
オメガの中に残る、ソラトとしての記憶

お前と一緒に過ごした時間をムダにしたくないから、俺は俺のやるべきことをやる。今までありがとな、ソラト!今回の『ウルトラマンオメガ』は、最終決戦前後編の前編。前々回の展開を踏まえて、オメガ/ソラトが戦闘に介入してくるシーンは最低限でしたが、その分コウセイたちや彼とソラトとのドラマに中心を置き、また特撮面ではゾメラの暴れっぷりにフォーカスしていたのが、いい塩梅だったなと感じました。
ソラトたちの友情や絆、そして人類の踏ん張りが試されるという意味では、『オメガ』最終回前後編としてはこれ以上にないくらいふさわしいもの。ですが、それに注力しすぎた余り、いささか最終決戦らしい壮大さや客観的悲壮感(世界的に見てピンチかどうか)の表現は、ちょっとおざなりになっていたなとも感じました。両立が難しいのは、よくわかるんだけどね…。
なお、前回(特別総集編3)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面

上述の通り、コウセイたちの踏ん張りや、彼とソラトのドラマが重点的に描かれた今回。最も印象に残ったシーンは、やはりソラトとコウセイが1対1で会話するシーンであり、涙で潤みながらも、悲しげな表情を見せないコウセイのさまと、実はすべてをわかり受け止めているソラトのさまでしたね。2人の関係性、そしてソラトの人間味は、今までの『オメガ』を通して、ここまで深まっていたんだなぁ。
前回、コウセイたちの前から去ったソラト/オメガ。その事情をコウセイから聞かされ、アユムとサユキが驚いていると、遠く小笠原諸島の蘇来島に、怪獣が出現したとの報せが入ります。現地映像に映っていたのは、かつて倒したエルドギメラとゾヴァラスを組み合わせたような怪獣。デマーガをそれが捕食する中、サユキはこの怪獣:ゾメラの誕生経緯を語ります。そして、オメガが現れて…。序盤では、前回の続き等が語られたのち、ゾメラの出現シーンへ。意外にも、ゾメラの誕生過程はサユキの口から語られるに留められていました。「人類が生み出してしまった怪獣」というのは、過去「ウルトラシリーズ」で何度も出てきたテーマであり、それにどう決着をつけるかというドラマが肝になりますが、もう1つ重要なテーマになり得る「なぜ人間がこんなことをしてしまったのか」という点をスルーしているのが、なかなかに衝撃的。しかしこれは、制作側の逃げではなく、それを省略してもコウセイとソラトのドラマに時間を割きたかったからなのでしょう。というか、この世界に怪獣が初めて出現(グライムのこと)してからまだ半年くらいしか経ってないのに、実験中の事故とは言え合成怪獣を生み出しちゃうなんて、NDFの科学力は侮れないな…。
ゾメラはこのままいくと、日本への上陸が確定的。NDFは上陸直後に迎撃する方針を固め、サユキ以下怪特隊は、その作戦立案や技術提供に尽力します。こうして、満を持して対ゾメラ迎撃作戦が実行されますが、最初こそしっかりとした効果を発揮したものの、ゾメラの獲得した「弱点を克服する」能力の前に失敗。それでもあきらめないサユキたちは、次の一手を考えますが、コウセイは居ても立っても居られなくなって外へ飛び出します。そして、ゾメラ出現地点付近の公園で、ソラトと再会します。中盤では、コウセイたちも奮闘と、コウセイとソラトの1対1の会話が描写。前者については、主人公側であるコウセイたちがくじけずゾメラに立ち向かうという展開自体は当たり前ともいえますが、カズヤス等ほかのキャラ含めて、誰1人「もうおしまいだ!」という感じで弱音を吐いていなかったのが、皆タフだなと感じました。こうした展開を経て、ゾメラが上陸し、コウセイとソラトのシーンへ。ここで、ソラトはコウセイを突き放していますが、コウセイに背を向けた際の表情の変化等で、言葉や行動に反してソラトとしての記憶もしっかり維持しており、やはりコウセイとの今までのことを踏まえて葛藤していることを表現しているのがGoodでした。いささかソラトの顔を長く映しすぎていて、視聴者にそれを察してほしい感が出ちゃっていましたが、まあいいでしょう。これに対し、ソラトのこと察して自分たちで戦うと決意するコウセイの姿も、また印象的。おそらく偶然なのでしょうが、ソラトとの別れ際のセリフにおいて、目の潤み具合と光の当たり具合が相まって、目にいいハイライトが入っていたのが素晴らしかったです。
ソラトの協力はもう得られず、自分たちで何とかするしかないと腹を決めたコウセイは、サユキたちを勇気づけたうえで、次なる行動へ。ゾメラがゴモラをも捕食し、さらに暴れ狂う中、コウセイたちの必死の細胞採取と、サユキとアユムの調査が、この事件の解決の糸口を導き出します。果たしてこれは、成功するのか―!?ゾメラがゴモラを捕食し、さらに強くなっていく中、決してあきらめないコウセイたち。終盤では、彼らの奮闘が描かれます。ラストで、アユムがゾメラを倒す方法を発見したっぽかったけど、本当に通用するのかなぁ。ゾメラとの最終決戦の顛末はどうなるのか?次回へ続く―!
◎特撮面

ドラマの都合上、オメガが積極的に戦闘に介入できないという状況の中作られていた、今回の特撮パート。そのぶん、ゾメラの暴れっぷりに重点を置いてくれたことで、「怪獣特撮」をたっぷり描いてくれていたほか、「ゾメラを観測するため」という設定でオメガを登場させていたのも、巧みだなと感じました。ミニチュア特撮も積極的に挿入されていて、素晴らしかったですね。








小笠原諸島・蘇来島にゾメラ出現!エルドギメラとゾヴァラスの能力を併せ持つそれは、島を蹂躙したうえに、デマーガを目覚めさせたうえで捕食してしまいます。突然の事態にコウセイたちが驚く中、オメガが出現。しかし、彼は明らかに本気でゾメラを倒す気がなく、ある程度攻撃を加えてゾメラの特性を把握すると、空の彼方に飛び去ってしまいます。今回は、序盤の早い段階で特撮パートが挿入。蘇来島のセットは、割と広めに作られており、NDFの攻撃をものともしなかったり、デマーガに対して余裕で攻撃をかまして捕食して見せたりと、様々な面でゾメラの脅威を演出してくれていてGoodでした。ここの特撮シーンで、「あっ、今回制作陣気合い入っているなぁ!」と感じましたね。そんなゾメラに対し、オメガが登場。オメガとしての意識が働いているため、ソラトの意識が中心だったころに比べると、やや冷徹さを感じる戦い方をしており、多少牽制したのちにその姿を消します。ゾメラの特性を把握し、ヴァルジェネスが操られる前にアーマーを解除したのはさすがでしたね。





ゾメラが本土に接近していることを確信した、サユキたちとNDFは、すぐさまVSエルドギメラ戦やVSゾヴァラス戦を踏まえて対策を立案。ゾメラ上陸直後に迎撃を行います。最初こそ上手くいったこの攻撃でしたが、ゾメラの、“弱点を克服する”という追加能力の前に敗れ、作戦は失敗。そのままゾメラは市街地を侵攻していきます。NDFのゾメラに対する反撃も、ここでしっかり描写。カラスの鳴き声をBGMに、大量のエネルギーを流し込むというさまは、絵面だけ観ていると少々滑稽でしたが、ちゃんと今までのドラマ等を踏まえていたのがシビれましたねぇ~。最終的に作戦は失敗しますが、「NDF、よく頑張ったな!」と思いましたよ。その後ゾメラは、市街地を蹂躙。怪獣がビルを堂々とぶっ壊す姿は、久々に観た感じがして、これまたシビれました。




ゾメラはなおも市街地を侵攻し、出現したゴモラもあっという間に捕食。そのまま引き続き進み続けます。終盤では、ゾメラとゴモラの戦闘も描写。ゴモラがビルの残骸を持ち上げてゾメラにたたきつけるさまは、これぞ怪獣特撮の市街地戦という感じで、興奮しましたね~!本当に今回は、オメガがあまり登場できないぶん、怪獣で特撮を見せようという方向性になっていたのが、良かったですね。

ゾメラの圧倒的な進化の前に、なす術の無い怪特隊とNDF。しかし、コウセイたちの守りたいという意思と誇りは、依然として強かった。最後の逆転を賭けた、決死の戦闘方法。それはいったい何だ!?
次回はいよいよ、『オメガ』最終回。ギリギリまでコウセイたちが踏ん張り、それを踏まえてオメガが登場する流れになりそうです。今のところ、「コウセイたちの頑張りに心打たれてソラトがオメガに変身する」なんて展開はありえなさそうですから、どのような過程を経てオメガが登場することになるのか、かなり興味がありますね。
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