『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』第51話(終)　ちょっとした感想

快盗VS警察は続くよいつまでも

番組は変わって、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』です

お前は気づいていなかったんだ。老いた身体が、想像以上にコレクションの力に支えられていることに！『ルパパト』もとうとう今回で最終回。Aパート・Bパートを使ってドグラニオとの最終決戦を描き、そしてCパートを使って後日譚をも挿入するなど、視聴者を飽きさせない見ごたえ十分な展開になっていました。それでいて、それぞれの要素が無理なく挿入されており、登場人物たちの行動・やり取りもテンポよく進行。ここ数年間のスーパー戦隊シリーズの中では、最も完成度の高い最終回であったように感じましたね。ありがとう、ルパンレンジャー！ありがとう、パトレンジャー！！

前回、ドグラニオの金庫の中でザミーゴを撃破したルパンレンジャー。しかしその金庫内から脱出することはできず、ドグラニオを倒すことをパトレンジャーに託します。一方、必死になって戦い続けるパトレンジャーでしたが、コレクションの力を駆使してくるドグラニオに対してはやはり苦戦気味。そんな中、ドグラニオ自身に異変が起こり始めて…。前回がルパンレンジャーの戦闘中心だったのに対し、今回はパトレンジャーがその中心。しかし、だからと言ってルパンレンジャーがただぼーっとドグラニオの金庫で待っているというわけではなく、コグレからもらっていた台帳の力を利用し、内部にあったドグラニオのルパンコレクションを大量に倉庫に転送する形でパトレンジャーの戦闘をアシストしており、この展開には素直に唸らされました。いやあ、この流れを観たときには、さすがに「おお、その手があったか！」と思わず声を出してしまいましたね。一方、もちろんパトレンジャーも負けてはおらず、少ない武装で必死にドグラニオに抵抗。中盤で見せた素面名乗りによる変身も気合十分であり、迫力がありました

ルパンコレクションを使ってパトレンジャー(パトレン1号)がパワーアップし、ドグラニオを追い詰めていく展開は、ストレートで視聴者をアツく褪せてくれますが、ここで興味深いのが、併せてドグラニオの弱体化理由にも触れていること。彼はいつの間にかルパンコレクションの力に頼りきりになっており、そして自身が気づいていなかったがためにより、強化したパトレンジャーに追い詰められていくことになります。最終回ギリギリでヒーロー側が逆転するのは、ヒーロー番組では当たり前のことですが、敵側がやられてしまう理由にもきちんと触れているのは丁寧で効果的。見事だと感じました。そんな感じで、ドグラニオはパトレンジャーへの敗北が確定してしまいますが、彼はかたくなに金庫開けることを拒否。ヒルトップ管理官から射殺命令が出る中、パトレン1号＝朝加圭一郎の下した決断は―。回想シーンを交えながら、ここでは圭一郎の葛藤を深く描写。マスク割れなどを利用すればもっと面白い演出もできたんじゃないかなと感じましたが、まあこれは個人の好みの問題なので、いいでしょう

ドグラニオの金庫の中で、半永久的に閉じ込められることになってしまった彼ら。そんな彼らを救いたいと考えていたノエルは、なんと魅利たちによって救出された勝利たちを快盗にヘッドハンティング。ジャックポットストライカーの力で魅利たちを助けていたのでした。ジャックポットストライカーの力を使うのは「ちょっとズルいな～」とも感じましたが、勝利たちを快盗にしてしまうというのは、ありそうでなかった粋な展開。これにもまた唸らされてしまいましたね。そしてラストは、魅利たちもまだ快盗をやめることはなく、引き続きルパンレンジャーとパトレンジャーの戦いは続く…という形で終幕。非常に『ルパパト』らしい、そして『ルパパト』だからこそできる終わり方だと感じました