お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

スーパー雷鳥殺人事件

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佐々木は、京都駅から、午前九時二三分発の特急「スーパー雷鳥3号」に、乗った。福井、金沢を経て、富山まで行く列車である―。今回は、西村京太郎トラベルミステリーの1つ:『スーパー雷鳥殺人事件』のレビューです。

 

昔から在来線特急が頻繁に行きかっている、北陸本線経由の大阪⇔金沢ルート。今では「サンダーバード」が代表種別として走っていますが、その前にこのルートを結んでいたのが「雷鳥」。中でもこの「スーパー雷鳥」は、JR西日本ができたのと同じ頃に誕生した、「雷鳥」の(主にエクステリア面での)上位種別。停車駅は現在の「サンダーバード」とほぼ同じで、何より白をベースに青・ピンク・金の帯を纏った豪華な塗装が目を引く特急車両でした。

 

「スーパー雷鳥」、子供の頃に何回か乗りましたね。あんまり内装のことは覚えてないけど、とにかく見た目のインパクトが絶大だったのは鮮烈に覚えています。

 

 

 

STORY:自殺を思い立ち、東京から大学時代の思い出の地:京都を経由して、福井県東尋坊へと向かうことにした佐々木貢。彼は福井までの行程に「スーパー雷鳥」を利用するが、車内ラウンジで会社社長:池辺康夫の毒死に巻き込まれ、さらには彼から謎の遺書を手渡されてしまう。それを機に、佐々木の周りで起こる不可解な事件。そして、事件をひっかきまわすことになる佐々木の行動。十津川警部たちは、この難事件を解決できるのか?

 

話の内容としては、「スーパー雷鳥を舞台とする物語」というよりも、「スーパー雷鳥での事件をきっかけに展開される物語」といった感じ。そのため、本のタイトルは『スーパー雷鳥殺人事件』ですが、物語中に「スーパー雷鳥」自体はそんなに出てこない形になっています。

 

本作で一番面白いのが、メインのゲストキャラクターである佐々木の行動。池辺社長から遺書を渡されたことをきっかけに、なんだかんだでそこに書かれていることを実行し、真犯人そして十津川警部たちをも攪乱していきます。真犯人ももちろん自分の目的や犯行がバレないようにあれこれ工作するのですが、それにプラスして佐々木が事件をさらに引っ掻き回していくという構図になっているのが、物語を複雑化させ、そして読者をひきつける要素になっていますね。

 

そして、最後は佐々木も十津川警部たちに協力することになり、彼らとともに犯人に罠を張って追い詰めるという展開がスリリングです。犯人の末路は人によっては「う~ん」と感じるものになっていますが、私はこれはこれでアリだなと思いました。

 

 

 

細かく読んでいくとところどころ穴があるようにも感じますが、殺人事件と相続争いが交錯していくさまが面白い、この『スーパー雷鳥殺人事件』。ミステリーというよりもサスペンスチックな作品に仕上がっています。

 

この作品は最近になって復刊され、「日本縦断長篇ベスト選集」福井県編として、徳間書店より発売されてます。復刊により読むハードルが低くなったのはいいけど、これ作品はあんまり福井が舞台になってないんだよなぁ。それは…いいのか?

 

 

 

 

 

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