お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『さよならエリュマントス』ちょっとした感想

“ファイティング・エリュマントス”、やらせてください―。今回は、2023年8月11日公開の映画『さよならエリュマントス』のレビューです。

 

先日取り上げた映画『グリーンバレット 最強殺し屋伝説国岡[合宿編]』に続く、ミスマガジン受賞者(ミスマガジン2022)を主役に据えた映画。8月11日の公開を皮切りに、当初は昨年『グリーンバレット』を公開した映画館を中心に上映されていましたが、じわじわと全国各地で上映館が増加。この記事を投稿する10月4日時点では、立川(東京都)を中心にまだまだ全国各地で上映館があり、10月末にはアップリンク吉祥寺での期間限定上映も決まる等、小中規模映画館での上映作品としてはなかなかのロングラン作品になっています。

 

かく言う私も、この映画に惹かれた人間の1人。公開初日に新宿→8月末に横浜→一昨日(10月2日)に立川と、既に3回映画館で観ています。

 

これだけ観まくっているのですから、当然感想記事を投稿するつもりではいたのですが、公式twitterアカウントが何でもかんでもRTふぁぼをするため、有り難いんだけど小っ恥ずかしくなって先送りにしていました。でも、もう3回も観ちゃったことアピールしてるから、吹っ切れて作ることにしましたよ。

 

なお、上で少し触れた、ミスマガジン2021受賞者主演作品映画『グリーンバレット 最強殺し屋伝説国岡[合宿編]』のレビューは↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

※なお、今回も敬称略でお送りします。

 

 

 

STORY:甲府市の社会人野球チーム「エリュマントス」の専属チアだったココ(瑚々)・ユナ(咲田ゆな)・ミズキ(麻倉瑞季)・リナ(斉藤里奈)・スズ(三野宮鈴)・サラ(藤本沙羅)の6人は、チーム消滅後、マネージャーの宍倉(中島歩)の元で活動を続けていたが、その仕事内容は、県内の催事場等のドサ回りばかりで、メンバー内の仲もモチベーションも地に落ちていた。そんな中、イベント出演のために訪れた笛吹市で、宍倉が地元の人間とトラブルを起こし、同時にメンバー内の仲もさらに悪化していく。チーム・エリュマントスのゴールに待つものは、破滅かそれとも再起か?これは、少女たちがどん底から輝いてみせた物語。

 

ミスマガ受賞者によるチアリーディングがテーマの映画と聞くと、キラキラした少女たちの青春映画を想像しますが、それとは全然違うテイストになっているのが本作の特徴。もちろん、チアリーディングを披露するシーンもキチンと挿入されていますが、基本的には問題だらけのやさぐれチアリーディングチームで、悩んだりぶつかったりはたまた余計なトラブルに巻き込まれてしまう少女たちの姿が、本作のメインとなります。

 

終盤付近になると雰囲気は変わってきますが、それまでは基本的にはメンバーたちのいがみ合いやトラブルへの対処ばかり。キラキラしている少女たちという面影は全くなく、『グリーンバレット』のときと同じく、よくこの設定で講談社がOK出したなと驚かされました(ほめてる)。

 

こう書くと、なんだかギクシャクしてばかりの爽快感の無い鬱屈した映画のように感じる本作。しかし実際に作品を観てみると、最初こそそう感じるかもしれませんが、じょじょにそれは薄れてきます。その理由は、「わかりやすいシンプルなストーリー展開」と「キャラ設定」、「挿入されているセリフ」にあると、個人的には分析しています。

 

まずは、「わかりやすいシンプルなストーリー展開」。本作のストーリーは、まさに「やさぐれチアの再起」という、極めて明快で誰にでもスッと受け入れられるもの。その中でトラブルに巻き込まれたりギクシャクしたりすることはありますが、ストーリーから大幅に外れることはなく、展開上ムダなやり取りやシーンもほとんどないので、それほど深く考えずにお話を楽しむことができます。娯楽映画としては良い構成です。

 

続いて、キャラ設定。全員似たような年齢のミスマガ2022受賞者全員を主人公にしているため、キチンとキャラ設定しないと誰が誰だかわからなくなってしまうおそれがありますが、本作では、演じる6人のほとんどの素の性格をかなり誇張するかたちで表現。口調にも1人1人変化をつけており(というより、役柄がそれぞれ本人たちに近いので、自然と本人たちに近い口調が出ている)、まず誰が誰だかわからなくなることはありません。

 

そして、その誇張された各々のキャラも強烈。メンバー1人1人の名前はわからなくとも、最低でも顔とその性格は視聴者に確実に印象に残ります。これも娯楽映画としては良い作りであり、ミスマガ2022受賞者を売り込むための映画としても、ナイスな采配と言えるでしょう。

 

最後に、「挿入されているセリフ」。上述したとおり、ストーリーがシンプルであることから、必然的出演陣の演技や、そのセリフに視聴者の目が行くことになりますが、このセリフがまたいい意味でかなり芝居がかってて良い!明らかに「これ意図的に上手い言い回しにしようとして挿入してるだろ」というセリフがいくつもあるのですが、不思議とそれが映画に馴染んでいて、ほどよいスパイスになっています。

 

大月市にハワイアンダイナーを出店する話で「大月で富士山見ながらロコモコ食べんの?」と言ってみたり、メンバーの1人がヨガのインストラクターの資格取得目指していると聞いて「ヨガ?スゴいね、ナマステじゃん!」と叫んだりと、普通の会話や自然な演技を重視している映像作品ではまず出てこないようなセリフが飛び出してくるのが、この映画。これが映画そのものから浮いておらず、上述のとおり馴染んじゃっているのが面白いんですよね。これらセリフ群は、何度聞いてもニヤリとさせられちゃいます。

 

また、本作の終盤からラストにかけての展開が、個人的には痛快で大好き。なんとなく予想出来る幕切れではあるのですが、主人公たち6人がギリギリまでそうしたそぶりを見せないため、「最後の最後でこう来るか!」という感じです。主題歌「さよならエリュマントス」のエレキギターのイントロが、パンクな印象を演出してくれていてなおGood。そして、なぜこの映画のタイトルが『さよならエリュマントス』なのかがハッキリとわかるのが、またシビレます。

 

このように見どころたっぷりの映画ですが、いかんせん上映時間が短いので、「もっと描いたら面白いだろうな」という描写がカットされていたり、ストーリー展開の都合上サラと他のメンバーとのやり取りが極端に少ないのがやや難点。ですが、それを加味しても、この映画は多くの人たちに勧められる作品だと感じますね。

 

 

 

 

 

 

私のように惹かれた人が多いからか、大都市圏を中心にまだまだ上映が続く『さよならエリュマントス』。関東では、明日10月5日(木)まで立川にて上映中のほか、10月27日(金)〜11月2日(木)まで吉祥寺にて上映。こちらでは複数上映回でイベントが予定されており、さらに川越・小山・高崎等での上映も決定しています。私は吉祥寺での上映期間中にも1回行こうと思っているので、これで視聴回数は4回。『シン・ウルトラマン』を超えて、今のところ人生で一番の映画館で観た映画作品になってしまいました。

 

こうなると、少し気が早いですが、先月発表されたミスマガジン2023受賞者たちの主演映画がどうなるのかが気になるところ。今回の受賞者は現役高校生の人が多いので、学園モノとかやりそうな気がしますが…、同じく高校生がいたミスマガ2021のときに作った映画が『グリーンバレット』だったから、本当にどんな作品&テーマになるか読めないよなぁ。

 

 

 

 

 

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