今回は東北地方・宮城県ロケの回やそして列車名をサブタイトルに冠した回もあり、鉄道要素はそこそこ多め。ただ、まだそれを“事件のトリック”に生かすほどにまではまだなっていませんでした。
第10話「それは車中で起った」
1979年6月11日放送
主な登場列車:新幹線「ひかり」号
主な登場駅:なし(「ひかり」号食堂車)
「大事なのはな、君が戦ったってことなんだ!君より強いヤツ、力の強いヤツに戦い続けたって事実なんだ!」
STORY:新幹線「ひかり」116号食堂車で暴行事件発生!その真実は、柏木青年が女性に手を出した菊田慎太郎を止めるための行動であった。しかし菊田は有名代議士のボンボン息子であり、おまけに弁護士と大金によって過去の事件をもみ消し続けてきた男だった。弱き者たちは、本当に権力者の金と権力の前に屈服するしかないのだろうか―?
菊田慎太郎の根回しにより次々と口をつぐんでしまう過去の被害者と、それに負けずに地道に捜査する和子。やがて彼女のこの事件に対する怒りと執念が、終盤実を結ぶことになります。そして実はこのお話、作品では初の榊ではなくサブキャラクターが主人公のお話になっています。
現行傷害罪の罰金刑の最高額は10万円。痛くもかゆくもないと豪語する菊田に対し、「虫けらめ」と言いつつ鉄拳制裁を加える榊。これじゃあ完全に榊側が訴えられたら不利な展開ですが、「自分より強い者と戦」おうとしない菊田は、榊に対しては向かうことはないでしょう
主なゲスト出演者としては、『夜明けの刑事』で新人刑事役として石立さんとレギュラー共演したこともある山本伸吾さん。ボンボン息子の菊田慎太郎役を『コンドールマン』で主演した佐藤仁哉さん、そして検察官役として『宇宙刑事ギャバン』のコム長官などでおなじみ西沢利明さんの姿もあります。
第11話「東北本線・美しき逃亡者」
1979年6月18日放送
「君はムリをしてるんだよ。悪ぶってるんだ。病院でお母さんのことを罵りながら、つい泣いたね。あれが本当の君なんだ。」
STORY:エル特急「やまびこ」の車内で女性の急病人が発生。その女性:紀子は自殺未遂を主張するが、実際は上野駅で毒を混入させられたことによる殺人未遂事件だった。彼女はとある殺人事件を目撃したことにより、その犯人から逃げ続けていたのだ。やがて彼女の郷里:鳴子にまでやってくる犯人。榊たちは紀子の心を救い、事件を解決できるのだろうか―?
第7話の初登場以来となる、島村泉も再登場。雑誌の取材とはいえ、たまたまにしてはあまりにも榊たちのルートとかぶりすぎなんだよなぁ…(そうしないとお話が進まないっちゃあ、そりゃそうなんだけど)。
冒頭紀子が苦しみだす特急は「やまびこ」ですが、なぜか郡山駅で搬送される際に彼女が運び出される特急は「はつかり」。まあヘッドマークだけの違いですが、一応鉄道をテーマにしてるんだから、ここら辺の整合性はちゃんとしてほしいよなぁ
今回のゲスト出演者には、『ミラーマン』の鏡京太郎役としておなじみの石田信之さんの姿が。彼が刑事ドラマに出演するときは、単なる悪役よりもそれに巻き込まれる青年という役が多いような気がしますが、今回もそうでした。
第12話「もりおか4号・消えた花嫁」
1979年6月25日放送
「若い子が自殺をしようとした、よっぽどの事情があってことだと思うの。色んなつらいことがあったと思うわ。それなら、今度は幸せになる番じゃない!」
STORY:榊たちが東北地方で自殺未遂をした女性:明子を救出してから1年後。彼女と村上青年の結婚式に招待され、秋保温泉を訪れていた。新婚旅行へと旅立とうとする際、何者かの視線を感じた明子は、突如「もりおか」4号に乗車。行方をくらませてしまった。彼女が突然失踪した理由は何か?そこには、彼女の暗い過去があったのだ―。
急行「もりおか」というのは、当時常磐線を経由して上野と仙台を結んでいた昼行急行列車。今となっては名称自体はとうの昔消滅してしまいましたが、その歴史は「ひたち」に受け継がれています。
明子との出会いは1年前、榊たちと泉が慰安旅行で東北地方を訪れた際とのこと。泉との初対面は第7話だから、時系列的にはあれからもう1年経ったことになってしまいますが、おそらく脚本段階でのミスなんでしょうね。
結婚披露宴の余興の練習を、わざわざ風呂場で盛大に練習する榊。その割にはセリフを忘れるし、結局余興披露はなかったというオチ…。
今回はここまで。次回投稿は、第13~15話をご紹介予定です。
◎今日の特ソン◎
今日ご紹介するのは、1987年放送の『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』EDテーマ「少年色のメルヘン」です。
OPテーマに比べると珍妙さは減りましたが、それでもタイトル通り「メルヘン」チックな音楽に仕上がっているEDテーマ。
なぜか次作と並んでDVD化に恵まれない作品。まあ不思議コメディーシリーズのDVD売上がイマイチだった(らしい)ということも理由でしょうが、それ以外にも何か理由があるんでしょうなぁ。
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