今回は、『銀河旋風ブライガー』の感想記事2回目です
前回ご紹介した3話に比べ、「依頼人もクセ者」だったり「メンバーの過去にも触れ始める」など、さらに捻った展開が増え始める今回。ロボットアニメというよりも「ロボットを持つJ9の物語」という感じですが、それがこの作品最大の魅力の1つ。観ていてどんどん、この独特の世界観に引き込まれていきます
なお、前回（第1～3話）の記事は↓コチラです
第4話「無法のウエストJ区」
1981年10月27日放送
依頼人：シンシア・ハシー（宇宙観光会社：ピース社の社長令嬢）
依頼内容：観光船連続爆破事件の犯人を突き止めろ
「世の中は全て決めつけで動くのさ。独断と偏見、俺っち大好きなのよね！」
STORY：アステロイドは歓楽街、今日も行きかう観光船。そんな中、観光船の爆破が続き、大きな被害をもたらした。ピース社の、社長令嬢直々の、依頼を受けたJ9。この事件の裏側に、ライバル会社の暗躍にらむ。果たしてコトはそう単純か、それともさらに裏あるか？コズモレンジャーJ9、さあこの始末、どうつける？
いつの時代も、企業間競争は変わらない。今回は、宇宙観光船業界においてシノギを削っている、ピース社とグダマン社に関するお話です。
ボウィーとキッド曰く、グダマン社は「料金が高」くて「サービスも悪い」、客室乗務員はブスばかりの宇宙観光船会社らしい。評判が悪いとはいえかなりの言われようですが、だからこそこの一件に加担することになったのでしょう
いつもに増して粋な掛け合いをするキッドたち。ブライスターでの掛け合いでは、そのセリフがあまりにもキザすぎて「ふつうこんな反応の仕方しないんじゃないの？」とも思ったりしますが、まあこれがJ9らしいところですね
当初はグダマン社の単なるライバル潰し工作かと思いきや、背後に隠れていたのは、木星の犯罪組織：ガリレオ・コネクションの脅迫。グダマンが用済みとあらばビーム砲で殺害し、J9にも襲い掛かります。前回と似て戦闘機軍団とのバトルになったものの、劣勢を強いられるブライガー。カブトムシを模したお町曰く「XOタイプ」の宇宙船って、もしかしてそれだけ強力なのかな…？
シンシアから受け取っていたはずの報酬金250万ボールは、メイ・シン姉弟が被害者遺族に送金してしまったため全てパーに。初めての実質タダ働きになってしまったJ9。今後こういったこと、理由は様々あれどちょくちょく起きてきます
「たった1つの命を懸けて、やった仕事の報酬は、チィチィパッパ、ラリパッパ。雀の涙も出なかった。それでも懲りずに明日もまた、コズモレンジャーJ9、お呼びとあらば、即参上！」
第5話「墓場からの依頼人」
1981年11月3日放送
依頼内容：牧場を乗っ取ろうとする青年：ルシオを始末せよ
「おっさん！コイツには、仰角コンマ5の狂いがあるようだぜ…？」
STORY：慈善家・資産家・牧場主の、依頼を受けたJ9。胡散臭さを感じながらも、ルシオという名の青年追って、アステロイドのウエストK区：大気のある隕石群で、ついに彼を追い詰める。だがそこで、ルシオが言った真実何か？D4牧場に隠された、ワルのたくらみ打ち破れ！コズモレンジャーJ9、さあこの始末、どうつける？
今回のお話は、J9にされた依頼には裏があり、それどころか依頼人自体にも裏があったというお話。J9自身アウトローであり、また依頼人やその敵もさまざまであるため、こういった展開も後々何回か出てくるようになります。
冒頭、仕事がなかなか来ずビカビカへ遊びに出るメンバーたち。インチキ射的場ですべての的を撃ちぬいて景品をかっさらうキッド、追跡してきたマカローネ署長を巧みに巻くボウィーなど、J9のメンバーはオフの時は割と自由に活動していることが窺えます。でも、目立つ行動はあまりしない方がいいような…
前半と後半と二度にわたってJ9と接触し、空中戦を繰り広げるルシオ。彼の飛行技術もなかなかですが、やはりJ9には一歩及ばなかったようです。前半戦では、彼に撃墜されたD4牧場主オルトラの使者がJ9にコールしてきたことでJ9とルシオが遭遇することになるわけですが、「なぜ使者がJ9の暗号コールを知っていたのか？」ということは、明確にされていません。
ルシオから語られた衝撃の真実。それは本物のオルトラ氏はすでに殺害されており、今はその犯人であるバッチーノという男がオルトラに成りすまして牧場を乗っ取っているということでした。どうやらバッチーノはガリレオ・コネクションと結託して牧場を制圧。しかも細胞変化装置を使用して自身をオルトラに偽装していました。依頼人が実は敵ということでしたが、ポンチョが受け取った報酬金は、もともとは本物のオルトラ氏のもの。つまりこの依頼は、本物のオルトラ氏から受けたようなものだ―。だから、今回のサブタイトルが「墓場からの依頼人」なんですね
今回はいつも以上にブライガーの活躍が少なめ。ですが、バンクシーンとは違った特殊なブライシンクロン・マキシムを見せてくれます。OPにも登場するハチ型宇宙船も登場していますし、もしかするとこのお話は制作順的には第1話、もしくはかなり序盤の回だったのでしょうか？ 
「ワルにとっては皮肉な話、依頼の主は墓の中。たとえ地獄の底までも、宇宙のワルの大掃除。コズモレンジャーJ9、お呼びとあらば、即参上！」
第6話「復讐の紅いバラ」
1981年11月10日放送
依頼人：エリン（地球正規軍秘密情報局局員）
依頼内容：バイキング・コネクションの組織拡大計画の極秘資料を、“紅いバラのジョニー”に渡せ
「キッド、聞いたろう？皆が皆、腐っちまってるワケじゃねぇんだ！」
STORY：火星にのさばるバイキング。その極秘情報つかんだものの、窮地に陥る情報局員。“紅いバラのジョニー”にフィルムを渡してくれと、J9に依頼する。その名を聞いて、キッドは自ら志願して、ジョニーの捜索買ってでた。キッドとジョニーの関係は、彼の過去に秘密があった！コズモレンジャーJ9、さあこの始末、どうつける？
1クール中盤に差し掛かり、そろそろメインキャラの掘り下げが始まる時期。今回はそのキッドの過去、地球正規軍時代にも絡むお話です。
冒頭のナレーションで説明される、火星の現状とバイキング・コネクション。どうやらもともと火星の開発計画はバイキング社という会社が一手に引き受けており、それが拡大して権力をふるうようになったようです。アステロイドのアウトローたちも、皆が皆はみ出し者の出自というワケではないということでしょうか
エリンの情報をもとに、ジョニーのいるバーへ向かうキッド。キッドとジョニーのやり取りの後、バイキング・コネクションとの銃撃戦が始まります。このシーン、キッドとジョニーの掛け合いがハードボイルド風に仕上がっており、また銃撃戦後のバーのマスターへの代金の払い方もキザな感じです。シャレた雰囲気を感じると同時に、どことなく西部劇も意識しているのかなと思われる、必見のシーンと言えるでしょう
キッドが地球正規軍を抜けた理由。それはある宇宙船ハイジャック事件をキッカケに、地球正規軍上層部の腐敗を知り失望したからでした。キッドおよびジョニーが所属していたのは、胸に輝く紅いバラの徽章が特徴のレッドローズ部隊。凶悪ハイジャック犯の突撃作戦の第一線に参加していたことやジョニーの発言から、地球正規軍の中でもエリート部隊であったことが推測されます。この事件の後キッドは無断で地球正規軍を脱退したようですから、これが第1話冒頭の展開につながるのでしょう
本来の依頼は達成したものの、ポンチョのミスによりバイキング・コネクションの襲撃を受けるJ9たち。この襲撃の際、ジョニーとエリンは宇宙空間に放り出され死亡してしまいます。その後のブライガーの活躍ではキッドのソロシーンもかなり挿入されており、彼の心情変化が描写されています。哀愁漂うBGMに「許さん！」というキッドの力強い一言。もうこれ、完全に展開が『必殺仕事人』だ…。
「銀河に散った友の名を、呼んでみたとて帰らぬ命。星の数よりまだ多い、ワルののさばる世の中に、せめて怒りの紅いバラ。手向けに咲いた花一輪、涙隠して銀河を渡る。コズモレンジャーJ9、お呼びとあらば、即参上！」
今回はここまで。次回は第7話から第9話をご紹介予定です。コズモレンジャーJ9、お呼びとあらば、即・参上！bongore-asterisk.hatenablog.jp
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◎今日の特ソン◎
今日ご紹介するのは、1960年放送の『怪獣マリンコング』主題曲です。
日本初の怪獣がレギュラー登場する特撮テレビ番組となった本作。マリンコングの造形は目がクリクリっとしててかわいらしさもありますが、白黒フィルムのせいでかなり不気味にも見えます。
今まで数話がビデオ化されたのみで、まだDVD化はされていない作品。フィルムは全話あるらしいけど、本当かなぁ？
（ニコニコ動画非会員でも視聴できるニコビューアへのリンクです）
それではまた次回、お会いしましょう！
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