お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『ウルトラマンブレーザー』第20話 ちょっとした感想

テルアキだからこそ出来た、最高の親孝行

 

 

 

アイツが…守ってくれた土だ!今回の『ウルトラマンブレーザー』は、皆が待っていたテルアキの主役回。ゲストキャラクターとして彼の父であるショウゴや兄であるマサアキも登場し、さらに農村を舞台にするからこそ出来る怪獣ズグガンの生態・ドラマが描かれており、1つのお話の中にこれでもかというほど多様な魅力が内包されていました。

 

田舎の実家の父親が出てくる一編だと、どうしても頑固オヤジのような描かれ方をすることが多いですが、今回登場のショウゴは、むしろ自分なりにある程度理解を示していたのが興味深いところ。また、テルアキを呼び戻した理由が、結局のところ彼の本業に関わること(ズグガンの調査・撃退)にあったというドラマ構成も、面白く感じられましたね。

 

なお、前回(第19話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

◎ストーリー面

冒頭述べたとおり、テルアキを主役とし、彼の実家である山梨県中星町頭殿山周辺を舞台にした一編。次回予告だと、テルアキとショウゴのやり取りに重きが置かれるのかと思いきや、実際にはそれと同じくらいズグガンの調査・撃退にも重きが置かれていたので、とてもバランスの良い、そして見ごたえのあるお話だったなと感じました。ラストシーンにおけるショウゴのセリフも、彼だからこそ言える、そしてテルアキだからこそそれまでの過程に携わることができたことを踏まえていて、グッと来たなぁ。

 

ハルノ参謀長の謹慎以来、防衛隊内で肩身の狭いSKaRD。「怪獣が出てきたときの対処法講座」の演劇を任されるという閑職同然の扱いを受ける中、テルアキの元に父ショウゴが倒れたという報せが届きます。講座を降板し急遽実家に戻ったテルアキでしたが、それはショウゴとマサアキの、テルアキを呼び戻すための方便であることが判明。そのやり口に静かに怒るテルアキでしたが、ショウゴたちが彼を呼び戻した本当の理由は、別にありました。今回は、序盤でSKaRDが実質的に閑職に追い込まれたことをコンパクトに描き、すぐにテルアキの話へと移行。文句を言いながらも、しっかりと演劇の稽古をマジメに行うゲントたちには、初っ端から笑わされました。こうした中で飛び込んできた、テルアキの父ショウゴが倒れたという報せ。急いで実家に戻った彼は、兄マサアキとともにショウゴが出迎えてきたことで、ショウゴが倒れた話はウソであったことが判明します。ここから、テルアキと彼の家族にかかるお話が始まるのですが、興味深いのが、最初のシーンにおいてマサアキがあれこれしゃべる一方で、ショウゴはほとんど口を開かない点(「いつになったら怪獣の出現頻度が収まるんだ」という問いかけくらい)。そこからさらに、ズグガンの音と作物の枯死を見せるシーンを挿入することで、「ショウゴたちがテルアキの仕事のことを認めきれていない一方、今回呼び戻したのかそのテルアキの仕事に関わることである」というドラマ展開にしているのが、メチャクチャ面白いです。これは確かに、テルアキがいないと、そしてテルアキというキャラでなければ、できない展開ですね。

 

町内で聞こえる不気味な虫の音と、原因不明の作物の枯死。テルアキがショウゴとともに頭殿山を調査していると、怪獣ズグガンに遭遇します。休暇のため護身用の装備を持っていなかったテルアキは、負傷しピンチに陥りますが、彼の連絡を受けて駆けつけたゲントたちのおかげで窮地を脱出。テルアキの実家に作戦本部を立て、ズグガンの生態をまとめたゲントたちは、巣の中からズグガンを殲滅する作戦を立てて…。中盤より、テルアキとショウゴの2人での調査シーンが挿入。ズグガンとの遭遇まで、極力両者のセリフ量を抑え、その表情の演技で感情表現を行っているのがGoodでしたね。そんな2人は、ズグガンの巣である洞窟を発見して以降、ズグガンに囲まれて大ピンチ。テルアキは噛みつかれて負傷してしまいますが、ここでゲントたちが駆けつけます。ゲントたちの加勢のシーンは、本当に頼もしさ満点。この直前、「怪獣が出てきたときの対処法講座」をすっぽかして、ゲントが「事後承諾(であとで上からの了解を取りつける)だ」とドヤ顔で言うコメディチックなシーンがあるだけに、ここでのSKaRDのカッコよさが引き立っていました。こうしてSKaRDと合流したテルアキは、いつもの隊員服に着替えて、エミたちの調査内容を共有。ズグガンの生態が判明し、ゲントたちは殲滅作戦を開始します。ズグガンは地中の窒素を食い荒らしており、より高純度なものを求めて地上に現れた様子。ここで環境問題等を絡めてくるのかなとも思いましたが(人間の採掘で地中の窒素が減ってしまったため、地上に出てきた等)、あえてそうしたものを排除していたのは、良い選択だったなと思いました。

 

アースガロンがズグガンの巣に突入し、それを殲滅。ところが、成虫と思われる巨大なズグガンが出現したうえ、テルアキたちが巣の中に突入して卵を発見し、事態は悪化します。アースガロンが粘液にやられてしまい、続いて登場したブレーザーもピンチに陥りますが、テルアキが発見したズグガンの生態を利用し、エミは巨大ズグガンの注意を反らすことに成功。成虫はファードランアーマーのチルソファードランサーにより一刀両断され、卵と孵化したての幼虫たちは、テルアキの投じた爆弾により殲滅させられます。後半では、SKaRDの快進撃が描写。最終的には成虫(と思われる)巨大ズグガンの粘液の前にダウンしてしまいますが、巣の中にいた大半のズグガンを殲滅させ、地上で念のために待機していたテルアキたちに、一切撃ち漏らしたズグガンの撃退をさせていなかったのは、驚異的な射撃制度であると同時に、アースガロンの頑張りを感じました。前々回のVSイルーゴ戦のときといい、最近アースガロンの単独撃破シーンが増えてきて、いい傾向ですね。まあ、「本体とも言える怪獣をまだ倒せてないじゃん」と言われれば、確かにそうなんだけどさ…。こうした頑張りを見せたアースガロンに代わって、ゲントがブレーザーに変身するも、同じように粘液を食らって大ピンチ。さらにテルアキは巣の中でズグガンの卵を発見し、事態はどんどん悪化していきますが、ここでのテルアキの機転と発見が、一気に勝利を呼びます。巣の中に突入したテルアキが気づいたのが、ズグガンの音は仲間に危険等を知らせるシグナルであるというもの。これを利用して、地上ではエミが、巣の中ではテルアキがスマホから、それぞれズグガンの音を鳴らして、相手を混乱させることに成功。そのスキにブレーザーはファードランアーマーに強化変身してチルソファードランサーで攻めたて、テルアキはリモコン式爆弾を卵に向かって投擲し、それぞれ撃破に成功して事件は解決します。終盤における逆転劇は、テルアキの機転が無ければ絶対に無しえなかったもの。今回も、SKaRDがいなければ、ブレーザーは絶対にズグガンには完全勝利できていなかったでしたね。こうした逆転劇の中で、テルアキに少しだけ、ズグガンに対し「…すまない」という言葉を漏らさせることで、ちょっとシリアスな雰囲気にして場面を引き締めているのもGoodです。

 

事件は解決し、SKaRDに戻っていくテルアキ。あくまでもSKaRDの副隊長として振る舞う彼の姿を見て、ショウゴは―。ラストでは、SKaRD副隊長として、私情を捨ててショウゴに調査協力の案内をして去るテルアキと、元に戻った土を手ですくって感謝するショウゴのさまが描写。2人に割かれたセリフは本当に最低限のみでしたが、その表情の演技、そしてこれまでに積み重ねてきたやり取りのお陰で、お互いが何を思っているか、そしてどれだけ相手のことを思っているかが手に取るようにわかりました。2人の演技がここでも光っており、そしてラストのショウゴのセリフにはグッと来たなぁ(2回目)。

 

 

 

◎特撮面

通常の巨大特撮だけでなく、テルアキたちとズグガンの等身大戦も描き、その戦闘シーン等に変化をつけていた、今回の特撮パート。等身大・農村部・地下と3つの舞台に分けて展開されるその特撮描写は、それぞれ違った趣向が凝らされており、とても興味深いものでした。最後のファードランアーマーの大活躍も、見逃せなかったですね。

 

テルアキが発見した、見覚えのない洞窟の先にいたのは、甲虫怪獣ズグガン!休暇中のため特殊装備を持たないテルアキは、ズグガンに噛みつかれて大ピンチに陥るも、ゲントたちの加勢により脱出。その後、アースガロンによるズグガンの巣殲滅作戦が敢行されます。前半の戦闘シーンでは、主に等身大戦を中心とした特撮パートが挿入。一部シーンを除いて、細かいカット割りを多用することで、1体しかないはずのズグガンのスーツを複数体いるように見せていました。のちのズグガンの巣のシーンで、合成により増やされた大量のズグガンが出現するので、このシーンでもその気になればそうした形も取れたのでしょうが、実際の演者との戦闘シーンがあることから、わざと採用しなかったのでしょうね。こうしたテルアキの奮闘を経て、続いてアースガロンによるズグガンの巣での戦闘シーンへ。ズグガンを掃討していくさまは迫力があったと同時に、巣の中をわざと暗めにすることで、CG合成の浮き具合を目立ちにくくさせる工夫がなされていたのが面白かったですね。

 

ズグガンの巣を殲滅したかと思いきや、成虫と思われる巨大なズグガンが出現!不意討ちを食らったものの応戦するアースガロンでしたが、粘液の前に行動不能となりダウン。続いて登場したブレーザーも、ズグガンを威嚇しながら接近戦で挑みますが、同じく粘液によりじょじょに行動を封じられ、身動きが取れなくなっていきます。中盤では、巨大ズグガンに対する、アースガロンとブレーザーの戦闘シーンが挿入。両者共通して意識して導入されていたのが、激しい肉弾戦でした。今回は農村部が舞台ということもあって構造物のミニチュアが少ないことから、のびのびとした戦闘シーンが展開。「これだけ激しくやっていると、ウルトラ広場が見えてしまうのでは?」と心配になりましたが、それはちゃんと見えないような撮影をしていたのが、とても秀逸でした。

 

ズグガンの巣へ決死の突入をしたテルアキたちが目の当たりにしたのは、まだ生き残っていた大量のズグガンの幼虫と、巨大な卵。しかし、同時に彼はズグガンの音の謎を解き明かし、これを利用して反撃に出ます。その結果、ブレーザーはファードランアーマーに強化変身して巨大ズグガンを撃退。テルアキもズグガンの音が出るスマホを括りつけたリモコン爆弾を卵に投擲し、おびき出された幼虫もろとも巣を全滅に追いやります。終盤のテルアキの機転をキッカケに、ブレーザーもSKaRDも一気に形勢逆転。ブレーザーは前回デビューしたばかりのファードランアーマーの力をフルに使って、ズグガンを倒していました。虫であるズグガンに対して、火属性のファードランアーマーはこれでもかというほどに適した武装。チルソファードランサーでどんどん追い詰めていくさまは、若干オーバーキル気味ではありましたが、カッコよさと見ごたえ抜群でしたね。ファードランアーマー、やっぱりカッコいいな。早くS.H.フィギュアーツが欲しいよ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倒したはずのデルタンダルが、超巨大な姿になって再出現!前回の戦いですら苦戦を強いられていたSKaRDに残された手段は、アースガロン自体が空を飛ぶことしかない。今、Mod.3ユニットを携えて、アースガロンが大空を翔る!

 

次回は、デルタンダルの再出現回にして、アースガロンMod.3のデビュー回!てっきりMod.3は映画でデビューするのかと思ったら、ここで出てくるんですね。アースガロン&デルタンダル双方にとってリベンジマッチとなる空中の大激戦、楽しみだ!

 

鋼鉄の翼が今、出撃する―!

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

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