まあ春映画自体にいろいろな意見は私を含めてお持ちの方は多いでしょうが、個人的にこの時期の合体スペシャルの方はそこそこ好きだったりします。
さて、この合体スペシャル、。『トッキュウジャー』×『鎧武』の時からもう次週で4回目に突入するわけですが、当初は1時間ぶっ通しのスペシャルだったのに、昨年からは番組ごとで話も内容も分割され、「キャラクターのクロスオーバー」に比重が置かれるようになりつつあります
わずか4年、いやそういった方向に転換したのは去年なので実際は3年ですが、なぜここまで変わったのでしょうか?それについて今回は考えてみましょう。
①製作スタッフの人員問題
ですが、各テレビシリーズとはまた別のスケジュールで製作に取り掛かるため、当然別班体制での制作になります。
さらに春映画が他の東映特撮映画と違うのは、「戦隊」と「仮面ライダー」という2つの異なる作品がコラボして制作されていること。TVシリーズの撮影で多忙を極めるメインキャストの予定を合わせるのも大変なのに、それを「戦隊」と「ライダー」で合わせているのですから、相当時間的にも苦しいでしょう
その上で「戦隊」・「ライダー」・「春映画」の同時並行の中、さらに「合体スペシャル」という別番組で(「春映画」のスタッフと大半が同じとはいえ)新たに撮影班を組んでいるのですから、かなりカツカツの予定の中で撮影していることになります
東映が大規模な制作会社とはいえ、これではいくら何でも人員をやりくりするのには困難が予想されます。
それに対し、去年からしているような「番組として完全に分割してヒーローだけクロスオーバーさせている」方式をとれば、ベースとなるスタッフは「戦隊」と「ライダー」それぞれそのままに、各作品のメインキャスト数名の予定を合わせるだけでクロスオーバー作品が完成します。
似たようなことをやっているのに、手間は段違い。そりゃ東映も方式を変えるでしょう。
②脚本上の問題
例年春映画をやる時期は、3月の最終週の放送日。ストーリー的に見ると、「戦隊」は1クール中盤を迎えやっとお話が軌道に乗ってきた時期、「ライダー」は中盤強化フォームを手に入れストーリーが盛り上がる時期です。
特に『トッキュウジャー』×『鎧武』の時は、カチドキアームズとオーバーロードが出てきて「さあこれからだ!」って時に合体スペシャルが割り込み放送。当時これに対し様々な意見があったことは、記憶に新しいでしょう。
その点、完全に番組形態をそのままにして「その作品の中の一話」という扱いにしてしまえば、そういった流れを崩さずにクロスオーバーをさせることが可能です。「合体スペシャル」として完全別番組で放送されるよりも、脚本家陣の負担はかなり軽減されることでしょう。
③遅れネット地域へのアプローチ
個人的に最大の理由として考えているのがこれ。遅れネット地域へのアプローチです。
私が何度も主張していたりするので覚えのある方もおられるかもしれませんが、テレビ朝日系列はテレビ東京を除く東京キー局では最もネット数が少ない放送局。CATVや隣県からのおこぼれ電波などといった特殊事情を抜きにすると、現在日本では約10県でテレビ朝日系列局がない=テレ朝を観ることができない地域があります
そういった地域ではどうなっているのかというと、大体1~2週間程度遅れで、その地域のTBS系やフジテレビ系局が素っ頓狂な時間に放送しているようです。
しかも1つの局が「戦隊」と「ライダー」どちらも放送しているとは限らず、各作品が別々の系列局で放送されていることもザラのようです。
そりゃあ、その地域のテレビ局から見れば、異なるテレビ局でやっている2つ番組が集約されている番組です。どちらが放送するかで揉めたりなどがあったのでしょう。
普段からニチアサの番組が放送されていないのであれば気にする必要はないのでしょうが、先述したようにテレ朝系がない大半の地域でもニチアサは放送されています。テレ朝が映らないのは全て地方の県なので「大した影響力はない」と言ってしまえばそうでしょうが、それでも東映はみすみすその地域で掘り起こせたであろう春映画の“顧客”を逃すことになります。
しかし昨年からのような方式にして「合体スペシャル」として放送すれば、番組としては別々なので遅れネット地域のテレビ局でも上記のようなイザコザが起こる確率は非常に低いでしょう。またほぼ同じタイミングで「戦隊」と「ライダー」共に遅れ放送されますから、その遅れネット地域の番組編成も崩すことがありません。
なので、こういったことも「合体スペシャル」の変化につながったのではないでしょうか。
さて、「合体スペシャル」の形態変化に対して個人的な意見を並べてみましたが、いかがでしょうか。
まあすべて個人の想像の域を出ませんし、思いつくままに文章を作ったのでメチャクチャなところもあるでしょうが、それでも「あながちこの要素はあるんじゃないかな…?」と感じています。
『アギト』の頃からこちらも公開が毎年恒例になった夏映画。『響鬼』の場合『アギト』以来久々に劇場版専用の主題歌が作られ、以降これも夏映画の伝統の1つとなりました。
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