お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士ガンダムSEED』ちょっとした感想 SEED-11(第31~33話)

今回は、機動戦士ガンダムSEED』の感想記事第11回目です。

 

今回ご紹介の3話は、なんと全てガンダムの活躍にかかる新撮パートが無い異色回。現状パイロットとガンダムが揃っているのがイザークデュエルガンダムのみであるため、ドラマ展開的に仕方ないのですが、このドラマ構成は非常に大胆だなと感じました。そしてその分、大きく時間を割いて描かれるのが、メインキャラたちによる人間ドラマ。また、フリーダムガンダムジャスティスガンダム登場の伏線も、少しずつ挿入されていきます。

 

なお、前回(第28~30話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

PHASE-31「慟哭の空」

2003年5月10日放送

登場した敵他:ディン

「殺されたから殺して、殺したから殺されて…。それで本当に、最後は平和になるのかよ!?」

 

STORY:キラのストライクガンダム、そしてトールのスカイグラスパーのシグナルが途絶えた。必死の交信を試みるアークエンジェルだったが、ディンの追撃の危機に陥っていたことから、やむを得ず2人を生死不明扱いとし、捜索をオーブに任せてアラスカへと飛び立つ。しかし、2人が消えたことに対する艦員たちのショックは大きかった。一方、アークエンジェルからの打電を受けて、現地の捜索にあたるカガリは、無残に砕け散ったストライクガンダムイージスガンダムの残骸と、生き残っていたアスランの姿を発見する。キラを殺したかもしれない相手に、カガリは何を思うのか。

 

お話の展開上、今回よりガンダムが登場しないお話が連続。その1回目となる今回は、キラたちが生死不明になったこと、そしてそのキラを殺したかもしれないアスランの発見を通じ、生き残っている者たちが感情を爆発させる一編となりました。サブタイトルの通り、メインキャラクターの涙が印象に残った今回。特に、カガリアスランのやり取りと関係性は独特であり、こうした状況下で恋愛感情のような親しみの感情が生まれるのかと、興味深く感じられました。

 

前回、イージスガンダムたちとの激戦を繰り広げたアークエンジェル。なんとかそれを退け、応急修理により再び航行できるまでに回復しようとしていましたが、キラやトールとの連絡はとれないままでした。そんな中、彼らを追撃するかのように、ディンの部隊の接近を確認。マリューは、ナタルの強い進言を受けて、キラとトールを生死不明者と認定。それでも、まだ一縷の望みをかけて、中立国であるオーブに現地の捜索を託し、アラスカへと出航します。今回は、前回の続きからスタート。アークエンジェルは被弾多数だったものの、応急修理で航行可能でしたが、そこにディンの追撃があり、マリューたちは泣く泣くキラたちの捜索をオーブに任せ、自身らはアラスカへと出航します。次々に新たな展開が挿入されるため、1つ1つにつきスルーしそうになってしまいますが、この序盤の一連の展開は、「なぜアークエンジェルがキラたちの捜索をあきらめなければならなかったのか」という明確かつ合理的な理由付けをしていてGood。オーブを介入させるのは、このあとのドラマでカガリを登場させるためですが、オーブを呼ぶ理由も「自分たちじゃ探せない→先ほどまで繋がりがあり、かつここにすぐたどり着ける勢力が彼らだったから」であり、全く違和感がありません。パッパと進んでいっていましたが、この一連のドラマは本当に秀逸でしたね。

 

アークエンジェルからの依頼を受けて、現地にやってきたカガリとレドニル。そこで彼女らが目の当たりにしたのは、ストライクガンダムイージスガンダムの残骸と、激戦の爪痕でした。各パイロットの生存は絶望的かと思われましたが、オーブの兵士たちがアスランを発見。飛行艇に回収し治療を行います。アスランが目覚めたとき、目の前にいたのはカガリカガリは、キラの生死が何より心配で、彼を詰問しますが、彼の答えは「キラは自分が殺した」というものでした。しかし、その眼には涙が浮かんでいて―。アークエンジェルからの連絡を受け、自らも現地に赴くカガリ。キラの生存を信じてやまない彼女でしたが、発見できたのは、ストライクガンダムイージスガンダムの残骸と、傷つき倒れていたアスランだけでした。中盤では、カガリアスランのやり取りがそのドラマの中心。サブタイトル通り、慟哭するカガリアスランの感情のぶつかり合いが、印象に残りました。ここで興味深いのが、カガリにとってアスランは、キラを殺したと思われる仇敵なのですが、同時に前回自分を助けてもらい、その人柄を知っていることから、彼自身を心からは恨んでいない点。ドラマを観ていると、確かにキラが殺されたかもしれないということには動揺していますが、「アスランが殺したのか!」という点についてはほとんど責めておらず、むしろその理由を尋ねる形になっているんですよね。しかもこれが、アスランが、彼とキラの関係を明かすキッカケづくりにもなっているのが面白いです。カガリアスラン、お互い現状敵であり、特にカガリアスランを憎しみ恨んでもおかしくないのに、不思議と相手への思いやりや配慮がある。一見すると相反する要素なのに、それが自然に同居している。実に興味深いドラマづくりだなと感じました。カガリアスランと接近したい感が少なからずありそうだけど…、どうなんだろ。

 

連合の応援も間に合ったこともあり、無事アラスカへの針路をとることに成功したアークエンジェル。しかし、艦員たちの精神的ダメージは大きく、ミリアリアは恋人のトールがいなくなったことで感情が不安定になり、フレイもまたキラがいなくなったことで感情が不安定化。さらにムウですらも、疲労が蓄積し限界に達している整備班の尻を叩き、スカイグラスパーでキラの捜索に出撃しようとします。さすがに看過できなくなったマリューは、自らドックに赴き、ムウを説得するのでした。後半では、再びアークエンジェルの様子が描写。もともと戦死者があまりいなかったこの艦において、2人もの生死不明者が出、しかもその中にキラもいるということから、艦員たちの動揺は大きなものがありました。恋人であるトールのことを思うミリアリア、そして友人であるキラのことを心配するサイたち、彼女らの動揺はよくわかりますが、歴戦の勇士であるムウですら、動揺を隠せず「スカイグラスパーで捜索に行くんだ」と言い出すのには驚き。実戦経験豊富な彼なら、このあたりの感情コントロールは比較的できるのかなと思っていましたが、そうではないのにはビックリしました。ただ同時に、これが彼の人間らしさをガツンと表現してくれていてGoodでもありましたね。ムウ、子安さんボイスの「ガンダムシリーズ」キャラなのに、珍しく本当にいい味方キャラしてるよねぇ。

 

まだ中立国の立場を守っていることから、最低限の治療後、アスランザフトに引き渡すことにしたオーブ。カガリは、彼と別れる前にお守りのペンダントを渡し、彼が死なないことを祈って見送ります。こうしてイザークと再会したアスランは、相討ちになったもののストライクガンダムを仕留めたと報告しますが、そのパイロットであるキラはというと…。終盤では、ザフトへと戻っていくアスランのさまが描写。ここでは、オーブがまだ中立国であることが、アスランがそこから安全かつ正式に脱出できる理由付けになっているのが、良いドラマ構成でした。別れ際、カガリがお守りのペンダントを渡すさまは「キラを殺したかもしれない相手にそこまでするの!?」とも思いましたが、ここでの彼女は、キラを殺された恨みよりも、もう誰にも死んでほしくない、戦争が早く終わってほしいという思いのほうが大きかったのでしょうね。そのことは、彼女がボソッと口走る一言からも窺えました。さて、このように、カガリをはじめとする仲間たちから心配されていたキラですが、最後の最後で彼が生きていることが描写。しかも、担ぎこまれていたのは、宇宙にあるラクスの家の庭でした。なんで彼が地球を飛び出してこんなに離れたところにいるのか?その種明かしは、次回へ続く―!

 

 

 

PHASE-32「約束の地に」

2003年5月17日放送

登場した敵他:ジン、ザウート、グーン、ゾノ

「仕方のないことではありませんか?戦争であれば。お2人とも、敵と戦われたのでしょう?」

 

STORY:カーペンタリア基地に戻ったアスランを待っていたのは、クルーゼと、父パトリックの最高評議会議長への就任、そして自身への栄転の話。だが、それらをもってしても、アスランの表情は晴れることがなかった。同じ頃、ラクスとマルキオの手で救出されたキラは、アスランとの戦いを思い出して震えるも、ラクスの言葉に救われ始める。一方、ついにアラスカに到着したアークエンジェルだったが、マリューたちに待ち受けていたのは、不本意すぎる待機命令だった。それが長期間にわたり、さらにミリアリアの精神状態がどんどん不安定になる中、立ち入った医務室で、ディアッカと遭遇してしまい…!

 

回想シーン以外でガンダムの活躍が描かれないものの、今後のドラマ展開につながる要素が頻出する一編。前回が比較的アスランに比重が置かれていたのに対し、今回はキラとアークエンジェル側に比重が置かれていました。キラが奇跡的に生き残った理由が判明したのはよかったけど、アークエンジェルは明らかにアラスカ基地からは歓迎されていない様子。オペレーション・スピットブレイクのこともあるし、彼女たちの苦難はまだまだ続きそうですね。

 

ようやくアラスカに到着したアークエンジェル。連合の本拠地でもあるため、安堵するマリューたちでしたが、彼女らに下されたのは、待機命令。それも無期限のものであり、だんだんと艦内では閉塞感が漂ってきます。こうした不可解な指示は、アラスカの連合中枢部が、アークエンジェルのことを快く思っていないことにありました。同じ頃、ザフトのカーペンタリア基地に戻っていたアスランは、地球に降りてきたクルーゼと再会。そこで、自分の栄転と新型機の話を持ち掛けられますが…。マリューたちが必死の思いで到着した、アラスカ基地。しかし、アラスカ基地側は決して彼女らを歓迎してはおらず、むしろ厄介者として疎んでいました。アークエンジェルの存在が連合にとって不都合だったのは、唯一運用していたストライクガンダムが、コーディネーターであるキラによって操縦されていたから。コーディネーターたちの兵器を超えるために、ナチュラルである自分たちが操縦出来る兵器を開発したのに、それを最も使いこなしていたのがコーディネーターでした…であれば、不都合な真実ですよね。まあ、ガンダム5機のうち、奪われたイージスガンダムら4機は、微改造のみでコーディネーターであるアスランたちに運用されていたので、技術的には全く劣っていないはずなんだけど。このように、マリューたちが不当な扱いを受けている頃、アスランはカーペンタリア基地に戻って療養中。そこへクルーゼが現れ、アスランの栄転と新型機の開発の話を伝えられます。このシーンや、直前の連合上層部の会議では、フォビドゥンガンダム等の、今後ストーリーに登場するガンダムの姿や名前がチラチラ登場。伏線が張られています。

 

ラクスのもとで目を覚ましていたキラが出会ったのは、盲目の導師:マルキオ。キラは、彼から自分が生き残った過程を聞かされますが、キラ自身の脳裏には、アスランと戦ったときの記憶がこびりついており、自責と後悔の念にさいなまれていました。そんな彼に対し、ラクスは意外にも現実的な観点から考えを述べ、それがキラの心身の立ち直りへとつながっていきます。キラがいたのは、地球から遠く離れた、ラクスの家があるコロニー。瀕死状態だった彼がここにいたのは、マルキオの働きがありました。前々回チラッと登場していたマルキオ。その時点では、盲目の男性であること程度しわかりませんでしたが、今回の描写を通して、ラクスとも個人的に面会できたり、地球側の使者としてザフトの最高評議会宛書簡を届けたりと、かなりのパイプを持つ人物であることが明かされます。マルキオ自体は、特にどちらかの勢力についているワケではないようですが、なんでこんな人が、あの島の近くで隠居してるのか、本当に不思議だな…。そんなマルキオに救われたキラは、ラクスの看病もあり順調に回復。一方で、心の傷はまだ癒えそうにありませんでしたが、悩む彼にラクスは、意外に現実的な意見を述べます。アスランが生きていることを知らないため、ニコルだけでなく友人である彼をも殺したことに苦悩するキラ。彼に対しラクスは、「戦争でありお互いに敵どうしだったことから、キラもアスランも戦ったこと自体は仕方のないことだったのではないか」という旨述べます。このラクスの意見&指摘は、個人的にはちょっとビックリ。出来れば彼女は戦いを回避しようとしていますから、キラからこの話を聞いても、「お互いに戦わない方法が見つかればよいのに」とか言うのかなと思っていました。父が最高評議会の議長を落選したこともあり、微妙な心境変化があったのでしょうか。

 

ザフトにおいて、オペレーション・スピットブレイクの断行が決定。クライン前議長は最後まで講和の道をあきらめてはいませんでしたが、パトリックをはじめとする強硬派に押し切られてしまいます。これを受け、クルーゼはカーペンタリア基地でアラスカ基地への潜入作戦を考案。難攻不落の基地を攻めるにあたり、白兵戦を重視した戦術で行くというものでした。クルーゼ曰く、アラスカ基地は核兵器を使っても耐えうる構造をしているとのこと。そのため、正面からの攻撃よりかは内部からの制圧の方が勝率が高いと考え、潜入による白兵戦を行おうとしていました。「潜入の武勇伝を語るのは戦後にしろよ」なんて冗談めかして言っていましたが、アラスカ基地を攻めるのはなかなか難しそう。しかも、「ガンダムシリーズ」で白兵戦と言ったら、あまりいいイメージはありません。「核にも耐える構造」ってことは、今後核兵器による攻撃をアラスカ基地が受けるかもしれないというにおわせっぽいし(ニュートロンジャマーがあるのでそう簡単には使えないはずだけど)、このシーンはなんだかかなり不穏さがありましたね。

 

いまだにトールの生死がわからず、艦内待機を命じられてから5日も経過していたことから、精神的に参っていたミリアリア。サイの手で医務室に連れていかれますが、そこには偶然捕虜となったディアッカもいました。彼にあおられたミリアリアは、思わず近くにあったナイフを手に取り、彼を刺殺しようと暴れ始めますが、騒ぎを聞いたサイたちが駆けつけたことで、何とか最悪の事態は回避されます。ところが、今度はそこにフレイが現れて、ディアッカに向けて発砲。彼を守ろうとしたのは―。終盤では、ディアッカに対するミリアリアやフレイの感情が爆発。普段から軽口をたたくディアッカのあの性格が災いし、ミリアリアは近くにあったナイフで彼を襲撃、その後、騒ぎを聞きつけてやって来たフレイは、どさくさに紛れて銃を手にして発砲。ミリアリアが妨害していなければ、ディアッカは完全に死んでいるところでした。ここでは、今まであまり感情を大きくは出さなかったミリアリアが、表情を一変させて錯乱状態になるのが注目ポイント。彼女にとっていかにトールの存在が大きく、そして彼の死が精神的ダメージを与えたかが、ハッキリとわかるようになっていました。しかし、そんな彼女も、フレイが発砲した際には、その身を呈して妨害。先ほどまでと一転して真逆の行動をとっていますが、「いくら相手が憎くても、フレイのような極端な考えに至ってはダメだ」と、痛感したのでしょうか―。

 

 

 

PHASE-33「闇の胎動」

2003年5月24日放送

登場した敵他:なし

「あなたは、戦ったのですわ。それで守れたものも、たくさんあったのでしょう?」

 

STORY:キラがラクスのもとで療養を続け、アスランザフト本国へ戻ろうとしていた頃、マリューアークエンジェルの艦員たちは、査問会議にかけられていた。軍法会議に準ずるそれに、過去を振り返りながら回答していく彼女らだったが、自分たちを責めるように接してくるサザーランド大佐ら軍上層部に、反感を覚える。そして、下されたムウら一部メンバーらへの転属命令。その真意の一部を知ったマリューは、激しい怒りを覚えて…。

 

サザーランド大佐らによる査問会議がお話の中心となる、総集編テイストも多分に含んだ一編。サブタイトルは「闇の胎動」ですが、ここでいう闇とは、ザフトのことではなく、連合上層部の腐敗のことでした。アークエンジェルが、コーディネーターであるキラの操縦するストライクガンダムとともに戦ってきたことばかりに着目し、やり玉に挙げてくるサザーランド大佐たち。『SEED』における連合上層部もまた、宇宙世紀系の地球連邦軍と同等か、あるいはそれ以上に腐敗しているのだなということを感じさせられました。

 

前回起きた、ディアッカに対する医務室での騒ぎ。これを受けて、ディアッカは独房へと移動になり、ナタルは起きた事実を重く受け止め、マリューに対し、軍規のことやタイの統率のことにつき進言します。それに対してマリューは、理解を示すもあまり深くまで聞かず、ナタルに今までのことを感謝して、先に査問会議の部屋へと移動。ナタルは、マリューが自分の話を聞いていないわけではないことを理解している一方、彼女の対応の甘さを苦々しく思っていました。前回の騒ぎのあとのことは、マリューナタルの会話等を通して、ダイジェスト的に描写。ディアッカが医務室にいたのは、彼が負傷していたためですが、一時的ではなくずっとそこにいたようであり、またミリアリアが手にしたナイフや、フレイが手にした銃も、偶然その場にあったものでした。敵の捕虜をろくな警備なしで医務室に待機させて、さらには脱出や殺人の道具になりそうなものを、誰でも手に取れそうなところに置いておくなんて、さすがに危機管理が甘すぎるんじゃないか?いくらマリューの人柄等があっても、ちょっと看過できないよね…。そして、こうした事態を重く見て、マリューに強く進言するのがナタル。その彼女に対し、マリューは軽く受け流すような返事をする程度であり、それよりもナタルへの感謝を述べて去っていったことから、ナタルマリューの甘さを感じていました。別にマリューナタルの話を軽視しているわけでは無いし、ナタルもそのことを理解しているはず。ですが、こうした事態が起きてもなお、いつもと変わらない態度であることに、ナタルは怒りというか、マリューとの決定的な感覚の相違に耐え切れなくなったのでしょう。今回の終盤で、ナタルマリューから離れることになるし、マリューナタルの決別もまた、確定的なものになっちゃったかな。

 

ラクスのもとで療養を続けるキラは、ふと近くに一人で外出し、海を見つめながら今までのことを回想。やがてラクスが追いつき、彼の考えや思いを聞きますが、それに対する彼女の反応は、またも意外に冷静なものでした。キラは、Aパート後半でのみメインで登場。依然として療養中の身ですが、自力で歩ける程度までには回復し、近くの海辺で物思いにふけります。脳裏をよぎるのは、やはりブリッツガンダムイージスガンダムとの戦闘でした。先の戦いのことを思い出し、再び自責と後悔の念にとらわれるキラ。そんな彼を発見したラクスは、「その分、その戦いで守れたものもあったのではないか」と、前回に引き続き、実に冷静かつ鋭い意見を述べてきます。ラクスの意見はもっともであり、これによりキラの心もある程度救われた感があるのですが、前回も思ったけど、やっぱり以前に比べてちょっとキャラが変わったよなぁという印象。ただ、これにより『SEED』内での彼女の立ち位置がより重要なものになり、ドラマを加速させてくれているようにも感じました。

 

アラスカ基地内にて、サザーランド大佐らによる査問会議がスタート。最初こそ、ヘリオポリスでの出来事から時系列順で回答していましたが、じょじょにその質問のニュアンスが、マリューの判断やアークエンジェルの行動を批判する要素を帯び始め、マリューやムウは反発します。そうした中で、査問会議は終了。ナタルとムウ、そしてフレイに転属命令が下ります。前2者の転属命令はまだしも、フレイにまで転属命令が下った理由は…。Bパートの大半を占める査問会議パートは、実質的な総集編。第2話以降のことを時系列的に振り返る構成になっていました。ただ、このシーンで何より重要なのが、サザーランド大佐をはじめとする連合上層部が、出来るだけ客観的な視点を用いてアークエンジェルそしてマリューを戦犯扱いしようとしている点。しかもその理由が、連合の戦局を何度も危機に追い込んだとかそういったものではなく、ただ「コーディネーターであるキラとともに戦い続けてきたから」というものなのが、連合の偏見と硬直性を感じさせます。サザーランド大佐たち、もう言っていることがブルーコスモスとほぼ同じなんですよね。もとからコーディネーターに対する偏見があったんだろうけど、この戦争が始まって、コーディネーターが自他ともに認める敵になったことから、その考え方が振り切っちゃった感じなのかなぁ。そんなサザーランド大佐たちによる査問会議が終わったのち、ナタル・ムウ・フレイの3人に転属命令が発令。フレイは内勤になる予定であり、それは彼女の志願理由(父の敵を討つため)と、アルスターの娘であることをもとに、この戦争のヒロインとして利用するためでした。直接的にこの思惑は言及されていませんが、各病舎やセリフからそうした思惑がハッキリと感じられるのが、ドラマ的に面白いところ。しかし、連合上層部もゲスいこと考えるよなぁ。ある意味、宇宙世紀地球連邦軍よりもタチ悪いかも…。

 

前回の出来事を思い出し、自らディアッカの独房へと向かったミリアリア。何も言い出せずに立ち去ろうとする彼女に、ディアッカが気付き声を掛けます。ディアッカは、彼女が前回同様恨みをもって殺しに来たのかと思いますが、彼女の様子からそうではないことを察すると、二言三言会話したうえで、トールのスカイグラスパーを撃墜したのは自分ではないと、静かに、しかしはっきりと語るのでした。終盤では、ミリアリアディアッカの1対1の会話シーンが挿入。前回あれだけの事態にまで陥ったものの、ミリアリアディアッカも自分を見つめ直したことで、一転してかなり冷静に会話していました。ここで個人的に見逃せないなと感じたのは、ミリアリアとの会話を経て、ディアッカがトールとの交信途絶の際の状況を知り、「(殺したのは)俺じゃない」と語っていること。これは単に事実を語っているだけとも捉えられますが、それ以上の大きな意味があるのではないかと思いました。ディアッカにとって、もしミリアリアが前回と同じような状況であれば、こうした事実を口に出すことは出来なかったはず。しかし今回は、しっかりと対話したうえでこれを語っている。このさまはつまり、ディアッカミリアリアのことを人間として信頼し、そして彼女と向き合ったことの証左ではないでしょうか。だって、ディアッカがトールを殺していないのは事実ですが、彼自身はミリアリアたちの敵であるザフトの一員ですから、ザフトという大きな括りにされてしまえば、再びミリアリアに恨まれ襲われる可能性もあったはずですから。こうした事実をハッキリ告げたのは、ディアッカなりの優しさ、そしてケジメだったのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第34話から第36話をご紹介予定です。『機動戦士ガンダムSEED』。激闘の渦、切り裂け!ガンダム!!

 

 

 

 

 

機動戦士ガンダムSEED』の本編は、各種サイトで公式配信中!↓コチラもチェックだ!

 

 

 

 

 

ガンプラ Pick Up!

機動戦士ガンダムSEED』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

Twitter Instagramやってます。よろしければ↓閲覧&フォローの方お願いします!

Twitter https://twitter.com/CTF_bongore_A

Instagram https://www.instagram.com/bongore200706/