第1話「寝台特急(ブルートレイン)の少年」
1979年4月9日放送
主な登場列車:寝台特急「さくら」
STORY:東京鉄道公安室ゼロ課に、覚醒剤密売組織に関するタレコミ電話が入った。その情報を頼りに寝台特急「さくら」に警乗した榊と星野は、無賃乗車の少年と遭遇する。口を固く閉ざす少年が、この「さくら」にこだわる理由は何か?そして、タレコミ電話と覚醒剤密売組織の真相は?事件の謎を乗せて、「さくら」は九州へ向かう―!
第1話ということ、そして本作が鉄道を舞台にしていることをアピールするためか、事件の内容と同じくらい重要な要素となるのが、「さくら」とそれに接続する列車のダイヤでの乗り継ぎ。「さくら」に追い付くため、そして公安官・犯人一味がお互いの裏をかくためなど、新幹線を使った日本の正確な鉄道ダイヤだからこそできる芸当が随所に見られます

終盤では、この時期の刑事ドラマでは定番ともいえる銃撃戦が。しかし榊たちは、一発も発射することなく犯人を取り押さえています。鉄道公安職員は拳銃の携帯を許可されていましたが、その銃から弾丸が発射されたことは一度もなかったとのこと。話の展開もそれに則ったのでしょうか

出演者に目を向けると、犯罪者役として睦五郎さんがゲスト出演。一般ドラマでの悪役が印象的な彼ですが、『ファイヤーマン』などの特撮作品にも多く出演されています。
第2話「裏切りの北帰行」
1979年4月16日放送
主な登場列車:エル特急「ひばり」
「出会いがある。別れがある。全国二万キロを走りつづける捜査線。そこに―人生がある!」
STORY:新幹線ひかり140車内で不動産ブローカーが刺殺されてから数日後、上野駅に20万円のスリ被害にあったという男性が現れた。発車直前のエル特急「ひばり」に警乗した榊と古賀は、浜野貞夫という不審な男性に目をつける。しかし彼は故郷の会津若松に戻り、数日後には婚約者と結婚するのだという。果たして彼が、一連の事件の犯人なのだろうか…?
お話の核となる事件の内容自体は案外単純ですが、その分貞夫少年とその婚約者、そしてそれを見守る榊の心情描写に時間が割かれており、この刑事ドラマが単なるアクションものではないということを意識しているのが窺えます。でも、尺の都合からか犯人たちがアッサリに改心して白状しすぎなんだよなぁ…

第3話「長崎・女ひとり旅」
1979年4月23日放送
主な登場列車:寝台特急「さくら」
主な登場駅:東京駅、長崎駅
「“お客様を安全に目的地までお送りする”、これが我が国鉄の使命ですから!」
STORY:寝台特急「さくら」の車内で、ある男性が中毒死しているのが発見された。殺人事件の可能性が極めて高く、同じ列車に乗っていた雨宮涼子に疑いの目が向けられる。勤めていた病院でのトラブル、不自然な旅程など何もかもが彼女にとって不利な証拠となる中、榊は彼女の無実を信じ、本間とともに真犯人の究明に乗り出した―。
長崎駅に「さくら」が到着するシーンで一瞬映るのは、おそらく郵便車を連結した今は亡きいわゆる混合列車。当時はまだまだこのような列車が多数あったんですなぁ。
主なゲスト出演者は北原義郎さんと立川光貴さん。どちらも刑事ドラマでは常連の俳優さんでした。
今回の記事はここまで。次回投稿では、第4~6話を紹介する予定です。
◎今日の特ソン◎
アメリカからのSFブームを受け、キャスト面でも製作面でもかなりの労力が投入されて作られた作品。
しかし不運が重なったこともあり興行的には失敗。しかしその撮影手法や裏話などは興味深いものが多く、この挑戦は決して無駄なものではなかったとも言えるでしょう。
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