お別れの言葉は絶対に言わせないウーマン
俺たちが止めてみせる。そしてすべてを救ってみせる。美剣…、お前もだ!いよいよラストスパートという感じになってきた『ウルトラマンルーブ』。そんな今回は、一度はミオの尽力で封じ込めたルーゴサイトを完全に倒すべく作戦の準備を進めるサキの活動、そして葛藤が描かれることになりました
前半ではミオの大活躍を描き、中後半ではサキの活動と彼女の苦悩を描いていた今回。サキの描き方がそこそこよかっただけに、上述した通り今までのサキの描き方はもう少し改善の余地があったんじゃないかなぁと思いました。脚本家ごとに1つのキャラがこれだけ変わるのも、なんだか珍しい気がする…。
前回、カツミとイサミをわざわざ気絶させ、ルーブジャイロを奪ったミオ。彼女はサキのルーブジャイロを合わせて自作した特殊装置にセット。上空の裂け目から出現しそうになったルーゴサイトを、見事ルーブクリスタル化することに成功します。そして、それを異次元空間に投げ込むことで解決しようとする彼女でしたが、それを邪魔する影が…。ルーブジャイロとルーブクリスタルの研究を実質1人で進めていたというミオが、やはりただの科学者ではないということがわかるこのシーン。自作した装置は炊飯器をベースにあれこれくっつけたかなり不格好なものでしたが、その威力は本物。ルーブジャイロ3つの力をベースに、上空のルーゴサイトが出てこようとする裂け目にビームを照射。あれだけ強大な敵だといわれていたルーゴサイトを、一発でルーブクリスタル化します。ここでルーゴサイトのルーブクリスタルを叩き壊したりしてたら、もう完全に「『ウルトラマンルーブ』、これにて完結!」という感じになっていたくらい、ルーゴサイトの封じ込めに貢献したミオ。この人がいれば、もうルーゴサイトになんて余裕で勝てるんじゃないの?そんな彼女は、ルーゴサイトのルーブクリスタルを壊そうとはせず、カツミとイサミ異次元空間に投げ込もうとしますが、それを妨害したのはサキでした。「完璧に倒さなければならない」と、ルーゴサイトの完全なる消滅にこだわるサキ。まあ異次元空間からは、わずかな時間でミオと一緒にカミソリデマーガが出てきた前例もあるし、確かにサキの根本的な解決にはならないかもね…
サキにルーゴサイトのルーブクリスタルを持ち去られた後、自分の思いを語るミオ。それに対しカツミとイサミは、自分たちの強い決意を示します。同じ頃、アサヒを呼び出したサキは、彼女なりの形ででアサヒに別れを告げることに。その後、カツミとイサミと出会ったサキは、彼らにも地球から非難するよう告げますが、そのような提案を受け入れる彼らではありませんでした。異次元空間で、ルーゴサイトにロッソとブルが敗北する姿を見たというミオ。それゆえ彼らを戦いに向かわせたくなく、そのことを彼谷伝えますが、カツミとイサミはそれでも戦うことを選択します。「ルーゴサイトと戦った時がヤバいのであって、サキと戦うのはまだ大丈夫」だと、面白い解釈をして見せるイサミ。こうした発想をするのが、彼らしい感じがします。どこか軽い感じもしますが、同時に彼らは地球を守りたいという強い決意も持っていました。この後、サキと再び出会ってから彼女さえも救ってみせると言い放つシーンがありますが、ウルトラマンになりたての頃の彼らじゃ、絶対こんなこと言って無かったろうなぁ。さて、お話は前後して、こっそりアサヒを呼び出していたサキ。彼女はアサヒにお別れを言うために呼び出しましたが、それを察していたアサヒは、わざとそうしたことを言わせないようにあれこれ妨害します。アサヒのたい焼き攻撃は正直くどかったですが、ここで見逃せないのがサキの心情変化。アサヒを含む湊家の人を逃がそうとしており、今までの彼女ではちょっと考えられなかった行動を見せます。しばらく関わり合ううちに、アサヒたちに情がわいてきたらしいサキ。彼女の心変わりがもっと以前からほのめかされていれば、よりグッとくるシーンになったと思うんだけどなぁ
やむを得ず戦うことになってしまう、カツミたちとサキ。彼らは変身してぶつかりあい、カツミとイサミは敗北してしまう一方、サキは途中ルーゴサイトのルーブクリスタルに自分の活動を邪魔されます。強制的に変身解除させられたサキの手から、彼女のルーブジャイロが離れた時、ルーゴサイトのルーブクリスタルが勝手に装填されて実体化。ルーブクリスタルに封じ込めたはずのルーゴサイトが、復活してしまいます。ルーゴサイトのルーブクリスタルの攻撃を受け、苦しむ姿を見せたグルジオレギーナもといサキ。てっきり彼女が意識等を乗っ取られてルーゴサイト化してしまうのかと思いましたが、そこまでヘビーな展開にはなっていませんでしたね
・特撮面