お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『疾風!アイアンリーガー』ちょっとした感想 League-9(第26~28話)

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今回は、疾風!アイアンリーガー』の感想記事第9回目です。

 

ナショナルチャンピオン決定戦も終わり、次は世界での戦いを控えていたシルバーキャッスル。しかし彼らには、それに挑戦する前に、また別の使命が待ち受けていました。今回ご紹介のお話より、『アイアンリーガー』は「はぐれリーガー編」に突入。今までのお話とは一風変わった単発回が続くことになりますが、同時にこれは各メインキャラの魅力をさらに引き出す働きもしており、引き続き見逃せないお話が連続する形になっています。

 

 

 

 

第26話「新たなる使命!」

1993年9月28日放送

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「黙って行っちまうなんてよぉ、俺たちの仲は、そんなものだったのかよ!?」


STORY:シルキーたちの退院、2か月後のワールドツアーを控え、やる気を漲らせるシルバーキャッスル。そんな中、突然マグナムエースが退団を申し出てきた。エドモンドはやむなくそれを承認するが、マッハウインディらはそれを良しとせず、自らも退団届を出して、マグナムエースに退団理由を問う。彼の退団の理由、それははぐれリーガーたちの更生にあった。アイアンリーガーの誇りを取り戻すため、シルバーキャッスルの新たなる戦いが始まった!


リーグ優勝を遂げ、次なる舞台であるワールドツアーまでしばらく時間的な余裕ができたシルバーキャッスル。彼らのもとに、マグナムエース経由で新たなる戦いが舞い込んできます。今回より、『アイアンリーガー』物語は「はぐれリーガー編」に突入。より1話完結色が強くなり、今まで試合の中で戦ってきた彼らの話とは、また違った観点からのお話が楽しめるようになります。


シルキーたちの退院予定の報せを聞き、安堵するマグナムエース。彼は同時に、前回自分の前に現れた正体不明のリーガーの治療も気にかけていました。やがて彼が病院からシルバーキャッスルに帰ると、ルリーたちはワールドツアーに向けた強化合宿で大盛り上がり。そんな彼らに対しマグナムエースが切り出したのは、突然の退団申出でした。当然その理由を問うマッハウインディたちですが、マグナムエースは頑としてそれを言おうとはしませんでした。シャーキードーグ部隊にやられていたシルキーたちも、ようやく退院。リーグホスピタルへの入院時に「最低1~2か月は入院が必要」と言われていたため、現実の時間軸と比較すると、タイミング的にはどんぴしゃりですね。さらに、マグナムエースがシルバーキャッスルに戻ると、ルリーたちは2か月後のワールドツアーに向けた強化合宿を企画中。嬉しいニュースが次々に飛び込んできますが、マグナムエースの表情は暗く、その末に彼がルリーたちに切り出したのは、なんと突然の退団申出でした。もともとワールドツアーまで少し期間があり、それに合わせてルリーたちは強化合宿を企画中。つまり、後述するはぐれリーガーの件がなかったとしても、シルバーキャッスルは海外へ行く予定があり、そしてその時間的余裕があったことも示唆されています。こういった設定をすることで、シルバーキャッスルがアイアンリーグからいったん外れる形の行動をしても問題ないようにしているんですね~。こうして退団を申し出たマグナムエースは、静かに去るつもりでいましたが、トップジョイ経由であっという間にその情報は広まってしまうことに。マッハウインディらからその退団理由を問われますが、マグナムエースはその口を閉ざしたままでした。何も答えないマグナムエースに対し、「俺たちの仲は、そんなものだったのかよ!?」と叫ぶマッハウインディ。彼の悲痛な思いが伝わってきます。


翌朝。マグナムエースのその意思が変わらないことを知ったエドモンドは、あえて彼にその理由を問わず退団を承認。マグナムエースは1人でシルバーキャッスルを去り、見送りに来てくれたのはキアイリュウケンだけでした。シルバーキャッスルを去る直前、練習で使っていたグラウンドを見つめるマグナムエース。そんな彼のもとにマッハウインディたちが現れ、なんと自分たちも退団届を出してきたと言い出すのでした。マグナムエースの退団の意思が強いことを知り、またその強いまなざしから、彼に人には言えない深い事情があることを察し、あえて何も問わずに送り出すエドモンド。この直前までのシーンが、メンバーたちによるマグナムエースを引き留めるざわついた描写が連続していましたから、一転して静かな描写となるこの退団シーンが、より視聴者に強く印象に残るようになっています。エドモンドがマグナムエースを1人の自立したロボット(アイアンリーガー)として見て接しているのも、いいですよね~。そんな彼は、去る直前にグラウンドに立ち寄ることに。脳裏をよぎるは、仲間たちと練習に明け暮れた日々。その時、マッハウインディたちが背後から現れ、自分たちも退団届を出してきたと言い出すのでした。マグナムエースに退団理由を問うために、わざとシルバーキャッスルを退団してきたのだというマッハウインディたち。彼ららしいとはいえさすがにかなりムチャクチャです。キアイリュウケンだけ退団届出さなかったのは、マグナムエースたちよりもはるか前からシルバーキャッスルに所属してて、思い入れが強かったからだろうなぁ…。そんな彼らの強い意志を受け、ついにマグナムエースは重い口を開くのでした。


マグナムエースは、前回やってきたアイアンリーガーから受け取ったディスクの映像を、マッハウインディたちに公開。そこに映し出されたのは、アイアンリーグ界を追い出されその誇りを失い荒くれてしまった「はぐれリーガー」たちと、死んだと思われていたルリーの父:リカルドの姿でした。想像を絶する映像の前に、言葉が出ないマッハウインディたち。マグナムエースは、ワールドツアーを控えるシルバーキャッスルをこの戦いに巻き込まないために、退団しようとしていたのでした。Bパート前半にて、はぐれリーガーの概要について一気に説明。はぐれリーガーは何かしらの事情でアイアンリーグ界を追われてしまい、その最中でアイアンリーガーとしての誇りも心も失い、荒くれてしまった者たち。彼らの心を開かせ、アイアンリーガーとしての誇りを取り戻すことが、リカルドから直々にマグナムエースに与えられた新たなる使命だったのでした。はぐれリーガーたちの荒くれっぷりは壮絶で、野良試合をすることはもはや日常茶飯事。そのうえスポーツで相手に勝つというよりは、相手を潰すことを目的としているような戦い方を披露。ラフプレー全盛期のゴールド三兄弟ですら、試合外で相手リーガーを潰そうということまではしていませんでしたから(ダークスポーツ財団自体はやってたけど)、いかにはぐれリーガーが危険な存在かが窺えます。そりゃあこんな戦いに、大事なワールドツアーを控えているシルバーキャッスルの面々を巻き込むわけにはいかないよなぁ…。なお、今回声付きでは初登場となったリカルドの、表向きは事故死して地下に隠れていた理由についてまでは明かされず。まあ、これは今後徐々に解明されていくのでしょう。


はぐれリーガーの存在を知った直後、シルバーキャッスルに攻撃を仕掛けてくる謎のリーガーたちが。それは、前回マグナムエースにディスクを渡したリーガーを襲ったはぐれリーガーたちでした。マグナムエースたちは防戦一方を強いられますが、エドモンドたちが駆けつけたことにより戦いは中断。一連の事態を受けてシルバーキャッスルは、強化合宿の予定を変更。リカルドがいるというジャウの地へ向けて、はぐれリーガーたちを救うべく行動を開始するのでした。ナッカラーなどのはぐれリーガーの攻撃に、ピンチに陥るマグナムエースたち。トップジョイがキアイリュウケンに応援を求めますが、その場にルリーたちが居合わせていたことで、全てがバレてしまいます。この数分前に「シルバーキャッスルの中で一番口が固い」と自称していたトップジョイが、ルリーたちに真っ先に事情をバラしてしまうことに。やらかしちゃってるんだけど、彼らしくとちょっと笑っちゃいました。これを受けたエドモンドたちは、グラウンドに向かいその戦いをやめるよう忠告。はぐれリーガーたちが逃走したことで、事態は収束します。リカルドが生きていること、そしてはぐれリーガーたちの存在を知ったルリーたちは、強化合宿の予定を変更。はぐれリーガーたちを救うたびに出ることを決め、マグナムエースたちも再びシルバーキャッスルに戻るのでした。マグナムエースの宇宙船:ボーシップ号で旅立つことにしたシルバーキャッスル。さあ、新たなる戦いの始まりだ―!

 

 

 

第27話「戦え!密林バスケ」

1993年10月5日放送

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「同じバスケリーガーなら、ボールで気持ちは伝わるはずネ!」


STORY:リカルドの言葉を頼りに、ジャウの街へとたどり着いたシルバーキャッスル。しかし、そこに彼の姿は既になく、街はゴーストタウンと化し、農耕用ロボットを襲う怪物の噂が広まっていた。調査に乗り出したマグナムエースたちだったが、その途中トップジョイがはぐれてしまい、そこでゲバラというはぐれリーガーと出会う。ダークスポーツ財団に利用されそうになる彼を目にしたトップジョイは、バスケの力で彼の誇りを取り戻そうと奮闘する!


はぐれリーガー編最初のお話である今回の主役は、トップジョイ。その相手として元バスケリーガーであるゲバラを置くだけでなく、さらに彼のいるジャウの街が「ダークスポーツ財団の手によって開発されたが“見捨てられた”存在」とすることで、さらにトップジョイが今回のお話で主役である意味を強めているように感じました。30分の枠では収まり切らないようなボリュームと可能性を秘めている一編。なるほど、今後展開されるはぐれリーガー編も面白そうだぞ!


ボーシップ号に乗り、途中ヒロシたちが乗り込んでいるなどのハプニングが起こりつつも、何とかジャウの街に降り立ったシルバーキャッスル。話ではジャングルを切り開いた都市と聞いていた彼らでしたが、実際は荒廃の進んだゴーストタウンでした。やがて、その町の長老と思しき人物と出会った彼らは、そこでリカルドの手がかりと、農耕用ロボットを襲う怪物の噂をキャッチ。トップジョイの調子のいい返事と、マグナムエースの強い希望で怪物探しを始めることになるシルバーキャッスルですが…。ジャウの街は確かにジャングルを開発した都市ですが、今では逆にそのジャングルに再び飲み込まれつつあり、ゴーストタウン状態。このようになってしまった理由は後程明かされますが、現在の住民が農耕生活に転換した理由までには踏み込めていないかなぁとも感じました。街が荒廃してにっちもさっちもいかなくなったから、自給自足の生活に転向したってことなのかなぁ。そんな街の住人たちは、当初はシルバーキャッスルを警戒していたものの、彼らがダークスポーツ財団と関係ないということを知りだんだんと心を開くように。残念ながらリカルドは既に街を去った後でしたが、その代わり彼らは、農耕用ロボットを襲う怪物の噂を耳にするのでした。リカルドは既に別のところへ旅立ってしまっていましたが、一時期ジャウの街に滞在していたのは事実。ビル開発用として開発された作業用ロボットたちを農耕用に改造し、人々から感謝されていました。あれだけのロボットを1人で改造したのか、よくやるな…。そして、この話とともにシルバーキャッスルが耳にしたのは、ロボットを襲う怪物の噂。リカルドの捜索を優先したいルリーたちに対し、トップジョイが二つ返事で「怪物を倒してみせる」と言ってしまったことで、彼らはその調査にも乗り出すことになります。もう、トップジョイはこういう時に調子がいいんだから!まあ、それが彼の魅力でもありますけどね。


ジャウの街にはぐれリーガーが潜伏しており、またシルバーキャッスルが向かったことを知ったセーガルは、配下のミューハーとホーリーに指示し、はぐれリーガー:ゲバラ接触。彼を仲間に引き入れようとし、その条件としてシルバーキャッスルを倒すことを提示します。同じ頃、マグナムエースたちは街の中を調査中。途中トップジョイだけがはぐれてしまいますが、彼がそこで目撃したのは、荒廃したスタジアムと、放棄されたアイアンリーガーたちでした。第23話の描写等で、はぐれリーガーを自分の配下とし、操っていることが描写されたセーガル。しかし、まだまだ存在すら確認できていないはぐれリーガーも多くいるらしく、彼らを仲間に引き入れようと暗躍を開始します。今回登場のゲバラも、その1人。最初は協力を渋る彼でしたが、「バスケリーグの戻れるかもしれない」という言葉につられ、一時的に協力してしまうことになります。荒くれものとなってしまったはぐれリーガーであっても。その心の奥底にはスポーツを愛する心がまだ存在。それを目覚めさせることこそが、「アイアンリーガーとしての誇りを取り戻すこと」なんですね。一方その頃、マグナムエースたちはジャウの街の調査を開始。メンバー全員で行動しますが、途中トップジョイが穴に落ちてしまい、はぐれてしまいます。穴の中で彼が見たのは、放棄されたアイアンリーガーたちの残骸。さらに光の指す方向へ彼が向かうと、そこには荒廃し木々の生えたスタジアムが広がっていました。道路の地下、使われなくなってしまったスタジアムの一室に、無造作に捨てられていたアイアンリーガーたち。おそらく彼らは、リカルドが来る前にすでに廃棄処分されてしまっていたんでしょうね。


スタジアムの中で、潜伏していたゲバラと遭遇するトップジョイ。ゲバラは彼がシルバーキャッスル所属だと知り襲い掛かってきます。さらに、ミューハーが現れたことで、ジャウの街の過去とゲバラのことについて知ったトップジョイは、放置されていたバスケットボールに目をつけ、ゲバラに対しバスケ勝負を開始。バスケをプレーし続ける中で、ゲバラは忘れかけていたバスケの楽しみを思い出し始めるのでした。ゲバラ二級に襲われたことで、ピンチに陥るトップジョイ。ここでさらにミューハーが現れ、「冥土の土産」にジャウの街とゲバラの過去を知らされたことで、彼はある考えを浮かべます。ジャウの街、そしてそこにあるスタジアムおよびアイアンリーグは、全てダークスポーツ財団によって開発されたもの。しかし、諸事情により開発は途中で放棄され、アイアンリーグは解散。ゲバラを含む不要となったリーガーたちの多くは廃棄処分にされていました。ジャウの街の設定自体はそれほど珍しい設定・オチではありませんが、これに対して、主人公側のキャラとしてトップジョイをぶつけたのがミソ。そう、彼もまた、かつてダークスポーツ財団に所属していたリーガーであり、同時に見捨てられたリーガーでもあったからです。だからこそ、ここでミューハーが語る一連のことに対し、様々な感情を抱いたのでしょうね。ここで奮い立ち「バスケ勝負をしよう」と言い出すのは、(リーガーの特性としても、キャラやその設定としても)トップジョイだからこそ、最も引き立ち強いインパクトを持つシーンになっていると言えるでしょう。こうして、バスケ勝負を始めるトップジョイ。バスケをプレーしつづけ、「ボールで気持ちはつながる」という彼の言葉により、だんだんゲバラの心に変化が生まれます。やはり、スポーツは人の心を動かすのか―。


ゲバラの行動にしびれを切らせたミューハーは、サーティーンなどに指示してゲバラもろともトップジョイへ攻撃を開始。しかし、それはマグナムエースたちが駆けつけたことで阻止されます。戦いが終わったシルバーキャッスルでしたが、トップジョイはゲバラアイアンリーガー魂を取り戻すため、再度のバスケ勝負を敢行。結果はトップジョイの勝利に終わりますが、これによりゲバラは完全に更生し、ジャウの街のアイアンリーグ復興を誓いシルバーキャッスルと別れるのでした。ミューハーたちの攻撃により、実は右足を負傷していたトップジョイ。しかし彼は、無理を押してゲバラとの戦いに臨みます。それは、ゲバラに真のアイアンリーガー魂を取り戻すためでした。一進一退の攻防を見せ、いつになく凛々しい表情を見せるトップジョイがカッコいい。また、身体の限界を承知で、最後の力を振り絞って必殺技を繰り出す姿がこれまたカッコいいです。普段はお調子者のトップジョイですが、やはり彼もまた、シルバーキャッスル所属の熱きアイアンリーガーなんですね~。この戦いの結果、アイアンリーガー魂を取り戻したゲバラ。トップジョイは彼をシルバーキャッスルへ誘いますが、彼はジャウの街のアイアンリーグを復興させるという夢を抱いており、それを受けたシルバーキャッスルは、彼に別れを告げ次の地へと旅立っていくのでした。長老たちと手を取りあい、ジャウの街の、そしてそのアイアンリーグの復興を誓ったゲバラ。彼がもう、はぐれリーガーに堕ちることはないでしょう。

 

 

 

第28話「熱球のダイヤモンド」

1993年10月12日放送

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「ワイルドホーク!この一球に、俺が44ソニックを乗り越えるための全ての魂を注ぎ込む。受け取れ…!!」


STORY:闇の貴公子と名乗る人物からの挑戦状。それは、水上野球チーム:ブラックラグーンでシルバーキャッスルとの試合を申し込むものであった。試合会場に到着したマグナムエースは、その中にかつての名リーガー:ワイルドホークがいることに衝撃を受ける。シルバーキャッスルはラフプレーに苦しみながらも、0対0で一進一退の攻防を続ける。ワイルドホークがアイアンリーガーとしての本当のプライドを取り戻す時、試合は佳境に突入する―!


今回の主役は、マグナムエースとゲストキャラクターのワイルドホーク。「はぐれリーガーが戦いの中で誇りを取り戻す」という流れは前回と同じですが、シルバーキャッスルが苦戦を強いられる一方で、ワイルドホークもまた自分の球がバカスカ打たれるという“苦戦”をし、そこからマグナムエースの言葉と魂を受け取り更生していくというこのアプローチが、お話に変化をつけてくれています。最後はちょっと急すぎるオチな気がしないでもなかったけど、まあこれはこれでいいかな。


ジャウの街を旅立った後、南国で一休みするシルバーキャッスル。久しぶりにめいっぱい羽を伸ばす彼らでしたが、その時メッケルから闇の貴公子の挑戦状の話が飛び出します。彼の要求は、自身が編成した水上野球チーム:ブラックラグーンでシルバーキャッスルとの試合を申し込み、もしシルバーキャッスルが負ければ自分の傘下に入れというもの。その挑戦を受けて立った彼らは現地へ向かいますが、ブラックラグーンの中にかつての名選手:ワイルドホークの姿を見て、マグナムエースは衝撃を受けるのでした。ここ最近気が張り詰めていたため、一休みを通じて心も休めることができたルリーたち。しかし、そんな彼女らのもとに届いたのは、闇の貴公子からの挑戦状でした。闇の貴公子とかなんとか言ってるけど、その正体がセーガルであることは視聴者にはバレ済み。そのことを知ったうえでこのシーンを観ると、ちょっと面白いです。セーガルは妙に凝ったデザインのマスクをつけ、シルバーキャッスルに自身の編成したブラックラグーンで試合を申し込むことを宣言。彼らに試合会場へ来るよう求めます。セーガルは自分のことがバレてないと思っているので(実際シルバーキャッスルにはバレてない)、妙に仰々しい態度になっており、正体を知っている視聴者からするとちょっと痛い。やっぱりこれ、彼の趣味なんだろうなぁ…。そして、この挑戦を受けることにしたシルバーキャッスル。彼らは試合会場へ向かいますが、その中でマグナムエースは、ブラックラグーンの中にワイルドホークの姿を見て驚愕します。ワイルドホークは、かつて野球リーグで活躍した名リーガー。優勝請負人という名のつくほどの実力を持っていましたが、そのプライドの高さが災いしてやがてリーグでの居場所がなくなり、自らその世界を去っていっていたのでした。アイアンリーガーの誇りだけでなく、アイアンリーガーとしての誇りまでをも失っていたワイルドホーク。これが、今回のお話の肝になります。


試合はブラックラグーンの一方的な投球で開始。当初は困惑するシルバーキャッスルでしたが、マッハウインディ・GZ・マグナムエースはそれでもワイルドホークの球を打ちます。しかし、それは他の選手のラフプレーに阻まれ、なかなか得点できずじまい。やがて攻守が変わりマグナムエースは44ソニックを投げますが、それは割とあっさり攻略されてしまいます。その理由は、このフィールドの特性にありました。ブラックラグーンのピッチャーとして登板してきたのは、ワイルドホーク。しかし、彼の投げる球はシルバーキャッスルを苦戦させるどころか彼らにバカスカ打たれてしまいます。シルバーキャッスルを苦しめていたのは、ワイルドホークの球よりもその他選手によるラフプレーと、水上野球という特殊なフィールドでした。普通なら、ワイルドホークがシルバーキャッスルをその球で押さえ続けて、それでも立ち向かってくる彼らに対し「なぜこいつらは戦い続けるんだ!?」と驚く展開になりそうなもの。しかしここで、シルバーキャッスルの苦戦も演出しつつワイルドホーク自身もまたその球が打たれてしまうという苦戦を描くことにより、ドラマに変化を与えることに成功しています。チーム自体は優勢だけど、その中でゲストキャラクター自身は苦しんでいる…。なるほど、上手い構図を考えましたね。やがて試合は攻守交替し、シルバーキャッスルのピッチャーとしてマグナムエースが登板。さっそく彼は44ソニックを投げますが、これは相手リーガーにいきなり打たれてしまいます。その理由は、44ソニックを攻略されてしまったからではなく、水上野球というフィールドの特性にありました。44ソニックは通常であればかなりの威力を発揮しますが、今回は戦いの舞台が水上であり、投げてからバッターに到達するまでの間にエネルギーが水に吸い取られ、威力が半減。これが、撃たれてしまう原因になっていました。この原因は早い段階で特定されますが、それでもマグナムエースは44ソニックを投げ続けることを宣言。無謀ともいえるかもしれませんが、彼には強い決意があったのでしょう。この球で、ワイルドホークにアイアンリーガーの誇りを取り戻させるのだと。


試合は0対0のままで進み、両者一歩も引かない状態が継続。どんなにラフプレーを食らっても正々堂々と戦い続けるシルバーキャッスルの姿を見て、ワイルドホークは戦慄します。やがてその理由、そしてその精神の根底にあるものを知ったワイルドホークは、徐々に試合の中で右腕の錆びつきが落ちていくことに。やがて試合は9回表:シルバーキャッスルの攻撃になり、その中でワイルドホークの右腕が完全復活を遂げます。かなりのラフプレーを食らい、ワイルドホークですら「馬鹿げた試合」と感じているこの試合でも、正々堂々の精神を貫徹し続けるシルバーキャッスル。そんな彼らの姿を見るにつれ、ワイルドホークは戦慄し、ある種の恐怖すら覚えます。そんな彼に対し、マグナムエースはアイアンリーガーの誇りと魂について語るのでした。個体によって様々な特徴があるアイアンリーガー。しかしその根底にはスポーツを愛する心があり、同時にお互いをつなぐ要素としてスポーツマンシップがある。マグナムエースはそのことを説明したうえで、ワイルドホークに対し「スポーツを愛する心とスポーツマンシップがあれば、アイアンリーガーとしての誇りを失うということまでにはならない」と説きます。所属リーグを追われ、はぐれリーガーになってしまったワイルドホーク。しかし、そんな彼がそれでも野球をしているということはスポーツを愛する心がまだあるということであり、マグナムエースから言わせれば、まだアイアンリーガーとしての誇りを失いきっていないということなんですね~。そして、その後の戦いでアツく燃える44ソニックを受けたワイルド―ホークは、右腕のエンジンをフル回転させてその錆を落とすことに成功。さらにその後の極十郎太の打球を受けたことにより、さらにその錆が落ちていきます。錆が落ちていくさまこそ、ワイルドホークがアイアンリーガーの誇りを取り戻しつつあることの暗喩。こういう表現がたまらないですね。


最終打席に立ったマグナムエース。彼との戦いでついに右腕の錆を落としきったワイルドホークは、今まで出せていなかった魔球:ファイヤーコメットを放ち、マグナムエースを圧倒します。2アウトノーボールと追い込まれるシルバーキャッスルですが、最後の最後でワイルドホークのファイヤーコメットを、マグナムエースが攻略。さらにその後シルバーキャッスルはブラックラグーンの攻撃を押さえたことにより、彼らはこの試合に勝利します。試合に負けてしまったワイルドホークですが、その表情は明るいのでした。ボールを投げ続けるワイルドホークに対し、マグナムエースが打つ球はファールばかり。これは、彼に投げさせまくることによって錆を落とし、アイアンリーガーの誇りを完全に取り戻させるために、マグナムエースがわざとしたことなのでしょう。やがて右腕の機能が完全に復活したワイルドホークは、魔球:ファイヤーコメットを発動。一度はマグナムエースを圧倒しますが、最後の攻撃でマグナムエースはそれを攻略。ホームランを放ち、これがシルバーキャッスル勝利の一点となるのでした。ファイヤーコメットは、その衝撃波と摩擦熱でバットを溶かしてへし折ってしまうほどの威力を持つ魔球。しかし逆に言えば、バットにボールを当てさえすれば、そのバットが溶ける前に打つことで攻略できるというものでした(それを実践するのが難しいんだけど)。そのことを察知したマグナムエースは、スイングの時間や角度を計算し、見事ホームラン。これがシルバーキャッスルを勝利へと導きます。試合に敗北したワイルドホーク。しかし、アイアンリーガーの誇りを取り戻した彼に、後悔の念はありませんでした。これだけでも十分いいエンディングなのですが、そこに「ワイルドホークに各チームから再オファーが殺到している」という展開を入れちゃったのは、ちょっとやりすぎかなとも感じました。まあ、これが後々の展開にもつながってくるんだけどさ…。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は第29話から第31話をご紹介予定です。『疾風!アイアンリーガー』。正々堂々と、試合開始!

 

疾風!アイアンリーガー』は、バンダイチャンネルの他、Amazon Primeでも有料配信中!要チェックだ!

 

 

 

 

 

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