『ウルトラマンジード』第15話ちょっとした感想 - お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの？ver.2.0

「地球人も宇宙人も、皆が元気で楽しくいられるように―。」

今回の『ウルトラマンジード』は、前回に続くシャドー星人回。想像以上にシャドー星人側のドラマが描写されており、ゼナのことも今回で一気に掘り下げられることになりました

ゼガンが倒されるんだろうなということは予想していましたが、ああいった形で決着をつけるとは意外でしたね。てっきりゼガンが暴走してマグニフィセントがビッグバスタウェイでフィニッシュするのかと思ってたよ…。

・ストーリー面

上述の通り前回のシャドー星人編に対する後編という位置づけとなった今回。モア×クルト・レイト×ゼナ・リク×ライハの3組態勢で物語が進み、リクたちの活躍よりも前2者の活躍が中心となっていました

シャドー星人の最終兵器：ゼガン。そんなものがなぜ破壊されずに封印されていたのか？それはAIB入りしたゼナが、ベリアルの脅威が迫っている状況から考え、あくまで破壊を前提としていたものの召喚装置だけを残していたからでした。ゼガンはシャドー星の最終兵器というだけあって、対ベリアル用兵器としても十分な威力を持っているらしい。次回からいよいよベリアル地球降臨となりますので、かすかに「ベリアルの脅威が迫りつつある」ということをにおわせているのが面白いですね

一方、異次元空間に吸い込まれてしまったモアとクルトは、その空間を経由してゼガンの最初の出現ポイントから少し離れた山中へ。2人っきりになってしまう中で、2人はお互いの過去のことを話し始めます。「ガブラ・カーノ」は、シャドー星の言葉で「戦いの子」。遥か昔から侵略等を生業としてきたシャドー星人は、そういった「ガブラ・カーノ」を育てることで、自星の維持と発展を続けてきたようです。ということは、『ウルトラセブン』に登場したあの個体も「ガブラ・カーノ」になるわけか。ハードな訓練受けていた割には、一介の占い師に作戦狂わされていたけど…。一方モアがAIB入りしたのは、自分の進路を決めかねていたある日、傷ついたゼラン星人を介抱しゼナとも出会ったから。その後ゼナはAIBの地球の本部に連れて行ってAIBの説明をしたようですが、「秘密を知られちゃったから逆に仲間に引き込んじゃおう作戦」だったのかな？ゼナのスパルタっぷりはシャドー星での教官時代から変わっていないようで、モアとクルトは和やかな雰囲気に。しかしこれが、のちの悲劇を盛り立てることになります

ゼガンのパワーが復活し、ゼナとリクたちに発見されるクルト。ゼナに説得されるクルトでしたが、クルトはそれを振り切り、再びゼガンと合体してしまいます。ベリアルの襲来により実質的に壊滅状態に追い込まれたシャドー星。その中では、ゼナの教え子でありクルトの仲間だった同志たちも多くが死亡したようです。このシーンでクルトやゼナが同志たちの名前を挙げていきますが、この名前には何か法則でもあるのでしょうか。ゼナに説得され生きることを勧められるクルトですが、それをあえて拒否する形で彼はゼガンを召喚し合体します。ゼナの自分の価値観を変え新たな道を進むという生き方は確かにアリですが、シャドー星人としての栄光にこだわり、仲間も失い、教官であったゼナがそのように変わったことで、クルト自身は「自分も変わるべきだ」と気づくと同時に「取り残された」ような感覚になったのでしょう。だからこそ、あえて「もう遅い！」と振り切って、自分の精神に殉じる道を選択したのではないでしょうか

ゼガンが消滅し、街に平和が戻ってきた。今回のクルトの一件は、リクたちメインキャラクターはもちろん、ゼナたちAIBにも大きなものを残したようで―。モアは足の負傷のせいで一時戦線離脱状態ですが、次回はどんな風に活躍するのかなぁ。

・特撮面

前半～中盤までひたすらストーリー展開に時間を費やしたため、終盤の戦闘シーンが特撮パートのメインに。その分、実際の火薬による爆破が多く楽しめました。

ゼガンの攻撃により、爆発炎上する市街地。ゼガンを止めるため、リクとレイトが初の同時ダブル変身を遂げます。今回のミニチュアセットはどこか昭和チックな建物が多く、ビルも混在していますが「地方都市」をイメージしたセットになっているのではないかと推測されます。街のあちこちで実際の火薬を使った爆破が起きますが、よく見るとタグチップを使った爆破や火薬単体での爆破がほとんどで、ミニチュアセット自体が吹き飛ぶ描写がありません。街の破壊描写って、奥が深いんだなぁ

ゼガンを止めるため、市街地で戦闘を繰り広げるジードとゼロ。ジードクローやゼロスラッガーで応戦しますが、ゼガンの火力の前に吹っ飛ばされ気味になります。戦闘シーンでは、ジードもゼロものびのびとアクション。ジャンプしたり側転してみたりと、動いている範囲は狭いですが様々な動きを見せてくれます。低層な建物が多いためウルトラ広場が見えそうになるんじゃないかと心配になりましたが、そうでもなかったですね。

再び拮抗する、マグニフィセントとゼガンのパワー。ゼガンの攻撃をマグニフィセントがバリアで防御していることからヒントを得たゼロは、ゼロビヨンドになってバリアで跳ね返された分の攻撃を再び押し返し、マグニフィセントのバリアと同時にゼガンを包み込むことで、ゼガンを消滅させました。マグニフィセントが活躍するのは容易に想像ができましたが、まさか光線技(ビッグバスタウェイなど)を使用せずに封じ込める形で決着をつけるとは思いませんでしたね～。このシーンにおける光学合成はカラフルできれい。手間とお金がかなりかかってるんだろうなぁ…