久しぶりにロックの因縁の相手「7+1」の話が再登場したり、フルザ・ゲルナーの攻勢が強まってきたりなど、物語の終盤感が徐々に出てくる形に。まあ、もっとスパートをかけてくるのは次回ですけどね…。
第35話「情けは悪(ワル)のためならず」
1983年11月29日放送
トライポイント:カルモーン星(バイオレット惑星海)
サイン場所:同星ヤルロス砦北方・カルーンコクの谷
「ギャスパンとテル・メイラが…あの世で待ってるぜ!」
STORY:次なるトライを目指しつつ、カルモーン星に来たJJ9。だがそこは、クズの極みの兄弟たちが悪事の限りを尽くし続ける、まさに地獄の一丁目。復讐に燃えるコンボイの、話を聞いたJJ9。その中で、ヤルロス兄弟の名を聞いた、ロックの眼光鋭く光る。ヤツも「7+1」の1人、ここで決着をつけてやるぜ!Be happy, good Luck!悪人どもには、情け無用。
久しぶりにロックの因縁の相手である「7+1」の1人が登場するお話となった今回。ロックがメインとなる回ですが彼のセリフはある程度抑えられており、彼の表情変化や行動などで、彼の心理描写をしようとしていることがうかがえます。
カルモーン星を訪れたJJ9。そこで彼らは、ヤルロス兄弟を名乗る謎の宇宙船団に行く手を阻まれます。執拗に通行量を請求してくる相手でしたが、当然それに屈服することなく強行突破するJJ9。そこへ、銀河コンボイが近づいてきます。ヤルロス兄弟の手下たちと遭遇するシーンは、JJ9側のセリフはあまり多くはないものの、メンバーたちが彼らに対してどういう印象を持っているか分かるシーンに。ロックは無言で立ち上がって主砲を用意し、バーディは妙に彼らをナメたような言い方をし、ブルースは相変わらずの応対の仕方で敵を怒らせます。宇宙船団との戦闘シーンも、劇画タッチだったり爆破シーンをいつもとは違うアングルで描いてみたりと、様々な試みが観られます。今回は制作側にとって“挑戦”の回だったのでしょうか
近づいてきた銀河コンボイ:ハーベイの話を聞いたJJ9。彼らはそこで、ヤルロス兄弟の横暴っぷりを聞かされます。ヤルロス兄弟がロックの「7+1」の1人であることもあり、ブルースはハーベイのヤルロス兄弟への復讐に参加することにします。突入作戦を行う前に、まずロックたちがヤルロス兄弟のアジトであるヤルロス砦に向かいます。ヤルロス兄弟はこの星でかなり横暴の限りを尽くしているようで、星のあちこちで住民たちから金をせびり取ったり、銀河コンボイから不当な通行料を徴収。反抗するものには徹底的に制裁を加え、ただ殺すだけでなくゲーム感覚で遊びという形で人殺しをするようなヤツらでした。見た目はいかにもイカれたチンピラという風貌のヤルロス兄弟ですが、こう見えて頭は結構回るらしい。ブラディ・シンジケートから常に最新型の武器を買いそろえたり、警察組織を賄賂で手なずけるくらいの能はあるようです。こういう中途半端に頭が回るワルって、たちが悪いんだよなぁ。ロックたちが分かれて砦に向かうシーンでは、ロックの回想として幼い頃の思い出のシーンが、挿入歌「ロング・グッナイ」とともに流れます。実に約15話ぶりくらいの「7+1」がらみのお話であるため、視聴者にロックが彼らとどんな因縁があるかを改めて振り返らせるための措置なのでしょう
砦に潜入するために、ひとまず用心棒志願ということで入ることにしたロックたち。うまく砦内に潜入したものの、ロックたちはそこで衝撃の入隊テストを聞かされます。一方砦へ最新型メカを運ぶブラディの輸送隊がいることを知ったブルースは、これを逆に利用することを思いつきます。道中でヤルロス兄弟に殺された銀河コンボイの死体を見て、怒りを覚えつつもグッとこらえるロックたち。たまたま出会ったヤルロス兄弟の手下に用心棒志願の旨を伝えると、割とあっさり砦の中に入れることに。しかしそこで待っていたのは、囚われた銀河コンボイを撃ち殺す入隊テストでした。用心棒志願のシーン以降のロックたちは、なんだか『ブライガー』のキッド・ボウィー・お町のようなキャラに。みんな彼らの特徴的な性格をさらにキザにさせた感じで、「ああ、こういうノリがJ9シリーズだな」と感じさせてくれます。まあ、実際ワルに対してあんな態度とったら、どんな手練れでもブチのめされるのがオチだろうけど…。同じ頃、DDからの情報で今の装備ではヤルロス兄弟に勝つことは難しいといわれたブルース。しかし同時に上述のメカ輸送隊のことを知らされ、これを奪って一気に突入する作戦を決行します。暗闇に紛れていたとはいえ、特に変装もせずにブラディの輸送隊の前に現れるブルースとジミー。よくバレなかったな…
ブルースたちの突入があったことで、直前に打ち合わせをしていたロックたちと囚われていた銀河コンボイたちもヤルロス兄弟へ攻撃を開始。途中その部下の攻撃に苦戦しつつも、ヤルロス兄弟はどちらともロックの手で倒され、カルモーン星に再び平和が訪れたのでした。ブルースたち突入後の戦闘シーンも特徴的。まずロックはヤルロス兄弟はの兄とサシの勝負になりますが、ここで彼が使ったのは愛用のリボルバーではなく、父が重傷を負った事件現場に残されていたヤルロスのナイフ。ナイフを投げて胸に命中させることで、相手に名乗らなくても「ロックがどういうヤツなのか」ということをわからせます。ロックが非常にカッコよく決まったこのシーン。まさに西部劇って感じです。一方ヤルロス兄弟の弟は一時逃亡しますが、急旋回してサスライガーへ攻撃を開始。そんな彼に対し、搭乗していたロックが撮った攻撃は、銃で撃ち落とすのではなく左拳で殴りつけるという荒っぽいものでした。ほとんどセリフもしゃべらず、的確に攻撃を決めるロック。彼がヤルロス兄弟に対してどんな感情を持っていたのかが、よくわかりますね
「悪事重ねて生きるヤツ、たどる末路に救いなし。情けは悪(ワル)のためならず、情け殺して銀河を渡る。Be happy, good Luck!せめて架けよう夢の橋。」
第36話「ダンディ・ギャング」
1983年12月6日放送
トライポイント:クラウン星(バイオレット惑星海)
サイン場所:同星ボルダーシティ付近・山岳地帯の岩壁
「そうねぇ。でもちょっと、かわいいギャングちゃんに興味があったから。」
STORY:さすがにガタ来たJ9-Ⅲ号、オーバーホールをするために、降り立ったのはクラウン星。修理の間の買い出しにバーディたちが出かけるが、バーディ突然姿を消した!彼女が脅迫されてた相手は、なんと年端もいかぬ少年ギャング。銃を片手にバーディ脅す彼の真の狙いは何か?Be happy, good Luck!少年に乗ったバーディの気まぐれ、気まぐれバーディここに極まれり。
J9-Ⅲ号もさすがにガタが来たので、オーバーホールしてもらうためにクラウン星へ降り立つJJ9。星全体がどこか落ち着きがないのが気になるものの、修理中の時間を利用してバーディたちは食料品の買い物へ。そんな中、バーディは少年に銃を突き付けられ、なぜか彼のいうことに従って姿を消すのでした。太陽系内の長旅で、とうとう限界寸前にまでなったJ9-Ⅲ号。DDがソーラープラネッツポスト社のクラウン星支部に連絡を取り、オーバーホールの段取りを取り付けます。今まで何度もJJ9のメンバーたちがJ9-Ⅲ号の補修をしていましたが、それでも手におえないくらい機械が痛んでいたということなのでしょうか。まあ通常の旅だけじゃなく、何回もサスライガーに変形して戦闘していたからなぁ。同じ頃買い物をしていたバーディは、少年に銃を突き付けられなぜかこれに従う形に。密かに店を抜け出して食糧輸送用のバンを盗みます。いくらでも反撃の機会があったのに、あえて何もしないバーディ。その理由はやっぱり、彼女の“気まぐれ”なのでしょう
J9-Ⅲ号のオーバーホール中に、バーディ失踪の知らせを聞かされたブルースたち。ブラディの手下に捕まったのかもしれないと心配する中、プチ・ロッジからこの街でなぜブラディの手下が頻繁に巡回している理由を聞かされます。同じ頃バーディは、少年:ダンディから、彼がこういったことをしたことの顛末を知ることになります。クラウン星でやたらとブラディの手下がピリピリしながら巡回しているのは、数日前にブラディ・シンジケートのクラウン星支部の金庫から3億ボールの強奪事件が発生したため。その犯人こそ少年ダンディとその父:ライアンであり、ライアンはすでにブラディにつかまっていたものの、ダンディは逃げ延びてお金を隠していました。そこでJJ9の情報を聞きつけ、バーディを人質にとってライアンを救出してもらおうとしていたのでした。今回のサブタイトルは「ダンディ・ギャング」。少年の名前ダンディと、言葉としてのダンディをかけたサブタイトルになっているんですね。そんなダンディとライアンは、事件の数か月前からその金庫のガードマンとして働きながら、金庫の構造について調査。そしてついに決行したものの、ブラディの手下に警報装置を鳴らされてしまったので、少々計画が狂ったようです。ブラディ・シンジケートはこの星の人々を労働面で搾取しているようで、ダンディたちはある種の義賊気取りで事件を起こしたらしい。でもそのお金の使い道が「どこかの星で自分たちのガソリンスタンドを開く」って、それじゃあダメじゃん…
ダンディの話を聞く中、何者かの侵入に気づいたバーディ。すぐに敵であるブラディの手下に応戦しますが、ちょうどそこへロックたちが合流。人質作戦が失敗していたことを悟ったダンディは1人ブラディのもとへ行こうとしますが、そんな彼をロックたちは引き止めます。実はブーツに銃を隠しており、やろうと思えばいつでも脱出することができたバーディ。しかしこんなことになるギリギリまで彼女が何もしなかったのは、彼女曰く「かわいいギャングちゃんに興味があったから」。全く、本当に“気まぐれバーディ”だよ…。一方人質作戦失敗により、一人ライアンを助けに行こうとするダンディ。そんな彼をロックが、バーディが引き止め、ライアン救出に協力することになります。あえて「一緒にやろうか」などとは言わずに「1人で行くのはよくないなぁ」と、回りくどい表現をするロックたち。このキザっぷりがいいですねぇ。バーディが戻ってきたのでJJ9がダンディに協力する義理はないのですが、彼らがダンディに協力したのは、ブラディに痛手を負わせられると考えたからでしょうか
夜が明けた早朝。JJ9とダンディは、一気にブラディ・シンジケートのクラウン星支部を襲撃。ライアンをあっという間に救出しておまけに金庫も破壊して、その中のお金をボルダーシティへばら撒きます。その後トライマークを記した後は、残りのブラディの手下の機動ロボ部隊を全滅させるのでした。早朝いきなり支部を襲撃するJJ9。さすがにこれは敵も不意を突かれたようで、対応が後手後手にまわります。クラウン星支部のボスは少々オネェ系が入っているようで、着ているパジャマも言葉遣いもオカマっぽい。うーん、一瞬しか登場しないキャラなのに強烈なキャラ付けだ…。ブラディの手下の機動ロボ部隊は、今回また新たな機体が登場。機動力が優れておりかなり素早い動きまできますが、サスライガーには一歩及ばず、結局全滅してしまいました。サスライガーがドロップキックを見せるなんて、珍しかったなぁ
「幸せに、平和を守る星もありゃ、悪ののさばる星もある。夢と希望のある限り、負けてたまるか男の子。Be happy, good Luck!つかめ勝利の明日星。」
第37話「傷だらけのファイター」
1983年12月13日放送
トライポイント:トーミ星(オレンジ惑星海)
サイン場所:同星ネコンボ熱帯区・オロチョン族の筏の上
「どうせなら、ヘルムートの恩に報いて君を助けたい。本望だよ。」
STORY:オレンジ惑星海へ躍り込みノリにのってるJJ9。だがそんな時、フルザ・ゲルナーの襲撃受けて、トーミ星・ネコンボの地へ真っ逆さま。しかもそこで開かれてたのは、ロボット同士を戦わせる、生き地獄のダーティー・ファイト。参加することになってしまったブルースたちのその前に、彼の兄:ヘルムートを知るヤツ現れた!Be happy, good Luck!よき仲間の死をこらえ、フルザ・ゲルナー許すまじ。
いよいよオレンジ惑星海へ乗り込み、ビッグゲームも大詰めとなってきたJJ9。そんな中、フルザ・ゲルナーの奇襲を受けて…?今回も基本的には訪れた星で事件に巻き込まれる構成ですが、ゲルナー乗るメカのロボ形態が登場したり、ブルースの兄のことが判明したりなど、物語も着実にクライマックスへと向かっていることがわかります。
オレンジ惑星海へ進路を定め、上機嫌なロックたち。しかしブルースは原因不明の高熱に侵されて体調不良に陥り、さらにゲルナーの奇襲を受け反撃するも、痛手を負ってサスライガーはトーミ星に墜落してしまいます。フルザ・ゲルナーは以前から特徴的な金ピカの宇宙船:バードランVC-5に乗っていますが、なんとこのメカ、ロボット形態に変形する上にかなり強い。銃火器や強靭な腕力でサスライガーを徹底的に追い詰めますが、サスライガーの一瞬の反撃にひるんだことでサスライガーを取り逃がしてしまいます。いつもは寡黙なフルザ・ゲルナーですが、今回静かに笑うという形で初めてセリフが存在。ああ、これが四辻たかおさんの声なんだなぁ
サスライガーの中でブルースたちが目覚めてみると、なんとそこには見慣れない黒人のような民族が。困惑するブルースたちの前にゼッポーというダーティー・ファイトの元締めが現れ、その民族はオロチョン族であり、ブルースたちをそのダーティー・ファイトへ参加させると言い出すのでした。トーミ星は『バクシンガー』でもチラッと出てきましたが、『サスライガー』のトーミ星はそれとはかなり違った雰囲気。名前が同じ別の星か、同じ星でも全く違う地域ということなのでしょうか。ゼッポーが開いているダーティー・ファイトというのは、有人ロボを戦わせる非合法のファイトクラブのこと。彼はここで今まで様々なロボットを参加させ、大金持ち相手に賭け金を巻き上げていました。オロチョン族は未開の地の民族という感じで描かれていますが、その存在を知られていないわけではない模様。DDがオロチョン族の言葉を部分的にしゃべれることから、割と有名な民族なのかもしれません。『サスライガー』にはこうした未開の地の民族が出てきますが、彼らもかつては宇宙船でこの星の開拓に来たはずなんだけどなぁ…。わざとその技術を捨てたのでしょうか(以前そんな星も登場しましたね)
ゼッポーの闘技場で脱出方法を考えているブルースたちの前に、突然現れるDDたち。彼らは隣にいたというダーティー・ファイトの出場者にしてチャンピオン:サッコー・バルジーニによって助けられており、そんなサッコーはブルースがかつての仲間であったヘルムートの弟であると知り、脱出の協力を申し出るのでした。ブルースが上流階級の出身であることは述べられていましたが、兄:ヘルムートがいると述べられたのは今回が初めて。このヘルムートこそが、今後の展開にかかわってくることになります。サッコーはヘルムートとコンビを組んで始末屋稼業に似たことをやっていたようですが、このオレンジ惑星海で敵の襲撃を受け、ヘルムートは生死不明に。トーミ星に墜落したサッコーは生きがいもなく、ただ戦うためにこのダーティー・ファイトに参加していたのでした。ブルースのことを見て、目の色を変えて脱出に協力しようとするサッコー。彼にとってブルースたちをここから脱出させ、ビッグゲームを成功させることこそが、生死不明のヘルムートに報いる方法だと直感したのでしょう
いよいよ始まるダーティー・ファイト。しかしそれにフルザ・ゲルナーも参戦していることが判明し、当初の計画を変更。オロチョン族らを味方につけてゼッポーに一矢報いますが、サッコーはゲルナーの攻撃をかばい、ゲルナーのバードランとともに爆発の中に消えていきました。当初の計画では、ダーティー・ファイト中にサッコーがゼッポーをひきつけ、その隙にサスライガーが脱出するという作戦。しかしゲルナーが参戦し、かつサッコーの相手になっていたことで、JJ9計画変更を余儀なくされます。DDの尽力でオロチョン族を抱き込んだJJ9、ゼッポーの闘技場を破壊し脱出しますが、サッコーの命を救うことはできませんでした。サッコーの爆死を見届け、涙をこらえるブルース。てっきりゲルナーのバードランに向かって発砲するのかと思いきや、そのままトライマークを残して星を脱出します。サッコーが爆死したのが本編時間代替20分ちょっとの時でしたから、おそらく放送時間の都合でこういった展開になってしまったのでしょうね。
「ヤワな明るさ振り捨てて、心に散りゆく意地もある。宇宙の果てで知り合った、友に手向けのひと汽笛、あげて銀河を走りゆく。Be happy, good Luck!青春の、痛みこらえて今日もゆく。」
◎今日のJ9ソング◎
今日ご紹介するのは、1995年3月発売のCD『アニメがなんだ』収録曲「銀河シャンプーリンスガー」です。
「銀河熱風オンセンガー」と同じく、山本正之さんによる『ブライガー』のパロディ楽曲の1つ。こちらは「オンセンガー」よりも落ち着いた音楽になっており、床屋とかで流してもほとんど違和感ないような楽曲になっています。
「アニメがなんだ」の歌詞の中には、J9シリーズからのチョイスとして「銀河旋風ブライガー」と「アステロイド・ブルース」が登場。しかし、「ブライガー」に触れるのは「♪J9!」のわずか一言のみ。有名すぎるからわざとコンパクトにしたのか、それとも「ブライガー」の楽曲があまり好きじゃなかったのか…。
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