そこそこ宣伝にお金をかけた割には、公開タイミングが悪かったからか決して順調な滑り出しとは言えない本作。しかし、作品としては十分に見ごたえある出来でしたね。
東映の宣伝部などは、この映画『パワーレンジャー』を「アメリカの戦隊モノ」という形で売り出していましたが、実際の内容はティーンエイジャーの高校生たちの青春ストーリー。ポスタービジュアルにあるレンジャーやメガゾードは、最後の20分くらいにしか出てきません
その代わり上記のような青春ストーリーに時間が割かれており、メンバー個人個人が持つ悩み、そして各々がそれに立ち向かうさまが見ていて非常に面白いです。
特に、メンバーたちは中盤レンジャーに変身できないことで悩むのですが、「なぜ戦わなければならないのか」ではなく「なぜ変身できないのか」というところに悩みの中心を置いているのが、この映画のストーリーを興味深いものにしていると考えられます。「なぜ変身できないのか」という悩みは「変身したい」という願望があるがゆえに生まれるもの、つまりポジティブな方向に向かうその過程にある“悩み”ですからね
一方特撮面では、さすがアメリカというべきかハデなCGによる合成が印象的。その一方でレンジャーたちのアクションシーンは日本の特撮と同じくスーツアクターのアクションで描写されており、こちらはこちらで見ごたえ十分です。
特に、レンジャー5人のゾード出撃シーンは必見中の必見。各ゾードが一斉に横に並び、最新アレンジ版の「GO GO Power Rangers」をBGMに大出撃!そのシーンはまさに圧巻、観ていて興奮すること間違いなしです!!
最後はガッツリ次作への伏線を残して終幕。個人的には観たいけど、興行収入的に難しいかな…。
青春ストーリーとして十分な出来を誇る、映画『パワーレンジャー』。
多くの劇場では8月上旬で上映終了するところが多いですが、ぜひ映画館の大スクリーンで観てもらいたい作品ですね。
サビで流れる「GO GO Power Rangers」が印象的なアメリカ版スーパー戦隊である『Mighty Morphin Power Rangers』の主題歌。テレビサイズ版を以前紹介したことがあるような気が…?
前にも触れたことがあるかもしれませんが、私にとっての『ジュウレンジャー』の出会いは、この(テレ朝かサンテレビでの)『パワーレンジャー』の放送が最初でした。小学生ぐらいの時に古本で70~90年代スーパー戦隊の巨大ロボ図鑑みたいなのを買ってもらうまで、本気で「『ジュウレンジャー』は『パワーレンジャー』というアメリカの戦隊ヒーロー」だと思ってましたね。
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