今回は、『機動武闘伝Gガンダム』の感想記事第7回目です。
前回より引き続き、ギアナ高地でのドモンの特訓の様子が描写。一応今回ご紹介のお話で、ドモン以外のメンバーはトラウマや課題を克服した形になりますが、逆にドモンにはまだまだ課題や困難が目の前に立ちはだかっていました。
また今回は、特別編である「GUNDAM FIGHTER INTERVIEW」もご紹介。例によってSHIBUYA TSUTAYAにあった当時のCDをレンタルして聞きました。「ガンダムシリーズ」は音源のストリーミング配信も順次行われていて、わざわざ渋谷まで出向かなくてもいいのですが、そのダウンロード販売を買うより、交通費加味してもレンタルしたほうが安いんだよね。
なお、前回(第16~18話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
特別編「GUNDAM FIGHTER INTERVIEW」
1994年8月20日発売
登場した敵他:なし
「この俺がガンダムファイターになるなんて、驚きだぜ。国家の代表ってガラじゃ、ないからな。」
STORY:皆さんお待ちかね!第13回ガンダムファイトが、現在開幕中です。というわけで、ストーカーが、各ガンダムファイターにインタビューを敢行しました。ドモン・チボデー・サイ・ジョルジュ・アルゴ、そしてレイン。どのメンバーも、ガンダムファイトに向けて、アツい思いを抱いているではありませんか!そして、改めて語られる彼らの抱える背景。彼らがガンダムファイト決勝戦に出場すれば、白熱するのは間違いなしだ!
本放送当時に発売されたサウンドトラック「『機動武闘伝Gガンダム』GUNDAM FIGHT-ROUND1 & 2」に断続的に収録されているボイスドラマ。すべて合わせると約14分くらいであり、「GUNDAM FIGHTER INTERVIEW」となっておりますが、実際はリングアナウンサーのストーカーのコール受けて、次々とドモンらガンダムファイターとレインが入場して自分のアピールを行うという形をとっていました。アニメ本編で描かれているガンダムファイトよりも、よりプロレスチックな演出になっていたように感じたなぁ。
現在、第13回ガンダムファイトが開幕中。ストーカーがリングアナウンサーを務めていると、優勝候補とされるドモン・チボデー・サイ・ジョルジュ・アルゴが入場してきます。彼らにインタビューを敢行したストーカーは、最後に、注目すべきサポーターとして、レインを取り上げるのでした。上述のとおり、ストーカーがインタビューをするというよりかは、ストーカーのコールを受けて、各キャラが登場してくるという構成。そのため、各キャラのしゃべりも、ストーカーと会話するというよりも、モノローグ的な感じで挿入されています。ドモン〜アルゴは、概ね初登場時や今までのお話で既に語られていることを、再度コンパクトにまとめて語っているという感じ。対するレインは、自身の感情と本心をぶっちゃける形で話しており、各キャラごとの話しっぷりか多種多様で面白かったですね。でもアルゴ、お前そこまで攻撃的なキャラだったか…?
第19話「激闘!ドラゴンガンダム対ボルトガンダム」
1994年8月26日放送
登場した敵他:ドラゴンガンダム、ボルトガンダム、デスアーミー
「ドモンよ見たか?目前の敵に全神経を集中すればこそ、あれだけのファイトができる。そう。恐れや迷いを断ち切り、技に己の魂を込めるのだ!」
STORY:皆さんお待ちかね!修行中のドモンのもとに現れたのは、なんとサイ。彼もまたデビルガンダムとの戦い以降本調子でなかったため、修行中の身でした。しかし、当の本人は修行にやる気がなく、偶然同じくギアナ高地を訪れていたネオロシア軍、そしてアルゴにちょっかいを出す始末。そんな中、ドラゴンガンダムが、ネオロシア軍を業火に包んだというではありませんか!果たしてこれは、サイのいたずらが行き過ぎた結果なのでしょうか?そして始まる、ドラゴンガンダムとボルトガンダムのガンダムファイト!そのファイトの最中、真犯人が姿を現したぁ!
サブタイトル通り、サイ/ドラゴンガンダムとアルゴ/ボルトガンダムの主役回。彼らのデビルガンダム、そしてガンダムファイトに対する考え方とそのスタイルを対照的に描くことで、ドモンが修行を達成するための1つのヒントを得るという構成になっているのが、よくできているなぁと感じました。中盤以降はドラゴンガンダムとボルトガンダムのがダムファイトが中心になりますが、これがあるが故に、終盤の戦闘ではシャイニングガンダムが出ざるを得ないという状況を作っているのもGood。『G』って、各メインキャラの見せ場の作り方が、とてもうまいよねぇ。
引き続き修行に励むドモン、シャイニングガンダムの調整に余念がないレイン。そんな彼らのもとに飛び出してきたのは、同じくギアナ高地で修業をしていたサイでした。ところが、当の本人には修行をする気はほとんどなく、逃げ回っているうちにネオロシア軍のキャンプを発見。食料を強奪し、ナスターシャの入浴シーンを目撃しますが、直後発見され、アルゴに追いつめられることになります。アルゴの強い目力から、デビルガンダムのことを思い出したサイは…。序盤から、本来であればいるはずのないサイが、文字通り飛び出す形で登場。持ち前の身体能力を生かして飛んだり跳ねたりしまくりますが、やっていることは恵雲と瑞山の組んだ修行からの逃亡と、ネオロシア軍のキャンプでのいたずらでした。子供らしい無邪気さを見せるサイ。まあ彼のキャラならこういうのもアリかなと思いましたが(やっているのは悪いことばかりだけど)、そうした彼の行動が「デビルガンダムに対する恐れの裏返し」であることもにおわせられているのがGoodです。のほほんとしているように見えて、彼もまたデビルガンダムとの一戦がトラウマになっていたんですね。そんな彼は、ナスターシャから追われている途中で、アルゴと遭遇。技を繰り出しても全く通用せず、さらにその目つきからデビルガンダムのことを思い出し、急流に転落してしまいます。
急流に転落したサイでしたが、負傷程度で済んで無事。恵雲と瑞山からそのことを注意された彼は、今度はムキになったアルゴにガンダムファイトを申し込みます。ところが、当のアルゴはそれを拒否。その後、修行を続けていたドモンと偶然再会したアルゴは、サイとのファイトを断った理由を語り始めるのでした。恵雲たちに指摘され、さらに自分のデビルガンダムに対する恐れを払拭するため、勢いでアルゴにガンダムファイトを申し込むサイ。しかし、アルゴには自分自身が本調子でないことを完全に見抜かれており、断られてしまいます。このシーン、そして直後展開されるドモンとのシーンでは、珍しくアルゴが積極的に話す描写が挿入。今までのメイン回の中で、一番しゃべってる感じがしたなぁ。そんなアルゴ曰く、ドモンとのガンダムファイトはとても楽しかったけれども、基本的には戦いに楽しみを感じたことはなく、また好戦的な性格でもないらしい。本当、ますますなんで宇宙海賊やってたのかが気になるな…。
恵雲たちがナスターシャにガンダムファイトを依頼した直後、ドラゴンガンダムと思われる影がネオロシア軍のキャンプを襲撃。これに怒り狂ったナスターシャは、アルゴにサイの襲撃を指示します。完全にレインのもとで休んでいたサイは、突然の彼の襲撃に驚いたものの、求めていたガンダムファイトができることになったため喜んで応戦。しかし、彼の戦いにおける動きはムダが多く、緩やかに劣勢になっているのは、現れたシュバルツ、そしてドモンたちの目には明らかでした。後半より、ナスターシャの誤解をきっかけとしたドラゴンガンダムとボルトガンダムのガンダムファイトが展開。攻撃を繰り出す数そして動きは前者の方が多かったものの、そのほとんどは後者に通じておらず、だんだんサイは劣勢に追い込まれていくことになります。戦闘スタイルも正反対の両者をぶつけ、さらにシュバルツによる解説も挿入することで、両者の見せ場を作り上げているのが秀逸。アルゴも今までになく感情を爆発させながら戦っており、現状サイよりもいろんな意味で勝っていることを感じさせてくれます。そう、彼にとって一番イヤなのは、仲間たちが攻撃されることなんですよね。それはたとえ、自分を拘束しているナスターシャらネオロシア軍であっても―。
長く続くガンダムファイトで、傷ついていくサイとアルゴ。そんなとき、キャンプ襲撃の犯人であるデスアーミーが出現し、ドモンたちに襲い掛かってきます。サイたちが戦えない状態であるため、ドモンとシュバルツが応戦。ところが、シャイニングガンダムは調整中であったことから、ドモンは思うように機体を動かせずピンチに陥ります。しかし、ここはシュバルツからの教えを思い出し、渾身のシャイニング・フィンガーを発動。デスアーミー最後の1体を倒してレインを守り切り、さらに今回のガンダムファイトを通して、サイとアルゴの間に絆が生まれるのでした。ネオロシア軍のキャンプ襲撃の犯人は、デスアーミー。その詳細な目的は不明ですが、おそらくサイとアルゴの戦いを誘発させ、相討ちを狙ったのでしょう。そんな今回のデスアーミーは、以前のマスターガンダムに擬態した時と同じく、コスプレをしているような形で登場。前も思ったけど、けっこうかわいい感じしてるよね君。こうしたデスアーミー軍団に対し、立ち向かうのがドモン/シャイニングガンダムとシュバルツ/ガンダムシュピーゲル。しかし、シャイニングガンダムは調整中であったためまともに使える状況ではなく、シュバルツが一歩引くのを指示するほど。ですが、最後の最後で根性を見せたドモンが、シャイニング・フィンガーを繰り出し、デスアーミーを倒します。シュバルツの教えをヒントに、身体が思うように動かない状況下でも戦って見せたドモン。今回スーパーモードは発動しませんでしたが、彼が成長しているのをひしひしと感じられる描写でしたね。
第20話「ジョルジュよ、悪夢を打ち砕け!」
1994年9月2日放送
登場した敵他:ミラージュガンダム/ジャン・ピエール・ミラボー、ガンダムマグナート/チェルシー・ワレサ(ネオポーランド)
「討つべきものは、ミラージュではありません!あなたの心に巣食う悪魔です!」
STORY:皆さんお待ちかね!レインが偶然目撃したのは、同じくギアナ高地で修業に励むジョルジュ。しかし彼は、デビルガンダムとの戦い以降すっかり覇気を失っており、さらに1年前の「マルセイユの悲劇」の記憶に悩まされていました!一時の感情で執事のレイモンドを解雇してしまい、どんどん自分を追い詰めていく中、かつて代表争いをしたジャン・ピエール・ミラボーが刑務所から脱獄、ジョルジュへの復讐のために地球にやってきたというではありませんか!そんなミラボーのミラージュガンダムから襲撃を受けても、手も足も出ないジョルジュ!ガンダムファイターとしての誇りを、彼は取り戻すことができるのでしょうか!?
前回と似て、サブタイトル通りのジョルジュ主役回。前回以上にドモンがほぼ脇役に徹する形になっており、ジョルジュの現状の問題や抱えている過去が詳細に描かれ、それを踏まえてミラージュガンダムとの一戦でそのすべてを克服するさまが描かれていました。今までのドモンのライバルたちの中で、ジョルジュは一番デビルガンダムに対して恐れを抱いていたけど、まあ今回明かされた過去がなかなかのものだったから、むしろ今までよく平静を保っていられたなと感心しましたね。
ギアナ高地を航行していたレインが偶然見かけたのは、修行に励むジョルジュの姿。しかし、彼は明らかに本調子ではなく、剣術の修行には全く身が入らず、レイモンドのバトラーベンスンマムに対して突然異常なまでの恐怖を覚えるなどしていました。そんなジョルジュのことを思い、レイモンドはあの手この手を尽くしますが、どれもイマイチ上手くいかずじまい。万策尽きたレイモンドは、ドモンたちにその助けを求めるのでした。今回は、ジョルジュ側のシーンから物語がスタート。レイモンドの教習用モビルファイター:バトラーベンスンマムで修業をしますが、レイモンド彼の間ではレベルの差は段違いであり、あまり成果にむずびついてはいませんでした。序盤の一連のシーンでは、デビルガンダムに恐れおののくジョルジュの姿もインパクトが大きいですが、それと同じくらい印象に残ったのが、レイモンドの奔走っぷりと、感情の豊かさ。偶然出会ったレインに頼んで、一緒にご飯を共にしますが、ジョルジュにすべてを見抜かれた時の反応が、かなり笑えます。レインに先に逃げられてしまい、「ズルい…」と小声で文句を言う姿、ちょっとかわいかったなぁ。レイモンドも、なかなか人間味のある人物ですね。
デビルガンダムの幻影にジョルジュがおびえている頃、彼の今までの戦闘データを見せられ、ここ最近の戦闘スタイルとその過去に驚くドモンたち。これらをもとに、レイモンドはドモンたちに協力を求めますが、ドモン自身はこれを拒否します。そこへジョルジュも現れ、レイモンドの優しさを知りつつも、勝手な行動を連発したことを重く見、クビを言い渡します。Aパート後半で明かされる、ジョルジュの抱えているもの。デビルガンダムの一戦は彼に凄まじいトラウマを与え、そのファイトスタイルを変えてしまったとともに、「マルセイユの悲劇」の記憶も呼び起こしてしまっていました。デビルガンダムの一戦以降、シャイニングガンダムのシャイニング・フィンガーを模倣したような、頭部を執拗に狙うファイトで勝利を重ねてきたというジョルジュ。もう、騎士道精神のかけらもないじゃん…。そんな彼の中で大きな足かせになっていたのが、デビルガンダムとの戦いで呼び起こされてしまった「マルセイユの悲劇」の記憶。彼はネオフランスの代表を決める決勝戦で、ミラージュガンダム/ジャン・ピエール・ミラボーと戦っていましたが、ミラボーは客席を背後にとって相手の攻撃を封じようとする極悪ファイター。それでも、自身のファイトと国王の呼びかけによりジョルジュは勝利をつかみますが、逆上したミラボーの攻撃等で競技場が破壊され、甚大な被害が出ていました。競技場の破壊は、結果的にジョルジュがかかわってしまったところもあり、確かにこんなこと経験してたらトラウマになるよなぁという印象。デビルガンダムとの戦いまで、その記憶を何とか胸の奥底に封じ込めてたらしいけど、本当ならジョルジュ、大した精神力の持ち主だよ。
ジョルジュからクビにされ、ヤケ酒をあおっていたレイモンド。しかし、酒場で見かけたニュースで、ミラボーがミラージュガンダムを強奪して脱獄したことを知り、急いでジョルジュの下へ向かいます。しかし、ミラボーは既にジョルジュを襲撃しており、それに対してジョルジュは、恐怖で手も足も出ずじまい。やむを得ずドモンもシャイニングガンダムで救援に駆け付けますが、それをシュバルツのガンダムシュピーゲルが止めるのでした。ミラボーは「マルセイユの悲劇」ののち投獄されていましたが、ジョルジュへの復讐を誓って脱獄。そのニュースをいち早く知ったのはレイモンドでしたが、彼が駆け付けた時、ジョルジュはもうミラボーの襲撃を受けていました。普通ならすぐ反撃しそうなジョルジュですが、すっかり過去の記憶とトラウマにメンタルをやられているため、ろくに反撃できずじまい。ドモンのシャイニングガンダムによる応援と、レイモンドの呼びかけが無ければ、本当にやられているところでした。レイモンドはバトラーベンスンマムで駆け付けますが、かなりの山谷を必死の思いで越えてきており、このシーンがまたギャグっぽくて笑えるポイント。あれだけの難所をなんだかんだで突破してくるなんて、バトラーベンスンマム、意外に性能がいいのかも…?
レイモンドの必死の呼びかけで、闘志を取り戻しガンダムローズで立ち上がるジョルジュ。ミラボーはDG細胞に感染しており、彼を倒すため、ジョルジュは悪役レスラーのような壮絶な戦いっぷりを見せます。やがてDG細胞による自己再生も追いつかなくなり、戦いはジョルジュの勝利。しかし、それでもジョルジュの暴れっぷりは止まらず、ミラージュガンダムを完全に破壊しようとします。それを見かねたドモンは、シャイニングガンダムで羽交い絞めにしたとき、初めて平常心でスーパーモードが発動。ドモンの行動と言葉に正気を取り戻したジョルジュは、シャッフル同盟の力でミラボーを浄化し、しかるべき処置をとることにして、事件は解決します。レイモンドのおかげで戦いに臨む力を取り戻したジョルジュでしたが、そのファイトスタイルは残虐ファイトそのもの。それを止めたのは、ドモンの心からの思いでした。このシーンは、ジョルジュの立ち直りとドモンのさらなる成長を描いており、かなり見ごたえのあるシーン。各ガンダムの頭部がアップで映るカットも多めで、そのディテールを楽しむこともできましたね。そして、この時発動したのが、スーパーモード。ドモンは決して感情に支配されることなくこれを発動させていましたから、これを完全に使いこなす日も近い…のでしょうか。こうしたドモンたちのバックアップを受けて、ジョルジュはミラボーを浄化して救出。ようやく本調子を取り戻し、完全に立ち直るのでした。今回をもって、ドモンのライバルたちの立ち直りが完了。あとは、ドモン自身が修行を終えるだけだな…!
今回はここまで。次回は、第21話から第23話をご紹介予定です。『機動武闘伝Gガンダム』!次回もこのブログで、レディ・ゴーッ!!
bongore-asterisk.hatenablog.jp
『機動武闘伝Gガンダム』の本編は、各種サイトで公式配信中!↓コチラもチェックだ!
☆ガンプラ Pick Up!
『Gガンダム』に登場したモビルスーツのガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
Twitter & Instagramやってます。よろしければ↓閲覧&フォローの方お願いします!