お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『GTOリバイバル』ちょっとした感想

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「“クズ”なんて、いませんよ―。」今回は、昨日4月1日に関西テレビ・フジテレビ系にて放送された、『GTOリバイバル』の感想記事です。

 

90年代を代表するマンガの1つである『GTO』。それが初めて実写化されたのが1998年ですが、主役の鬼塚英吉を演じた反町隆史さんをはじめ、当時の主要キャストが26年ぶりに集結。舞台となる学校と生徒は一新され、98年から26年経過した、現代の鬼塚の熱血教師っぷりが、一夜限りで復活することになりました。

 

私はギリギリ世代ではないのですが(本放送は観ていない)のですが、本ドラマはカンテレを代表するドラマであることもあり、関西地区ではこれでもかというほど頻繁に平日再放送が行われており、そこでこのドラマの存在を知り、どっぷりハマりました。TV版だけでなく、スペシャル版と劇場版も、15年位前にDVDレンタルして観ましたよ。また、これをきっかけに、マンガの『GTO』も読破したし、私にとっては本当に思い入れのあるドラマなんですよね。だからこそ、今回復活の報せを聞いたときは、メチャクチャうれしかったです。

 

 

 

STORY:過去30もの高校をクビになり、いよいよ就職先も無くなったことから、配達員として働いていた鬼塚。そんな彼を見つけ出した菊池は、彼を村井たちと再会させると同時に、依田が教師を務めている、裏金疑惑のある相徳学園への、潜入調査を兼ねた赴任を持ちかける。依田の代わりの臨時教員として赴任した鬼塚は、相徳学園の生徒たちが暴露系配信者:裁ノカ笑(さいのかわら)の脅威におびえていること、また表面上の楽し気な雰囲気とは裏腹に、闇や悩みを抱えていることを知る。かつて、自他ともにグレートティーチャーであった鬼塚の熱血授業は、令和の現代の生徒たちの心にも響くのか?

 

オリジナル版の放送から26年経過し、当時のキャストも40~50代。ですが、皆見た目もキャラ性も、当時のキャラがそのまま歳を重ねた全く違和感のない仕上がりになっており、感動を通り越えて驚異的に思えました。

 

特に、鬼塚は反町隆史さんと同じほぼ50代なのに、全く違和感なくてGood。★マークのTシャツを着て、未だにネット社会にはなじめずガラケーを使い、ときにあまりにもクサすぎるセリフ(「お前の良さは、いいねじゃ語れねぇんだよ!」等)を言うけれど、生徒への思いは本物―。26年前の鬼塚が、ちゃんと歳を取って帰ってきたという感じでしたね。関わっている制作陣も、ほとんどが当時から変わっているはずですが、こうした雰囲気やテイストをしっかり残しつつドラマ作りをしていることに、好感が持てましたね。

 

また、ドラマそのものについても、オリジナル版からのキャラの現在を過剰に描きすぎていなかったのがGood。ファンとして気になるのは、やはり鬼塚とあずさが結婚しているかどうかというところですが、鬼塚が結婚していること自体は明示しつつも(冴島が言及している)、それがあずさなのか他の女性なのか最後までわからないという形にしているのが、とてもいい塩梅でした。ラストシーンで、鬼塚とあずさが対面を果たしますが、そのときの彼ら自身、そして周りの反応は、結婚した2人を祝福するようにも、当時いい感じだった頃を思い出してヒューヒュー言っているようにも捉えられるんですよね。これだけ攻めた表現をしているのに、複数の意味を持たせたシーンにしていたのは、とても秀逸でした。

 

その他、細かい点では、主題歌であるPOISONをきちんとOPに持ってきていたのがGood(EDでも流れてたけど)。オリジナル版の『GTO』は、EDが無くてOPにこれが流れてたんですよね。ここら辺も、「よくわかってるじゃないか」と感心しました。

 

このように、キャラクター面や設定面では、まさに正統な復活を遂げていた『GTOリバイバル』ですが、やっぱりドラマの尺があまりにも短すぎたのがマイナスポイント。鬼塚が相徳学園に赴任するキッカケとなるドラマをかなり圧縮したり、主要生徒の実生活の様子をダイジェスト的に挿入し同時並行で描写したりと、努力の痕跡は感じられましたが、それでも尺の足りなさはカバーしきれていませんでした。

 

しかも、そうした尺が足りない中でも、精いっぱいドラマを描き出そうとしていたフシがあるから、いっそう残念に感じてしまうなという印象。前半部分はテンポよく進めていましたが、後半からは黒幕である裁ノカ笑の正体バレ等のドラマもあることから、急に足並みが乱れてしまっていました。晴翔がどうなったのか結局わからないし(鬼塚が長野県の学校への転校を提案して終わり)、いつの間にか先生も生徒たちも鬼塚に好意的になっているし、「裁ノカ笑」のハンドルネームの由来となった、賽の河原にかかるアートがなぜが美術室にあったり、鬼塚が裁ノカ笑の正体に気づいいたキッカケが「仲良くしていた凛のことを晒さなかったから」だったりと(根拠があまりにも薄すぎる)、「最終的にこの展開になるのはいいけど、過程をすっ飛ばしまくっているせいでしっちゃかめっちゃか」なんですよね。

 

これはもう制作陣の力量とかセンス以前に、想定しているドラマに対して放送時間が短すぎることが最大の原因と断言しても過言ではないでしょう。生徒4名のドラマ+全体のストーリーを、各キャラの紹介を含む起承転結すべてを2時間、CMを除けば実質1時間30分ほどでこなせだなんて、これはムリな話ですよ。せめて、前編2時間+後編2時間の、計4時間のスペシャルドラマとして作ってくれていれば、もっとドラマとしても見ごたえのあるものになっていたことでしょう。

 

 

 

 

 

 

復活したこと自体は大変喜ばしかったものの、ドラマ面では課題も残ったように思える『GTOリバイバル』。しかし上述のとおり、そのドラマの中に息づいているキャラたちは、鬼塚をはじめとするオリジナルからの続投のものも、今回より登場の新キャラも、しっかり生きたキャラクターになっていたので、まだまだ改善、そしてドラマを広げる余地があるのではないかと思いました。

 

これを観させられると、やっぱり1クール連続ドラマでの復活を期待しちゃいますよね。おそらく反町さんの強い意向で、その実現は不可能だろうけど…。でもやっぱり、『GTO』じゃなくても、こうした熱血でいい意味でクサい学園ドラマって、必要だと思うんですよね。まっすぐ向き合う今に、誇りを持つために、戦うことも必要なんだからさ。

 

 

 

 

 

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