なんだかんだで皆ストイックな、GUTS-SELECTの面々たち
彼（ソウマ）は見つめる天才です。全てを見つめ、一人で任務を完ぺきにこなそうとする。だが同時に、それは彼の弱点―もろさでもある。今回の『ウルトラマンデッカー』は、サブタイトル通り地底怪獣が大量登場するお話。事前に『宇宙船』等で、パゴスとグドンの出現についてそれっぽい情報得てはいましたが、それ以外にテレスドンやツインテールまで登場し、デッカー側の味方としてアギラまでデビューさせるとは思ってもみませんでした。登場怪獣の種類だけ考えると、『マン』の「怪獣無法地帯」級ですよね。
特撮描写にも力が入れられており、前半のパゴスの市街地での暴れっぷり、そして後半の地底空間での合成を駆使した戦闘シーンは、ともにダイナミックさ抜群でGood。これらのせいで、ソウマにかかるドラマの影が若干薄まっているようにも思えましたが、こちらもしっかりと描かれていたと感じました。
なお、前回（特別総集編1）の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
前々回のイチカ回に続き、メインキャラの1人であるソウマにスポットを当てたお話。しかし、それに関する描写は最低限に抑えられており、メインは、大量に登場する地底怪獣たちの暴れっぷりにありました。あれだけ地底怪獣がうじゃうじゃいたら、超臨界メタルの工場や、ササメダケの花が咲く前から、何か異常が起こってそうなものだけど…、まあ、そこはツッコんでも仕方ないか。
ササメダケの花が、久しぶりに開花。それは元来、不吉なことの前兆を意味するものとされていました。事実、パゴスの活動が確認されていたため、カナタとソウマが現地で調査を開始。その最中パゴスが出現し、カナタが避難誘導に当たっている間、ソウマは孤軍奮闘するも、崩落した工場の瓦礫の下敷きとなり負傷してしまいます。序盤の早い段階で、ササメダケの開花やパゴスが登場。すべての原因が、この街に建設された超臨界メタルの関連工場ではないかということも、Aパート段階で明示されており、今回の重きがお話よりも地底怪獣の大量登場に置かれていることがうかがえます。街でカナタが聞き込みをした際、老婆が「土地神様が怒って」天変地異が起きると言っていましたが、スフィアの襲撃を受けて1年以上宇宙との交信が途絶えている現状を踏まえると、もう既に天変地異は起きてる気がしないでもないけど…。そうした中で、出現し暴れまわるパゴス。カナタに避難誘導を任せ、ソウマは携帯していた武装のみで単身挑みますが、当然かなうはずもなく、瓦礫の下敷きになってしまいます。ソウマの奮闘は、このあとの展開にも繋がるし、彼の性格的に納得できる行動ですが、それでも若干ムチャしてたなぁという感じは否めなかったですね。そんなソウマを助けにきたカナタは、彼の身体を揺すって生死を確かめます。でもさ、まずは瓦礫をどけてあげたほうがいいんじゃないか（出血の度合い等によっては危険こもしれないけど）？
ケガの手当を受け、カイザキ副隊長から休養指示が出ているにも関わらず、日々のトレーニングに励むソウマ。そんな彼の姿と語りから、カナタは彼の抱える事情や思いを知ります。そして、復帰したソウマは、ガッツファルコンで再び調査を開始。そのとき、またもパゴスが出現します。カナタがデッカーに変身して挑みますが、敵怪獣は、実はパゴスだけではなく…。中盤で、ソウマが自力で完璧に物事をこなす理由が披露。彼の家が裕福であったため、そうした経験に乏しく、またGUTS-SELECTが人命救助も担当することから、ミスは絶対に許されないという思いからでした。理由としては、ムリのない納得がいくものでしたが、そこまでインパクトのあるものでもないかなぁという感じ。第2話での含みを持たせた表現は、別に今後何かを狙ったものではなかったんですね。そんなソウマとのやり取りを経て、再びパゴスが出現するシーンへ移行。今回はカナタもデッカーに変身して挑みますが、途中地下から伸びるムチが！その正体は、グドンでした。パゴスと早期決着がつけられなかったため、グドンも一緒に相手にするハメに陥ったデッカー。ストロングタイプに早めにチェンジしておけば、パゴスをスピーディーに撃破できたかと思われますが…、まあ、これも仕方ないか。
グドンはパゴスとともにデッカーを地底空間に引きずりこみ、さらにその空間内ではテレスドンやツインテールがいたため、デッカーは大ピンチ。しかし、ガッツファルコンで空間に突入したソウマのアシストと、上空からのネオマキシマナースキャノン発射、さらにモンスディメンションカードによるアギラの召喚で、パゴス・テレスドン・ツインテールは撃破。これにより形勢逆転したデッカーは、ミラクルタイプにチェンジして、グドンを撃破します。こうして事件は解決し、今回の経験を通して、カナタはソウマの新たなる一面を知るのでした。終盤では、地下空間の戦闘描写がメイン。デッカーも、アギラを召喚するなどして自力で突破口を開こうとしていましたが、今回はGUTS-SELECTの協力がなければ、まず切り抜けることは出来なかったであろう戦いでしたね。詳細は後述しますが、ガッツファルコンが地底空間に突入してアシストしたり、打ち込まれたマーカーめがけてナースデッセイ号がネオマキシマナースキャノンを発射するさまは、見事な連携プレーとしか言いようがないでしょう。そして最後は、満を持してデッカー ミラクルタイプがグドン相手にフィニッシュ。わざわざ空中にワープして決着をつけるという豪華っぷりでした。
◎特撮面
地底怪獣がモリモリと出現しそれとの怪獣プロレスがメインとなった今回。中盤以降の戦闘では、ミニチュア特撮よりもそういったバトルが中心となるため、そのぶん序盤のパゴス登場シーンにそうしたものを割り振っていたのが、良い配分でしたね。それにしても、やっぱりナースデッセイ号のネオマキシマナースキャノン、強いなぁ…。
ササメダケの花の開花と呼応するように出現したパゴス。その真の狙いは、本来地下深くで食用としていた超臨界メタル。それを求めるパゴスは、街に出現してはその工場付近で暴れまわり、関連施設を破壊し、カプセルを強奪して地下へと消えていきます。最近の「ニュージェネレーションヒーローズ」作品で出番が多く、すっかり定着したパゴスですが、今回は今まで登場した度の個体よりも、ダイナミックに暴れてくれていた印象。特に、カプセル強奪時にビルに頭を突っ込んで破壊するシーンは、圧巻でしたね。この前後に挿入されていた、地面が目繰り上がるような描写（おそらくグドンのもの）も、臨場感あってGoodでした。
三度登場したパゴス相手に、カナタはデッカーへと変身。そのパワーに押されながらも戦いますが、それを邪魔するかのようなムチが地下から生え、地底空間へと引きずり込まれます。その正体はグドン。しかも、同じ空間内にはテレスドンやツインテールもいました。ピンチに陥るデッカーを、ソウマのガッツファルコンが果敢に支援します。中盤の戦闘は、ミニチュア特撮よりも怪獣プロレスを優先。市街地での戦闘シーンでは、遠目から撮影しておりウルトラ広場も見えかけていたので、「今回はそういう感じで来るのかな」と思っていたら、この後地下空間での壮大なバトルが待っていました。地底空間でのバトルは、合成を多用してかなり広く見せ、そして怪獣もどんどん出てくるので見ごたえ抜群。ガッツファルコンの、地底空間をものともしない援護射撃も、メチャクチャカッコよかったです。
す追い詰められたデッカーは、アギラを召喚してテレスドンの撃破に成功。続いてソウマのマーカーによる誘導をもとに、ナースデッセイ号バトルモードよりナースキャノンが放たれ、ツインテールの群れとパゴスが一気に倒されます。こうして残ったのはグドンのみ。デッカーはミラクルタイプへとチェンジし、グドンを上空へワープさせたうえ、レアリュートウェーブでとどめを刺します。今回だけで事件を完全解決させないといけないため、終盤では巻き気味に怪獣たちを次々に撃破。アギラがテレスドンを一撃で撃破という、かなりのファインプレーを見せているのですが、その後のナースデッセイ号の活躍のインパクトに押されちゃった感がありましたね。そして、これを機にデッカーが形勢逆転し、最後はミラクルタイプでフィニッシュ。地底空間内でも十分決着をつけられたはずですが、あえてわざわざ上空に飛び出して攻撃していたのはトリッキーかつダイナミックでGoodでした。
地下で確認された謎のエネルギー。それは、かつて倒されたはずのメガロゾーアのものなのか？デッカーがピンチに陥るとき、宇宙からあの巨人が帰ってきた。その名は…ウルトラマントリガー！
次回は、トリガーゲスト出演回の前編。次回予告を観ていると、ケンゴだけが先行して帰還するような感じになりそうです。他の先代GUTS-SELECTのゲスト出演も確定してるけど、相変わらず地球はスフィアのバリアに覆われたままのはずだし、どうやって帰ってくるんだろう？
読むしかねぇ…。第7話の感想記事も、読むしかねぇんだ！
bongore-asterisk.hatenablog.jp
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