お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士ガンダム』ちょっとした感想 Phase-12(第34~36話)

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今回は、機動戦士ガンダム』の感想記事第12回目です。

 

ララァ・スンの登場、そして、“ニュータイプ”とは何か!?『ガンダム』の物語も、そろそろ終盤に突入。今回ご紹介の3話では、重要な新登場人物:ララァが登場する他、今後の「ガンダムシリーズ」でも何度も登場するニュータイプの概念が、初めて劇中に出てきます。さらに、ジオン公国軍との戦闘も激化。ストーリー面も戦闘面も、大きく変化のあるお話が続きます。

 

なお、前回(第31~33話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第34話「宿命の出会い」

1979年11月24日放送
登場した敵他:コンスコンのムサイ艦隊、巡洋艦チベ、戦艦ザンジバルリック・ドム

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アムロ?…不思議と、知っているような名前だな。」「そう、知っている…。僕はあなたを、知っている!」


STORY:雨の中をバギーで走るアムロは、湖畔で不思議な少女ララァに遭遇した。その後テムに別れを告げたアムロだったが、ホワイトベースに戻る途中で立ち往生してしまう。そんな彼を救ったのは、あの少女ララァと、サイド6に入港していたシャアだった。同じ頃、打倒ホワイトベースに燃えるコンスコンは、その出港を知り、一斉攻撃を仕掛けてきた!戦場の真っただ中に突っ込んでいくアムロガンダムは、驚くべき戦いを見せる―!


前回に続き、サイド6を舞台にしたコンスコンとの戦いのお話。後半の主要キャラの1人であるララァ・スンの登場、劇中初のアムロとシャアの邂逅、そして父テムやカムランとの別れ…などなど、人間模様に魅せられるお話になりました。後半の戦闘パートでは、シャアがフラナガンのことに言及したり、ブライトがアムロの戦いっぷりに驚いたりする描写が存在。このあたりから、本格的に“ニュータイプ”という設定が出てくる形になります。


サイド6の政府が、自分たちを追い出したがっていることを感じ取ったブライト。彼はホワイトベースの修理を急がせ、3時間後の出港を決めます。一方のアムロは、許可を取ってホワイトベースを下船。父テムのもとに向かいますが、途中通り雨に遭い湖畔で雨宿りをします。そこで偶然出会ったのは、不思議な雰囲気を纏った少女:ララァでした。中立の立場であるサイド6では、国際条約により戦闘が起きないようになっていますが、できれば戦闘に関係あるものすら自分のサイド内に置いておきたくない様子。やんわりとホワイトベースを追い出しにかかっていることが、序盤の描写で明かされます。まあ、自分たちと関係のない戦争に関わる兵器がずっとあれば、条約があるとはいえいつ戦争に巻き込まれるかわかんないもんね。気持ちはわかるけどなぁ…。そんな様子を受けたブライトは、ホワイトベースの出港時刻の繰り上げを決定。同じ頃アムロは、テムに別れを告げるため、バギーで彼のもとに向かっていました。湖畔に差し掛かった時に降ってくる通り雨。コテージで雨宿りをするアムロは、そこで静かに座るララァと遭遇するのでした。サイド6は天気も人工のものであるため、雨が降る時刻などは決まっているはず。このアムロが雨に打たれるシーンでは、彼が「天気の予定くらい教えてくれればいいのに」とぼやいており、この一瞬の描写から、ホワイトベースの船員たちがサイド6から冷遇されているということがわかる形になっています。さりげないけど、効果的な描写だなぁ。そして、ここでアムロが出会ったのがララァ。何とも言えない不思議な雰囲気を持つ少女として、描かれています。ララァのアップシーンは、そのほとんどが妙にぼやけたカットに。意図的な演出か、それともフィルムの傷みなのか…?


テムのジャンク屋に向かったアムロは、彼と再会。しかし、ますます悪い方向へと変わってしまっている彼を目の当たりにしたアムロは、そのまま何も告げず彼のもとを去ってしまいます。そしてホワイトベースへの帰り道、近道をしてぬかるみにはまってしまったアムロ。偶然通りかかったバギーに救いを求めますが、そこから降りてきたのは先ほどのララァと、あのシャアでした。前回、酸素欠乏症により脳をやられていることが描写されたテム。アムロと再会したことで回復の兆しを見せるかと思われましたが、ますますガンダムにとりつかれるようになってしまい、結果的により悪い方向へと向かっていってしまいます。アムロがついた「テムのメカが戦闘の役に立った」と言うウソをまともに信じ、さらに研究に没頭していくテム。本などが机から崩れ落ちてもなんとも思わないその様は、凶器を感じるほどでした。前回以上に廃人っぽい感じの描かれ方をしたテム。アムロの回想パートで第1話のシーンが使われており、そこでハキハキとしゃべるテムが出てくるだけに、余計に彼の変貌っぷりが引き立っています。そんなテムに別れを告げ、ホワイトベースへの帰途についたアムロ。近道しようと未舗装の道を走りますが、ぬかるみにはまってしまいます。そんな時、たまたま通りがかるバギーの影が。アムロはそれに助けを求めますが、そこから降りてきたのはシャアとララァでした。ララァと会うために、サイド6に入港していたシャア。アムロとシャア、ライバル同士の彼らが、今回初めて顔を合わせます。お互い相手の乗るモビルスーツしか見ていないため、パイロットであるお互い自身の顔は知らないはず。しかし、アムロはシャアを見た瞬間「あれはシャアだ!」と直感し、シャアもまた「アムロと言う名前を知っているような気がする」と発言します。アムロの言葉がモノローグなのに対し、シャアの言葉が普通のセリフで表現されているのがいい対比。しかも、お互い「あの○○に乗る××か!」と言わないのが、いい駆け引きを生み出しています。


アムロホワイトベースに戻ったことで、ブライトたちは本格的に出港準備を開始。そんな中、カムランがブリッジを訪れ、サイド6の領域脱出時までの随伴を申し出ます。カムランの強い申し出に対し、かたくなに拒否するミライ。両者のやり取りが続く中、それに終止符を打ったのはスレッガーでした。同じ頃、打倒ホワイトベースに燃えるコンスコンは、ホワイトベースの出港をキャッチ。リック・ドムを出撃させ、攻撃態勢を整えます。ホワイトベースがサイド6の領域を脱出するまでの間、随伴することを申し出たカムラン。自分たちのような民間人がいれば敵も攻撃しにくいだろう…という考えによるものでしたが、その根底にはやはりミライを守りたいという強い意志がありました。前回のミライの指摘を受け、今回は(宇宙船の操縦は別の人間にさせるとはいえ)自らも前線に立とうとするカムラン。しかしそれはミライの求めていた彼の行動とは違い、2人の言い争いが続きます。これを終わらせたのは、スレッガーの平手打ちでした。ミライをひっぱたき、さらにはカムランに厳しく当たるなど、憎まれ役になる形で2人の言い争いを終わらせたスレッガー。このまま何もしなければずーっと言い争いが続いていたことでしょうから、このスレッガーの行動は、荒っぽいもののGoodでした。こうしてホワイトベースはようやくサイド6を出港しますが、それを待ち構えていたのがコンスコン。彼はあらかじめリック・ドムを戦闘配置につけさせ、ホワイトベースを的確に攻撃できるよう準備していました。前回の敗北を受け、多少フォーメーションを変えてきたコンスコン。でも、全体的な投入戦力はほとんど変わってないから、どっちが勝つかは予想がついちゃうんだよなぁ…。


サイド6の領空の境界に近づくと、激化するコンスコンの攻撃。ブライトはガンダムGファイターの出撃を命じ、サイド6の領域を完全に脱出するまで、最低限の攻撃でなんとかしのぎます。そして、領空脱出後に本格的に戦闘を開始。ここでガンダムは驚異的な戦法を見せ、リック・ドムを次々と撃破。それはブライトをも驚かせるほどでした。こうしてまたも戦力のほとんどを失ったコンスコンは、ホワイトベースへの特攻を決意。しかし、それもガンダムにより未然に防がれ、コンスコンは宇宙のチリと消えるのでした。Aパート~Bパート前半までを人間ドラマに割いたため、今回の戦闘パートはBパート後半のみ。その時間も短く、前回まで以上にガンダムの異常なまでの強さがアピールされる形となりました。もはやリック・ドムビームライフル一発で倒すのは当たり前となり、敵が必死に組んだフォーメーションも軽々と撃破。一瞬の怯みを見せたものの、パーツを一切破損させることなく、ビームライフルのみでリック・ドム隊を全滅に追い込みます。ガンダムが強い、あまりにも強すぎる。このガンダムの戦闘シーンでは、ブライトが「アムロの勘が冴えている」と驚くシーンや、テレビ中継でこれを見ていたシャアとララァフラナガンについて言及するシーンが存在しており、暗にアムロの強さの原因が、彼自身がニュータイプであることをほのめかし始めていることが窺えます。そんなガンダムに対し、ほとんど手出しできずに追い込まれたコンスコンは、巡洋艦チベでのホワイトベースへの特攻を決意。しかし、これもまたガンダムにより防がれ、コンスコンはほとんど戦果を挙げられずに死亡するのでした。巡洋艦チベの弱点を一瞬で見抜き、そこをビームサーベルで刺し貫いていくガンダム。機械に頼らず見抜いてるし、もうこれエスパーだろ!いや、これがニュータイプの力なのか…!?

 

 

 

第35話「ソロモン攻略戦」

1979年12月1日放送
登場した敵他:パプア補給艦、ムサイ、爆撃機ガトル、ザクⅡ、リック・ドム、戦艦グワジン[グワラン]、戦艦ザンジバル

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「私は軍人だ。ザビ家の伝統を作る軍人だ。…死にはせん。」


STORY:ソロモンへ向かうホワイトベースは、途中ワッケイン司令の乗る戦艦と合流。ソロモン攻略作戦の概要について指示を受けるが、その内容は、主力艦隊に先んじて自分たちが最初にソロモンに攻撃を仕掛けるというものであった。そして、ソロモンの領域にホワイトベースが侵入し、ついに戦闘が開始された!連邦軍の優勢で戦いは進み敵味方の思いが交錯する中、アムロたちは、初めての戦場の真っただ中での戦いの中で、本当の“戦争”を目撃する―!


ついに始まった、ソロモン攻略戦!今回は、第30話頃からチラッと言及されていた連邦軍の大規模作戦:ソロモン攻略戦の前編に当たるお話。オデッサ作戦に次ぐ連邦軍の大規模作戦であり、ホワイトベースそしてガンダムは、初めて戦場の真っただ中での戦闘を強いられることになります。戦闘が中心になるお話ですが、敵であるドズル・ザビの家族や彼の家族に対する思いが描写されているのも見逃せないところ。このアクセントが、ドラマに深みを与えています。

 

ソロモンへ向かうホワイトベースは、途中で連邦軍の艦隊と接触。そこに乗っていたのは、かつてルナツーで出会ったワッケイン司令でした。ブライトはワッケインからソロモン攻略戦の概要について知らされ、自分たちの役割を認識します。同じ頃、ソロモンを管轄するドズル・ザビは、連邦軍が近づいていることをキャッチしており、急ピッチで戦闘態勢を構築。しかし、思うようにその準備はなかなか進まないのでした。ホワイトベースとともにソロモン攻撃に当たる艦隊の指揮を執っていたのは、第4話で登場したあのワッケイン司令。司令と呼ばれているので階級は上がっていないようですが、ルナツーからこちらへの配置換えになっているあたり、出世したと言えるのではないでしょうか。そんなワッケインからブライトが聞かされたのが、自分たちの役割。第30話で出発したティアンム艦隊は少し遅れて到着するため、自分たちは先陣を切ってソロモンに攻撃を仕掛けるというものでした。先鋒となって進攻するというと聞こえがいいですが、実際はティアンム艦隊から敵の目をそらさせるための陽動のため。以前と変わらず囮扱いです。いくら第30話でホワイトベースの役割を聞かされていたとはいえ、ここへきても囮扱いとは、連邦軍もなかなかひどいな…。一方のソロモンでは、ドズルが連邦軍の攻撃に備え戦闘態勢を構築。しかし、思うように本国からの補給を受けることができず、その準備には不安が残る形になりました。連邦軍の攻撃が来ることは明らかであり、しかもジオン公国軍の中枢を担うザビ家の1人が守っている場所であるにもかかわらず、ドズルに与えられた補給はわずかな戦闘パーツとモビルアーマービグ・ザムのみ。この貧弱な補給から、ジオン公国軍全体がピンチに陥っていることが窺えます。


ホワイトベースがソロモンに到達し、ワッケインとともに先制攻撃を仕掛けたことで戦闘が勃発。アムロたちも、出撃を命じられます。ソロモンはリック・ドムやザクⅡ、ムサイそしてビーム砲などを使って抵抗しますが、連邦軍の張ったビーム攪乱幕と、ガンダムたちの獅子奮迅の活躍により、次々に部隊が壊滅させられていきます。同じ頃、シャアはララァを連れて、戦艦ザンジバルでサイド6から出航しようとしていました。連邦軍側の先制攻撃で、ソロモン攻略戦が開始。ソロモンはリック・ドムやザクⅡ、ムサイや基地に取り付けられたビーム砲で応戦してきます。しかし、こうした抵抗があることは連邦軍は予想済み。すぐにビーム攪乱幕を張ったことでビーム兵器は使い物にならなくなり、またモビルスーツ隊やムサイは、ガンダムらの活躍により次々に撃退されていくのでした。ソロモンはジオン公国軍の軍事要塞のため、当然もとから持っている攻撃力や戦力は高いのですが、それは連邦軍の攻撃の前に次々に打ち破られていくことに。これは連邦軍の綿密な準備だけでなく、ガンダムホワイトベース所属の兵器の活躍もあったからでした。連邦軍は事前にソロモンのことについて当然調査しており、ジムや簡易モビルスーツのボールなどを投入して進攻。しかし、それら以上に活躍したのが、ガンダムたちでした。今回くらいになると、ガンダムだけでなくガンキャノンGファイターまでもが、ビーム1発程度でリック・ドムを倒せるくらいの強さに。向かうところ敵なしと言う勢いで、どんどん攻撃を仕掛けていきます。強い、強いぞガンダムたち!でもそんな中で、なんでガンタンクだけはあんまりいいところ見せてくれなかったんだ…?


連邦軍がソロモンに近づく中、ドズルは万が一に備え、自分の妻子:ゼナとミネバを含む女性や子供たちを脱出カプセルに乗せるよう指示。しかし、その間に連邦軍はソーラ・システムを利用した太陽光線攻撃を開始し、ますます戦局はドズルにとって悪化の一途をたどります。ドズルはゼナとミネバに自分そしてソロモンの勝利を信じさせ、脱出カプセルで宇宙空間へ脱出させるのでした。Aパート終盤からBパート前半にかけて描かれるのが、ドズルとその家族の交流。強面で豪快なドズルですが、意外に家族思いの一面があり、彼は指揮を執りつつも常に家族のことを心配していました。このようにドズル側の事情や家族模様を丁寧に描くことにより、敵であるドズルにも人間味のあるところがあり、単なる悪役ではないと感じさせてくれるのがGood。ドラマに深みを与えてくれています。一方、そんなことなど知らない連邦軍は、ついに主力のティアンム艦隊が到着。ソーラーパネルを展開し、ソーラ・システムによる攻撃作戦を開始します。強烈な太陽光線にさらされたソロモンは、リック・ドムなどのモビル―スーツは跡形もなく爆散。ソロモン自体も大きなダメージを受け、連邦軍に突入のスキを与える結果になります。ビーム攻撃は攪乱幕があるため使用不可、ミサイルやモビルスーツの攻撃にも限界がある…。そんな中考え出されたのが、この太陽光線を利用したソーラ・システムによる攻撃でした。ソロモン側はスペース・デブリに邪魔されたせいでティアンム艦隊の発見が遅れた上に、太陽光線は当然レーダーなどには引っかからないため、ほとんど対策もできずに真正面から攻撃を受けることに。これにより、ソロモンは大ダメージを受けます。太陽光線を利用しての攻撃とは、連邦軍もうまいこと考えましたね。もし現実世界でも実現したら、これは驚異的な兵器になりそうです。


ソーラ・システムによる攻撃により、ガンダムたちはさらに進攻を続け、とうとうソロモンへの突入に成功。事態を重く見たドズルは、自らビグ・ザムに乗って戦う決意を固めます。このように破竹の勢いで攻撃を続ける連邦軍でしたが、その最中ガンタンクが大破。機体と搭乗していたハヤトは無事でしたが、修理と手当てが必要でした。手当てを受ける中、思うように戦えないことを悔やむハヤト。そんな彼を看病していたのが、フラウでした。ソーラ・システムの攻撃により突破口が開かれたことで、連邦軍側はますます勢いづくことに。ガンダムガンキャノン、そしてそれに続く形でジムが、次々にソロモンに上陸して進攻を開始します。先陣を切って突入したのがガンダム。主役なんだけど、なんかあまりにも強すぎて逆に敵っぽく見えたぞ…。こうして連邦軍は戦いを有利に進めますが、その一方で撤退を余儀なくされたのがガンタンク。攻撃にさらされ大きく被弾したガンタンクは、キャタピラ部分が大破。ハヤト自身も重傷を負い、ホワイトベースに帰還して手当てを受けることになります。アムロに対抗心を燃やしていたのに、そんな彼に追いつけないこと、そして思うように戦えないことに涙するハヤト。ハヤトはアムロとは違い、ニュータイプではなかったということなのでしょうか…。まあ、ガンタンクなんてガッツリ地上で使う用の設計だから、宇宙空間で浮遊しながらの戦いにはそもそも向いてないような気もするけどね。このような状態のハヤトを看病していたのが、フラウ。2人とも、ちょっぴりいい雰囲気になってきましたね。

 

 

 

第36話「恐怖!機動ビグ・ザム

1979年12月8日放送
登場した敵他:ビグ・ザム、戦艦グワジン爆撃機ガトル、ムサイ、巡洋艦チベ、突撃艇ジッコ、リック・ドム、ザクⅡ

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「ヤツのために、これ以上の損害は出させねぇ…。悲しいけどこれ、“戦争”なのよね。」


STORY:連邦軍に押され、ついにソロモン内への侵入を許してしまったドズルたち。しかし彼には、まだ新型モビルアーマービグ・ザムが残っていた。自らそれに乗ったドズルは、侵入してきた連邦軍を蹴散らし、さらにはソロモンを捨て連邦軍に特攻を仕掛ける作戦に出る。これに対抗すべく、アムロとスレッガーのGアーマーが飛ぶ。ミライの思いを抱えて、スレッガーが宇宙に散る。そしてアムロは、ガンダム越しに、ドズルの持つ憎悪の爆発を見た!


ソロモン攻略戦の後半に当たるお話。前回に続きジオン公国軍(ドズル)側は終始連邦軍に押されっぱなしですが、その戦局をひっくり返そうとする強敵モビルアーマービグ・ザムが出現します。戦闘パートの中で、ビグ・ザムの脅威、そしてそれと対峙した連邦軍の恐怖を描写しており、単発の登場ながらビグ・ザムが強烈に印象に残りましたね。一方、ホワイトベース側ではスレッガーが戦死。彼が死の間際に残したセリフは、あまりにも有名なあのセリフでした。


引き続き、ドズルの部隊と交戦を続ける連邦軍。その最中、スレッガーの乗るGファイターがエンジン部分を被弾、ホワイトベースに一時撤退します。彼のことが心配になったミライは、ブライトの計らいもあって彼のもとへ駆けつけることに。そこで彼女はスレッガーに思いを伝えようとしますが、スレッガーはあえてそれを拒否し、代わりに母の形見であるという指輪をミライに手渡すのでした。Aパート前半では、ミライとスレッガーのやり取りが中心。比較的長い時間、彼らの1対1のシーンが続きます。スレッガーのGファイターが被弾して、居ても立っても居られなくなったミライ。密かに個人通信で彼と連絡を取ろうとしますが、ブライトには全てお見通しであり、彼の計らいでスレッガーのもとへ行けることになります。ミライの思いをすべて汲み取り、上手いこと彼女を一時的にブリッジからの外出を許可するブライトが粋でカッコいい。でも、いつの間にミライはスレッガーに対して恋心を抱くようになったんだ!?第34話では平手打ち食らって、むしろ溝が深まったような気がしたんだけど…。ミライの恋心は唐突な感じが否めませんでしたが、これも話数短縮の影響なのでしょうか?そんなミライは、休憩室でスレッガーと再会。ミライは彼に思いを伝えようとしますが、彼はミライの言葉を聞く前にそれを拒否。自分を卑下するようなことを言い、ミライに対し、自分の母の形見である指輪を手渡すのでした。ミライが「好き」と言ったり、スレッガーが「断る」と言ったりなどさせず、ミライの恋心とスレッガーの思いの交錯を描いているのがGood。ここでのスレッガーのセリフ1つ1つが、キザだけどカッコいいんだよなぁ~。クサいと言えばそれまでかもしれないけど、やっぱり粋な感じがします。


ガンダムをはじめとする連邦軍は、ソロモンのかなり深いところまで進攻。自分たちがかなりの劣勢にあることを感じたドズルは、ソロモンの放棄を視野に入れ、自ら新型モビルアーマービグ・ザムに乗り、連邦軍に対し最後の総攻撃を仕掛けます。ビグ・ザムのその驚異的な攻撃力と防御力の前に、ジムやボールは次々と爆散。連邦軍兵士たちに恐怖を植え付けます。同じ頃、ドズル援護のためにキシリアから命を受け出撃したマ・クベは、ソロモンからの脱出カプセルを回収するのでして。ドズルにとって、戦局は最悪。ソロモン自体の放棄も視野に入れざるを得なくなった彼は、連邦軍に一矢報いるため、自らもビグ・ザムに乗り、最後の反撃に打って出ます。ビグ・ザムは、超大型のモビルアーマー。見た目は今までのモビルアーマーとあまり大差ありませんが、常に磁界を発生させているため遠距離からのビーム攻撃は一切通用せず、また中央部に設置された巨大ビーム砲から放たれるビームの威力は、並々ならぬものでした。ビグ・ザムの強さは圧倒的。ザクⅡやリック・ドムを撃破できるジムのビームライフルすら一切受け付けず、ビーム一発でその場にいたジムやボールをすべて撃破してしまいます。この倒され方が、一気に爆散するんじゃなくてドロドロと融けていく形になっており、これがビグ・ザムのエグさ、そしてそれを見たことに対する連邦軍兵士たちの果てしない恐怖を視聴者に印象付けています。自分の何倍ものデカさの兵器が、攻撃を一切受け付けずこんな攻撃してきたら、そりゃ恐怖を感じるに決まってるわなぁ…。このようにドズルが反撃に出ていた頃、マ・クベはドズル応援のためソロモンへ航行中。その途中で、ゼナとミネバらが乗る脱出カプセルを発見し回収するのでした。味方の脱出カプセルにもかかわらず、初めは無視してソロモンへ向かおうとするマ・クベ。これにはさすがに部下からも苦言を呈されてしまいます。「(マ・クベは)宇宙で戦う兵士たちの気持ちがわからないのか」みたいなことを言われてるあたり、もしかしてマ・クベって宇宙で戦ったことないのかな?


勢いづいたものの、自身の攻撃でソロモンに多大な被害を出してしまったドズルは、正式にソロモン放棄を決断。残った兵士たちは、一部のザクⅡやリック・ドムを除き、自動操縦による特攻を仕掛けて脱出するよう指示します。これに対して、連邦軍は残っているソーラーパネルを使い、再度ソーラ・システム攻撃を敢行。これにより大半のモビルスーツやムサイなどを撃破しますが、それでもビグ・ザムを倒すことはできませんでした。ソロモンの放棄を決断したドズルは、部下たちに特攻を指示。しかし安易に命を捨てろというわけではなく、ザクⅡ等を自動操縦に切り替え、兵士たち自身は安全に脱出しろというものでした。兵士たちへの気配りや、そしてどう動かすかなどを、この極限の状況下においてもきちんと考え行動しているドズル。見た目は強面だけど、味方にしたら意外にいいヤツになりそうだな、彼…。この攻撃に対し、連邦軍は残ったソーラーパネルを使い、2度目のソーラ・システム攻撃を敢行。これによりソロモンの基地は完膚なきまでに叩きのめされ、多くのムサイやモビルスーツが爆散していきます。しかし、ビグ・ザムはそれすらも耐え抜き、むしろソーラ・システム攻撃を仕掛けてきた連邦軍に反撃を仕掛けてくるのでした。ムサイやザクⅡが爆散する中、それでもひたすら突っ込んでくるビグ・ザム。今までとは比べ物にならないほどの強敵であると、強く感じましたね。ガンダムがどう倒すのか心配になっちゃったよ。


ビグ・ザムの猛攻を見、どう倒すか考えるアムロ。そんな中、彼はスレッガーの提案でGアーマーへと合体。ビグ・ザムへと急速接近していきます。ビグ・ザムのビーム砲をよけきり、爪の攻撃に引っ掛かっても前進をやめなかったGアーマーは、ビグ・ザムの真下に到達。そのままビーム砲をゼロ距離発射し、ビグ・ザムにダメージを与えます。その最中、スレッガーは戦死。彼の死を乗り越えアムロガンダムは攻撃を仕掛けますが、ドズルは最期まで抵抗して見せ、やがてビグ・ザムとともに爆散するのでした。ビグ・ザムへの勝利の突破口を開いたのは、スレッガーの捨て身の作戦。Gアーマーとなってギリギリまでビグ・ザムに接近。真下からビーム攻撃を一気に叩きこむというものでした。小細工なしの効果的な作戦ですが、明らかに自分たちも死んでしまう可能性の高い攻撃方法。アムロはそのことを心配しますが、スレッガーは二言三言言った後、そのままビグ・ザムに向かって突撃していくのでした。「悲しいけどこれ、戦争なのよね」という有名なセリフが、ここで登場。言葉だけ見るとスレッガーがまたカッコつけているようにも感じますが、これはどっちかと言えば、アムロだけでなく自分自身にもそう言い聞かせていたのではないか…と感じさせるセリフでした。こうしてGアーマーは、ビグ・ザムの真下に到達。その爪の攻撃によりスレッガーは宇宙へ投げ出され戦死してしまいますが、ガンダムの怒涛の反撃によりビグ・ザムは爆発寸前にまで陥ります。しかし、ドズルは最後まであきらめず、自ら宇宙空間に出て銃をガンダムに向かって乱射。ガンダムは彼の姿に気圧されますが、その時ビグ・ザムが爆発してドズルも死亡。こうして、ソロモン攻略戦は連邦軍の勝利に終わるのでした。最後の最後まで、ガンダムに対して抵抗して見せたドズル。アムロはそんな彼の姿から激しい憎悪を感じ取っていましたが、彼を突き動かしていたのは、それだけではないでしょう。生き延びた家族への思い、そしてジオン公国への忠誠―。そうした思いの組み合わせの結果が、あの行動につながったのではないかと思われました。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第37話から第39話をご紹介予定です。『機動戦士ガンダム』。君は、生き延びることができるか…?

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ガンプラ Pick Up!

今回紹介したお話に登場したモビルスーツガンプラを、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

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