今回は、今年11月7日より東京ドームシティ内のGallery AaMoで開催されている、「かいじゅうのすみか」のレポートです。
円谷プロ公認の空想科学絵本『かいいじゅうのすみか』を原作とした、体感型エンターテインメント展示である本イベント。ホームページや事前告知では「けっこうファンタジーな世界観の展示になるのかな」と思いましたが、実際は想像を超える“アンバランスゾーン”が展開する展示になっていました。いい意味で予想を大きく裏切られたよ、このイベントにはね。
入口から入ると、いきなり館内は真っ暗。照明もほとんどない中手探りで進むと、まず現れるのが「アンバランスゾーン」です。まるでCG合成のような光の幻想的な空間が広がっていますが、これはすべて天井付近にある発光器から放たれるレーザー光と、ミストのみで表現されています。
展示空間自体はそんなに広くないのですが、このレーザー光の演出が、空間に奥行きを与えてくれています。発光器に近づいたとき、「こんな小さいものとミストだけで表現しているのか!」と驚きました。
続いて展開されるのが、「ユートピア」。ここでは、両面に張られたレイヤー構造空間カーテンに、モルフォ蝶が飛ぶ幻想的な空間が投影されています。
モルフォ蝶は触ると光って消滅するというギミック付き。また触らなくても、モルフォ蝶は自然に光になって消滅していきます。この消えるさまが、キレイながらもどことなくちょっぴり不気味さも感じるような演出に。モルフォ蝶の特色をよく表しているような気がしました。
ユートピアを抜けると、レッドキングやエレキング、そしてムクムクがいる少し広いエリアへ。ムクムクはぬいぐるみのため動きませんが、レッドキングとエレキングはロボットになっており、プロジェクションマッピングによる演出にあわせて動く仕組みになっています。
このプロジェクションマッピングがまた幻想的。レッドキングは火山地帯の演出が、エレキングはオーラを纏って電撃を放つさまがそれぞれ表現されており、カッコよさが爆発しています。
館内は演出なのか妙にひんやりとした空気が流れており、これが演出に独特の「不可思議さ」をプラスしてくれていました。
レッドキングたちのエリアを抜けると、今度はバルタン星人やピグモンのいるエリアへ。ここでもまた、プロジェクションマッピングが効果的に使用されていました。
特に驚いたのは、バルタン星人の素早い動き。「投影された人や物体が動く」という演出はプロジェクションマッピングではよく見られるものですが、このバルタン星人の動きは尋常じゃないくらい素早いです。なんでも、「高速ムービングミラー」という技術を併用しているらしい。こんなことも今はできるんだなぁ。
「かいじゅうのすみか」最後の展示は、怪獣探検家チャックという人物の探検家ラボ。ここでは探検家の研究室が大掛かりなセットで組まれている他、様々な怪獣に関する資料が展示されています。
メジャーな怪獣の情報はもちろんのこと、研究資料や標本の中にマイナーだったりあまり知られていなかったりするような怪獣がいるのがポイント。『ザ☆』や『ネオス』、そして『ミラーマン』の怪獣まできちんと取り上げられているのにはビックリしました。
展示されている標本や資料も、リアルさ重視で作られているためどこか不気味。スペースビーストの標本ばっかり集めてるなんて、気味が悪いなぁ…。
「かいじゅうのすみか」は、来年(2020年)1月26日まで開催中。正直、入る前は「入場料金1,900円は高いだろ!」って感じていましたが、いざ展示を見てみると、その値段にも十分納得ができる素晴らしい出来でした。
幻想的で、しかしどこか不気味なこのアンバランスゾーン―。体験しないのはもったいないですよ。
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