子供ってさぁ、俺たちが思ってるより、ずーっと大人なんだ
母さんが見た未来は、1つの可能性だ。未来は1つじゃない。そんな未来、俺たちが変えてやる…。変えてみせるさ!だって俺たちは、“ウルトラマン”だから!!
『ウルトラマンルーブ』も、とうとう最終回。当然ながらルーゴサイトとの決着が描かれた他、時間はわずかだったもののアサヒの正体についてもキチンと触れられており、いろいろ要素があったもののなんとかキッチリ完結した形になりました
「ウルトラマン」の物語として見れば、(映像効果は別として)そこまでハデじゃなかった最終回。しかし「湊家」の物語として見れば、彼らが家族の絆を取り戻すという、良い最終回でもありました。やっぱり『ウルトラマンルーブ』は、ウルトラマンの物語というよりも、湊家の物語だったんだなぁ
・ストーリー面
「いかにルーゴサイトを倒すか?」ということよりも、「ルーゴサイトに立ち向かうことに対する、湊家のやり取り」が中心に描かれた今回。上述の通り、「ウルトラマンとしての物語」と見ると少し小さくまとまっているように感じましたが、「湊家の物語」として見るとしっくり来る内容になっていました
ルーゴサイトはなお勢力を強め、サキをも失ったカツミたち。ロッソとブルはルーブに強化変身しますが、サキが作ったバリア装置は破壊され、しかもルーゴサイトの攻撃を食らって分離。さらに、苦しむ2人の姿から、自分の見た破滅の未来を思い出したミオに強制変身解除させられてしまいます。序盤からいきなり強化変身するのは鉄板の敗北フラグですが、やっぱりそれは『ルーブ』でも同じ。詳しくは後述しますが、ここでバリア装置の破壊されるというミニチュア特撮が、丁寧に描かれていましたね~。ルーブの力さえも通じず、追いつめられるロッソとブル。そんな彼らは、戦いの最中、ミオの手により変身を強制解除までさせられてしまいます。いつの間にかルーブジャイロに強制シャットダウン装置を仕込んでいたらしいミオ。「あんなことできるなら、(カツミとイサミを変身させないために)前回の時点でルーブジャイロにロックかけてればよかったじゃん」と思ったけど、ウシオたちのことを信頼してわざと使わなかったのかなぁ
ミオが命を懸けてルーゴサイトを倒そうとしているのではないかと推測し、アイゼンテックの本社へ向かうカツミたち。そこで彼らはミオの覚悟を知りますが、自分たちが未来を変えてみせると宣言し、アイゼンテック本社の窓ガラスをぶち破って変身。再びルーゴサイトに戦いを挑みます。マコト=チェレーゼの遺した技術を応用し、自分とアイゼンテック本社ごとルーゴサイトを葬り去ろうとしていた。そんな彼女に対し、カツミとイサミはウルトラマンであるがゆえの強い決意を語ります。言ってみれば、異次元空間で見た未来のビジョンに捕らわれきっていたミオ。彼女に対し、カツミとイサミは、それは「1つの可能性に過ぎ」ず、「未来は1つじゃない」と反論します。「未来は変えられる」というのは古今東西のヒーローが言いそうなセリフですが、ゆえに「未来は1つじゃない」と結論づけるのは、わりと新しい解釈なのではないかと感じます。ここでのカツミとイサミはかなりヒーローしていますが、同じくらいグッときたのが、この直前のウシオの登場シーン。ボロボロになりながらも、「父さんのこと、ウワサしてたな?」っておどけながら現れるの、なんかスゲェカッコよくない?
再度ルーブに変身してもなお、ルーゴサイトに一歩及ばないカツミたち。そんな彼らを見て、自分も戦いたいとアサヒが強く願った時、アサヒの正体が判明し奇跡が起こります。新たな力を手に入れたルーブは、アサヒが消えるのと引き換えにルーゴサイトを撃破するのでした。終盤になって、ようやく触れられたアサヒの正体。彼女自身もルーブクリスタルであり、何らかの原因で第1話のVSグルジオボーン戦直後に誕生。その後、湊家の一員としてずっと暮らしてきたのでした。アサヒの正体と誕生経緯は、一部ぼかされているところがあり、視聴者に考える余地を与えている形に。これは劇場版で真実が明かされるからなのか、それとも視聴者に考えさせるための意図的な演出なのか―。まあ、この辺りは劇場版を観ればわかるのでしょう。そして、彼女が変身したマコトクリスタルの力で、ルーブはルーゴサイトの撃破に成功。なんと、ルーゴサイトを倒すカギとして、劇場版のメインアイテムが先行登場する形になりました
ルーゴサイトは倒した。しかしアサヒは消えた。彼女は一体何者だったのか―?カツミたちが考え込む中、空からアサヒが帰ってきます。再び5人になった湊家、始まる新しい生活。そう。これからは、『ウルトラマンルーブ』の物語ではなく、「湊家の物語」が始まるのです
・特撮面
最終決戦ということもあり、火薬もCGもてんこ盛り状態だった今回。意外にも目に見えるミニチュア破壊はバリア装置とビル1棟くらいでしたが、その分瓦礫の描写に力を入れることで、街が破壊されている様子や、ルーブの苦戦っぷりを表現していましたね。
初っぱなからルーブに変身し、一気にルーゴサイトと決着をつけようとするカツミたち。しかしルーゴサイトの力は半端なく、サキの作ったバリア装置は破壊され、ルーブも爆炎の中に飲み込まれてしまいます。バリア装置破壊シーンは、電柱などが破壊される描写を応用して撮影された感じに。電気が走り破壊されていく感じは、かなり丁寧な作りでした。そして、その後爆炎に飲み込まれるルーブ。火薬量が半端なくて、スーアクさんのことが一瞬心配になりました
再び意を決し、ロッソとブルに変身したカツミとイサミ。ルーゴサイトの攻撃に耐えてルーブに再変身しますが、ルービューム光線が競り負け、上空から落下してしまいます。ルーブの再登場シーンは、『ティガ』のVSガゾートⅡ戦を想起させるような描写に。スタッフも意識して撮影したのかな?2度目の登場となったルーブは、ルーゴサイトの攻撃に耐え、上空を縦横無尽に飛んでルーゴサイトと迫力ある空中戦を披露。今回の戦闘シーンは、合成なども多用して、戦闘フィールドをかなり広く見せていたのが印象的でした
ルービューム光線も破られ、打つ手なしかと思われたルーブ。しかしここで、アサヒが変身したマコトクリスタルの力で、ルーブは復活。新技:シンボルテックバスターでルーゴサイトをついに倒します。マコトクリスタルを手に入れてからのルーブは、どこか神々しさも感じるような見栄えに。よく見ると、細かく映像効果がつけられてるんですね~。そして、最後はシンボルテックバスターで勝利。爆発をバックにキメポーズをとるルーブ、そしてアイゼンテックをチラッと見つめるルーブ。いやぁ、どっちもカッコよかったぞ!
『ルーブ』の物語は、一旦これにて終了。年末年始を挟んで次回からは、『ウルトラマンニュージェネレーションクロニクル』が放送開始だ!
早くも来年のウルトラマンが気になってくるところですが、まずはこれをしっかり楽しもうぜ!
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