は確かに軍備をそろえてデラーズ・フリートを待ち構えていましたが、対するデラーズ・フリートの襲撃範囲が広かったため、場所によっては守りが手薄になり、モビルスーツの増援が間に合う前に中継基地が一時的に全滅する場所も出てくるように。しかしそれでも、なんとか防衛ラインを突破されず持ちこたえていたのは、コウたちモビルスーツパイロットたちが奮闘していたからでした。Bパート前半で描かれるのは、コウたちの奮戦。ザクⅡF2型やドラッツェリック・ドムⅡなどに応戦し、次々に撃破していきますが、この終わりの見えない戦いに限界を感じつつありました。1つ1つの敵はそこまで強くなくても、長期戦に持ち込まれるとやはりキツいというのは、いつの時代も同じこと。このシーンではコウの疲れと焦りがよく描写されており、観ている者をゾワッとさせてくれました。


ガンダム試作2号機の位置は、コンペイトウの真上。コウたちがいるエリアからはかなり離れていましたが、アデルはコウの思いを汲み、またガンダム試作1号機フルバーニアンの機体性能を考えて、彼とキースをそこへ向かわせます。全速力で向かうコウたちでしたが、コンペイトウが見えてきたその時、白い光が宇宙を包むことに。それは、ガンダム試作2号機から発射された核による攻撃のものでした。ガンダム試作2号機は、ずっとレーダー網をかいくぐりながら航行していたため、ギリギリまで捕捉されずにコンペイトウへ接近。あと一歩のところで監視衛星に発見されるも、力押しでそこを突破し、コウたちが応援に駆け付ける前に核弾頭を放ち、観閲旗艦バーミンガムの破壊、そしてコンペイトウ襲撃を成功させます。終盤のこの一連のシーンでは、ガトーの攻撃の鮮やかさもさることながら、これに対し「なぜコウが真っ先にそこへ向かわないといけないか」について、「ガトーとの因縁の決着のため」以外の理由付けもキチンと行っている点。コウたちがいた宙域は、コンペイトウからかなり離れており、ガトーの攻撃が行われる前に間に合いうる機体は、コウのフルバーニアンくらいしかないからというものでした。ここのシーンでは、アデルの頼れる先輩っぷりもとてもカッコいいんだよなぁ。不死身の第4小隊の中でも、彼は穏やかな実力者という感じで、好感が持てますね。

 

 

 

第10話「激突戦域」

1992年5月21日発売
登場した敵他:ガンダム試作2号機、リック・ドムⅡ、ゲルググM、リリー・マルレーン、ムサイ

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「確か、ウラキとか言ったな…。二度と忘れん!」「何っ…ガトォォォォォッ!」


STORY:ガトーの核攻撃により、地球連邦軍は大きな痛手を受けた。そんな彼に食らいつき、決着をつけようとするコウ。ガンダム試作1号機フルバーニアンガンダム試作2号機は、コンペイトウの宙域で激しい戦いを繰り広げ、結果両者相討ちとなり機体は爆発四散してしまった。そしてこの戦いの後、今度はシーマ艦隊がコロニージャックを敢行し、ミラーの一部を破壊したとの情報が入る。それをもとにニナが想定した、最悪のシナリオは何か?そう、デラーズ・フリートの「星の屑作戦」は、まだ終わっていなかったのだ…!


ついに激突!フルバーニアンVSガンダム試作2号機!今回は、前半では第1話よりずっと続いてきたガンダム試作2号機との対決が、後半ではシーマによって引き起こされたコロニージャックにより地球連邦軍が新たな危機に陥るさまがそれぞれ描かれ、サブタイトル通り戦闘描写が中心となるお話に。戦闘時におけるコウの気迫、そしてコロニージャックという大事件が、視聴者を強くひきつけ、そしてお話にぐいぐい引き込んでくれましたね。


前回、ガトーの核攻撃により、甚大な被害を受けたコンペイトウ。観閲旗艦バーミンガムのはじめとする多くの戦力を失い、地球連邦軍の残存勢力は、ガトー攻撃前の3分の1にまで縮小してしまっていました。そんなコンペイトウへ戦艦アルビオンが救援に向かおうとしていた頃、ガトーは攻撃を成功させたことで、悠々と撤退を開始。しかし、そんな彼のガンダム試作2号機に食らいつく、1体のモビルスーツがありました。コンペイトウの受けた被害は大規模なもので、先述の通り地球連邦軍は3分の2の戦力を一瞬のうちに失ってしまうことに。現場は阿鼻叫喚の地獄絵図とかしますが、少し離れた位置から事態を静観していた上層部は、それほど慌てている様子を見せませんでした。彼ら曰く、残存戦力が3分の1になってしまったとしても、デラーズ・フリートの持つ戦力よりも圧倒的に大きいため、何も心配することはないからとのこと。また、強奪したガンダム試作2号機とその核をこの場で使ってしまったことから、デラーズ・フリートにはもう切り札がないという思い込みがありました。まあ、言わんとしてることはわからないでもないけど、いくら何でもデラーズ・フリートを過小評価しすぎじゃないかなぁ。核を使っちゃったのも事実だけど、もしそれが本当に切り札だったら、デラーズ・フリートは「全戦力を賭けて連邦軍の観艦式を妨害しに来ただけ」になっちゃうし(3分の2の戦力を削ぐことにも成功してるけど)、何かまだ裏があると考える方が、自然だと思うけど…。


モビルスーツの正体は、コウの乗るフルバーニアンパイロットがコウだと知ったガトーは、最初こそナメた態度をとっていたものの、コウが着実に腕を上げていることを実感し、じょじょに本気になっていきます。とはいえ、まだまだガトーの方が技術は上。追い詰められ気味になるコウでしたが、戦闘中の気づきやとっさの反応の連続で負けじと攻撃を繰り出し、その機体を犠牲にしてガンダム試作2号機を撃破することに成功。長く続いたガンダム試作2号機との因縁は、相討ちという形で決着するのでした。Aパート中盤からBパート序盤までの長い時間をかけて描かれるのが、フルバーニアンガンダム試作2号機の激闘。パイロットとしての腕は依然ガトーの方が上ですが、成長スピードではコウも負けておらず、またなんとしてもガトーを破りたいという一心で驚異的な応戦っぷりを見せ、最終的には相討ちという形でガトーを撤退に追い込みます。この戦いで注目すべきは、コウの戦い方。戦術と技術でガトーに劣る分、彼は臨機応変さを見せてこれに対応し、やがて相手の持つ弱点を見極めていきます。コウの反応っぷりは凄まじく、ビームサーベルによる攻撃を、シールドだけでなくビームライフルや足のつま先まで利用して防御orダメージを軽減し、すぐさま反撃に転じて着実に攻撃。そしてガンダム試作2号機の弱点である動ない左腕を突いたのち、劣勢に陥った際バーニヤを全開することでそれを目くらましに利用し、ビームサーベルで突き返してガンダム試作2号機を行動不能状態にします。ガンダムシリーズ」に限らず、主人公機と敵のメイン機が一騎討ちする作品はいっぱいあるけど、ここまで壮絶かつ濃密に描かれているのって、本作くらいじゃないかなぁ。それくらい、圧倒されるものがありましたね。


キースの助けを借りて、何とか帰還したコウ。するといきなりモーラから呼び出され、ニナの様子がおかしいことを聞かされます。彼女の様子を見に行ったコウは、ガトーとの戦いはまだ終わっていないと感じる旨伝える一方で、ニナとの愛を深めていきます。それと同じ頃、遠くの宙域で行われていたコロニーの移動作業を、シーマ艦隊が襲撃。地球連邦軍の気づかぬうちに、ジャックされてしまうのでした。今回のニナは、今までの明るさは消えて、ほぼ終始落ち込んでいるか泣いているかのどちらかの表情ばかり。その理由は、ガンダムを2機失ったこととは別のことにありました。ニナのうわごとや、コウへの言葉から察するに、彼女はガトーと過去に付き合っていたことがあった様子。ええ、それをにおわせる描写なんて全然なかったやん…(一応、ガトーと何か因縁がありそうだと思わせる描写は、前々回あたりからあったけど)。何よりあなた、第1話でガトーの顔を見た時「誰!?」って言ってたじゃないの!なんだか急な路線変更だなぁ。そんなニナとコウが会話している頃、シーマが行ったのがコロニージャック。彼女はただ単にコロニーを強奪するだけでなく、それを利用してとんでもないことを企んでいました。大量のゲルググMを差し向け、混乱しているコンペイトウをしり目にコロニージャックを成功させてしまったシーマ。これも「星の屑作戦」の1つだったようですから、完全に地球連邦軍デラーズ・フリートにしてやられた格好ですね。


通信艇が音信不通となり、捜索に向かったジム改ゲルググMに撃破されたことから、シーマ艦隊の暗躍が発覚。混乱をきたす地球連邦軍内で、戦艦アルビオンのニナは、限られた情報から、シーマが次に何を企んでいるのかを具体的に予測します。それを受けたシナプス艦長は、新たなるガンダムの必要性を再認識。未確定情報であった3つ目のガンダムガンダム試作3号機の存在を確信し、ドッグ艦ラビアンローズへと針路をとるのでした。ようやくシーマ艦隊の動きを察知したものの、もともと移動中で中には最低限の人員しかいないコロニー2つをジャックし、しかもコロニーの維持に必要なミラーを一部破壊していたことから、その目的がなかなかわからなかった地球連邦軍。しかし、民間の技術者であるニナは、入ってきた最低限の情報から、シーマがコロニー2つを自然にぶつけて月等への落下軌道に乗せ、コロニー落としを計画していることに気づきます。コロニー落としこそ、デラーズ・フリートの「星の屑作戦」の大きな目的の1つ。過去に星を傷つけ、多くの犠牲者を出してきたそれですが、今回はコロニーが2つも落とされる可能性があることがわかり、コウたちは戦慄します。「ガンダムシリーズ」の悪役がよくやりがちなコロニー落としが、本作でも登場。本当にみんな、コロニー落としやりたがるよね。確かに、見た目のインパクトも犠牲者も多く出せる、効果的な手法ではあるけどさ…。このような危機的状況に対しシナプス艦長は新たなガンダムの必要性を痛感。予想でしかなかった3つ目のガンダムの存在を、ニナの反応から確信に変え、それがあると思われるドッグ艦ラビアンローズへ向かうのでした。ガンダム試作機シリーズはもともと複数機制作される予定だったようであり、うち地球に持ち込まれたのは1号機と2号機だけ。ということは、重力下でのテストが不要とされた機体があるはずだ―。そう推測したシナプス艦長は、まだ見ぬガンダム試作3号機にすべてを賭けます。新たなる希望:ガンダム試作3号機。それはいったいどんな性能を持つのか?次回へ続く―!

 

 

 

第11話「ラビアンローズ

1992年6月21日発売
登場した敵他:ノイエ・ジールリック・ドムⅡ、ゲルググM、戦艦グワジン、ムサイ

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「ニナ。あなたなら3号機を…3号機を!」


STORY:ガンダム試作3号機を求め、ドッグ艦ラビアンローズへとやってきた戦艦アルビオン。しかしそこは、地球連邦軍のナハット・ナカト少佐の指揮下にあり、彼の指示により開発計画はストップ。データもほとんど残っていない状態だった。そんな中、月へ向かっていたデラーズ・フリートのコロニーは、推進力を得て地球へと目標を変更。連邦軍の読みは大きく外れる結果となり、地球に危機が迫る。戦局を変えるには、ガンダム試作3号機に賭けるしかない!軍規に反することを承知で、コウはガンダム試作3号機に向かう―。


本作終盤の主人公機となる、ガンダム試作3号機のデビュー回。しかしそのお話は、それがいきなり戦線に投入されてハデな活躍をするのではなく、どちらかといえばその前段階、「ガンダム試作3号機をどう動かすか」というところに焦点があてられたお話になりました。ガトーらの野望を阻止し、地球を救うために、軍規に反してガンダム試作3号機に乗り込むコウ。彼の運命は、今後どうなってしまうのでしょうか―。


シーマ艦隊にコロニーを強奪され、月にコロニー落としが敢行されることを察知した、地球連邦軍上層部。しかし彼らは、それが行われたとしても体制に大きな影響はないとして、完全に楽観視していました。一方のガトーらデラーズ・フリートは、表向き中立を保つアクシズの艦隊と接触ガンダム試作2号機に代わる新たな機体・モビルアーマーノイエ・ジールを受け取るのでした。コロニー落としは重大な事案であり、月はスペースノイドに限らず、多くの人間が住む衛星。にもかかわらず連邦軍上層部は、サラミス改艦隊を派遣すれば月の周回軌道に乗る前に撃破可能であること、仮にコロニー落としが実行されても体制に大きな影響はないと考えており、驚くほど楽観視していました。連邦軍上層部が、いかに宇宙を軽視しているかがよくわかる描写。以前にそれをやったから一年戦争が起きて、しかもその時コロニー落としが敢行されて甚大な被害が出てしまったことを、この人たちはすっかり忘れてしまったのでしょうか?それに、月には連邦軍にも兵器を卸してるアナハイム・エレクトロニクス社があるし、多分結構な影響があると思うんだけど…。そんな体たらくの連邦軍に対し、次なる行動の準備に移っていたガトー。彼が手に入れた新たな専用機は、ノイエ・ジールというモビルアーマーでした。ノイエ・ジールは、クリーム色をした『F91』に登場するラフレシアを想起させる機体(設定年代は『F91』の方が後だけど、制作年ではこちらの方が先)。ガトー曰く「ジオンの理想を具現化した機体」らしいけど…、うーん、そう見えるか?


ニナの反応とシナプス艦長の推測を信じ、ラビアンローズにドッキングした戦艦アルビオン。そこには、確かにガンダム試作3号機がありましたが、連邦軍本部の命を受けたナカト少佐がそれを凍結。開発責任者でありニナの知人であるルセット・オデビーは、それを前々から不満に感じていました。そこで彼女は、フルバーニアンパイロットだったコウに目を付けますが、ニナによって猛烈な反対を受けます。デラーズ・フリートによる蜂起が起きて以降、それへの対処を優先させ、また先代である2号機があちらの手に渡ったことなどから、開発が凍結されていた3号機。その責任者であるルセットは当然不満に感じていましたが、監視下に置かれていたため容易に開発を続けられなくなっていました。今回のみの登場となるナカト少佐。イヤミったらしい人物として描かれており、後述する終盤でのルセットに対する行動などから、小心者であることが窺えます。視聴者は主人公=コウ視点から観ているので、どうしてもナカト少佐に反感を覚えやすいですが、彼も彼で、連邦軍本部からの指示に忠実に従ってるだけなんですよね。やり方が悪いと言えばそうなのかもしれないけど、メチャクチャ責められるかと言われれば、そうでもないような気が…。そんなナカト少佐に対し不満を抱いていたのが、ルセット。彼女は何としても3号機を完成させたいと考えており、あとはテストをするパイロットが必要というところでコウがラビアンローズに来たことから、彼に目を付けます。ルセットはニナと似た感じの女性ですが、より開発者気質といった感じ。月時代からのニナとの親友ということですが、なんとなく、そうなった理由がよくわかる気がしますね。


地球連邦軍サラミス改艦隊の先発隊は、予定通り月の引力圏にかかる直前でコロニーを捕捉。しかし、ノイエ・ジールの攻撃を受けて先発隊は全滅し、さらにコロニーはここぞとばかりに推進剤を使用して、目標を月から地球へと変え移動を開始します。艦隊司令部もそれを察知しますが、時すでに遅く、補給を受けても追撃が間に合わない状況。こうした情報はラビアンローズにも入り、ルセットはその情報も用いて、コウに3号機に乗るよう説得するのでした。コロニーを発見するまでは予定通りで、完全に油断していた上に、デラーズ・フリートをナメていた地球連邦軍。しかし、ノイエ・ジールの襲撃で先発隊は全滅したうえ、コロニーはフォン・ブラウン市のアナハイム・エレクトロニクス社からの推進用レーザーの援護を受けて、月の周回軌道を脱出。その目標は地球へと変更され、艦隊司令部は、そこで初めてデラーズ・フリートの「星の屑作戦」の真の目的を知るのでした。アナハイム連邦軍からすれば)予期せぬ援護があったとはいえ、地球へのコロニー落としの危機を再び招いてしまったのは、完全に連邦軍上層部の怠慢と作戦ミス。冒頭でも述べましたが、一年戦争であれだけ痛い思いしてるんだから、もう少し対応を早めればよかったのにね…。こうした情報はラビアンローズにも伝わりますが、上層部から開発再開の命が出ていないため、依然3号機の計画はナカト少佐によって凍結中。これを待ってられないと考えたルセットは、コウとともに、地球を守るべく3号機を動かそうと画策します。地球を守るためとはいえ、軍規に反する行動をとることになったコウ。これはのちのち、まずいことになりそうだなぁ。


意を決して、軍規に反することを承知で3号機へと向かうコウ。ドッグでとうとうナカト少佐に追いつかれ、銃を突き付けられますが、ルセットの言葉を受けて搭乗を強行。その際、ルセットはナカト少佐の凶弾に倒れます。ナカト少佐はその罪をもコウに擦り付けようとしますが、ここでシナプス艦長ら戦艦アルビオンのメンバーが応援に駆け付け、少佐らの部隊を鎮圧。ルセットの死に悲しむ暇もなく、3号機の整備に当たったニナたちは、戦闘に使えるまでにチューンナップし、モビルアーマーデンドロビウムを合体させ出撃させるのでした。コウたちがドッグに侵入したことで、彼らの目的が3号機にあることを知ったナカト少佐。強硬手段を用いて止めようとしますが、その程度で心揺らぐコウたちではありませんでした。ナカト少佐たちは、銃を突き付けて警告するも、コウとルセットはそのまま3号機へ直行。そしてナカト少佐からの銃撃を受け、その中でルセットがその凶弾に倒れてしまいます。地球がピンチだという時に、柔軟なものの考えができずルセットを手にかけたことから、ナカト少佐に怒りを爆発させるコウ。気持ちはわかるんだけど、やり方が悪いとはいえ、ナカト少佐も軍規に従ってるだけだからなぁ…。そんなコウに対し、ナカト少佐は発砲しようとしますが、それを止めたのが戦艦アルビオンのメンバーたち。彼らによりドッグは押さえられ、急ピッチで整備が進行。そして、3号機はコロニーに向けて出撃していくのでした。モビルアーマーデンドロビウムと合体した巨大な姿で、ノイエ・ジールの前に現れる3号機=コウ。連邦軍も、モビルアーマーって開発してたんだね。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第12話から第13話(終)+αをご紹介予定です。『機動戦士ガンダム0083』。裏切りの宇宙(そら)を覆い、陰謀は満ちて、新たな時代が顔を出す。遂にコロニーは、地球を巡るのか?そして、その中での恩讐の再会。今、ウラキが戦いの果てに見るものは―。

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ガンプラ Pick Up!

『0083』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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