いつものやり取り(同居人に刀で脅される)
レム曰く「強大な力を秘めた崇高なる戦士」:マグニフィセント登場!今回の『ウルトラマンジード』は、リクの出生後の秘密が部分的に明かされると同時に、中盤強化フォームであるマグニフィセント初登場、伏井出ケイの一時退場がほぼ確定と、物語が大きく動いたお話でした
ストーリーの折り返し地点となる回からか、特撮もハデハデ。内容詰め込みまくりでしたね。
・ストーリー面
前回がリクの出生の秘密だったのに対し、今度は出生後のお話がストーリーの中心として展開。リクの最初の養父であり名付け親である朝倉錘に、リトルスターによる特殊能力を付加させることで、大量に消化すべき説明事項をかなりコンパクトにまとめてることに成功していました。
リクから奪ったウルトラカプセルをも取り込み、ペダニウムゼットンにフュージョンライズしたケイカプセルの力で暴走し街を破壊しまくりますが、途中自分の放った光線の負荷に耐え切れず機能停止。同じ頃、リクは届いた手紙の差出人である朝倉錘という人物のもとへ向かっていました。ベリアルに最後通告を言い渡され、ただでさえボロボロのケイ。今回はペダニウムゼットンでの活動中に脳内の一部が焼き切れ、さらにのちのジードとの戦闘では精神をやられるという、悪役とはいえ散々な目に遭います。ああ、OPみたいな紳士的なケイは、もう帰ってこないんやな…
錘のもとを訪れたリク。リクはそこで自分の出生後と錘の関係を、彼の話から聞かされることになります。リクの最初の養父である錘は、ウルトラシリーズに何度もゲスト出演経験のある寺田農さんが好演。衣装と演技のせいもあるんだろうけど、やっぱり以前に比べると老けたなぁ…。錘は大病により余命いくばくもない身ですが、おしゃべりで明るい人物。中盤の展開はほぼ彼とリクのやり取りに費やされています。大量の説明事項を一気に錘に語らせてるので、いささか説明的な話し方にはなっているものの、一方で彼がリトルスターにより「なんでも見通せる能力」を持っているという設定により、「なぜ錘が今のリクを知っているのか」などという事情説明を圧縮しています。このようにして説明すべき事項を削減し、できるだけ話をコンパクトにしようとしている点は評価できますね。でも、バリアを張る能力はどこから来たんだろう
再起動したペダニウムゼットンにより、居場所を発見されてしまうリクと錘。彼らは逃亡を図りますが、ペダニウムゼットンの攻撃を受けてしまいます。そして錘がリクにその名前の由来を語り、リクの生存を願ったとき―。錘のリトルスターがウルトラの父のウルトラカプセルとして発現。これをもとに、リクは新たる姿:ウルトラマンジード マグニフィセントへとフュージョンライズします!リクの名前を正確に漢字で書くと、「朝倉陸」。この「陸」という名前には、「大地に根差しどんな困難にも何度でも立ち上がる」という朝倉夫妻の願いが込められていました。このシーンにおけるリクと錘のやり取りは、正直ウルっと来ましたね。錘から発現したのは、ウルトラの父のウルトラカプセル。ということは、数話前で登場したライハの消えたリトルスターは、やはりウルトラマンキングのウルトラカプセルになるのでしょうか
マグニフィセントになり、改めて自分という存在を確立したリクに、もう恐れるものはない。ボロボロになりながらも煽り倒してくるケイ=ペダニウムゼットンに対し、リク=マグニフィセントはそれを跳ね返して攻撃を叩き込み続け、新必殺技:ビッグバスタウェイでペダニウムゼットンを撃破するのでした。今回の戦闘シーンは特撮パートもそうですが、イメージ映像のような形で挿入されるリクとケイ(なぜか半裸)のぶつかり合いも印象的です。ケイはさんざん煽り倒してきますが、その中でリクの価値を「ベリアルの遺伝子があること」と発言しています。もしかするとケイは、ある意味リクに対してそういった部分で嫉妬していたのかもしれませんね
・特撮面
前半戦折り返し地点、そして田口監督回ということもあって、その特撮はドハデの一言。楽しいくらいに崩れるビル街、ペダニウムゼットンの爆発とともに飛び散る無数の破片など、こちらも見どころ満載でした。
冒頭、暴走しながら街を破壊しまくるペダニウムゼットン。爆発による黒煙から姿を現すその様は、かつて『ウルトラマンX』でゴメスが2度目の出現をした時の描写とよく似ています。もしかして、田口監督はこの描写が好きなのかな?このシーンはペダニウムゼットンによるビル破壊や光線による砂埃の巻き上げなど「破壊描写」に注目が行きがちですが、ミニチュアセット面にも注目すべき。あまり登場しない観覧車のミニチュアの他、道路に登場する車のミニチュアはほぼすべてドアが開いた状態になっています。警報アナウンスにより人々が脱出したことを表しているのでしょう
マグニフィセントとペダニウムゼットンの戦闘シーンは、光線の打ち合いに伴う光学合成も鮮やか。攻撃を受けた際の爆発もほぼすべて実際の火薬を使用しているため、そのハデっぷりは観ていてだんだんテンションが上がってきてしまいますね。ああ、毎回これぐらいの特撮をやってくれれば…(予算的に不可能)
そして、ビッグバスタウェイにより爆発四散するペダニウムゼットン。このシーンにおける爆発は、ペダニウムゼットンがロボット系統の怪獣であるからか、普段よりも大きいサイズの瓦礫が飛び散るようになっています。飛び散っている時間が結構長かったですが、撮影の時どれくらい仕込んでたんだろう?
ペダニウムゼットンも倒し、ひと段落着いたリクたち。しかし悪ふざけの度が過ぎて、レムがダメになっちゃった!?
次回はちょうど中間地点の総集編回。第14話以降も強烈な展開が待ってそうだし、『オーブ』の時みたいにこれが中盤のオアシスになるのかな…。
インストBGMとして多用されることの多かった「ウルトラ警備隊の歌」。歌詞自体は当時の少年誌などにも掲載されていましたが、この歌詞あり版楽曲が使われたのは第10話頃などくらいでした。
「ウルトラホーク」や「ウルトラカー」などという英語横文字が登場するのに、歌詞はかなり堅めの日本語。このギャップが、特殊部隊のテーマという感じでいいですよね。「♪逆巻く嵐が疾風に乗って」―、今はこういった言い回し、少なくなりましたね。
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