今回より新メンバーとして星正人さんが小林健二公安官としてレギュラー加入。物語自体も、同時期の刑事ドラマのようにアクションや派手な演出を取り入れたものに変わっていきます。
1979年10月15日放送
主な登場列車:新幹線「ひかり」号、山手線103系普通電車、新幹線「こだま」号、C57牽引「SLやまぐち」号
「申し遅れました、山口の公安官の小林と申します。」
STORY:新幹線「ひかり」号車内で、村井剛という男が死亡した。彼は1年前に山口県小郡町の農協で強盗殺人を犯した一味の1人で、横浜の刑務所から脱獄したのだ。その翌日、星野と古賀が警乗した新幹線「こだま」号で出会った高山親子が、山口駅で何者かに銃撃され誘拐された。星野と古賀は、親子の親族である小郡公安室の小林公安官とともに捜査を開始した―!
前回に引き続き、山口県を舞台にした地方ロケ編。本放送時の1979年にデビューし、現在ではもうすっかりSL観光列車の代名詞として定着した「SLやまぐち」号が舞台となっており、並走しながらの流し撮りなどの工夫を凝らした撮影が行われています
そして今回から、先述の通り星正人さんがレギュラーメンバーに加入。『大都会 PARTⅢ』終了直後の出演となっており、加納竜さん演じる星野公安官とペアを組むことが多くなります。加納さんも本作終了直後『西部警察』にレギュラー出演するので、新旧石原プロドラマのレギュラーメンバーが活躍するという形になります
先述したように今回は「SLやまぐち」号がクローズアップされているので、「いかにしてそれを舞台の中心として設定するか」ということが優先され、お話の内容は二の次扱い。犯人が高山親子を狙う理由は結局のところ“ある偶然”と5000万円のありかを見つけ出すためでしたが、まあ序盤から予測しやすい内容になっておりドラマ面ではそこまで面白くはありません。
第23話「特急貨物便(フレートライナー)・強奪」
1979年10月22日放送
主な登場駅:隅田川貨物駅
「1日の荷物列車の発着数75便、うちフレートライナー21本。1日の取り扱いトン数3,400トン。コンテナ700個分…!」
STORY:隅田川貨物駅にて、フレートライナーが輸送するホームビデオデッキが大量に盗まれる事件が多発していた。榊たちが捜査に乗り出す中、捜査中に星野が犯人の反撃を受け拉致されてしまった。公安官を人質に取ったことで東京公安室に堂々と要求の電話を掛ける犯人。榊たちは、犯人を見つけ出し星野を救出できるのだろうか―?
鉄道を舞台にした作品は数あれど、その中でもピンポイントに貨物駅を舞台にした作品はそんなに多くないでしょう。今回のお話は、旅客を扱わずコンテナ等を専門に扱う「貨物駅」と、コンテナ貨車を中心に構成される貨物列車「フレートライナー」がその舞台となっています
当時はホームビデオデッキが13万円の時代。70年代後半になると徐々に一般にもビデオというものの概念が浸透し始めてきた頃のようですが、まだまだ高嶺の花の代物だったんですね。しかし、よく盗品っぽいものをホイホイ入荷する電器店も電器店だよなぁ…。
巧みに公安室を翻弄しようとする犯人たち。果たして星野はどこへ消えたのか!?その手掛かりとして、電話の中にかすかに含まれていた鉄橋のジョイント音と、そこから推測される鉄橋の大きさをもとに犯人のアジトを探し出すというのが、鉄道公安官らしい展開ですね
終盤では珍しく瀬川室長も現場に出動。機動隊の集結も相まって、なんだか刑事ドラマみたいだぁ…(一応カテゴリーとしては刑事ドラマなんですけどね)。
ゲスト出演者は、本作2度目の出演となる蟹江敬三さんの他、『ジャッカー電撃隊』のダイヤジャックを演じた伊藤平山さんなど。東映特撮にゲストorレギュラー出演することの多かった久保田民江さんの姿もあります。
第24話「少年に太陽を・眼球を探せ!」
1979年10月29日放送
「物が見える人間ってのは、意外にちゃんと見てないんだよねぇ。いつもそばにあるものほど、意外にちゃんと見てないんだよねぇ。」
STORY:東京駅で、スリランカから運ばれてきた移植手術用の眼球が入ったケースが盗まれた。どうやらスリ師が、金目のものだと思って盗んだようだ。榊たちはスリの常習犯数名に目をつけるが、なかなか眼球は見つからない。スリランカ人の善意と少年の視力回復への希望は、無残にも打ち砕かれてしまうのだろうか―!?
今回はアクション刑事ドラマ要素も強く、犯人追跡のために市民の車を借りたり、吐かせるために公園で容疑者を引きずり回したりとやりたい放題。特に小林がアクションをしているシーンは、星さんの演じてきた役のこともあって『大都会 PARTⅢ』を想起させます
榊の出番は少なめで、新幹線にたまたま警乗していたことから移植手術を受ける予定の少年を新大阪から東京へと連れてくる役回りに。その中で「見るということ」について少年と語り合うのですが、これがなかなか深いやり取りになっています
前回に引き続き、瀬川室長は今回も現場へ出動。ほかの公安官ほど激しいアクションは行いませんが、線路上で直接犯人を確保したりなどの活躍をしています。
いつもなら公安室の中のメンバー数人が現場で捜査をするという形ですが、今回は事件が事件ということもあり全員が現場へ出動。星野たちの執念の捜査により、ようやく犯人を逮捕し眼球を取り戻すことになります。
第1話に使用された楽曲で、劇中ではこれに合わせてガラQが踊ることができるという設定になっていたもの。
音楽は全然音頭っぽくないのに「ガラQ音頭」としているのは、昔あった「オバQ音頭」という曲に引っ掛けたネタなのでしょうか?
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