今回は、『伝説の勇者ダ・ガーン』の総括感想記事です。
谷田部三部作最終作にして、初めて連続ドラマ的な要素を取り入れた『ダ・ガーン』。そのドラマ性は、『エクスカイザー』や『ファイバード』に比べて高いものとなっており、大人でも十分に楽しめるものに仕上がっていたと感じました。
本作を転換点とし、ドラマ面においてもなかなか濃厚なものが展開されていくようになった「勇者シリーズ」。登場キャラも多くなったり、より複雑な展開も重ねられていきますが、『ダ・ガーン』の場合、限られたキャラクターのみで最後までドラマを展開しきった部分が特徴的であり、面白いと感じました。
多くのヒーローものでは、幹部級怪人などは、一度倒されたら退場してそのままフェードアウトするのがほとんど。一部終盤で復活したりするヤツもいますが、決して多いパターンではありません。
しかし『ダ・ガーン』は、星史たち正義(味方)側のキャラはもちろん、敵側であるオーボス軍のキャラも、ドラマの中で「使い捨て」されることなく最後までしっかり登場。一時退場や復活を繰り返し、そしてその度にドラマが展開していく―。連続ドラマ性がありながら、一切キャラを無駄にしていないこの構成は、まさに驚異的と言えるでしょう。
そして、こうしたキャラの描写を積み重ねていたからこそ、最終決戦では、敵味方共に泣かせる展開が連続したんですよね~。『ダ・ガーン』は、本当にキャラを大事にしていた作品だったなぁと感じます。
その一方で、ダ・ガーンら勇者たちロボット側の没個性化は深刻なものになっており、イマイチ『エクスカイザー』や『ファイバード』の時のようなノリのよさ、テンポの良さを感じられなかったのが残念なポイント。というか、ダ・ガーン自身正直キャラとしての面白さがあまりなかったような気がするんですよね。「正義感が強く、マジメ」って、ヒーローもののテンプレみたいな設定ですからね…。
『伝説の勇者ダ・ガーン』。この作品は、「勇者シリーズ」で最も人間ドラマが描かれた作品だといえるでしょう。ロボットアニメに興味がない人でも、とっつける作品じゃないかな…と思います。
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世界中に散らばるという、不思議な力を秘めたパワーストーン。これに眠る勇者たちをよみがえらせたものは、黄金郷:レジェンドラへ行くことができるという。
そのレジェンドラへの道を狙って、ワルザック共和帝国のワルザック皇帝が動き出した。最前線に立つのは、その第1王子であるワルター・ワルザックだ。
そんなワルターは、石板からパワーストーンの1つが日本にあることを知る。現地に向かった彼だったが、そこには偶然、原島拓矢・時村和樹・須賀沼大の3人がいた。ワルターはパワーストーンを奪取しようとするが、うっかりパワーストーンの性質と復活の呪文を教えてしまったため、彼らに勇者の復活を先取りされてしまう。
ワルターの前に立ちはだかる、勇者:ドラン。そして彼は、黄金竜ゴルゴンを呼び出し、巨大ロボットに合体する。その名は…ゴルドラン!今ここに、拓矢たちとワルザック家の、レジェンドラをめぐる戦いが始まった!
♪冒険が始まる ドキドキが始まる 本当のエナジーが 動き出している!
次週より、勇者シリーズ第6作:『黄金勇者ゴルドラン』の感想記事、掲載開始!
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というわけで、次週より『ゴルドラン』の感想記事を始めることになりました。
毎回恒例、ザックリとメインキャラの紹介をしていくことにしましょう。
- ①原島拓矢(CV:南央美)
- ②時村和樹(CV:森田千明)
- ③須賀沼大(CV:岡野浩介)
- ④ワルター・ワルザック(CV:森川智之)
- ⑤カーネル・サングロス(CV:茶風林)
- ⑥シャランラ・シースルー(CV:麻見順子)
- ⑦シリアス・ワルザック(CV:定岡小百合)
- ☆勇者とは?
①原島拓矢(CV:南央美)
一人称が「オイラ」の元気な小学6年生。誰よりも好奇心とお金への執着が強く、それで周りを呆れさせることもしばしば。勉強は大っ嫌い。
3人組の中ではリーダー的な存在で、ドランの復活のきっかけを作った本人。冒険心、そして友だちになろうとする心を最後まで貫き通し、それが最終回の展開へとつながっていく。
②時村和樹(CV:森田千明)
拓矢の同級生にして大親友の1人。3人組の中ではブレーンを担当し、豊富な知識や鋭い観察眼などで、パワーストーン探しや戦いに貢献していく。SFが大好き。
3人組の中ではマジメな方だが、美人が大好きだったり某女優の大ファンだったりと、意外な一面も。
③須賀沼大(CV:岡野浩介)
和樹と同じく、拓矢の同級生にして大親友の1人。見た目はぽっちゃりしてるが、実はスポーツは得意な方。押しが強い方ではないが、自分の考えはしっかり持っている。
動物などへの愛着などもあり、それらに対する思いや知識が、拓矢たち自身を助けたこともあった。
④ワルター・ワルザック(CV:森川智之)
ワルザック共和帝国の王子にして、同国の駐日大使。しかしその裏では、ワルザック皇帝の命を受けてパワーストーン探しをしている。特に変装をせず拓矢たちの前に現れているが、ワルザック共和帝国駐日大使であることはバレておらず、それどころか名前を「悪太」と間違えられてしまう始末。
度重なる失敗の結果、父に見捨てられ生死不明となるが、その後「イーター・イーザック」を自称して再登場。以降、拓矢たちの頼もしい味方となった。
⑤カーネル・サングロス(CV:茶風林)
ワルターの執事。身の回りの世話だけでなく、ロボットなどの操縦にもたけているうえに、彼が見捨てられてもなおそばに居続けた、忠誠心の高い執事。
基本的にワルターに振り回されるポジションのキャラだが、序盤ではけっこうえげつない作戦を提案したりしている。アドベンジャーと声が同じに聞こえるのは、気のせいではない。
⑥シャランラ・シースルー(CV:麻見順子)
ワルターの婚約者(自称)。ワルザック共和帝国の貴族シースルー家の令嬢だが、性格と行動にはかなり難がある。が、ワルターへの愛は本物。
ワルターはあの手この手で接触を回避しようとするが、終盤に連れていい関係になっていく。ちなみに、ロボットの操縦もできる。
⑦シリアス・ワルザック(CV:定岡小百合)
ワルターの弟にして、後半の敵。ワルターとは性格は真逆で、無慈悲で冷酷。常にレイザーという飼い犬を傍につかせている。
彼の非情な性格の理由は何か?その心の底にある本当の思いとは何か?彼の成長と変化こそ、終盤の展開につながっていく。
☆勇者とは?
『ゴルドラン』における勇者とは、レジェンドラによって作り出されたロボットのこと。パワーストーン状態で眠りについていたが、復活の呪文で復活する。力を失うとパワーストーンに戻ってしまうが、それが破壊されない限りは何度でも復活が可能である。
A.ドラン(CV:成田剣)
拓矢たちが最初に出会った勇者。勇者たちのリーダー的存在で、専用武器である竜牙剣を使った技が得意。口癖は「心得た!」
パートナーである黄金竜ゴルゴンと合体してゴルドランに、さらに空影と合体してスカイゴルドランに、そして最終的には、レオンカイザーと合体してグレートゴルドランになる。
・ゴルドラン(CV:成田剣)
ドランが黄金竜ゴルゴンと合体した姿。主な武装はスーパー竜牙剣で、これを駆使した一刀両断斬りが必殺技。
「勇者シリーズ」では数少ない、単独では飛行できない1号ロボ。しかし、これはスカイゴルドランへの強化合体により克服した。
B.空影(CV:巻島直樹)
鳥形態から変形する黄金忍者で、6番目の勇者。その異名の通り隠密行動と素早さが長所で、幾度となくドランたちの窮地を救う。が、単独行動が多いのが玉に瑕。一人称は「拙者」。
・スカイゴルドラン(CV:成田剣)
ゴルドランと空影が「大空合体」した姿。飛行能力を得た他、超電磁ストームなどの技を身に着け、攻撃の精度が上がった。
必殺技は「スーパー竜牙剣・疾風迅雷斬り」。
C.レオン(CV:置鮎龍太郎)
ジェット機から変形する8番目の勇者。黄金将軍の異名からもわかる通り、殿様気質でしゃべり方は少々偉そう。ドランと同じく剣を得意とし、勇者7体が一時的に行動不能になった際は、唯一の勇者として奮闘した。
パートナーである黄金獣カイザーと合体し、レオンカイザーとなる。
・レオンカイザー(CV:置鮎龍太郎)
レオンと黄金獣カイザーが合体した姿。ナギナタモチーフのカイザージャベリンをメイン武器とし、ドハデな攻撃を見せてくれる。
空影とも合体可能という設定があるが、本編未登場。
・グレートゴルドラン(CV:成田剣)
スカイゴルドランとレオンカイザーが、黄金獣合体した姿。本作のグレート合体に当たるロボで、バンクシーンの都合上1話当たりの活躍シーンは短いが、シリーズトップクラスの勝率を誇る。
必殺技は、専用武器のグレートアーチェリーを使用したゴールデンアロー・ファイナルシュート。この技の前に、多くの敵が散っていった。
D.シルバーナイツ(CV:全て坂東尚樹)
西洋の騎士をモチーフとする勇者たち。本作序盤でのジェットシルバー・スターシルバー・ドリルシルバーの3体が復活し、のちにファイヤーシルバーが追加で復活した。
ビークル形態に変形して探索に当たる機会も多く、劇中ではかなり活躍機会が多かったチームである。
・シルバリオン
ジェットシルバー・スターシルバー・ドリルシルバーの3体が白銀(シルバー)合体した姿。主な武器はトライランサーとトライシールド。
最初は合体できることを忘れていたが、シャランラから逃げ出したいワルターに教えてもらったことで、初合体に成功した。
・ゴッドシルバリオン
シルバリオンにファイヤーシルバーが超白銀(シルバー)合体した姿。武装についてはシルバリオンの時と変わらないが、運動性能が向上している。
最初は合体できることを忘れていたが、拓矢たちの提案とその場のノリで初合体に成功した。
E.アドベンジャー(CV:茶風林)
蒸気機関車から変形する、2番目の勇者。普段は穏やかだが、怒ると半端ないパワーを発揮する。
復活当初はそのパワーをセーブしていたが、1クール終盤で本来の力を開放。以降、パワーアップなしに最後まで戦い抜いた。
F.キャプテンシャーク(CV:山野井仁)
月に眠るパワーストーンから復活した、幻の9番目の勇者。サメ型宇宙戦艦や戦車型のバトルタンクモードにも変形できるほか、ロボット形態での火力も十分。ワルターとは「船長」「キャプテン」と呼び合う間柄。
右肩のショルダーキャノンをメイン武器とする他、アドベンジャーと合体したハイパーギャラクティカバスター、さらにゴルドランたちのパワーを受けて発射するミラクルギャラクティカバスターなど、意外に合体技も豊富。
さあ、いよいよ来週から、拓矢たちの冒険の始まりだ!
次回更新を、お楽しみに!
◎今日の勇者ソング◎
今日ご紹介するのは、1995年放送の『黄金勇者ゴルドラン』OPテーマ「僕らの冒険(アドベンチャー)」です。
これから冒険、そして番組が始まるということを予感させてくれる、明るくてわくわく感たっぷりの『ゴルドラン』のOPテーマ。意外にもその歌詞には「ゴルドラン」という名称が登場しておらず、シリーズ唯一の勇者名が登場しないOPになっています。
「冒険が始まる」や「本当のエナジー」は、本作の終盤で重要になるワード。当初から、最終回の展開を意図して挿入されたのでしょうか。それとも逆に、OPから着想を得て、ああいう展開になったのかな。
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