「わちらが地獄に送っちゃる―。」今回は、1988年2月公開の映画『劇場版 スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲』のレビューです。
前作の劇場版である『劇場版 スケバン刑事』と同じく、テレビシリーズのその後を描いた作品。テレビシリーズがハデな設定や展開と風間三姉妹の仲の良さ（ケンカもよくしてたけど）を中心としていたのに対し、本作では「スケバン刑事シリーズ」の持っていたダーティーさが復活。娯楽作品として仕上がりつつも、ちょっとハードな展開になっていました。
なお、テレビシリーズ（『スケバン刑事Ⅲ 少女忍法帖伝奇』）の記事は↓コチラです。
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※今回の記事も、全て敬称略でお送りします。
STORY：「人が人を支配することなぞ、あってたまろうか！？理屈はもうたくさんじゃ！」「影」との戦いも終わり、普通の女子高生に戻ったはずの風間三姉妹。しかし、その内の風間唯（浅香唯）は、暗闇指令の（長門裕之）の指示で、関根蔵人（京本政樹）が設立した「青少年治安局」の学生刑事として活動を続けていた。そこで唯が目にしたのは、学生刑事たちの横暴と、迫害される少年少女たち。一度は嫌気がさして宮崎に戻った唯だが、般若（萩原流行）の死と暗闇指令の危機、そして結花（大西結花）と由真（中村由真）の呼び掛けにより、青少年治安局と戦うことを決意する。関根蔵人の真の目的とは何か？そして、唯たちに勝機はあるのか！？
本作のサブタイトルは、「風間三姉妹の逆襲」。これだけ見ると、まるで風間三姉妹が悪者のように感じる書きぶりですが、実際のストーリー内容は「前半で唯たちがメタメタにやられる→中盤以降青少年治安局と戦うため立ち上がる」という形になっているため、サブタイトルは全くおかしくありません。文字通り「風間三姉妹」が「逆襲」する物語なんですよね。
そんな本作の敵として立ちはだかるのが、関根蔵人と彼が設立した青少年治安局とその学生刑事たち。学生刑事たちは桜の代紋の入った黒いヨーヨーを武器としており、「スケバン刑事の偽者」という描かれ方をしているのが特徴的です。終始唯の前に立ちはだかる学生刑事のリーダーが阿川瞳子（藤代美奈子）と女性で、しかもヨーヨーの実力は唯よりも上という設定がなされているのが、バトルをより面白いものにしてくれていました。
唯たちを取り巻く人々に目を向けると、本作のみの登場人物として、坂東京助（豊原功補）率いる番外連合が、協力者として登場。廃工場で違法スレスレの商売をしながら集団生活を送るアウトローといった描かれ方をしています。「いつから日本はこんな世紀末チックな世界になったんだ？」というツッコミはさておき、この京助がまたいいキャラ。最初こそ唯と対立していたものの、やがて戦いに協力するようになり、さらにじょじょに恋心が芽生え始めるさまがきちんと描かれています。
その他、テレビシリーズからの登場人物である結花&由真や暗闇指令もしっかりと活躍。一方で不満なのが、般若が学生刑事たちの攻撃を受け、劇中早々に退場してしまう点です。スケジュールの都合等があったのでしょうが、テレビシリーズであれだけ無敵を誇った般若が、学生刑事たちの攻撃を受けただけで死亡って、ちょっとなぁ…。
戦いも激しく、般若という仲間を失った唯たち風間三姉妹ですが、その他の大きな犠牲はなし。最後は関根蔵人らを打ち破り、彼女たちはスケバン刑事としての任を解かれ、唯の故郷宮崎に旅行に行ってENDとなります。このラストも、風間三姉妹らしいものになっていてGood。主題歌として流れる「Believe Again」も、いい曲だったよなぁ～！
渋谷のど真ん中で、少女が爆死した。その少女の正体は、桜の代紋のヨーヨーを持つ特命刑事。これを受け、暗闇機関は新たな少女を特命刑事として任命する。ニューヨークから強制送還された少女：K。彼女のコードネームは…「麻宮サキ」！
…というわけで次週は、2006年公開の映画『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』を取り上げることにしましょう！
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