お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『セーラー服反逆同盟』ちょっとした感想

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「闇の中で、のさばり続ける悪党ども」「テメェらのようなワルは許せねぇ」「天に代わって、成敗する!」「純潔と、燃える正義の…」「「「「セーラー服反逆同盟!!」」」」今回は、1986-87年に毎週月曜よる7時30分枠で放送された、日本テレビ系ドラマ『セーラー服反逆同盟』の感想記事です。

 

当時フジテレビ系で放送されていた、東映制作「スケバン刑事シリーズ」の影響を大きく受けて制作された、ユニオン映画製作の日本テレビ系放送の30分ドラマ。確かにコンセプトは笑っちゃうくらい『スケバン刑事』そっくりですが、ストーリーやアクションはそれとは一線を画す仕上がりになっており、娯楽作品として十分に楽しめるものになっていました。

 

私にとってこの作品は、名前自体は聞いたことはあるものの、ずーっと本編は見たことがなかったもの。緊急事態宣言下の自粛期間中にレンタルして一気見しましたが、思わずDVD-BOXを買ってしまうくらいハマっちゃいました(定額給付金も入ったしね!)。個人的には、『スケバン刑事』よりも面白いと思うんだけどなぁ。

 

※なお、今回の記事は、全て敬称略でお送りします。

 

 

 

STORY:青春、それは悲しみと苦しみ。この物語は、悪の巣窟・黒鳥学園を舞台に、暗い過去と秘密を背負った少女たちが、勇敢にも悪に立ち向かう、戦いのドラマである―。かつて名門校と呼ばれていた、私立黒鳥学園高校。しかし、12年前の山縣理事長(南原宏治)への交代を機に、その配下の教師たちが好き放題して牛耳るトンデモ学校にまで落ちぶれていた。ある年の2学期、とある目的のために福岡県から編入してきた高坂ユミ(仙道敦子)は、理事長の娘でありながら学園改革を願う山縣ミホ(中山美穂)や、2年A組の弓削ルリ(山本理沙)・渋川ケイ(後藤恭子)と出会う。ルリとケイは、実は学園立て直しのために活動する組織の一員だったのだ。一度は勧誘を断るも、同じクラスの合田雄太(南渕一輝)を救ったことから一致団結した彼女たちは、ドハデなメイクと白いセーラー服に身を包み、「セーラー服反逆同盟」と名乗って学園立て直しに乗り出した。しかし、そこにミホの姿はない。ミホは仲間になってくれるのか?そして、彼女たちの学園立て直しは実現するのか!?

 

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上述の「STORY」(あらすじ)からもわかる通り、『スケバン刑事』に比べると現実的&閉鎖的な設定になっているのが特徴的。スケバン刑事』は戦う相手が普通の学生の他忍者の末裔や軍団の一派などの超人的な能力を持った輩でしたが(特に『Ⅱ』以降は顕著)、『セーラー服反逆同盟』の場合、相手となるのは屈強な学生や教師の他、チンピラなどがほとんど。そのため、爆発やナパームなどのハデな演出は抑え目ですが、その分生身のアクションがふんだんに取り入れられており、毎回許せぬ敵とガチバトルを繰り広げ、バッサバッサと倒してくれるのが、本作の醍醐味です。

 

ちなみに、アクションでは「メタルヒーローシリーズ」や「平成仮面ライダーシリーズ」などでおなじみのJAC(現:JAE)が担当。スケバン刑事シリーズ」のアクションを大野剣友会(「昭和仮面ライダーシリーズ」等)が担当していたのを考えると、このチョイスも対抗目的で狙ったものじゃないかなぁとも思っちゃいます。そうそう、JACが協力しているからゲスト出演陣にも所属の俳優さんが出ていて、岡元次郎(仮面ライダーBLACK等のスーツアクター)もその1人なんだよね~。

 

出演陣は、「STORY」で紹介したメインキャストの他、安岡力也・竹中直人中島はるみ・奈美悦子・藤岡重慶などが登場し、単発ゲストでは愛川欽也ガッツ石松水野晴郎片桐竜次黒部進など、豪華出演陣を起用。ここら辺からも、「スケバン刑事シリーズ」への対抗意識が窺えます。また、2年A組の生徒役の1人として、アイドルとしてデビューしたての頃の森口博子さんの姿もあります。

 

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ドラマ面は、「学園立て直し」や「ミホは反逆同盟の仲間に加わるのか?」、「ユミの母親の正体は?」といった縦軸は用意されているものの、1話完結が基本のため全話を通して描かれているのは「ミホの反逆同盟入り」の過程くらい。彼女は劇中ではその立場のせいで、実際には他のドラマの出演スケジュールのせいで出番がほとんどない時もありますが、それが逆に「いつミホは仲間になってくれるのだろう?」と、視聴者をドキドキさせてくれます。

 

でもこの作品、アクション面は素晴らしいけど、やっぱりドラマ面はちょっと物足りないかな。予想外の人気で1クール延長して2クール前23話になったのはいいだけど、そのせいで学園立て直しと関係ないお話も混じってくるし(それが本作の世界観を深めてくれてもいるのですが)、せっかく用意されていた「ユミの母親の正体」も、「ミホが彼女の持つ母親の写真見たらすぐ分かったんじゃないの?」って展開で終わっており(ミホは最終回前までに何度もユミの部屋に出入りしているので、写真を見る機会はあった)、色々ともったいない面もあるなぁと感じます。

 

しかし、このドラマには人を引き付ける強烈な力がある。もちろんそれは、「当時の人気アイドルがガチバトルを繰り広げる勧善懲悪モノ」という要素が一番強いでしょうが、それだけじゃない。

 

じゃあ、その他の要素は一体なんだろう?

 

私はその要素として、本作の持つミニマム・リアリティこそが、その正体なのではないかと考えます。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

スケバン刑事シリーズ」を決して否定するわけではないですし、あの作品群はそれはそれで好きですが、一方で観ていて「こんなこと実際にないだろう」とも思える要素がいっぱいです。あんなアイドル級のルックスを持つスケバンなんかそうそういないだろうし、しかもそのスケバンが、特殊合金製のヨーヨーを渡されて、日本を牛耳ろうとする大企業の三姉妹や、日本全ての高校を支配下に置こうとする組織のボス等と戦うなんて、ハッキリ言ってムチャクチャです。いや、そのムチャクチャさが、同時にドラマを面白くさせてくれているのですが。

 

それに比べて、『セーラー服反逆同盟』は、上述のような設定で、その目的は「学園立て直し」。もちろん「こんなことあり得ないだろう」という設定や展開もいっぱい出てきますが、それらは妙に現実的な物に設定されています。

 

この、ギリギリ「現実にありそう」というところを飛び越えたところに設定されたフィクション―、つまり「現実的にあり得ない」とわかっていても、誰もがギリギリ許容出来てしまう「非現実さ」。これこそが、このドラマの持つ強力な個性そして訴求力につながっているのではないかと感じます。

 

いやぁ、このドラマ本当に面白いですよ。ウケない人には多分ウケないけど、私は面白いと感じました。

 

ちなみに『セーラー服反逆同盟』は、DVD-BOXは入手困難となっている一方で、レンタルDVDは今もリリース中。その他CATVの日テレ+で、9月4日から毎週3話連続で放送されるとのことです。ここ数年の再放送ではHDリマスター版が使用されてるってことは、Blu-ray BOX化されるのも近い…のかも?

www.nitteleplus.com

 

 

 

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ヒットドラマは時々出るも、未だに「昔に比べて…」と言われがちな、昨今のドラマ事情。制作側も頑張っているはずなのに、どことなく“もう一押し”が足りない―。そう感じる理由は、もちろん製作費の問題もあるのでしょうが、発想が閉鎖的なのもその1つだと思います。似たようなカテゴリーのドラマが量産されており、また制作陣も割とマジメにストーリーを考えているので(すべての作品がそうではないですが)、よくも悪くもカッチリしてるんですよね。ハッチャケ具合が足りないんですよ。

 

ここ数年のドラマ枠は縮小の一途ですが、一方で昭和時代には無かった深夜ドラマ枠、そしてネット配信ドラマの枠は増加傾向。せっかくこうした「何でもやれそうな枠」があるのだから、制作側も予算と相談しつつ、もっと自由な発想をしてもいいんじゃないかなと感じます。

 

セーラー服反逆同盟』、そしてこれを機に「スケバン刑事シリーズ」も一気に見返しましたが、その自由でムチャクチャな展開の連続(ほめてます)を観て、改めてそう感じましたね。

 

 

 

 

 

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