『ウルトラマンジード』第20話ちょっとした感想 - お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの？ver.2.0

入ってるな、気合い…。

今回の『ウルトラマンジード』は、『ジード』としては珍しい純粋な単発回。敵となるギエロン星獣も、数十年ぶりのテレビ出演となりました。

団地の奥様たちの発言がギエロン星獣を倒すヒントになってたり、序盤の回想演出が凝っていたりと、面白い要素も連発。ただ、細かいところは疑問も残ったかなぁ

・ストーリー面

「ギエロン星獣がなぜ午前10時にきっちり現れるのか？」ということを主軸にストーリー展開を始めた今回。AIBとリクたちが謎解きしており、視聴者も一緒になってそれを解明しているような流れになっているのが面白かったですね

ギエロン星獣が星山市に出現し始めて早5日。毎日のように戦闘の連続でクタクタだったリクは、ここ5日間に起こった出来事を回想し始めます。5日前から出現するギエロン星獣を、ほぼ毎日違う方法で倒してきたリクたち。これにより戦闘シーンを増やし、ウルトラマンたちの活動パートが増えているのがGoodな展開です。一方、復活するギエロン星獣に対してリクたちもタダ倒しているだけではなく、「なぜ復活するのか」という謎をAIBとともに究明。飛び散った破片の回収などでそれを明らかにしていきます。この一連のシーン、ルミナたち団地の奥様方の井戸端会議や、モアが遭遇するギエロン星獣の破片の変化が後半の展開のカギになっているのがとても面白いですね～。なおこの回想パートの映像は、どこか靄がかかったような演出に。あっ、これ実相寺監督演出のオマージュやな…？

ギエロン星獣復活の謎はだんだんわかってきたものの、どう倒せばいいのかがわからないリクたち。しかしそこで、たまたまギエロン星獣の破片を回収していたマユと、団地の奥様方の肉じゃが話が、思わぬ突破口を開きます。ギエロン星獣の破片は常温だと気化して再び復活していましたが、カチンコチンに凍らせると破片のまま変化せず。これは肉じゃがのじゃがいもと似て、ギエロン星獣の身体が水分を多く持っているからでした。文字に書き起こしてみるとあまり大した事実ではないようにも思える、ギエロン星獣の復活の理由。しかしこの一連の事実が、「前半から断続的に出てきた奥様方の会話」と「マユがそれを持っていた」という意外な展開から生まれることで、物語を盛り上げてくれています。レム曰く「ギエロン星は高温な惑星」であるみたいだけど、『セブン』で出てきたギエロン星もそうだったのかなぁ

レイトの提案を受け、6日目のギエロン星獣の出現に備えるリクたち。ロイヤルメガマスターとゼロビヨンドのコンビネーションにより、ギエロン星獣はまたも粉々に。そしてその破片はすべて回収され、AIBの手によって宇宙遠くへ送られ、星山市に再び平和が戻ってきました。レイトの提案とは、ギエロン星獣出現地域をゼロビヨンドの力で封鎖し、その中でギエロン星獣を倒すことで破片の飛散範囲を狭め、そこでそれらを回収する(人海戦術で！)というものでした。作戦としてはとても有効ですが、化粧品会社の中間管理職であるレイトがどうやってここまでメディアに根回しできたのかが疑問。もしかすると以前みたいに、ジード(＝リク)がまたメディア向けにメッセージを送信したのかなぁ。「ジードへの信頼」が人々を動かしたとか言ってるし…

今回あまり出番がなかった伏井出ケイ。彼はレキューム人の情報屋から、ダークルギエルカプセルの情報などを収集していました。彼の手に握られていたのはギエロン星獣のウルトラカプセル。ということは、この一連の事件も彼の仕業だったのか…？

・特撮面

ザンドリアス編以来、久々にリトルスターとはほとんど関係ない純粋な怪獣1体のみの登場編となった今回。戦闘パート等を増やすためなのか、様々な試みが見られました

アクロスマッシャー・ソリッドバーニング・ロイヤルメガマスター×2・そしてゼロビヨンドの力で倒してきたリクたち。1日目を除き粉々に粉砕して倒したはずですが、それでもギエロン星獣は復活し続けます。この回想シーンによって、開始10分くらいで5回も戦闘シーンが展開。しかもロイヤルメガマスターを除きすべて違う戦闘スタイルで戦っており、多種多様な戦闘シーンが楽しめるのがいいですね。でも、欲を言えばプリミティブのレッキングバーストも観たかった…

じょじょにギエロン星獣復活の謎に迫るリクたち。4日目の戦闘後、彼らはギエロン星獣の破片の回収に奔走します。ここでは短いシーンですが、ギエロン星獣の破片が飛び散った星山市街地のミニチュアセットが映ります。市街地の中に絵の具のような青い液状のものがべっとりとこびりついている形になっており、どこかファンタジーっぽくなっている感じが私は好きですね。前回の次回予告ではマユのシーンの後に子の映像が流れていたので、てっきりギエロン星獣とマユは何か関係があるのかな…？と思っていましたが、結果的は半分正解であり半分間違いでしたね

ギエロン星獣を倒すべく、6日目の戦闘に向かうジードとゼロビヨンド。レイトが提案した作戦は見事成功し、ギエロン星獣をついに撃退しました。ギエロン星獣に吹っ飛ばされてビルの隙間から顔をのぞかせるジードなど、この戦闘でも特撮の見せ方にこだわりが。そして最後、ギエロン星獣をセブンの力・スラッガースパークで倒したのは、やっぱり敵がギエロン星獣だったからゆえなんでしょうね