繋がらなかった兄妹の手
俺は英雄なんかじゃない!ただの…小説家だ!『仮面ライダーセイバー』も、いよいよ大詰め。今回は、前回ストリウスが出現させた賢神たちを、賢人たちが撃破し、またストリウスの持論を飛羽真が否定して見せる展開が描かれました
中盤におけるストリウスへの飛羽真の反論こそ、今回のお話の肝。これは、脚本家(今回は長谷川さん担当)も創作者の一人であることだからゆえに書ける理論と言えるでしょう。飛羽真がいいことばかり言いすぎて、セリフが終始説教臭いのは気になりましたが、それを通して「伝えたいこと」がひしひしと感じる一編になっていました。
なお、前回(第45話)の記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
仲間たちの思いと犠牲により、ようやくストリウスのもとへとたどり着いた飛羽真。しかし、既にボロボロだった彼は、ストリウスにまともに対抗できる力はほとんど残されていませんでした。しかし、それでもあきらめることはない飛羽真。それに呼応するように、亮たち他の剣士たちも、奮戦の末賢神たちを打ち破るのでした。中盤以降は飛羽真とストリウスのやり取りが中心になるため、他のライダー/剣士たちの活躍は、この前半に集中。前回残った3体の賢神たちのうち2体が、亮と大秦寺、神代兄妹の捨て身の攻撃により撃破されました。特に、後者が賢神を撃破した直後、手をつなごうとした直前でこと切れるのが、悲壮感を演出していてGoodでしたね~。でも多分、彼らはこのまま死亡退場…ってわけじゃあないんだろうなぁ。ここ最近の平成ライダーのTVシリーズで、味方側のライダーがそうした退場をしたのってあんまりないから、多分次回(最終回)で全知全能の書か何かのおかげで復活するんじゃないかな。
決戦の直前に、自分の過去と経験を、全知全能の書と絡めて話すストリウス。彼はこれで飛羽真の心を完全にへし折ったと思い込んでいましたが、この程度で折れる彼ではありませんでした。そしてこの間に、芽依も自分にできることを考えて奔走。彼女がたどり着いたのは、見慣れた月刊グリムの編集室でした。先述の通り、中盤における飛羽真とストリウスのやり取りこそ、今回のお話の一番大事なポイント。ストリウスは全知全能の書の存在を知ったことを経て「自分の物語は与えられたもの」であるとマイナス思考をしますが、飛羽真は、その物語を「読んだ人だけ新たな物語が生まれる」と言い、ストリウスの理論を否定します。これこそ、脚本家もまた創作者の一人であるがゆえに、編み出せる理論ではないでしょうか。小説であれば探偵もの、ドラマであれば刑事ドラマやヒーローものなどは、昔からこれでもかというほど作られてきたジャンルであるのにもかかわらず、未だに新しいものが作られ、そしてそのたびにそれに触れる者たちを楽しませているのはなぜでしょうか?それはやはり、創作者の数だけ同じジャンルでも様々な切り口があるし、また読者・視聴者の数だけ、それを受けて感じる物語があるからなのです。さらっと流されていましたが、このあたりはまさに、創作における“真理”が語られていたなと感じましたね。
交渉が決裂したと言わんばかりに、飛羽真に襲い掛かるストリウス。これに対し、飛羽真はクロスセイバーへと変身して立ち向かいます。聖剣の力を駆使して応戦する彼でしたが、ストリウスの作った巨大な穴の中に落ちていってしまい、生死不明となってしまうのでした。今回のセイバー(クロスセイバー)の戦闘シーンは、ここのみ。他の剣士たちの聖剣を使うたびに、各メンバーの姿がカットインしてくる描写は良かったですね。しかし、そんなクロスセイバーの奮戦むなしく、ストリウスの手に落ちてしまうことに、ここから、クロスセイバー/飛羽真は、同反撃するのか―。
ストリウスの影響により、崩壊していく世界、そして消えていくノーザンベースの本の数々。それでも飛羽真は、あきらめずにストリウスに立ち向かっていく!倫太郎と賢人が駆けつける中、彼らに奇跡は起きるのか!?
8月29日の放送回は特別編になる予定のため、次回が『セイバー』本編の最終回。ここから飛羽真がどう逆転するのかも気になりますが、それよりも、どうやって『セイバー』の物語を完結させるのかが気になります。これ、本当に30分枠で終わるのか…!?
…というワケで、記事は「『機界戦隊ゼンカイジャー』第23カイ ちょっとした感想」に続きます。
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