宇宙人はタコが嫌いの法則
お兄さんたちがいれば、人類にはまだ、チャンスがあるからさ―。今回の『ウルトラマンタイガ』は、サブタイトルからも明らかなとおりタッコングをメインに据えプッシュしたお話に。前半ではタイガVSタッコングのバトル、後半ではタイガ&タッコングVSギーストロンのバトルが楽しめ、特撮面で特に楽しむことのできるお話でした。
お話面では、ゲストキャラクターとしてシンジ少年が登場。なんとなく『セブン』の「ノンマルトの使者」に登場したシンイチ少年を想起させるようなキャラクターでしたが、その正体は結局謎のままに終わりました。謎のままで終わるのはいいんだけど、環境問題云々まで盛り込むのは欲張りすぎた感じがあるかな…。
なお、前回(第21話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
タッコング出現の謎、そしてその解明後繰り広げられるギーストロンとの死闘が、今回のお話の中心。タッコングをただの敵ではなく、「ギーストロンなどから海を守っていた守り神」という設定を付加していたのは興味深かったですね。しかし、シンジ少年を通して環境問題だの「地球に人間は本当に必要か」だのを盛り込んだのは、やりすぎだった印象。先述の通り戦闘がメインになるのであれば、ここまでの問題提起は不要だったように感じました。
続発する怪獣・宇宙人事件により、彼らへの世間の目が厳しくなる昨今。そんな中で、深夜の市街地に突然タッコングが出現します。明らかに敵意が見られない怪獣に自衛隊等も手が出せない中、ヒロユキはタイガに変身して単身戦闘へ。しかし、タッコングは予想外の強さを誇り、タイガはまさかの敗北を喫するのでした。序盤からいきなり特撮&戦闘シーンが挿入される今回。詳細は後述しますが、『ジード』第1話以来の水上戦が観られたのは嬉しかったですね~。戦闘シーン自体はそこそこ長く、ここでタイガ・タイタス・フーマが全員登場。タイタスがオイルでずっこけるだけだったのはちょっと悲しかったけど…、まあ仕方ないかぁ。またこのシーンでは、タッコングの生態がわかるシーンの他、「『タイガ』の世界でなぜ自衛隊がすぐ出てこないか」ということの理由付けがなされているのが見逃せないところ。ちゃんと「怪獣に敵意がないかどうか」というのを見極めてたんですね。
タッコングを取り逃がしてしまい、元に戻ってきてしまったヒロユキ。夜が明けて寝ているタッコングを見つめる彼は、シンジという少年と出会います。タッコングはなぜ現れたのか、そして出現するであろう脅威:ギーストロンについて語るシンジ。ヒロユキが一連のことを知った時。そのギーストロンが出現します。中盤で中心になるのは、ヒロユキとシンジのやり取り。この謎の少年シンジが何もかも説明してくれることで、タッコングそしてギーストロンの情報が視聴者にも伝えられます。タッコングとギーストロンのことを知り、さらに一発でヒロユキの正体がウルトラマンタイガであることを見抜いたシンジ。人間の開発が与える環境への悪影響への警鐘、そして顔に目立つ大きなほくろなどが、かつて『ウルトラセブン』の「ノンマルトの使者」に登場したシンイチ少年と共通しています。「これは「シンジ少年=ノンマルトの使者だった」という展開くるかな?」と思いましたが、実際は後述の通り、最後まで彼自身の正体が明かされることはありませんでした。意図的な演出なのかなぁ、これ。
暴れまわるギーストロンに対し、抵抗するもイマイチ効果をあげられないタッコング。ヒロユキはこれに加勢する形でタイガに変身、ともにギーストロンに挑みます。ギーストロンの攻撃に苦しむタイガたちでしたが、最後は連携プレーで勝利。戦いを終えたタッコングは、再び海へと戻っていくのでした。海の守り神であり、ギーストロンから守る存在であったタッコング。『帰ってきたウルトラマン』登場時は単なる敵として描かれていたこの怪獣に、このような設定が付加するとは面白いなと感じましたね。そしてラスト、海に帰っていくタッコングの背中には、あのシンジ少年の姿が。彼は今回のタイガたちの活躍を見て、人類に希望を託し、海に去っていくのでした。途中までノンマルトを意識してるのかなと思ったら、最後の最後で『ウルトラマン』のヒドラ回っぽい結末になった今回。まあそれはそれでいいのですが、このラストシーンであっさりシンジ少年の考えを変えさせる(中盤では人類を批判していたのに、逆に希望を持つようになる)のであれば、いっそこういった重い要素を盛り込まず、もっとシンプルに「タッコングVSギーストロンの話」でドラマ展開させてもよかったかもしれませんね。環境問題云々言ってたけど、あんまりそれについてストーリーでもかかわってくることなかったしさ…。
◎特撮面
あ前半でタッコングとのバトル、後半ではギーストロンのバトルと、意外に戦闘およびそれによる特撮シーンが多かった今回。タイガの必殺技がアニメチックな演出になっていたのも面白かったですね。あまりにもアニメっぽい演出だと辟易しちゃいますが、今回くらいのハデな演出だと、素直に「カッコいい!」と思えてよかったです。
臨海部にタッコングが出現。自衛隊などが手を出せない中、ヒロユキはタイガに変身して応戦。しかし、その予想外の強さに苦戦させられ、タイムアップによりタイガ側が消失してしまいます。タッコングはタコモチーフの怪獣。『帰マン』の時はそんなにタコ要素が推されていた感じはありませんでしたが、今回は「身体中が吸盤でひっつく」や「保護色で身を隠す」などといった特性により、タイガたちが苦しむシーンが挿入されています。そして見逃せないのが、この戦闘シーンが先にも触れた通り『ジード』第1話以来の水上戦である点。急造したプールらしいため水深がビックリするほど浅かったですが、それでも頑張ってアクションをしていました。やっぱり水上戦はいいなぁ。もっとやってほしいぞ!
夜が明けて、今度はギーストロンが出現。光線を放って暴れまわるそれに対し挑むタッコングでしたが、老齢のためか思うように戦えず苦戦。そこへ、タイガが加勢する形で現れます。ギーストロンは明らかにアーストロンモチーフの怪獣。しかしその戦闘スタイルは大きく違い、パワー重視の戦闘だったアーストロンに対し、ギーストロンは光線技を多用する形になっていました。この放つ光線がレーザービームで、妙に機械っぽいのがたまらないんですよね~。ビームによって切断される車やビルも、見ごたえ十分でした。
タッコングがやられているのを見て怒りに震えたタイガは、トライストリウムへと強化変身。タッコングとの連係プレーを見せてギーストロンを追い込み、最後はタイガブラストアタックによってギーストロンを爆砕するのでした。ここでトライストリウムの必殺技:タイガブラスアタックが初披露。自分が炎を纏って敵に突っ込んでいくのはタロウのウルトラダイナマイトと同じですが、タイガの場合トライブレードを中心に火を纏わせているのが大きく違うポイントです。トライブレードを高く掲げで火の力を纏う姿は、かなりアニメチックな演出に。でも、“嫌なハデさ”はなかったですね。
地球に潜伏していた宇宙人たちが考えたとんでもない計画。それは入手したベリアル因子をもとに、ニセ・ウルトラマンベリアルを作り出すことだった。苦戦するタイガの前に現れたのは―!
次回はニセ・ウルトラマンベリアルそしてウルトラマンゼロが登場!サブタイトルが思いっきり『タロウ』をイメージしてますよね。そして登場する宇宙人は…、チブル星人を除いて全員過去にウルトラマンの変身者に化けたことのあるヤツらじゃないか!
そんな第23話の感想記事は、↓コチラだ!
bongore-asterisk.hatenablog.jp
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