お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士ガンダムΖΖ』ちょっとした感想 ΖΖ-9(第25~27話)

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今回は、機動戦士ガンダムΖΖ』の感想記事第9回目です。

 

前々回ご紹介の話から、大きく雰囲気が変わった『ΖΖ』の物語。その傾向は今回さらに顕著になっていきます。併せて、特に単発回で描かれているのが、「戦士たちの悲哀」。一年戦争(『ガンダム』)は、人の心に様々な爪痕を残し、それがさらななる悲しみを生むさまが描かれていました。悲しさというより、むなしさを強烈に感じるお話も多かったなぁ。

 

なお、前回(第22~25話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第25話「ロンメルの顔」

1986年8月23日放送
登場した敵他:ドワッジ改、ディザート・ザク

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「私は今日まで、ロンメル隊を鍛えてきたんだぞ?ガンダムとはいえ、この程度の数を…!」


STORY:戦局的に動けない戦艦アーガマの代わりに、俺たちガンダム・チームが、先行してダカールに向かうことになった。砂漠を横断しようと飛び出したはいいけど、砂嵐が想像以上に厄介だ。そんな中、オアシスを求めてΖガンダムに乗っていたジュドーとプルが、謎の敵と遭遇する。ジオン公国軍の残党:ロンメル隊だって!?ロンメル隊は巧みな作戦で俺たちを翻弄するけど、機体の性能差は明らか。こんな勝負の見えてる戦い、もうやめようぜ…!


今回から少しだけ、ジュドーたちガンダム・チームは戦艦アーガマと別行動。そして、その中で彼らが遭遇する戦いや事件を描くお話が連続します。その第1回目となる今回は、砂漠の小さな町で生きながらえていた、ジオン公国軍の残党:ロンメル隊との戦いを描くお話。どちらかと言えばロンメル隊そしてその隊長デザート・ロンメルが主役になっており、彼らの行動を通じて、時代に取り残されたものの悲しみ、そして戦争の悲哀が描かれていましたね。8年という月日は、時代も人も変えてしまったのか―。


戦局的に容易に動けない戦艦アーガマに代わり、先行してダカールへ向かい、カラバを支援するようブライトに指示されたジュドーたちガンダム・チーム。彼らはプルを連れて、ΖΖガンダムΖガンダム百式ガンダムMk-Ⅱ・メガライダーで飛び立ちます。しかし、砂漠のど真ん中で立ち往生。暑さにもやられてすっかりバテバテの彼らでしたが、その砂漠には彼らの予期せぬ敵が潜んでいました。本当はダカールのカラバの応援に駆け付けたいけれども、四方八方的に囲まれている状態で、すぐに動けない戦艦アーガマ。そのためブライトは、ジュドーたちガンダム・チームをダカールに先行させ、カラバの支援に当たらせることを決断します。この一連の流れは、ジュドーのナレーションのみでアッサリ紹介される形に。この部分もドラマで描いてほしかったなぁ…と思ったけど、今回はそれだけロンメル隊に比重を置きたかったのでしょう。こうして戦艦アーガマと別れ、砂漠を横断しダカールに向かうガンダム・チームでしたが、砂漠の砂によるメカ不良などに悩まされ、そのド真ん中で立ち往生。すっかりバテバテの彼らでしたが、同じ頃少し離れた小さな町では、ロンメル隊が打倒ガンダムネオ・ジオンへの合流にその執念を燃やしていました。ロンメル隊は、デザート・ロンメルを隊長とするジオン公国軍の残党部隊。一年戦争終戦後もずーっと打倒ガンダムに燃えてモビルスーツの整備や訓練を続けており、今回ネオ・ジオンダカール制圧を受け、ついに自分たちが動き出す日が来たのだと立ち上がるのでした。ロンメル隊はジオン公国軍の軍服を着ており、また妻子を持つ者も多くいる様子。割と堂々と訓練等していたみたいだけど、地球連邦軍による残党狩り等はなかったのでしょうか。


プルのワガママのせいで、士気が駄々下がりのガンダム・チームを見たジュドーは、それに責任を感じたこともあり、オアシスを探すためΖガンダムで出撃。プルもメガライダーに乗って彼を追いかけてきますが、そんな中ロンメル隊のディザート・ザク隊と遭遇します。足場も悪く、まだ慣れていない地球上での戦闘に苦しむジュドーでしたが、なんとか撤退に追い込むことに成功。しかし、この程度のことであきらめるロンメル隊ではありませんでした。ジュドーの機体はΖΖガンダムですが、今回は小回りが利くことを重視して、彼はΖガンダムで出撃。結果的に、この選択はこの後の展開でかなり有利に働くことになりました。そんなΖガンダムは、最初はウェイブライダー形態で航行していたものの、途中プルが追いついてからは、モビルスーツ形態になってメガライダーに乗って航行。すっかり油断していた彼らでしたが、それをロンメル隊のドワッジ改とディザート・ザク隊が襲います。ドワッジ改はかつてのドムを、ディザート・ザクはかつてのザクⅡをそれぞれ改造した機体。そのため機体の性能差では圧倒的にΖガンダムに劣りますが、その分砂漠という自分たちに有利な地形、そして複数機による巧みな連係で、その性能差を何とか埋めようとしていました。Ζガンダムもかなり苦戦を強いられていましたが、それはディザート・ザク隊が強かったからというよりも、砂漠という慣れない地形での戦いだったからという印象が強め。メガライダーの加勢もあったとはいえ結局Ζガンダムを倒せてないし、この時点でのちの戦闘の結果はもう見えてたんだよな…。


一度態勢を立て直すことにしたロンメルは、砂漠の中に大量のディザート・ザク隊を潜ませ、Ζガンダムを引き込んで一気にバズーカ攻撃で叩くことを画策。配下の兵士の1人であるニキにその役割を任せます。ニキは、一度ビーチャたちと合流したジュドーΖガンダムを引き付けることには成功しますが、予想通りに動かないΖガンダムに対し深読みをしすぎてパニック状態に。その後彼の望み通り仲間たちの援護射撃が始まりますが、その流れ弾に巻き込まれ、ニキのディザート・ザクは大破するのでした。Ζガンダムの性能は確かに優秀である一方、砂漠という地の利を生かせば、まだ勝機はあると踏んだロンメル。彼は、ディザート・ザク隊を砂漠内に潜ませてΖガンダムを誘い込み、バズーカで一気に仕留めようと画策します。その誘い込む役割を任されたのが、ニキでした。Bパート前半、ジュドーΖガンダムロンメル隊の罠に落ちそうになるシーンでは、このニキの描写が中心。序盤で登場した際、妻子という守るべき家族がいる一方で軍人にしてはかなり気が弱いという一面を見せていた彼でしたが、その気の弱さが今回命取りになってしまいます。Ζガンダムを作戦通り引き付けたまでは良かったものの、Ζガンダムのスピードが予想よりも遅く、じょじょに2機の間は開いていくばかり。Ζガンダムが遅い理由は、それがモビルアーマーではなくあくまでもモビルスーツだからなのですが、ニキはその理由は「確実に自分を倒すためではないか」などと深刻に考えるようになり、それが自分自身を追い込むことになり、パニックを引き起こします。そして、味方の攻撃の最中、その流れ弾に巻き込まれてしまうのでした。気持ちはわからんでもないけど、ニキの最期はあまりにもはかなすぎたな…。


Ζガンダムを追い込んだロンメル隊は勢いづきますが、ΖΖガンダムたちが合流したことにより一気に形勢は逆転。ディザート・ザク隊は次々と撃破されていき、残るはロンメルの乗るドワッジ改のみになります。ジュドーロンメルに対し戦闘中止を呼び掛けますが、全てを悟ったロンメルは、Ζガンダムに特攻。しかし、それもΖガンダムビームサーベルの前に阻まれ、ロンメル隊は全滅。ジュドーたちガンダム・チームは撤収し、かつてロンメル隊のいた町は、女子供と悲しみだけが残されるのでした。いくら作戦や戦術が巧みだったとしても、上述した通りΖΖガンダムたち最新機とドムやザクⅡの改造機では、その性能差は明らか。一度陣形を崩されて以降、ロンメル隊は完全に連携が取れなくなり、そこをΖΖガンダムたちに突かれて、ビームライフル等で次々と撃破されていきます。ジュドーたちの逆転後は鮮やかな戦闘を見せてくれますが、それを加味してもディザート・ザク隊は一方的にやられすぎ。でもこれこそが、ロンメル隊が「時代遅れ」であることを象徴してるんですよね。やがて唯一生き残ったロンメルに対し、ジュドーは戦闘中止を呼び掛けますが、その言葉を受けて逆にロンメルは最後の攻撃を仕掛けることを決意。しかし、それはあっさり阻まれ、他の兵士同様ロンメルもその命を散らすのでした。ジュドーの言葉により、頑張ってきた自分たちは既に「過去の遺物」であり、もはや今の時代や流れについていけないのだと悟ったロンメル。彼は最期にひと花咲かせようとしますが、その夢もかなうことはありませんでした。ロンメルの最期もインパクトありますが、ラストで描かれる町に取り残された女子供と墓標のシーンも、かなりインパクト大。ロンメル隊もまた、戦争に翻弄された悲しいヤツらだったなぁ。

 

 

 

第26話「マサイの心」

1986年8月30日放送
登場した敵他:ゲルググ

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「あのお姉ちゃん、かわいそう…。」


STORY:砂漠で生きていくには、水の確保が肝心だ。オアシスを求めて砂漠をさまよう俺たちだったけど、ジュドーが出会ったマサイって女の人のおかげで、オアシスのある村にたどり着けた。でも、村の人たちはなぜか素っ気ないし、マサイはどこか様子がおかしい。そんな時、赤いゲルググが突然姿を現した。砂漠の戦いに慣れていない俺たちは、足元をすくわれて大ピンチ!早く来てくれジュドー!そして、赤いゲルググパイロットの正体は、一体誰だ!?


前回と同じく、砂漠に生きる人をゲストキャラクターに迎えた一編。前回がロンメル隊という集団だったのに対し、今回はマサイ・ンガバという1人の女性になっているのが、いい対比になっていて興味深いです。彼女が戦う理由として、恋人タグの存在がほのめかされており、彼が劇中回想含めて一切登場しないのは面白い演出。しかし、それを最後まで引っ張った割にはアッサリバラしてた上に、それまでの戦闘シーンはいささか間延び気味で、ちょっとバランスの悪いお話であるようにも感じました。


貯めていた水も底をつきかけ、さらに暑さにもやられていたことで、じょじょに亀裂が生じてくるガンダム・チーム。そんな中、ジュドーコアファイターでオアシスさがしに出かけます。しかし、道中迷子になり、ラクダを発見して捕らえようとするも失敗。その時に出会った女性が、マサイ・ンガバでした。「砂漠の掟」に従う彼女は、ジュドーを助けオアシスの位置を教示。しかも彼を自分のラクダに乗せ、ガンダム・チームのもとまで乗せてくれるほどの優しさを見せてくれるのでした。ささいなことからケンカしがちなガンダム・チームですが、今回は水も足りないわ暑さでヤキが回ってるわと全員極限状態であるため、序盤における中の悪さは深刻。中でもエルとルーは特にピリピリしており、終始不機嫌そうにしていました。そんな中で、プルが残ってた水で水浴びをしてしまったものですから、彼女たちの怒りは頂点に。「砂漠に首だけ出して埋めてやろうか」とか「(焼けた)ガンダムMk-Ⅱの背中に括りつけてやろうか」とか言い出す始末でした。いろんな意味で限界なのはわかるけど、このシーンにおけるエルたち、ほぼ悪役みたいな感じになってたぞ…。一方同じ頃、ジュドーコアファイターでオアシスの探索中。地図通りに進んでもなかなか発見できない中、砂漠を歩くラクダを発見。コアファイターから降りて捕まえようとした際、マサイと出会います。砂漠で右も左もわからなくなってしまったジュドーは、彼女に大いに助けられるのでした。マサイは「砂漠の掟」に従う者として登場。とても優しい女性に描かれていますが、その心の奥底には深い悲しみがありました。


ガンダム・チーム全員でオアシスのある村に行こうとするものの、プルの言葉が気になったジュドーは、彼女とともに別行動をとり、マサイを尾行することに。彼らが最終的に目撃したのは、砂漠の洞窟に隠された赤いゲルググでした。一方、残りのメンバーたちは、マサイに教えられた村へ直行。水を分けてもらってすぐ立ち去る予定でしたが、村人たちはモビルスーツに対し異常なまでの嫌悪感を抱いており、その反応は決して芳しいものではありませんでした。マサイがΖガンダムをはじめとするモビルスーツΖΖガンダムコアファイターが分離してるためGフォートレス状態)を見た時の反応と、去り際の目つきから、彼女が何かを抱えていることを感じ取ったプル。プルのその感覚を信じ、ともにマサイを尾行したジュドーが見たのは、ジオン公国軍パイロットスーツを着て赤いゲルググに乗り込む彼女の姿でした。マサイはモビルスーツに対してかなりの敵対心を持っており、タグという男性のことを思って、常に形見であるボロボロのヘルメットを持っていました。タグがマサイにとって何なのか(この時点で大体予想付くけど)、なぜ彼女がいきなり赤いゲルググに乗るのか、それをほとんど明かさずにお話が展開していくのは面白い構成。視聴者にマサイの心そしてその行動に興味を持たせる形になっており、引き込まれていきます。一方、マサイに教えられたとおりに近くの村へ向かったガンダム・チームは、そこでオアシスを発見。さっそく水を汲みに行こうとしますが、村人たちは彼らのことをあまり歓迎してはくれませんでした。村人たちはモビルスーツに嫌悪感を抱いているため(理由は最後まで不明)、彼らにとってガンダム・チームは、歓迎できない訪問者。そんな状況下でビーチャたちが何の断りもなく水を汲みに行こうとするものですから、余計に反感を買ってしまいます。せめて、話をつけるところはちゃんとつけようね…。


ジュドーたちの制止も聞かず、マサイは赤いゲルググに乗って出撃。そのまま村にいたガンダム・チームを急襲します。完全に不意を突かれたガンダム・チームは、各自モビルスーツやメガライダーに乗って応戦しますが、赤いゲルググの機動性となれない砂漠での戦闘、そして仕込まれた多数の罠の前に大ピンチ。おまけに連携も思うように取れず、赤いゲルググ1機相手に想像以上の苦戦を強いられるのでした。Bパート前半では、マサイの乗る赤いゲルググと、ジュドーを除くガンダム・チームの戦闘がその中心。『ΖΖ』の世界でのゲルググは、10年近く前に造られた旧型機という扱いのはずですが、ガンダム・チームを想像以上に苦しめることになります。ゲルググ一年戦争の終盤で出てきた強めのモビルスーツだったし、ネオ・ジオンでも配備されていることから『ΖΖ』の時代でも十分通用するモビルスーツだということは理解できますが、それを加味してもちょっとガンダム・チームが苦戦しすぎじゃないかなぁとも感じました。まあ、マサイはなんとしてもタグのためにモビルスーツを倒そうと強い思いをぶつけてたし、おまけにそこら中に罠を仕掛けていたため、それらが彼女に有利に働いたからってのもよくわかるんだけど…、なんだかなぁ。ちなみに、前回の戦闘で砂漠での戦闘でも十分な機動性を発揮できると判明したΖガンダムでしたが、今回はマサイのゲルググに翻弄されっぱなしでした。


マサイを追いかけてきたジュドーは、ようやくガンダム・チームと合流。エルの乗るGフォートレスと合体し、ΖΖガンダムとなります。マサイはモビルスーツ戦にこだわる理由を吐露し、ΖΖガンダムを倒そうと襲い掛かってきますが、ゲルググΖΖガンダムにとっては敵ではなく、あっという間に撃破。マサイはゲルググとともに心中しようとしますが、ジュドーによって救われることになります。戦いを終えたガンダム・チームは、村から去りますが…。終盤でΖΖガンダムが登場。火力が高い分機体が重いそれでは、砂漠でのゲルググ相手の戦闘は不利なんじゃないか…と思いましたが、ほとんど苦戦することなく撃破してしまいました。まあ主役機だからね、そりゃ強いよね。ちなみにこのシーンでは、マサイがモビルスーツ戦にこだわる理由、そしてタグの正体も判明。ジオン公国軍兵士でありマサイの恋人であったタグは、一年戦争終結後赤いゲルググでこの村を訪れますが、戦争の傷が癒えぬ村人たちに迫害され、失意のうちに死去。タグの無念を晴らすため、マサイは今日に至るまでモビルスーツ戦を待ちわびていたのでした。最後の最後でドドンとマサイの抱えているものを明かすのはいいのですが、全部彼女のセリフだけでしゃべらせてしまうのは、若干もったいなかった印象。回想パートなども挿入すれば、もっと印象深くなったことでしょう。しかし、そんなマサイの思いも、ΖΖガンダムの強さの前に、ゲルググとともに爆散。彼女はジュドーにより救われますが、ある種の生きがいを失った彼女は、呆然とするほかなかったのでした。生きがいを失い、廃人状態まではいかないものの、無気力な女性となってしまったマサイ。自宅で一人うずくまる彼女の姿が、視聴者にインパクトを与えていました。

 

 

 

第27話「リィナの血(前)」

1986年9月6日放送
登場した敵他:戦艦サダラーン、サンドラ、ザクⅡ、ザク・マリナー、ズサ、ガルスJドワッジ、ディザート・ザク、バウ

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「俺はこの戦いを見届ける。勝手な大人たちに…ひと泡吹かせてやりたいんだ。」


STORY:砂漠を乗り越えてダカールにたどり着いた俺たちが見たのは、ハマーンをはじめとするネオ・ジオンの盛大なパレードだった。自分たちの利益のために、敵に屈する地球連邦のお偉いさんたちは、醜いぜ。その夜のパーティーに乗じて、迎賓館にいるリィナの救出を図る俺たちだったけど、プルの勝手な行動で計画は台無しになる。それでもジュドーは何とかリィナと再会できたけど、ハマーンの銃弾の前に負傷。果たして2人は、生き残れるのか…?


今回と次回は、ダカールを舞台にしたリィナをめぐるお話の前後編。前編である今回は、展開の都合でΖΖガンダムの活躍は一切なく、一方で大人たちの行動に絶望するリィナ、ハマーンの行動に怒りを燃やすジュドー、その気迫に圧倒されおののくハマーンなど、メインキャラたちの感情が克明に描写されているのが興味深いです。ストーリーもどんどん重くなってきたし、序盤のギャグっぽいノリはもう帰ってこないのかな…。


砂漠を越え、とうとうダカールにたどり着いたガンダム・チーム。彼らはジュドーとエル、そしてルー・ビーチャ・モンドの二手に分かれて、それぞれ海岸の防衛線とダカール市街の様子を探索します。そこで得られた情報をもとに、その夜リィナ救出のための行動を開始するのでした。同じ頃、依然グレミーのもとにいたリィナは、ネオ・ジオンの開いた迎賓館でのパーティーに参加。そこで彼女が感じ取ったのは、目先の利益のためにかつての敵に屈する、地球連邦の人々の姿でした。第23話の時点で、カラバからの連絡により既にネオ・ジオンの手に落ちていることがわかっていたダカール。今回初めてその様子が描かれており、ルーたちはそこで盛大なパレードを開くハマーンたちの姿を目撃するのでした。ハマーンたちの盛大なパレードと、それを歓迎する市民たちを目の当たりにしたルーたち。本当に、ダカールネオ・ジオンの前に陥落してしまったんだなぁ。まあ、市民たち全員がネオ・ジオンに屈したわけじゃないんだろうけど…。一方、ジュドーとエルは、海岸の防衛線を偵察。ひと通り調査し終わった後、ジュドーはリィナを救出した後のことについて、自分の考えを語ります。リィナ救出後、あえて彼女をエルに任せて2人ともガンダム・チームを離脱させ、自分は最後までこの戦いに参加するというジュドー。その根底には、「大人たちにひと泡吹かせてやる」という、彼の強い意思がありました。最初の頃はリィナ救出に躍起だったのに、戦いの中でそれ以外の意味を見出していたジュドー。以前のお話でブライトが「ジュドーはリィナを助けた後も戦艦アーガマに残ってくれるだろう」みたいなこと言ってたけど、その通りになりましたね。このようなやり取りを終えて、時間は進んで夜。ジュドーたちは作戦を開始します。目標は、リィナのいる迎賓館。そこではネオ・ジオンのパーティーが開かれており、リィナはそこで大人たちの醜さを目の当たりにします。生き延びるため、そして目先の利益を得るため、お互い建前を使い分けてペコペコする、ハマーンたちネオ・ジオンと地球連邦の人々。このシーンは結構長い時間がとられており、それがリィナの受けた衝撃の強さを物語っています。


迎賓館に静かに接近するガンダム・チームでしたが、プルが気まぐれでメガライダーからビームを発射したため、一気に戦闘状態に突入。各自モビルスーツ等を駆って、攻撃してくるドワッジなどを迎え撃ちます。そんなルーたちのバックアップを受け、ジュドーは迎賓館前までたどり着くことに成功。何とか内部への潜入に成功しますが、ハマーンニュータイプとしての感覚が、それを察知していました。「ジュドーと一緒に行けなかった」という理由だけで、メガライダーのビームをぶっ放し、無用な戦闘を呼び込んだプル。ジュドーはその迎賓館の方に向かってるのに、そっちに向けて撃ったら危ないじゃないか!このようなプルの行動で、ネオ・ジオンガンダム・チームの襲来を察知。ドワッジやディザート・ザクなど、今まで登場したモビルスーツが総動員されて攻撃を加えてきます。頭数的には完全に不利なガンダム・チームですが、陸上からは百式ガンダムMk-Ⅱ・メガライダー、空からはΖガンダムとGフォートレスと二手に分かれ、連携を取りながら攻撃を敢行。破竹の勢いで敵モビルスーツを次々に撃破していきます。なんだ、本気で連携取ったらめちゃくちゃ強いじゃん、ガンダム・チーム!前回のグダグダっぷりは何だったんだ…(みんな精神的に限界だったんだろうけど)。そんな彼らのバックアップを受け、ジュドーコアファイターで迎賓館前への着陸に成功。ルーのΖガンダムの援護を受け、内部への潜入に成功しますが、ハマーンには感づかれていました。ニュータイプどうし特有の“共鳴”により、全てを察知したハマーンニュータイプって、潜入作戦に向かないね…。


迎賓館内を探索するジュドーは、すぐにハマーンと遭遇。それでも彼はリィナ救出を強行しようとしますが、ハマーンに撃たれて右肩を負傷します。その最中駆け付けたのが、ジュドーの気配を感じ取ったリィナ。ジュドーをかばおうとするリィナと、それをやめさせようとするジュドー。2人がかばいあう中、ハマーンが再び発砲し、今度はリィナが被弾。重傷を負ってしまいます。リィナの負傷を受けて激怒したジュドーは、ハマーンが恐れおののくほどの感情の爆発を見せるのでした。潜入してきたジュドーに対し、堂々と銃を突きつけるハマーン。彼女は彼に対し、自分の過去とかつての地球連邦への恨みを語るのでした。かつてはアステロイド・ベルトに住んでいたというハマーン。彼女は一年戦争で傷ついた地球の復興を宇宙という外の視点から見ていましたが、その復興の中での地球連邦の高官たちの堕落や腐敗に絶望し、ネオ・ジオンを通じて自分たちが彼らをも管理し地球圏の新たな復興を狙っていました。アクシズの頃は「ザビ家再興」が目的だったのに、いつの間にかその目的がさらに壮大なものになったハマーン。服装と併せて目的もハデになりましたなぁ。そんな彼女の目的に、負傷してもなお反発するジュドー。さらにリィナもそこに駆け付けますが、彼女の存在が彼にとって、ハマーンとの心理的な戦いでの足かせとなってしまいます。やがてハマーンは、ジュドーを危険分子として抹殺のために再び発砲、それはジュドーをかばったリィナに着弾し、重傷を負わせます。激しい怒りに包まれたジュドーは、ハマーンを恐れさせるほどのオーラを発するのでした。リィナが負傷したことにより、感情を爆発させるジュドー。その時発生したオーラは、ハマーンを完全にビビらせるだけでなく、内部にいたグレミーや、外で戦っているガンダム・チームにまで、プレッシャーという形で影響を与えます。『Ζ』終盤でもカミーユが似たような力を見せていましたが、ジュドーの場合はそれ以上。ジュドーカミーユ以上に、ニュータイプとしてのポテンシャルを持っているということでしょうか。でも、そのオーラが強すぎて迎賓館の外に巨大ジュドーが見えるって演出は、ちょっとやりすぎな気がするぞ。


ハマーンを退けたジュドーは、リィナの協力を得て迎賓館からの脱出に成功。しかし、彼女はどんどん衰弱していく上に、リィナ脱走を知ったグレミーが、バウに乗って追いかけてきます。ガンダム・チームはカラバの援護を受け全力で戦うも、敵の数の前にじょじょに押され気味に。やがて、ジュドーコアファイターも被弾し、海に墜落してしまいます。迎賓館の中は、戦闘の混乱によりパニック状態。ハマーンの命令により外へ出ることが許されていませんでしたが、ここでリィナは、グレミーから教えられた“レディとしての作法”をもとにハッタリをかましジュドーとともに脱出に成功します。ミネバ・ザビに代わって命令する」と言い、あたかもネオ・ジオンの一員かのようにふるまったリィナ。ここでの彼女の行動は、彼女自身の大人たちに対する絶望(Aパート前半で彼女が感じた醜さ)に起因するものでもあると考えられます。こうしてジュドーコアファイターに乗り込み脱出しますが、リィナは衰弱していく上に、グレミーのバウの追撃を受けてしまいます。墜落したジュドーとリィナの運命はどうなるのか?次回に続く!…ラストで、カラバのアウドムラがジムⅢ引き連れて現れたのは、ちょっと感動したなぁ。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第25話から第27話をご紹介予定です。『ガンダムΖΖ』。砂漠に、青い風が吹く―。

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ガンプラ Pick Up!

ガンダムΖΖ』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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