今回は、『勇者警察ジェイデッカー』の感想記事第11回目です。昨日告知していた通り、管理人都合により2週間連続で日付が変わった直後の更新になります
なお、前回(第28~30話)の感想記事は↓コチラです。
第31話「姿なき犯罪者」
1994年9月10日放送
登場した敵他:シスター七瀬/生徒煽動による連続宝石強盗、サイコガンナーの操作
「勇太君は、明日からちょっとセンチな女子中学生“友永勇子”となって、姿なき宝石泥棒の捜査を行うのだ!」
STORY:シャドウ丸とデュークが軍事ロボットの密輸事件を追う一方、ブレイブポリスは、姿なき犯罪者による宝石強盗事件に頭を悩ませていた。ところが、ある情報により名門女子校にその犯人がいる可能性が高いことが判明。しかし、表沙汰にはしたくないらしい。それに対して冴島総監が編み出した作戦は…女装した勇太による潜入捜査!“友永勇子”となった勇太は、真犯人を見つけられるのか?そして、2つの事件をつなぐ真犯人の正体とは!?
来たぞ、伝説の女装回!今回はコメディタッチの回になっており、勇太が女装して女子校に潜入捜査を行うというトンデモ展開が目を引くギャグ回になっています。脚本を書いたのは、『ジェイデッカー』ではコメディ路線が多いあみやまさはるさんかと思いきや、まさかのメインライター:川崎ヒロユキさんだった。いったいどうしてこんなことに…。
相次ぐ連続宝石強盗事件。大胆な手口に対し現場に犯人の痕跡は一切なく、ブレイブポリスは早くも捜査に行き詰まってしまいます。そんな時、名門女子校「聖アンジェラ学院」の橘学長より有力な情報が。捜査を表沙汰にしないでほしいという橘学長の希望に対し、冴島総監が編み出した作戦とは…!今回の捜査の舞台となる聖アンジェラ学院とは、100年以上の歴史を誇る全寮制のミッション系女子校。厳しい校則を敷きつつも生徒は生き生きしており、表立って何か異常がある学校とは思えません。しかし校内の木の下から盗まれた宝石が出てきたことにより、橘学長はこの学校に犯人がいるとにらんだようです。そこまで冴島総監に言っておきながら、捜査は極秘に行ってほしいという橘学長。うーん、普通だったら絶対聞き入れてもらえないような気が…。橘学長の要望を聞き入れた冴島総監が編み出した作戦は、なんと勇太を女子中学生に変装させ、聖アンジェラ学院で潜入捜査をさせること。勇太を女装させるために、冴島総監は最新の変装技術を駆使します。なぜか女性警察官を起用せず、勇太を女装させることにこだわる冴島総監、今回の終盤のシーンで女装に対してまんざらでもない様子を見せるシーンもありますし、もしかしてこの人…!
周りの人々の協力もあり、すっかり友永勇子が板についてきた勇太は、学院の寮長であるシスター七瀬の協力も得て潜入捜査を開始。女子更衣室内で盗まれた大量の宝石を発見します。同じ頃、軍事ロボットの密輸事件を追っていたシャドウ丸とデュークは、何者かの手によって動力ケーブルを切断されるという事態に。彼らを襲ったのは…空に浮かぶ女子中学生!?あずきやくるみを始め、いつもの仲間たちの協力でどんどん女性らしい仕草を身につける勇太。潜入捜査を開始する頃にはそれにもすっかり慣れたようで、驚くほど速く学院になじんでいきます。勇太が潜入してから学院の女子生徒たちと交流を深めるシーンは、ここまでいるのかと思えるくらい濃密に描写。勇太は勇子として女子のようにふるまいますが、体育の時間の更衣の際、つい顔を赤らめてしまうのはなんとも男の子らしいですね。でもダメだ。なんだか勇子もとい勇太が可愛く見えてきたぞ…。シャドウ丸とデュークは動力ケーブルを切断されて一時的に再起不能状態に。敵は彼らに指一本触れず、動力ケーブルだけを切断したとのこと。こんな芸当ができるのは、ただの人間じゃあないだろうなぁ
その夜、偶然シスター七瀬のミサを見かけた勇太は、そこで謎の儀式を目撃。シスター七瀬の正体と、連続宝石強盗事件の真犯人を知ります。正体がバレたシスター七瀬は、その強烈なパワーで勇太たちを圧倒。さらには巨大ロボ「サイコガンナー」をも起動し、ブレイブポリスを殲滅せんと迫ります。一連の事件の犯人は、学院の寮長であるシスター七瀬。本当の顔が某国のエスパー工作員である彼女は、学院に潜入して密かにサイキック・エージェントの候補生を選抜。生徒はシスター七瀬に操られ、連続宝石強盗事件も彼女に操られた生徒たちが引き起こしたものでした。シスター七瀬の超能力は驚異的であり、勇太やデッカードの拳銃を跳ね飛ばしたり、サイコガンナーを操ってスーパービルドタイガーまでをも追い詰めたりするほど。サイコガンナーが動力部だけ欠けた形のロボットだったのは、その動力源がシスター七瀬の超能力だったからでした。すべての犯罪の根源が犯人の超能力とはいささか突飛な気がしますが、今まで登場した犯罪や疑惑がそれによって1つに結合。なかなか展開として面白く感じさせてくれる構成になっています。それにしても、超能力で操れるロボットが平然とあるということは、シスター七瀬の国は超能力研究が盛んなのかな…
窮地に追い込まれるブレイブポリスでしたが、そこへシャドウ丸とデュークが戦線復帰。ジェイデッカーとデュークはファイヤージェイデッカーへと合体、さらにガンマックスの変形によるマックスキャノンモードへと移行し、ギリギリのところでサイコガンナーを撃破。シスター七瀬を逮捕します。あれだけの超能力を誇ったシスター七瀬でしたが、逮捕された際その能力は失われてしまっていたのでした。初登場時はファイヤーソードを使った剣戟で戦いを見せてくれたファイヤージェイデッカーでしたが、今回はマックスキャノンによる銃火器での戦いを披露。よりゴツい身体になったからか、ジェイデッカーの時以上にマックスキャノンを豪快に放つファイヤージェイデッカーがとてもカッコよかったですね!シスター七瀬が逮捕されたことで、事件は無事解決。事件に関与していた女子生徒たちも、シスター七瀬に操られていたということで不起訴処分になりました。逮捕のシーンで、シスター七瀬が超能力を失ってしまったのはなぜでしょうか。サイコガンナーの必殺技の代償として…なのかなぁ。
第32話「台風が来た!」
1994年9月17日放送
登場した敵他:ウェザード/人工台風の発生
「“台風の目”を、捕まえに行くんだよ!」
STORY:七曲市に接近する巨大台風。それによる荒天のため学校は相次いで休校。しかし勇太と勝気たちは、七曲小学校へと向かっていた。彼らの目的は、「台風の目を捕まえる」こと。最初は台風を楽しんでいた勇太たちだったが、その台風は気象コントロールマシン:ウェザードの暴走による人工台風であることが判明した!じょじょに異常をきたしていく電子機器。猛威を振るうウェザードを、ブレイブポリスは止められるのだろうか?
勇太とその友達である勝気たちがお話の中心になる一編。劇中彼らが登場することは何度もありましたが、勝気たちがお話の中心となるのは久々ではないでしょうか。『ジェイデッカー』の物語というよりかは、いち小学生である友永勇太の物語ともいえる、ちょっと違った作風のお話です
七曲市に上陸した、巨大台風。それによる荒天のため学校などは休校になりますが、その中で学校に向かって走る勇太の姿が。彼は勝気たちとともに「台風の目を捕まえる」ために、台風の上陸を心待ちにしていたのでした。勇太たちの言う「台風の目を捕まえる」とは、もちろん実際に捕まえるというわけではなく、自作した気球で上昇気流に乗り、台風よりも上空へ舞い上がった時にその目を撮影するというものでした。理論的にはおそらく不可能ではないとは思いますが、ちょっと無理があるような計画。しかし彼らは自分たちの目的達成のために、様々な策を練ります。今までの『ジェイデッカー』ではあまり観られなかった、勇太たちの小学生らしい行動。こうして観ると、微笑ましい感じがしますね
勇太不在のブレイブポリスは、ある武器密輸組織を追って捜査に奔走。デュークとガンマックスが潜入しており、犯人の隠し倉庫の発見や犯人のアジトとなる船を発見する快挙を成し遂げますが、そこで彼らは、この台風に関する驚愕の真実を知ることになります。今回発生した台風は、気象コントロールマシン:ウェザードの仕業によるもの。もともとは自身が発生させた台風を自然の台風と衝突させることで相殺・消滅を目的とする機械でしたが、何者かの手によって差し向けられた密輸組織により強奪。密輸組織はウェザードを兵器として改造しようとしていましたが、その際に彼らの手に負えないほど暴走し、今回のような事態になったようです。一種の気象兵器というのはSF作品でも時々出てきそうな題材ですが、今回のウェザードは「(本来)台風を打ち消すために台風を発生させる機械」と、あえてその能力を限定的にさせることで現実味を持たせることに成功しています。まあ、そもそも気象兵器なんてものが存在しないだろって言われたらそれまでだけどさぁ…。今回の密輸組織の捜査では、デュークのコンビとしてガンマックスが出動。前回のようにデュークの能力と相性がいいのはシャドウ丸なのですが、今回は隠密行動があまり必要ないため、ガンマックスがチョイスされたのでしょうか
七曲市の状況調査、そして行方不明の勇太たちを探すために出動するデッカード。しかし、ウェザードが発生させる磁気嵐のせいで電子機器はダウン。デッカードもかなり苦しまされます。ようやく発見された勇太たちは、当初はのんきなことを言っていたものの、台風の正体を知り、いつものブレイブポリスのボスとしての勇太に戻ります。ウェザードはただ単に台風を発生させるだけならまだマシなのですが、それに付随させる形で発生させる磁気嵐が厄介の種。これにより電子機器は使い物にならなくなり、デッカードも歩くのがやっとになってしまいます。デッカードが苦労して発見した勇太たちは、台風のせいでびしょ濡れになり、乾いた直後の状態。しかし彼らはどこか楽しそうでした。デッカードに自分の居場所を教えるために気球を飛ばすも、風が強すぎて自分たち後と飛ばされたりした勇太たち。彼らにとっては一種の冒険となり、それが面白かったのでしょう。まともにグラウンドに落っこちてるけど、よく生きてたな…
勇太と合流したブレイブポリスたちは、ジェイデッカー・デュークファイヤー・スーパービルドタイガー・ガンマックスアーマーへと相次いで合体。当初はウェザードの自衛システムの前に苦しめられますが、スーパービルドタイガーの攻撃とファイヤージェイデッカーのマックスキャノンにより、ウェザードは破壊。台風は消滅し、七曲市に陽の光が戻ってくるのでした。磁気嵐を強行突破してウェザードと対峙するジェイデッカーたち。しかしウェザードは単なる気象システムとは思えない異常な火力で、ジェイデッカーたちに抵抗します、密輸組織が改造中に暴走したっていうから、もしかすると武器を搭載された後に暴走し始めたのかなぁ。ウェザードとの戦いで勝利への突破口を開いたのは、スーパービルドタイガー。スーパービルドタイガーは、部分的に変形してドリルボーイを先頭にしてビルドチームが連結したような「タイガーギムレット」に変形。ウェザードに突撃して自衛システムを破壊するという戦果を挙げています。当時の玩具事情についてはわかりませんが、これは実際に当時発売の玩具でも再現できたのでしょうか。
第33話「小さな勇者」
1994年9月24日放送
登場した敵他:なし
「マイナス2秒の差は根性と気迫…、いわば、闘魂で埋めるしかなぁい!!」
STORY:警視庁の健康診断にあわせ、検査を受けることになったブレイブポリス。検査中にダンプソンとドリルボーイに不調が発覚。超AIを取り外すことになったが、それは冴島総監お手製のミニロボットに移植されてしまう。ひょんなことから誤ってデッカールームから出てしまう2人。警視庁へ戻るための2人の戦いが始まった!しかし、何をやってもあと一歩のところで失敗続き。マズいぞ、バッテリーが切れたら、2人の超AIは消えてしまうんだ!
もはや『ジェイデッカー』のコメディ担当といわんばかりに、ギャグ回の執筆が多いあみやまさはる脚本。今回はその究極ともいえるお話で、ジェイデッカーたち巨大ロボや犯罪者が出てこないどころか、どちらかといえばロボットコメディのようなお話になりました。でも、今までブレイブポリスのキャラクターの「キャラ」のみに着目して作られたお話って、ほとんどなかったような気がするなぁ
今日は警視庁職員の定期健康診断日。それに合わせて、ブレイブポリスのロボット刑事たちも、健康診断という名の定期メンテナンスを受けることに。ところがその最中、ダンプソンとドリルボーイに異常が発覚。2人の超AIは一時的に取り外されますが、なぜかそれは冴島総監お手製のミニロボットに移植されるのでした。ブレイブポリスの定期メンテナンスは、冴島総監らの会話から考えるに、彼らの健康診断終了後に行われているらしい。ちなみに健康診断の結果は、藤堂のおやっさんが肝臓に異常ありといわれたのに対し、冴島総監はいたって健康。健康だとアピールするために服を脱いじゃうくらい健康。うん、実に彼らしい。定期メンテナンスの際異常が発覚したダンプソンとドリルボーイ。その超AIが移植されたのは、冴島総監お手製の、ブレイブポリスそっくりのブレイブポリス。彼はこの他に持ち運び可能なデッカールーム、寂しさ対策のための勇太の人形まで制作しており、とても楽しそうです。警視総監なのになんでこの人こんなおちゃめなんだ…?まあ、やっぱり彼らしいけど
ミニロボットとなってしまったダンプソンとドリルボーイ。最初はデッカールームで暇をつぶす2人でしたが、ひょんなことからデッカールームから締め出されてしまいます。一縷の望みをかけて、出前でやってきた蕎麦屋のおかもちに紛れ込みますが、それにより事態はさらに悪化することに…。2人がデッカールームを出てしまったのは、ドリルボーイが自分のサッカーボールを外に誤って蹴りだしてしまい、それを取ろうとする彼をダンプソンが追いかけたため。今更だけど、ドリルボーイはトラブルメーカーの気もあるのかなぁデッカールームに入れなくなった2人は、ドリルボーイの機転により蕎麦屋のおかもちに潜入。しかしよく考えてみると、ブレイブポリスの面々で蕎麦屋の出前なんて頼む人はいないはず。ダンプソンの悪い予感は的中し、そのままおかもちは蕎麦屋へ戻ってしまい、厨房でもみくちゃになった挙句ダンプソンはてんぷら、ドリルボーイはカツ丼になりつつも何とか蕎麦屋を脱出します。自分でも何書いているかわかんなくなってきたけど、事実だから仕方がない!
命からがら蕎麦屋を脱出したダンプソンとドリルボーイ。彼らは警視庁に戻るためあれこれ挑戦しますが、どれもあと一歩のところで失敗ばかり。散々な目に遭って彼らがたどり着いた場所は、勇太の家の近くのバス停でした。必死に警視庁へと戻ろうとする2人。途中マナーの悪さに憤慨するなど警察モチーフのアニメらしい要素はほんのちょっとだけありますが、もうこの辺りは全編にわたってギャグ描写のオンパレードです。猛犬やなぜかクレーンゲームを避けて警視庁の前へたどり着いたものの、最後の難関である横断歩道で排水溝に転落。下水道を流された挙句たどり着いたのは銭湯の女風呂。そこでも湯をぶっかけられ再び下水道へ流され、今度は公園の小便小僧に到達。水圧に耐え切れず小便小僧の放水口部分を破壊し、そのまま移動するハメになります。今ではギリギリ、あるいはもうできないだろうなぁというギャグも中には存在。こんなの、普段の『ジェイデッカー』じゃありえない作風だけど…それもいい!2人は最終的にバスを使って移動するという手段を取りますが、そのバス停には乗降客がいなかったため、警視庁前を通過してしまいます
とうとうバッテリー切れ寸前となり、人間でいう走馬灯のようなものを見てしまうダンプソンとドリルボーイ。そこへ現れたのは、勇太の家の飼い猫であるうるにゃん。うるにゃんによって勇太のもとへ連れていかれた2人は、無事元の姿を取り戻すことができました。ところが…。バッテリー切れしかけ、フラフラの2人。お互いの仲を深めますが、ついに倒れてしまいます。このシーンで大きく出てくるのが、「殉職…」という文字。おいおい、第25話でガチの殉職やっちゃんたんだから、これはシャレにならんだろ!うるにゃんによって助けられた2人。元の身体を取り戻しますが、その直後ブレイブポリス全員が、冴島総監から検査システムの不備による再検査を命じられます。妙にニタニタした彼の手元には、ダンプソンとドリルボーイ以外のミニロボットたちと、冴島総監の人形が。ええ、この人懲りずにまた同じこと繰り返すつもりなの~!?リンク
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今回はここまで。次回は第34話から第36話をご紹介予定です。『勇者警察ジェイデッカー』。皆ぁ、観てね~!
◎今日の勇者ソング◎
今日ご紹介するのは、1994年放送の『勇者警察ジェイデッカー』使用BGM「勝利のプレパレーション」です。
劇中ではジェイデッカーの合体シーンで使用されていたBGM。勇太の「ブレイブアップ!ジェイデッカー」の掛け声あたりから頻繁に使用されており、印象に残っている人も多いであろう音楽の1つです。
早いテンポでカッコよさを感じると同時に、どこか緊迫した印象も受ける音楽。以前紹介したビルドタイガーの合体BGMといい対比になっているのもいいですね。
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