相次いだロボット刑事の追加加入も、今回ではひと段落。その代わり、今まで以上にバラエティに富んだお話が登場するようになります。特に第16話や第17話は、単独のお話としてはかなり面白く感じましたね~
なお、前回(第13~15話)の感想記事は↓コチラです。
第16話「帰ってきた宿敵」
1994年5月21日放送
登場した敵他:怪盗ライヤーの息子/警察ロボットの破壊等
「三浦君。君も、そしてこの私も、ともに古き良き時代を生きてきた。」
STORY:20年前、東京を震撼させたという大怪盗:怪盗ライヤー。その彼が、今になって突然現れた!定年退職間近の老刑事:三浦警部が張り切る中、怪盗ライヤーの捜査に当たるブレイブポリス。古いタイプの刑事である三浦警部の心を、じょじょに理解していく勇太。怪盗ライヤーが操るロボットが使う手品とは何か。そして、本当に怪盗ライヤーは本物なのか?三浦警部の定年退職の前夜、ブレイブポリスたちの活躍で、全ての謎が明かされる―!
前回までがドハデな展開だったのに対し、今回は刑事ドラマのような展開を意識したお話に。勇太の生活シーンは一切登場せず終始捜査に当たっており、いつも以上に、いや今までで最も刑事ドラマしている一編になっています
公園の解体現場に、突如現れた巨大ロボット。その中から現れた人物は、「怪盗ライヤー」と名乗り、姿をすぐ消してしまいます。この捜査に当たることになったブレイブポリスでしたが、それに執念を燃やすある老刑事がいて…。公園の解体現場を破壊するものの、今までの犯罪者に比べると軽微な犯罪をしている怪盗ライヤー。彼がなぜ特に何もせずにただ現れるだけなのかということは、このお話の重要ポイントになります。怪盗ライヤー逮捕に執着する老刑事:三浦警部は、典型的な古いタイプの刑事ですが、かたくなに今の技術や世の中を否定するほどの頑固者ではない模様。その精神が、徐々勇太を引き付けていきます。今回の勇太は一貫して事件捜査を担当。彼の日常シーンが出てこないのって、今までなかったんじゃないかなあ
再び現れた怪盗ライヤー。結果的にまたしても逃げられてしまいますが、その時に録画されたシャドウ丸の映像を解析してみると、今回登場した怪盗ライヤーは以前の怪盗ライヤーとは全くの別人と判明。しかしそれを信じられない三浦警部は、独自の捜査を続行します。再び現れた怪盗ライヤーは、警察ロボットを数体破壊したものの、特に何も取らずに逃亡。まるで三浦警部に自分の姿を見せることが目的のような行動でした。データを信用できずに独自捜査を続ける三浦警部の姿を見た勇太は、彼の怪盗ライヤーに対する思いを理解。自分でも三浦警部と怪盗ライヤーの戦いの歴史を追いかけ始めます。夜いったん帰宅しようとするも警視庁に戻り、膨大な事件資料の中から三浦警部の報告書を探し出す勇太。ここまで行動面でも捜査らしい捜査をしている勇太も、珍しいような気がしますね
事件資料の調査の結果、現在の怪盗ライヤーの出現場所を予想した勇太は現場に急行。そこにいた三浦警部と待っていると、本当に怪盗ライヤーが現れます。一言二言話した後にまた逃げようとする怪盗ライヤーでしたが、3回も同じ手を食らうブレイブポリスではない!彼の操るロボ:マルスのトリックを見破り、彼を追い詰めます。怪盗ライヤーが使っていたトリックは、電波ジャミングを利用した立体ホログラム映像。これを発生させることで自分の位置を攪乱し、警察を翻弄していたのでした。本物の怪盗ライヤーを追い詰めた後、ついにマルスを使って暴れだす怪盗ライヤー。結果的にスーパービルドタイガーとのバトルになるわけですが、ここでの戦闘の連携が見事!スーパービルドタイガーを中心として、攻撃の援護をデッカードが担当、スーパービルドタイガーがピンチの際は、敵の攻撃源をシャドウ丸の戦車モードが撃破、そして極めつけは、ホログラムを作り出したマルスを見破るために三浦警部が発砲!まさにスムーズで全員が活躍するという連係プレーが堪能できます。戦闘シーンは決して長い方ではありませんでしたが、その代わり「戦闘を魅せる」ということに力を入れていたように感じました
逮捕した男を見てみると、なんとそこにいたのは若い男性。彼はある事情から怪盗ライヤーを名乗っていました。そして、同時に定年退職の日を迎えた三浦警部。彼はブレイブポリスの面々に送られながら、警視庁を去っていくのでした。逮捕された若い男性は、怪盗ライヤーの息子にしてロボット強盗の指名手配犯。彼は自分の父から、亡くなる直前に自身が怪盗ライヤーであること、そして三浦警部と過ごした日々を懐かしんでいることを知り、逮捕されることを覚悟して父の遺志を三浦警部に伝えようとしていました。親子そろって泥棒という、決して褒められない親子である怪盗ライヤーの家族。しかし不思議と彼に対して同情したいという感情がわくのは、彼が泥棒なりに自身の哲学・精神を貫いていたからでしょう。怪盗ライヤーの息子の取り調べシーン、そして三浦警部の退職シーン、どちらも泣かされましたね~
第17話「邪神インティ」
1994年5月28日放送
登場した敵他:邪悪神インティ/欲望吸収による文明破壊未遂
「だけど、自分の欲望に悩むあなた…。好きよ。」
STORY:突如、一般市民が暴徒化するという事件が頻発。それは、南米奥地に封印されていたはずの邪悪神インティの仕業だった。ようやくのその像を確保し、警護を買って出たマクレーンだったが、いつの間にか自身もインティに操られてしまう。自分にも欲望があることに苦悩し、心を閉ざすマクレーン。欲望を持つことは、本当に悪なのか?そしてインティの前に大苦戦するブレイブポリス。立ち上がれマクレーン、自分の心に打ち勝つんだ!
南米に封印されていたという悪の神様が敵となるお話。しかし、大きな設定に対して取り上げられているテーマは「欲望を持つこと」であり、いつもは冷静なマクレーンが自分のことに激しく苦悩するシーンが印象的なお話でもあります。欲望を持つことは悪なのか?人間の持つ欲望とは悪の塊なのか―?
頻発する一般人の暴徒化騒ぎ。その現場では必ず謎の石像が目撃されており、ブレイブポリスが捜査を開始。フリーライターの君塚綾子の協力を得て捕獲した石像は、南米ピチュ・マチュに封印されていたという邪悪神インティの心の像でした。邪悪神インティとは、人間の欲望にとりつくという悪の神様。心と体の像が合体すると、文明を破壊する力を持つ巨大な姿になるようです。美術館への展示のために日本に運ばれてきたインティの心の像は、密かに船を抜け出して一般人に憑依。街中で騒ぎを起こし始めます。最初は酔っ払い等に憑依しビアガーデンを荒らす程度だった騒ぎも、段々とエスカレート。尾上せいあ陸佐の部下に憑依して戦車を乗っ取り市街地へ砲撃するという騒ぎまで起こしてしまいます。もうこれ、騒ぎってだけじゃ済まないでしょ…
ようやく確保したインティの心の像。欲望を持たず、欲望を持つこと自体が恥だと考えているマクレーンが、自らその警護に当たることに。しかしマクレーンもインティに憑依されてしまい、操られて暴走族を襲撃。危ないところをシャドウ丸たちに制止されますが、インティの心の像は逃亡。マクレーンもショックのあまり心を閉ざし、機能停止に陥ります。最初はインティに憑依された人間を見て、欲望は恥であり、欲望がないことを誇りに思うとすら発言していたマクレーン。しかし彼は、ブレイブポリスとして半ば本能的に持っていた(プログラミングされていた)「悪人を裁きたい」という心を、欲望としてインティに利用されてしまいます。インティに憑依され狂気のマクレーンのシーンに目が行きがちですが、やはりその前後のシーンにも注目したいところ。欲望を恥だと思っていたマクレーンが、自分が考えていることが欲望だと気づかずに利用されている点、そして憑依がとけた後自分にも欲望と認識されうるものがあったことにショックを受ける点など、マクレーンが自身の心の内を知り、悩むシーンがとても興味深いです
パワーを充填したことで、体の像と一体化し街で暴れまわるブレイブポリスが出動しますが、ジェイデッカーのジェイバスターですら歯が立たない!同じ頃、マクレーンの復活方法に悩む冴島総監たちでしたが、せいあの提案した方法でマクレーンは復活。現場へ出動します。インティのパワーの前にブレイブポリスは大苦戦。技も効かないどころかドリルボーイがインティのビームを浴びてしまい、一時的に操られてしまいます。まあその結果が「サッカーがしたい!」と騒ぐだけで、シャドウ丸に殴られる程度で治るものだったからよかったよ…。マクレーン復活のためにせいあが提案した方法とは、彼の記憶をつかさどるメモリー部分を引き抜くこと。複数本に分かれたメモリーを抜いていかれるマクレーンでしたが、最後の1本が抜かれる直前で自発的に復活します。せいあは分かっていたんでしょうね。マクレーンにも欲望があり、そして「生きたい」という欲望により復活するであろうということを
復活したマクレーンでしたが、まだ憑依されたことがトラウマのまま。そんな彼を、せいあは自らがインティに憑依されることで「生きるということ自体が欲望でもある」と説きます。自分の欲望と向き合うことを決意したマクレーンに、もう迷いはない!最後はジェイデッカーとスーパービルドタイガーの合体技:「タイガーファング」で、邪神インティを粉砕するのでした。一時的にインティに憑依された末にせいあがマクレーンに説いたのは、「生きる」ということ自体が欲望であり、人間らしい感情であること。そして人間に近いロボットであるマクレーンがその欲望を抱くのも、人間らしいことである―、ということでした。これにより目覚めたマクレーンは、自身の欲望と向き合い、見事インティに打ち勝ちます。マクレーンが明確に「欲望と向き合うことにした」というセリフはありませんが、インティのビームを浴びた際に、わざと自身の「インティを倒したい」という欲望のことだけを考え、それをインティ撃破の突破口にしていることから、彼の欲望に対する考え方が変わったことが十分に理解できるでしょう。そんなインティを倒すために使われた新必殺技が、「タイガーファング」。スーパービルドタイガーの背面にジェイデッカーがジェイバスターをドッキングし、お互いのエネルギーを120%充填して放つ現状最強の必殺光線でした。使用後はかなりバテるらしく、スーパービルドタイガーは強制分離、ジェイデッカーも肩で息をしながらまともに動けないくらいにエネルギーを消耗してしまいます。この必殺技、今後も出てくるのかなぁ
第18話「パンダ注意報!?」
1994年6月4日放送
登場した敵他:巨大パンダ(成長促進剤の誤投与による異常成長)
「ボスは大きくなってもボス。パンダは大きくなってもパンダ!」
STORY:海から浮上してきた巨大な生き物。それは怪獣でも宇宙人でもなく、なんと巨大なパンダであった。成長促進剤の誤投与によって巨大化してしまったらしいが、パンダの出身国の意向で捕獲を試みることに。ところが、防衛軍の攻撃もブレイブポリスの攻撃も全く歯が立たず、作戦はことごとく失敗してしまう。やはり、捕獲はあきらめなければならないのか?そんな時、あることに気づかされたマクレーンは、驚きの行動に打って出た!
独特のノリのお話であった第6話に続き、2回目のあみやまさはる氏が担当となった今回のお話は、やはりギャグ回といったお話に。前回に比べるとギャグ度は低めでしたが、その代わりマクレーン自身の新たな気付きを描き、ブレイブポリスの小さな成長回にもなっていました。うん、でもやっぱりギャグ回だ
中国・万里の長城付近の研究所で、巨大ゴキブリに襲われる研究員を発見したシャドウ丸。しばらくしたのちに日本近海に出現したのは、なんとビルよりも大きい巨大パンダでした。今回は一貫してパンダの出身国がセリフとしては伏せられていますが(「某国」扱い)、万里の長城やパンダのことから考えるに、その出身国は明らかに中国。あえて伏せた理由は何かあったのでしょうか。パンダの出現は中国からあらかじめ連絡があったようで、パンダ出現の際は尾上せいあ率いる陸上防衛軍が港湾地区で待機。しかしそのあまりにも巨大すぎるパンダの前には、防衛軍は手も足も出ないのでした
中国側の意向により、パンダを捕獲することなったブレイブポリスと防衛軍。されこれ武器を使って捕獲作戦を敢行しますが、それはどれも失敗。パンダは無邪気に都市部で暴れまわり、ビルによじ登るわ破壊するわと、大混乱を引き起こします。巨大パンダは悪意がなく知能が元のパンダゆえに厄介な敵で、デッカードのジェイデッカーへの合体を妨害したり、ビルのよじ登って飛び跳ねてみたりとやりたい放題。おまけに見た目は当然パンダであるため、その愛嬌で人々を虜にしていってしまいます。巨大パンダのよじ登りシーンは、どことなく『ウルトラマン』のシーボーズ回と酷似したシーンに。アングルもほぼ同じだし、これ狙ってやってるな?パンダに振り回されていたのはブレイブポリスや防衛軍だけでなく、一般人たちも同じ。なぜか名古屋弁をしゃべる関東地方のどこかの知事はパンダで一攫千金を企み、巨大パンダが登ったビルのオーナーはお互いで口喧嘩。その間に巨大パンダによって両者ビルを破壊されてしまいます。それでもなぜかみんな妙に顔をほころばせて、「かわいい~!」といってしまう始末。うーん、かわいいからって許せちゃうのか?
捕獲作戦の相次ぐ失敗に、敵を捕獲することの難しさを知るブレイブポリスと、やむを得ず攻撃を断行しようとするマクレーン。しかし、そこへまたしてもせいあが彼を制止します。せいあがくれた言葉にヒントを得たマクレーンは、自ら巨大パンダへのリベンジを志願。ある行動に打って出ます。今まではなんだかんだで敵の逮捕や破壊がその任務であることが多かったブレイブポリス。今回が初めてとなる純粋な捕獲任務に対し、ブレイブポリスは混乱します。下手に手出しができないため、調子が狂ってしまうブレイブポリス。そんな中マクレーンが攻撃手段に出ようとしますが、熱くなった彼を止めたのは前回と同じくせいあ。彼女はブレイブポリスに、「もし勇太が大きくなったら、自分たちは勇太を攻撃するか?」という問いを投げかけて再び持ち場に戻ります。せいあがここで言いたかったのは、「勇太が大きくなっても勇太なのであれば、パンダだって大きくなってもパンダだ」ということ。気づかないうちに巨大パンダをパンダではなく怪物ととらえていたために、ブレイブポリスはその捕獲作戦に失敗し続けていたんですね。まあ、あんなパンダが現れたら、誰だって怪物と思っちゃうけど…。せいあの発言を機にそのことに気づいたマクレーンは、再び巨大パンダの前へ。いつもは冷静な彼がとった行動は、ショットガンを捨てておどけることでした。巨大パンダでもパンダはパンダ。パンダとして扱うことにしたマクレーン。その考え方はよくわかるのですが、なんというか…
巨大パンダをパンダとして扱い、その意思を尊重することにしたブレイブポリス。彼らとの楽しいひと時を過ごした巨大パンダは、やがて自らの意思で海へもぐり、国へと帰っていくのでした。パンダの意思を尊重したことで、周辺住民どころか世界各国から賞賛を受けることになったブレイブポリス。ちょっと過剰な演出にも感じますが、少し前のシーンで巨大パンダにより日本経済と交通が混乱し「ブラックホワイトサタデー」といわれていたことから、それを救ったブレイブポリスがこれだけの扱いを受けるのは当然でしょうね。海へ入っていった巨大パンダが目指す場所は、もちろん生まれ故郷である中国。だけど、どうやってこの巨大パンダを育てるつもりなんだろう?
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◎今日の勇者ソング◎
今日ご紹介するのは、1994年放送の『勇者警察ジェイデッカー』使用BGM「優しさのしるし」です。
劇中ではエンディングシーンや事件解決シーン等で使われることの多かったBGM。フェードアウトの仕方が「曲がここで終わり」というよりも「まだまだ曲が続いていく」という印象を受けますが、これ原曲のママ使用していたんですね。テレビ用に部分的に音楽を編集しているのかと思ってました。
第2クールになると、『ジェイデッカー』のお話もさらにバラエティに富んできた印象。この時期はどちらかと内容面で見ごたえのあるお話が続きますね。いや、他の時期でももちろん興味深い話がいっぱいあるけど…。
それではまた次回、お会いしましょう!
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