お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『新機動戦記ガンダムW』ちょっとした感想 W-2(第4~6話)

今回は、新機動戦記ガンダムW』の感想記事第2回目です。

 

ガンダムパイロット5人が登場し、物語の下地が出来上がった感のある『W』。今回は、ゼクス側の準レギュラーであるノインが初登場するほか、今まではあまり描かれてこなかった、ヒイロやリリーナの心情が、少し細かく描かれるようになっていきます。彼らの人間味を感じることができるようになったのはいいんだけど…、やっぱりみんな、行動や考えが極端なんだよなぁ。

 

なお、前回(第1~3話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第4話「悪夢のビクトリア」

1995年4月28日放送

登場した敵他:トーラス、リーオー、エアリーズ、トールギス

「命を賭ける戦いは、ミスの清算でしかない!追い込まれて死んでいく戦士は、哀れです。」


STORY:ゼクスが次に向かったのは、レイクビクトリア基地。士官学校時代の同級生:ルクレツィア・ノインが教官を務めるそこでは、宇宙用モビルスーツ:トーラスがロールアウトしていた。しかし、それを察知していた五飛の手により、基地のパイロット寄宿舎は壊滅。ノインも心とプライドをズタズタにされ、シェンロンガンダム撃破に執念を燃やす。一方ヒイロは、新たな指令を受け、修理したウイングガンダムで作戦を遂行。久しぶりの任務完了に高笑いする彼だったが、水面下でリリーナの父:ドーリアンに怪しい手が忍び寄っていることを、まだ知らなかった…。

 

今まで登場したガンダムパイロットのうち、五飛が主に活躍するお話。ですが、その大部分は連合軍&OZ、特にゼクスとノインの視点からドラマが描かれており、ノインの人となりとその信念、そしてシェンロンガンダムの襲撃を通して崩れ去るそれらと“ガンダム”への憎悪のすべてが描かれており、たった1話の、しかも本編時間の半分だけで、ノインというキャラクターをここまで深めているのには舌を巻きました。また、ウイングガンダムもようやく修理が完了し、久しぶりに活躍シーンが挿入。高笑いしていたヒイロ、ちょっと狂気じみてたな…。

 

ワーカーが遺したガンダムヘビーアームズガンダムサンドロックの情報を携えて、ゼクスが次に向かったのは、トーラスが開発されているレイクビクトリア基地。そこでは士官学校時代の同級生:ノインが教官を務めており、今日も訓練生の訓練に励んでいました。戦争に対する絶対的な信念と、ゼクスに対するゆるぎない信頼、そしてほのかな思いを持つ彼女。そんな彼女を自身も信頼しているゼクスでしたが、実際に今までの戦いで部下を失う経験をしていることから、彼女の思考に一抹の不安を覚えるのでした。ノインはゼクスの同級生であり、文武両道の優等生。そのうえ彼に対し淡い恋心を抱いていると、序盤ではノインがいかに信頼のおける軍人かということが描かれます。いい意味で裏表がなく、訓練生に対しても、優しさゆえに厳しく接する彼女。ゼクスにデレデレなこと以外は、全然いい軍人さんだよなぁ。そんな彼女にも欠点っぽいところがあり、戦争に対して若干カッコつけた見方をしている点。彼女は訓練生たちに「決して無理・ムダな行動はしない」というような教育をしており、感情に流される戦いはしないことから、無駄死にもするはずがないと考えていました。おそらく、リアルな戦争というものを肌で感じたことがないことから、若干それに対しての理想が先行している感じのあるノイン。仕方がないといえばそうなのですが、なんだかなぁ…。

 

トーラスがロールアウトし、いよいよ輸送作戦が翌朝始まるという直前の深夜、パイロットの寄宿舎が襲撃され、大多数の死傷者が発生。これを引き起こしたのは、五飛でした。怒りにかられ、エアリーズで追撃するノインでしたが、五飛にいいようにやられたうえ、シェンロンガンダムの攻撃を受け機体は大破。そのうえ相手からは情けをかけられ、目の前でトーラスの輸送機を破壊されたことで、彼女の心とプライドは、これでもかというほどズタズタにされてしまいます。何とか軽傷で帰還したノインでしたが、ガンダムに対する激しい怒りを燃やしており、自らゼクスとともに戦いたいと希望します。Aパート前半でノインの語った理想や希望は、その直後の五飛の襲撃によりことごとく打ち砕かれることに。しかも、彼から見れば敵の長なのにもかかわらず、「女と弱いものに興味はない」と言われ情けをかけられてしまった彼女は、かなりの屈辱を味わいます。ノインの理想が、全てにおいてガラガラと崩れていくAパート後半。その描き方はスピーディーで見事であり、彼女が“感情”によってゼクスとともに打倒ガンダムに燃えるきっかけを作ると同時に、五飛/シェンロンガンダムの流れるような活躍の演出になっているのがGoodです。五飛の、モビルスーツではなくパイロットを狙うという戦法は、確かにちょっと卑怯なだけど、効果的な手段ではあるよね。そんな五飛、物静かなので割とまともな武闘家タイプなのかと思いきや、ノインに対して「女と弱い者に興味はない」と語りだしたり(その理由は戦士としての情けではなく、倒すと何となくむなしくなるから)、野犬に囲まれた際「弱い者が吠えるな!」と絶叫したりと、なかなか強烈な一面を披露。なんだよ、君はまともかなと思っていたのに、ヒイロたちに負けじと強烈な個性持ってるなおい!

 

ゼクスの報告を受け、ガンダムはガンダニュウム製モビルスーツであることから、コロニー連合が対地球圏統一連合向けに開発した機体であると確信する連合軍。しかし、リリーナの父であるドーリアンは、和平のためになんとか強硬策を避けようとしますが、結局押し切られてしまいます。こうした彼の行動を、レディ・アンの報告で知ったトレーズは、疎ましく思い、彼女にある指示を出します。Bパートでは、連合軍とOZの動きも併せて描写。ヒイロたちの工作活動により大きな痛手を負っている彼らは、コロニー連合に対してますます強硬策をとる方向へとシフトしていきます。唯一ドーリアンは、あくまでも地球と宇宙双方の平和のために手を尽くそうとしますが、会議の流れに真っ向から歯向かう形になり、何より彼はもともとコロニー側の人間であることから、会議の中で完全に孤立してしまう形となります。ドーリアンの意見はまともであり、決してヒイロたちの行動を容認しているものではありませんでしたが、いかんせん発言したタイミングが悪かった。まああれじゃあ、こうした流れになるのもムリないよねぇ。でも、かなり偏った流れになっている会議にしっかりとした一石を投じた、勇気ある行動だったと思いますよ。しかし、そんな彼の行動を皆疎ましく思い、中でも良く思っていなかったのがトレーズ。彼は直接口にしなかったものの、秘書であるレディ・アンに対し、暗にドーリアンを抹殺するよう命令するのでした。トレーズの命令シーンは、口にせずにそれを命令するのはいいのですが、ちょっとカッコつけすぎな印象。この作品のキャラは、どいつもこいつもカッコつけないとダメなのか(ほめてます)?

 

デュオと行動を共にしていたヒイロは、彼の滞在している軍基地に身を寄せ、一人でウイングガンダムを修理中。やがてコクピットに指令が入ったことに気づいた彼は、徹夜してわずか一晩で機体の修理を完成させ、夜明けとともに基地を飛び立ち、シャトル破壊の任務を遂行します。そのさまを見て感心していたデュオでしたが、自分の機体であるガンダムデスサイズがどうなっていたかというと…。ヒイロは、OPを含めた本編開始より15分経過してようやく登場。ウイングガンダムも修理が終わって戦線復帰し、任務を遂行していました。一連のシーンでは、ヒイロの否が応にも印象に残るものが散見。任務遂行時の高笑いは、明らかに主人公というよりかは悪役のボスばりのものだったり、一方で、ウイングガンダムの修理には、こっそりガンダムデスサイズのパーツをちゃっかり頂戴していたりと、冷徹なのかお茶目なのかよくわからなくなってきます。なんで彼の1つ1つのオーバーリアクションがここまで印象に残るのか?その理由は、そのオーバーリアクション自体が強烈だからというのもそうですが、(おそらく意図的に)ヒイロの性格がどういうものかというものがほとんど今まで描かれていないため、視聴者が彼の行動を予測できないというのもあるのではないかと思われます。どちらにせよ、今まで観てきた「ガンダムシリーズ」の中で、一番キャラの個性が強烈だよ、『W』は…。

 

 

 

第5話「リリーナの秘密」

1995年5月5日放送

登場した敵他:リーオー、エアリーズ、トールギス

「リリーナ、よく見ておきなさい。あの地球を外から見ておくということが、どれほど素晴らしいことか。」

 

STORY:地球圏統一連合との交渉が決裂し、リリーナとともにコロニーへと帰還したドーリアン。しかし彼は、トレーズの手先であるレディ・アンが、自身を暗殺せんとしていることに気づいていなかった。彼女の用意した爆弾により、ドーリアンは重傷。偶然難を逃れたリリーナは、コロニー連合所属の男たちとともに、行動を共にすることになる。そこで知る自分の出生の秘密、そしてヒイロの持つ過去。数多の情報にリリーナが圧倒される一方で、新たな任務を受けたヒイロは、OZ補給基地をウイングガンダムで襲撃していた。そこで、デュオのガンダムデスサイズと対峙して―。

 

サブタイトル、そして前回での次回予告の通り、ドーリアンがOZの暗殺計画により死亡し、リリーナが自分の秘密を知る一編。しかし、そうしたことはAパートで早々に描写され、後半にはそれにさらにプラスしてヒイロやコロニー連合の抱える過去・歴史も明かされることになります。今回だけでリリーナとヒイロ、それぞれの秘密は明かされた一方、歴史的な因縁は特に言及されていないことから、リリーナが引き続き自分の意志でヒイロの行動に介入しようとしているのが興味深いところ。これの形をとることで、彼女が自発的に、『W』の物語に入り込んでくることへの説得力を持たせているんですよね。

 

前回、地球圏統一連合との交渉が決裂し、退席まで命じられるハメになったドーリアン。彼はコロニーに戻ることになり、レディ・アンの監視の下、リリーナとともに帰還します。その後、現地で同じ外交事務官とともに連合への誤解を解くための会議を始めますが、ドーリアン自身は浮かない顔をしていました。そんな中、その会議から席を外したレディ・アンは、爆弾を仕掛けたコンパクトを出入口のドアに置き去って…。レディ・アンは、前回トレーズよりドーリアン暗殺を命じられていましたが、地球離脱まではあくまでも「監視役」の立ち位置で彼に同行。コロニー外交官の会議までには出席できなかったものの、なんなくその会場にまでたどり着きます。その気になれば、地球にいる間にドーリアンを暗殺出来たのでしょうが、それをしなかったのは、コロニー内という地球圏外で事を起こすことで「地球/OZは関係ないですよ」というアピールをするためだったんでしょうね。このように、腹に一物抱えるレディ・アンに対し、内心警戒し続けていたのがドーリアン。彼は彼女に対して厳しい視線を向けたほか、外交官会議でも口をつぐんだままでした。コロニー外交官たちの「我々はオペレーションメテオなど知らない!」という大筋の結論に対して、黙ったままのドーリアン。この様子から、彼が実はオペレーションメテオに一枚噛んでいることが暗に示されています。後述するとおり、ドーリアンはリリーナの実父ではなく、元サンクキングダムの元老院の家系の末裔ですが、そんな彼がオペレーションメテオに関わっているということは、この作戦は「コロニー連合の地球圏統一連合からの解放」のほかに、「サンクキングダムの再興」という目的もあるということなのでしょうか。

 

買い物のために外出しようとしたリリーナは、偶然置き去られたレディ・アンのコンパクトを発見。それを彼女のもとに届けますが、それを見た本人は表情を一変させ、ドーリアンたちのいる会議室へと投擲。直後、室内は大爆発を起こし、ドーリアンは瀕死の重傷を負います。父の安否を心配し、そこに駆け込んだリリーナでしたが、事態も飲み込めないうちにコロニー連合の男性陣に引っ張り出され、ドーリアンとともに装甲車の中に乗せられます。その中で彼女は、自分の出生の秘密を、ドーリアン自身の口から聞かされるのでした。リリーナの行動のおかげで、彼女の目の前で暗殺行為(犯人がバレてる時点で暗殺とは言えないけど)をせざるを得なくなったレディ・アン。状況が逼迫していたとはいえ、勢いに任せて会議室に向かって爆弾つきコンパクトを直接投げつけちゃうのには、さすがに笑っちゃいました。いやいや、その気になれば狙撃でも暗殺出来る距離だし、何よりそんなハデなことやると、絶対リリーナ以外に目撃者出ちゃうでしょ!でも、このあとの取材シーンで彼女が何食わぬ顔でインタビューを受けているあたり、あのガバガバな犯行はリリーナ以外にバレなかったんだろうなぁ…。こうしたレディ・アンの一連の工作を目の当たりにしたリリーナは、ドーリアンの安否を心配して真っ先に会議室に突入。彼を病院に連れて行こうとした瞬間、謎の男たちが現れ、彼女とドーリアンともども装甲車の中に連れ込んでしまいます。彼らは、オペレーションメテオの同志たちであり、その装甲車の中で、リリーナは自分の本名が「リリーナ・ピースクラフト」というサンクキングダムの王家の末裔であり、そのサンクキングダムの歴史を知るのでした。サブタイトル通り、ここでリリーナの秘密が判明。しかし、後半でヒイロに関わる話も出てくるからか、思ったよりサラッと流されていたのは意外でした。

 

男性たちに睡眠薬を盛られ、リリーナが目を覚ましたのは、どこかのアジト。彼らのことを全く信用できず、さらにはドーリアンの死を目の当たりにしたことから、彼女はその復讐をまず果たそうとします。ところがその時、ヒイロの名前を耳にして、変わった見た目のドクターJが登場。リリーナに対し、ヒイロの過去やコロニーの歴史を語り始めます。彼からヒイロには近づかないよう忠告されるリリーナでしたが、それを素直に聞く彼女ではありませんでした。Bパートからは、ヒイロの過去とコロニーの歴史が判明。ヒイロはドクターJによって教育された少年スパイであり、そのコードネームは本名ではなく、かつてコロニーの開発と発展に尽力した指導者にあやかったもの。こうしたことを知ったリリーナは、自分の出生よりもヒイロの抱えているものにさらに興味を示し、オペレーションメテオへと介入していきます。ヒイロのコードネームにちゃんと意味があったのはよくわかったけど、元となった指導者は、最期地球圏統一連合に暗殺されてしまっているらしい。非業の死を遂げた指導者の名前がコードネームって、不吉だよねぇ。でもまあ、そうしたものがある意味、時代と大人たちに翻弄されているヒイロの儚さ、そして彼の運命を暗示してる…んでしょうね。このように、一連の因縁を知り、圧倒されるリリーナ。しかし彼女は、これによりますますヒイロという人間に興味を持ち、地球に戻ることにしたものの、ドクターJの忠告も無視してヒイロに会いに行く気満々でした女性であり、どちらかといえばずっと静かな環境で暮らしてきたはずなのに、危険なことに首を突っ込みたがるリリーナ。この積極性には驚かされます。ドーリアンの元という落ち着いたところで暮らし続けてきたゆえに、加減を知らないからという見方も出来なくはないですが―、いや、やっぱりこの行動力は、彼女の強さゆえなのでしょう。

 

とある場所に身を隠していたヒイロは、OZの補給基地の襲撃の任務を受け、ウイングガンダムで出撃。時同じくして、デュオたち他のガンダムパイロットも行動を開始します。ヒイロウイングガンダムは単独でその補給基地を壊滅に追い込みますが、最後の司令塔破壊の際に、デュオのガンダムデスサイズと鉢合わせ。対峙する両者でしたが、ヒイロにも今回戦う意思はなく、ガンダムデスサイズのピンチを救って「借りは返した」と言い残して去っていきます。今回はリリーナ中心にお話が進むため、ヒイロは一歩ひいた感じで活躍。中盤からちょくちょく登場するものの、主だった活躍は、この終盤におけるウイングガンダムでのOZ補給基地襲撃のみでした。ウイングガンダム武装であれば、リーオーやエアリーズ程度の攻撃など大きなダメージにならず、一方的な形で戦いは進行。このぶんだと、地球圏統一連合とOZは、ゼクストールギスが完成するまでは、ヒイロたちにやられっぱなしな感じになりそうだなぁ。そんなトールギスは、今回時点でも引き続き開発中。特徴的なマスク部分の開発が進められており、そのパーツの大部分はリーオーのそれと共通していることが描写されます。「トールギスはすべてのモビルスーツの原点」と言われてたけど、このように見て明らかにそれを感じる描写がされるのは、なんとも興味深く感じましたね。

 

 

 

第6話「パーティー・ナイト」

1995年5月12日放送

登場した敵他:エアリーズ、リーオー

「何もわからないまま、死ぬのは嫌だった。でも今は違う。あなたが戦う気持ちがわかるの。私も今…ヒイロと戦っているの。」

 

STORY:ドーリアンを失い、地球の学園に戻ってきたリリーナを待っていたのは、心無いマスコミからの追及と、ヒイロの転校の話だった。ヒイロが新たな任務に旅立つのだと確信したリリーナは、それを直接本人にぶつけるが、彼自身は何も答えず、またリリーナを殺すこともできなかった。そんなときに迫る、OZのモビルスーツ部隊。その狙いは、リリーナの抹殺だ。一瞬にして地獄に変わる学園祭の中で、ヒイロウイングガンダムを駆って部隊を返り討ちにし、そして、リリーナをかばう行動を見せてしまうのだった―。

 

今までは自身の感情を殺しており(というか、感情を表現する方法を教えられていないのか?)、その言葉でしか考えていることや思いを感じ取れなかった主人公:ヒイロ。今回はそんな彼が、リリーナに対する行動によってはじめて人間らしい迷いや葛藤を見せるさまが描かれます。OZ側が最終的には今回の作戦目的を果たせず、主要人物皆生存という結末を迎えますが、それがご都合展開ではなく、きちんとそれぞれの思惑が交錯した結果そうなっているという構成になっているのが巧み。しかも、登場人物それぞれが、互いにそうなった経緯の本当の理由(それぞれの思惑)をつかみ切れていないというのも、駆け引きを生み出しており興味深いです。

 

ドーリアンを失い、再び地球の学園に戻ってきたリリーナ。彼女を待っていたのは、容赦ないマスコミからの取材と追及の嵐でした。彼女はそれを振り切って自宅に戻り、ドーリアン夫人と再会しますが、真実に触れようとする夫人に対し、自分はドーリアン夫妻の娘だと信じたい気持ちを抑えきれませんでした。一方のOZ側は、ドーリアン暗殺の目撃者であるリリーナの抹殺を計画。モビルスーツを5機も用意し、準備は万端に思われましたが…。マスコミの追及に沈黙し、地球の自宅へと戻ったリリーナ。彼女を待っていたのはドーリアン夫人であり、ドーリアンと同じくリリーナの真実を語ろうとしますが、リリーナはそれを遮るように夫人の胸に飛び込みます。このときの彼女はやはり、自分はドーリアン夫妻の子であるということを信じ続けていたかったのでしょうね。でも、おそらくこの『W』の物語は、彼女の思いとは対象的に、ピースクラフト家の娘として、戦いに巻き込んでいくんだろうなぁ。そんな彼女の真実をまだ知らず、「ドーリアン暗殺現場の目撃者」として、抹殺を企んでいたのがレディ・アン。その素性調査を済ませていた彼女は、学園でそれを実行に移そうとトレーズに打診しますが、返ってきた作戦遂行のための装備は、モビルスーツ5機というかなりのものでした。「万が一ガンダムが来たら」として、過剰とも言える装備を送ったトレーズ。ヒイロとリリーナの関係に気づいているのかなと思ったけど、今回全体を観たあとに改めて考えると…単に用心のためだった感じが強いですね。

 

学園祭に沸く学園に戻ったリリーナが耳にしたのは、ヒイロの転校の話。いてもたってもいられなくなった彼女は、直接彼の部屋に乗り込み、問いただします。ヒイロはそんなリリーナを射殺しようとしますが、ドクターJの話が出たとたんに動揺を見せ、リリーナはそれによりヒイロにも人間らしい感情があるのだと確信します。そしてそのまま、学園祭のダンスに出席することになるのでした。同じ頃、五飛はOZの基地を襲撃し、トロワはサーカス団の一員としてサーカスに出ており…。以前と同じく、学園のサーバーに不法侵入し、あらゆる情報を書き換えて全ての準備を整えるヒイロ。やっぱりこの学園、セキュリティがガバガバすぎるよね…。こうした工作をひと通り終えたヒイロは、あとは学園を抜け出すだけでしたが、そこへ現れたのが、転校の噂を聞きつけたリリーナ。ヒイロの正体を知る彼女は、素直に自分の疑問をぶつけます。この機に乗じて彼女を射殺しようとしたヒイロでしたが、ドクターJの名前が出たとたん、明らかな動揺を見せるのでした。今までは感情を殺し、任務を遂行するマシンのような感じだったヒイロが、初めてリリーナに対してその感情を見せた瞬間。ここに彼の人間味が感じられるように思います。けっこう素直に動揺し、それを隠そうとしても隠しきれず、最終的にはなし崩し的にリリーナと学園祭のダンスに出ることにしているあたり、本来のヒイロは、割と優しい少年なのかもしれませんね。他方、別の任務を受けたり、潜伏のために行動を続けたりしていたのが、五飛とトロワ。先述のとおり感情を見せたヒイロに対し、この2人は感情を押し殺しながら行動しているさまが描かれており、良い対比になっていました。まあ、五飛は過去に感情を出したり強烈な発言をしたりしてる描写もあるけどね…。

 

レディ・アン率いるモビルスーツ部隊は、リリーナの学園上空に到着。すぐにエアリーズとリーオーを放ち、襲撃を開始します。突然の攻撃を前に、学園祭が一瞬にして地獄に変わる中、ヒイロはOZが自分の潜伏に気づいたのだと誤解し、すぐさまウイングガンダムで応戦。ウイングガンダムにとってOZのそれらモビルスーツは敵ではなく、次々に容赦なく撃破していきますが、リリーナの姿を目撃した際、敵撃破よりも彼女の保護を優先してしまいます。後半より、OZによるリリーナ暗殺のための学園襲撃が開始。これに立ち向かったのはヒイロウイングガンダムであり、エアリーズやリーオーを次々に撃破していきます。結果的に今回も戦うことになった両者ですが、その目的と相手の行動に対する理解がお互い違っているうえ、それに対する推測が間違っている形になっているのが、興味深いポイント。ヒイロとOZそれぞれの駆け引きという構図にもなっていて、非常に面白いです。そして、戦闘は依然ウイングガンダムの優勢で進みますが、これに水を差したのがリリーナの存在。彼女が学園の建物の崩落に巻き込まれそうになった際、ヒイロがとった行動は、それをわざと見過ごして彼女を抹殺するのではなく、シールドで彼女を守るというものでした。自分の頭での考えとは真逆の行動に出てしまったヒイロ。彼がリリーナに対して思うところがあるのは間違いないですが、それはドクターJのことを知られたがゆえの恥ずかしさか、あるいは―。

 

リリーナをかばったことを彼女自身から問われ、また自身でもそのことを自問自答することで、悩みを深めていくヒイロ。そんな中でも容赦なく敵の攻撃は続きますが、ヒイロウイングガンダムはそれにひるむことなく撃破します。そして敵を一掃したのち、ヒイロはリリーナ抹殺の最大のチャンスを迎えますが、彼がとった選択は逃亡。そのさまを見たリリーナは、ヒイロの迷いに気づきます。一方、作戦に失敗したレディ・アンは、自らも出撃してリリーナ抹殺をはかろうとしますが、それを制止したのは、作戦を指示したトレーズ本人でした。リリーナを守ったことで、スキが生まれたウイングガンダム。残った最後のエアリーズは迷わずこれを突いてきますが、その程度の戦術にひるむウイングガンダムではありませんでした。このときのウイングガンダムの攻撃の鮮やかさは、さすがといった印象。だからこそそのぶん、このあとリリーナに対してとる「回答せずにただ逃げる」という行動が、今までのヒイロらしくないと感じさせると同時に、彼の深い葛藤を表現していてGoodです。一方、部隊を全滅させられたレディ・アンは、リリーナ抹殺に固執しており、自らも出撃しようとしますが、それを止めたのがトレーズ。「表向きはガンダム出現という予想外の事態が起きたため」としていましたが、実際はリリーナの素性に気づいたからでした。トレーズはどうやら、前々からゼクスとリリーナに血縁関係があったことを知っていた様子。ということは、ゼクスもまたピースクラフト家の末裔ということなのですね。ピースクラフト家の1人を配下に置き、もう1人の行方もつかんで泳がせているということは、トレーズ、ピースクラフト家という“血筋”を使って、何か企んでるな…?

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第7話から第9話をご紹介予定です。『新機動戦記ガンダムW』。ガンダムの手による、連合軍の抹殺。トレーズの罠が、新たな流血の時代を作る―!

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