面倒くさいオタクの体現者
お前たちは、ウルトラマンとして落第点だ!今回の『ウルトラマンルーブ』は、放送開始前からその登場が明言されていた敵:ウルトラマンオーブダークブラックノワールシュバルツ(以下、オーブダーク)の初登場回。言動はコミカルなものの、その強さは本物で、『ルーブ』としては初のヒーロー完全敗北回になりました
・ストーリー面
マコトが変身した悪のヒーロー:オーブダークが初登場した今回。ヒーロー側の完全敗北回になのにも関わらず、笑いながらライトに観れるように作られていたのがとても興味深かったですね。後半のオーブダークが大暴れしますが、彼のヒーロー観とその矛盾にも注目させられます
カツミとイサミを試すため、市街地にアリブンタを出現させたマコト。カツミたちはロッソとブルに変身しますが、これを思ったよりもアッサリ撃破。さらにアサヒたちとの写真撮影に興じる彼らを見たマコトの怒りは頂点に達し、集めた人間を利用してとうとうオーブのルーブクリスタルを解放してしまうのでした。序盤から描かれるのが、アサヒの不可解な事実とロッソ&ブルとアリブンタの戦闘。前者は「やっぱりアサヒはただの人間じゃないのではないか?」ということをにおわせる描写になっており、後者については、詳細は後述しますが特撮シーンがどれも迫力あるものに仕上がっていました。観る者を釘付けにしてくれるアリブンタの特撮。いいねぇ、こういう特撮いいねぇ!マコトが出現させたアリブンタは、わりとアッサリ撃破されることに。しかしロッソとブルはいつまでも地上に残り、さらにはアサヒたちとツーショット。これがマコトの怒りを爆発させます。ヒーローらしくないロッソとブルに怒るマコトが印象に残るシーンですが、アリブンタを連携プレーでそこまで苦戦することなく倒したロッソとブルにも注目したいところ。確かにヒーローとしてはまだまだな彼らですが、ウルトラマンとして確実に強くなっていることが分かる描写でしたね
世間ではウルトラマンの話題で持ちきりとなり、調子に乗るイサミ。そんな中、マコトから新作Tシャツ1万枚の注文が入り、カツミとイサミは配達に出かけます。指定されたポイントにやって来た彼らは、無事商品を渡すことに成功。それに対しマコトが渡したのは、なんとカツミとイサミの今までの戦いを評価したウルトラ通信簿でした。汗染みがプリントされたTシャツ1万枚が売れたことで、嬉々としてマコトの元へ向かうカツミとイサミ。指定場所はだだっ広い荒野であり、そこで彼らはウルトラ通信簿なるものを渡され、マコトの真の正体を知ることになります。マコトの正体は、別の星からやって来た宇宙生命体:チェレーゼ。15年前にルーブクリスタルの力を求めて地球にやって来た彼は、当時は愛染鉄工の従業員だったマコトに憑依。カツミとイサミの母であるミオとルーブクリスタルの研究を続けていましたが、マコトの正体を知ったミオは、ルーブジャイロを持ち出して行方不明に。その後も彼は独自に研究を続け、オーブダークへの変身能力を手にしたのでした。ミオが持ち出したルーブジャイロは2つ。にも関わらずマコトがルーブジャイロを持っているということは、彼はミオがいなくなってからルーブジャイロを複製したのでしょうか。とうとうその正体を現したマコトは、ウルトラ通信簿をカツミたちに手渡し、彼らはウルトラマン落第点であると言い放ちます。マコトの作ったウルトラ通信簿の内容はかなり偏っており、まさに面倒くさいオタク視点そのもの。この通信簿において全部「よい」に該当するウルトラマン、多分いないと思うぞ…
自分こそ真のウルトラマンだと豪語するマコトは、オーブダークに変身。これに対抗すべく、カツミとイサミも変身します。オーブダークは言動や行動はふざけているものの、その強さは本物。ロッソとブルは力及ばす、オーブダークの前に敗北してしまうのでした。ここで登場、オーブダーク。やっぱり面倒くさいウルトラマンオタクを体現したような性格をしており、ポーズや攻撃方法、さらにヒーローとしての立ち振舞いまで、あれこれ口出ししてきます。ここで絶対に見逃してはならないのは、オーブダーク=マコトの持つウルトラマン観。彼が語っていることは確かにウルトラマンとしては大事な部分もありますが、全てウルトラマンとしてのうわべの部分だけしか見ておらず、それまで歴代のウルトラマンたちが抱えてきた苦悩などを全て無視しています。特に、「ヒーローは悩まない」なんてセリフ、マコトが本当にオーブのことを知っているのなら、こんな発言は絶対に出てくることはないでしょう。だってオーブは、ニュージェネレーションヒーローズの中でも、特に悩みながら戦い続けてきたウルトラマンなんだから!「熱心なウルトラマン(特にオーブ)ファンだが、そのうわべ部分しか見れていない」―。これがマコトの欠点であると同時に、これを克服しない限り、彼は真のウルトラマンにはなれないということを意味しているのでしょう
・特撮面
アリブンタ、そしてオーブダークが登場し、それらに対しロッソとブルが立ち向かうことになった今回の戦闘。まさに迫力ある特撮映像の連続であり、やはり個人的に辻本監督の演出は最高に好きだなということを実感しました。本当、辻本監督メインでウルトラマンを1作品撮ってみようよ!(2回目)
物語が始まってすぐ映し出されるのが、アリブンタのアリジゴクにより崩壊する地面。地面に亀裂が入り、ビルや道路が地底に飲み込まれていくさまは臨場感抜群。いや、もうこのシーンだけで「今週の『ウルトラマンルーブ』観てよかったな」って思いましたね。それくらいこのシーンは印象に残りましたよ!
地底からアリブンタ出現!綾香市市街地を蹂躙するアリブンタに対し、ロッソとブルが立ち向かいます。アリブンタが暴れまわるシーンでは、市街地が爆発炎上するシーンはもちろん、逃げ惑う車に炎が引火して爆発するという細かい演出が観られました。駐車中の車が爆発するシーンというのは過去に何回かあったけど、動いている車が燃えるシーンなんて初めて見た気がするなぁ。CGとミニチュアをうまく組み合わせて映像を作り出しているのでしょうか
続くVSオーブダーク戦では、“土”が効果的に使用されているシーンが複数存在。オーブダークの登場シーンなど、彼が地上に着地する際の土の跳ね返りの演出にかなりのこだわりを感じました。特に、戦闘の中盤で見せる土が水面をはねる描写は必見!ここまで細かい撮影ができるのかと衝撃を受けました
オーブダークカリバー一閃、鉄塔が次々に切断されて折れていく!鉄塔が破壊される描写にも、こだわりを感じました。電線をスパークさせて破壊される鉄塔。なんだか『ゴジラ』を思い出しちゃいましたね。
オーブダークに対し、完全敗北したカツミとイサミ。だが、こんなことでくじける彼らじゃない!特訓の末、彼らが見つけ出したものとは―!
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