目立ってなくてちょっとかわいそうだったオッドアイ設定
「呪った直後にお祓い」って、何がしたいんだよ…。1クール中盤に差し掛かってきた『ウルトラマンタイガ』。今回のお話はタイガの強化形態：フォトンアース登場編の前編に当たるお話であり、終盤では強敵ナイトファングも登場しました。ナースも登場するかと思ったけど…、やっぱり出なかったね、仕方ないね。
霊能力系ネットアイドル：天王寺藍という強烈なゲストキャラクターを登場させたのは非常に面白く感じましたが、それに対してお話の展開はよく言えば順当、悪く言えば淡々としている感じがしました。終盤にあんなに登場人物にセリフで説明させなくても、もっと他の表現の仕方もあったと思うんだけどなぁ。
なお、前回（第6話）の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
藍による仕事の依頼をきっかけに、ヒロユキたちが訪れた不思議な村。そこで起こる怪奇現象、伝説と明らかになるその真実―。お話が盛り上がり、色々と面白くなりそうな要素が多かった今回のお話。しかし、正直言ってすべての要素をフルに生かしきれていなかったように感じました。素材と発想は面白いんだけど、料理しきれてなかった感じだなぁ。
霊能力系ネットアイドル：天王寺藍。彼女が打ち出した次の企画は、地図から消えた村である九頭竜村に潜入すること。それに伴い、ヒロユキたちは彼女のプロデューサーから警護の依頼を受けることになります。彼女にはヒロユキとホマレが同行しますが、その道中や到着後の村は、異様な雰囲気が漂っていて…。本編開始直後から登場し、視聴者に強烈なインパクトを与える藍。少しだけ彼女の衣装の細部がわかるシーンが挿入されますが、結構作りこまれていることがうかがえます。衣装代に、地味に予算かかってそうだな…。そんな彼女のキャラ設定は「霊能力」。といっても、最初からそのキャラで売り出していたわけではなく、色々試行錯誤の結果このキャラにたどり着いたようです。後半の展開を考えると、彼女が「霊能力系ネットアイドル」になった理由を「夢か何かで自分の前世を見たから」などのように、アバンで挿入されたナイトファング封印シーンと絡めた設定にしたら、もっと面白くなったような気がします。そうすれば、前半では「いろいろとキツいネットアイドル」という印象を視聴者に植え付け、そして後半の展開で「コイツの言っていたことは本当だったのか」というどんでん返しをすることができますからね。ちょっともったいないような気がしました。そして、この後挿入されるのが、九頭竜村とその周辺の異様さを感じさせるシーン。演出が超頑張ってるのはよくわかるんだけど、雰囲気がイマイチねぇ…。
九頭竜村の儀式に突入するも、顰蹙を買って終わってしまう藍。彼女と話すホマレやヒロユキでしたが、当の本人は全く反省の色なし。凝りもせずに再び儀式に突入します。同じ頃、ピリカは儀式の中にいた不審な人影の解析に成功しますが、既にその時ヒロユキたちは襲撃に遭っていました。「悪魔の気配がするので」儀式に勝手に乗り込み、どんちゃん騒ぎで迷惑をかける藍。まあこの儀式自体がババルウ星人たちの企みによるものなのですが、やっぱりこれはイカンでしょ…。この後の彼女のセリフから察するに、炎上商法でも狙ってたのかな？ヒロユキの言葉に耳も貸さずに、儀式に再び突入する藍でしたが、そこには人間以外の見慣れぬ人影が2体。その正体は、ババルウ星人とフック星人でした。彼らは村人たちとともにヒロユキたちを追いかけまわしますが、ここにホマレが駆け付けます。九頭竜村に潜伏していたのは、ババルウ星人とフック星人。正体がバレたと知るやいなやいきなり襲い掛かってきますが、このうちフック星人はホマレに返り討ちにあってしまいます。もともと非力な宇宙人であるフック星人。そりゃ宇宙ギャングでブイブイ言わせてたホマレに勝てるわけないよね。
村人の集団から逃げきったヒロユキと藍は、いつの間にか赤目様の封印場所へ。そこに一度消えたはずのプロデューサーが現れ、藍は彼に言われるがままに封印を解いてしまい、ナイトファング復活の原因を作ってしまいます。カナたちがプロデューサーの正体に気づきますが、時すでに遅く…。後半は今回のお話のクライマックスであり、九頭竜村の真実、藍の持っていた因縁、そして偽プロデューサー＝ババルウ星人の真の目的が明かされるなど、盛り上がりどころ満載…になるはずのパート。しかし、どの要素もすべてババルウ星人の説明ゼリフを主体にまとめてしまっていたのが、非常に残念、もったいないなと感じました。村人たちが実は幽霊だったというのは、ババルウ星人にわざわざ言わせなくても「村人たちの姿が一瞬薄くなる」などの演出で表現することが可能ですし、藍が石に触れて前世のビジョンを観るのはいいとしても、それを「生まれ変わりだったんだ」と言わせるのは興ざめです。もっと表現を練りこめば、さらに面白いシーンに昇華させることができたと思うんだよなぁ。今回のお話は、素材が面白いだけにこうなってしまったのが残念だなと強く感じましたね。
◎特撮面
皆既日食をイメージし、夜戦のような雰囲気の特撮セットが組まれた、今回の特撮＝戦闘パート。詳細は後述しますが、細かいカメラワークでフーマのスピード感を表現しているのが面白かったですね。市街地セットじゃないぶん、のびのびアクション出来ていたようにも見えたなぁ。
巨大化したババルウ星人に対し、ヒロユキはタイガに変身。タイガは序盤こそババルウ星人と互角の戦いを見せていましたが、徐々にスピード負けして劣勢に追い込まれていきます。今までは光線系の技で攻め立ててくる敵が多かっただけに、戦闘序盤からきっちりと肉弾戦をしているタイガはなんだか新鮮。最終的にはフーマに活躍を譲ることになりますが、しっかりと戦えていたと思いました。そんなタイガに対し、ババルウ星人は右腕のカッターを使用。この武器が戦闘に効果的に使用されたの、久々な気がする…。
ババルウ星人の戦闘タイプに合わせて、タイガからフーマへバトンタッチ。フーマは持ち前のスピードでババルウ星人を圧倒し、着実にダメージを与えていきます。そして、最後は鋭星光波手裏剣で勝利するのでした。フーマの戦闘パートで光っていたのは、そのカメラワークと編集。カメラのスピードを細かく変化させ、フーマのスピード感、そしてその攻撃に追い込まれていくババルウ星人の姿を描き切っていました。いい仕事してると感じたぜ！そして、最後は上述のとおり鋭星光波手裏剣でフィニッシュ。若干時代劇がかった演出になっていたのが、これまた興味深かったですね。
ババルウ星人に勝利したものの、封印が解けるのを止められなかったフーマ。岩の中からはナイトファングが現れ、襲い掛かってきます。これには再び変身したタイガが挑みますが…。ナイトファングのデザインは、目の上に口があり、さらにその口の中に目玉があるという禍々しいものに。なんだかガタノゾーアとかガーゴルゴンを想起させますね。そういえば、PS版の『ウルトラマンゼアス』にも、こんな敵がいたような気が？そしてこのナイトファング、なかなかの強敵。タイガはほとんど反撃できないまま吹っ飛ばされてしまいます。彼はどうなってしまうのか？次回へ続く―！
市街地へと進行を始めたナイトファング。怪獣は人間に悪夢を見せる能力を持ち、ホマレやカナもその毒牙にかかってしまった。リベンジするもやはり苦戦するタイガ。その時地球が、彼に新たな力を与える！
次回はタイガの強化形態：フォトンアース初登場！ウルフェス2019のライブステージでは先行登場しているって話は聞いてたけど、まさかこんなに早く登場するとはなぁ。『タイガ』後半でどんな展開が待っているのか、俄然興味がわいてきましたね。
そんな第8話の感想記事は、↓コチラだ！
bongore-asterisk.hatenablog.jp
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