お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-』ちょっとした感想

今回は、機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-』の感想記事です。

 

前作『MS IGLOO -1年戦争秘録-』の続きとして、一年戦争後半におけるオリヴァーら603技術試験隊の活躍を描いた本作。兵士たちの悲哀や虚しさを描くコンセプトはそのままに、よりジオン公国軍の敗色が濃厚になっていくことを通して、戦争の悲惨さや極限状態を描いていたことが、強く印象に残りました。こうしたギリギリの状況下においても、最後まで正気を保ち、そして戦争を生き抜いたオリヴァーは、本当に素晴らしいキャラだと感じましたね。

 

なお、キャラクター等については、↓下記公式HPをご参照ください。

www.msigloo.net

 

また、前作(『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第1話「ジャブロー上空に海原を見た」

2006年4月26日発売

投入された試作兵器:MSM-07Di モビルダイバーシステム ゼーゴック

登場した敵他:サラミス、マゼラン、コア・ブースターⅡ インターセプトタイプ

「海は見えたか?海兵よ―。」

 

STORY:戦局悪化の中、603技術試験隊に投入されたのは、MSM-07Di モビルダイバーシステム ゼーゴック。しかし、試験とは名ばかりの実戦投入であり、さらに派遣されたテストパイロット:ヴェルナー・ホルバイン少尉はくせ者で、モニクとそりが合わず、また戦果も出せなかった。一方でオリヴァーは、この試験のムチャさと同時に、ヴェルナーという人間自体にも興味を持ち始める。そして敢行される、3度目の試験!海の男ヴェルナーは、獲物である地球連邦軍戦艦を仕留めることが出来るのか?

 

オリヴァーたちの戦いの後半1回目となる今回は、ジャブロー上空が舞台。地球連邦軍本部のあるここから次々に打ち上げられる、サラミス等各種兵力の迎撃がその任務(もはや兵器の試験ではない)となりました。前作のコンセプトやお話の雰囲気は維持されていますが、それにプラスして、「兵器にかける兵士たちの思い」よりも、「悪化する戦局に翻弄されるオリヴァーら兵士たち」に重きが置かれているように感じられましたね。海の男ヴェルナーの語っていることはどこまで本当で、またどこまで真実を知っていて、意図的にウソをついていたのかな…。

 

宇宙世紀0079 12月3日。戦局が悪化しジオン公国軍が不利な状況になる中、603技術試験隊は、全滅した604技術試験隊の代わりに、MSM-07Di モビルダイバーシステム ゼーゴックの試験を拝命。しかしそれは、実質的には試験ではなく実戦投入であり、またテストパイロットとして派遣されてきたヴェルナーの性格もあって、モニクは激しく反発します。そんな彼女に対して、オリヴァーは粛々と準備を進め、ヴェルナーは最初の試験に出撃。大気圏へ突入後、サラミス1隻の撃破を試みますが、その結果は…。今回登場する試作兵器は、ゼーゴック。ロケットブースターや大量輸送コンテナを改造して取り付けたものであり、それにズゴックを取り付けることで、機動性と攻撃力を両立させたものでした。「ジャブロー攻防戦に失敗したため、不要になったズゴックを転用した」という設定は非常に面白いものですが、そもそもこの兵器自体のコンセプトも甚だ疑問。1回の高速戦闘に全てをかける兵器であるため、モビルスーツが入り乱れる現状の戦局にはそぐわないし、また地上からの兵器を迎撃するなら、索敵によりピンポイントでミサイル等を撃ち込むほうが、効率的に思えます。そうした合理的な兵器を開発する余力がないほどに、この時点でジオン公国軍は追い詰められていたのでしょう。そんなゼーゴックのテストパイロットとしてやって来たのが、地上戦時代に海兵隊に所属していたヴェルナー。その所作や性格から、モニクとはそりがあわず、また啖呵を切って出撃していきますが、サラミスを1機も撃破出来ずに帰投してきます。ヴェルナーは兵士としての勘には優れていそうですが、ここでのサラミス撃破失敗は、完全にレーダーよりも自分の勘に頼りすぎたがゆえのミス。これじゃあ、モニクたちから信頼は得られないよねぇ…。

 

自信満々だったわりにサラミスの迎撃に失敗し、また降下中の奇声の記録を聞いて、呆れるモニク。一方のオリヴァーは、ゼーゴックの改良を提案し、さらにヴェルナーのサポート兼監視役としてヒデトも乗せ、次なる迎撃試験に臨みます。ヴェルナーの奇声癖は相変わらずであったものの、ゼーゴックは無事大気圏に再度突入し、サラミス複数をロックオンすることに成功。しかし、ジャブロー本部からの迎撃に阻まれ、またも試験は失敗に終わるのでした。1回目の作戦に失敗し、またゼーゴック投下直後の奇声が恐怖によるものだと考えたモニクたちは、今度はヒデトも乗せて出撃を指示。しかし、ヴェルナーの奇声癖は変わらず、サラミスはロックオン出来たものの、ジャブローからの迎撃に阻まれ、またも失敗に終わります。ヴェルナーの奇声癖は、劇中では明言されていませんが、おそらく投下時に感じるGと、海に潜った際の感覚が酷似していることによる興奮かと思われます。宇宙空間に慣れる訓練として、水に潜るものがありますし、今回終盤でヴェルナーが海に潜る感覚を回想していることからも、そのことが窺えるでしょう。そんなヴェルナーは、またも作戦に失敗しますが、今回は、前回失敗のトリガーとなった彼の勘がプラスに働き、最悪の事態を回避することに。レーダーよりも圧倒的前に、ヴェルナーはジャブローからの迎撃を察知し、それらを回避します。ヴェルナーの兵士としての勘が本物であることがわかる描写。だからこそ、序盤での失敗が痛いなぁ…。

 

試験とは名ばかりの、実質的な実戦投入。そして、日増しに激化するジャブロー本部からの打ち上げと迎撃。あまりにも試験が非現実的すぎると感じたオリヴァーは、監視カメラ越しにゼーゴックのコクピットにいるヴェルナーを発見し、近日中に試験中止を具申することを告白します。これに対するヴェルナーの反応は、意外にもそれに反対するものでした。後半の序盤で、ようやくオリヴァーに視点が戻り、彼のこの試験もとい作戦に対する怒りを吐露。ヴェルナーに対してもそのことを伝えますが、ヴェルナーは意外にも、作戦の中止具申に反対する旨を述べます。海兵隊は常に最前線で戦うもの」として、自ら危険な任務に身を投じることを、すすんで引き受けていたヴェルナー。彼の真意は、何だったのでしょうか。

 

ジャブローからの大規模な打ち上げの情報をつかんだことで、ゼーゴックの3回目の試験が敢行。ヨーツンヘイム自体も、地球軌道上で地球連邦軍からの攻撃を受けますが、なんとかゼーゴックの投下に成功します。三度大気圏に突入することになったヴェルナーは、ゼーゴックのパーツ一部の不具合というアクシデントに見舞われながらも、見事打ち上げられたマゼランやサラミス等をすべて撃破。搭載されていたモビルアーマー用兵器の爆発も起きず、あとは無事ヨーツンヘイムに帰投するだけでしたが、最後の最後でコア・ブースターⅡ インターセプトタイプの迎撃を受け、海原に消えるのでした。終盤では、3回目の作戦が展開。部分的なアクシデントはあったものの、それを乗り越え全てを撃破したヴェルナーは、ようやく戦果を挙げ帰投しようとしますが、あと一歩のところで地球連邦軍の攻撃を受け、生死不明となります。終盤での高速戦闘の描写は、3D CGだからこそ描けるダイナミックな高速戦闘が見もの。その圧倒的なスピード感には、かなり引き込まれました。そうした戦闘を制したヴェルナーは、帰投しようとした際、コア・ブースターⅡ インターセプトタイプの攻撃の前に沈黙。ゼーゴックが海底に没したことは描写されるも、ヴェルナーの死そのものは明確には描写されませんでした。おそらくヴェルナーは死んだのでしょうが、あえて描写していないのが、このドラマの余韻を作り出してくれているなと感じましたね。また、ラストでモニクがヴェルナーの祖父の真実を語ることで、ヴェルナーが果たしてウソをついていたのか、それとも知っていて「信じたかった結末」に誇張して語っていたのか、謎を残してくれましたが―、これを深く考察するには、ちょっとヴェルナーのキャラ描写が少なかったかな。

 

 

 

第2話「光芒の峠を越えろ」

2006年6月23日発売

投入された試作兵器:MP-02A 駆逐モビルポッド オッゴ

登場した敵他:ジム、ボール、サラミス

「僕はオッゴを信じます。僕の命を懸ける兵器ですから。宇宙で一番、大切な機体ですから。」

 

STORY:ソロモン陥落に伴う戦局悪化に伴い、ジオン公国軍はいよいよ敗色濃厚になって、603技術試験隊も実戦部隊の一翼を担うことになった。しかし、配備された兵器はMP-02A 駆逐モビルポッド オッゴであり、ア・バオア・クーにてヘルベルト・フォン・カスペン大佐が合流するも、増援として送り込まれたのはエルヴィン・キャディラックをはじめとする少年志願兵であり、戦力は満足とは言えない。そんな中、ア・バオア・クーでの戦闘が始まるが、カスペンは、オッゴによる月基地グラナダにおける陽動部隊の迎撃作戦を命じた。エルヴィンの初出撃は、無事勝利で終わることが出来るのか。

 

いよいよ一年戦争終局に差し掛かったことで、オリヴァーたちを取り巻く状況も劇的に悪化。今回は投入兵器オッゴの存在にプラスして、モニクの弟エルヴィンの登場と死を描いているのが、戦争の虚しさを浮き彫りにしてくれていました。前作含めて全6話しかないので仕方ないけど、やっぱりモニクの掘り下げを行うには…ちょっとタイミングが遅かったかな。

 

ソロモン(コンペイトウ)も陥落し、いよいよ敗色が濃厚となったジオン公国軍。そんな中、603技術試験隊に導入が決定したのは、MP-02A 駆逐モビルポッド オッゴでした。もはや装備も試験目的も実戦と何ら変わらないことを、オリヴァーは強く指摘しますが、技術試験長は総力戦であるためやむを得ないとの回答。こうして603技術試験隊は、オッゴを載せてア・バオア・クーへと向かうことになります。そしてそこで、新たなる別の上官:カスペンも合流することになるのでした。今回603技術試験隊に投入されたのは、オッゴ。一言で言えばジオン版ボールのようなものであり、ひと昔前の小型潜水艦のような風貌は、モビルスーツ全盛となったこの戦争においては、明らかに時代遅れ感のあるものでした。実はオッゴは既に他の戦線に投入されており、オリヴァーもそのことを指摘。それに対する技術試験長の回答は、実質的に603技術試験隊が、他の戦闘部隊と変わらない戦闘をしなければならなくなるということを意味していました。「総力戦」という言葉を出し、暗にオリヴァーたちも前線で戦わねばならないということを示唆する技術試験長。オリヴァーたちは、前作からなんだかんだでほぼずっと前線に行っていたので、前線に行くことに悲惨さはあまり感じられませんでしたが、ジオン公国軍が追い詰められていることが改めてわかるセリフでした。そんなジオン公国軍も、603技術試験隊を完全に見捨てたワケではなく、幾多の戦闘経験を持つカスペンを派遣したほか、後述のとおり一定の追加戦力も投入。カスペンは所作こそ高圧的ですが、それは軍人であるがゆえの厳格さであり、悪意は感じられませんでした。

 

カスペンは、603技術試験隊をカスペン戦闘大隊に改称し、本国からの精鋭の投入を期待していましたが、実際にやって来たのは、実戦経験ナシの、士気だけは高い少年志願兵たち。モニクはそのことを嘲笑しようとしますが、その志願兵の中に、弟であるエルヴィンがいて絶句します。点呼のあと、ドックで再会した2人は、久しぶりに腹を割って会話をします。カスペンが派遣を約束されており、「精鋭部隊」と聞いていた、追加戦力。しかし実際に来たのは、訓練を終えたてで、精鋭どころか実戦経験皆無の少年志願兵でした。口では勇猛果敢なことばかり言う彼らは、そのやる気は本物でしょうが、視聴者としては悲哀しか感じられません。少年志願兵なんて、時期は違えど『V』等でも描かれているとおり、ろくな末路を辿らないからなぁ…。そんな少年志願兵の中にいたのが、モニクの弟であるエルヴィン。2人の仲は悪く無さそうでしたが、彼の口から出てくるジオン公国内の状況が、ジオンの追い詰められっぷりを再度視聴者に印象付けてくれていました。

 

地球連邦軍の戦力がア・バオア・クーに集結し、ここが決戦の地になることが予想される中、カスペンが命じたのは、月基地グラナダにいる地球連邦軍陽動部隊の撃破でした。モニクの反対むなしく、作戦は決行され、オッゴにはエルヴィン以下3名の志願兵が搭乗し出撃。エルヴィンはオリヴァーと会話したのち出撃し、敵ボールと相まみえますが、なんとそのボールのパイロットたちもまた、戦闘経験のほとんどない兵士たちでした。オリヴァーたちのカスペン戦闘大隊としての最初の任務は、ア・バオア・クーの攻防ではなく、地球連邦軍が陽動作戦として放った、月基地グラナダ付近に向かうサラミス2隻の撃破。これを撃破したところで戦局に大きな影響は無いのですが、接近している敵を放ってはおけないため、またグラナダ防衛により軍上層部へ隊への支援を強化させるためという、カスペンの思惑がありました。一年戦争の歴史自体を変えることが出来ないので、「オリヴァーたちは頑張ったけど戦局に大きな影響を与えませんでした」という帰結に持っていかなければならないのですが、そのための今回の設定は、ちょっとムリがあるかなぁという印象。ただ、もう一年戦争が終盤に差し掛かる中での理由付けの考案は非常に難しかったでしょうから、ムリがあるとはいえ、あり得なくはないかなと思える今回の設定は、悪いものではないかなと感じましたね。こうして、任務を帯びたカスペン戦闘大隊は、戦闘宙域に到達。幸いにも、相手も戦闘経験が少なく、また積んでいる兵器もボールであったことから、オッゴでも十分対抗出来るものでした。

 

数では劣ったものの、着実にボールを撃破していく、エルヴィンたちのオッゴ。うち1名が撃破され、一時的に心かき乱されるも、モニクの叱咤激励で正気を取り戻し、盛り返します。そして、最後に残ったボールのパイロットを説得し捕虜とすることで、エルヴィンたちは初戦闘を勝利で飾ることに成功。あとは帰投するだけでしたが、そのとき戻ってきたサラミスの襲撃を受けて―!終盤では、エルヴィンたちの乗るオッゴと、ボールの戦闘が描写。見た目的には圧倒的に不恰好なオッゴでしたが、戦闘における使い勝手はボールに勝っており、仲間の死により心を掻き乱されるも、エルヴィンたちは見事勝利をおさめます。エルヴィンたちの戦いは、慣れていないがゆえの泥臭い戦法もそうですが、最後に残った地球連邦軍兵士を、殺さずに捕虜にするという選択をしたことも、強く印象に残りました。少年だからこそ持つ優しさが働いた―と言えるのかな。こうして、初出撃を勝利で飾ったエルヴィンでしたが、帰投中の一瞬のスキを突かれて、戻ってきたサラミス2隻の攻撃を受け、オッゴもろとも爆発四散。直後、サラミスグラナダからの応援により全て撃破されますが、エルヴィン含め今回出撃した少年志願兵は、全員帰らぬ人になってしまいました。エルヴィンはギリギリのところで勝利し、このまま生き残って帰還してくれるかと思いきや、最後の最後で死亡。「もしかしたらこのまま生き残るんじゃないか?」と感じさせてからの死亡だったので、予想できたとはいえ、この展開はかなりショックを受けました。このあとすぐにグラナダからの応援が到着するのが、さらに虚しさを覚えさせるんですよね。あと少し到着が早ければ、エルヴィンは死なずに済んだかもしれないのに―!

 

 

 

第3話(終)「雷鳴に魂は還る」

2006年8月25日発売

投入された試作兵器: MA-05Ad 戦闘支援型モビルアーマー ビグ・ラング

登場した敵他:ジム、ボール、サラミス

「たとえ、それがどのような兵器であっても、記録を後世にまで残したい。だから、それが未来まで繋がって―!」

 

STORY:一年戦争はついに終局を迎え、ア・バオア・クーでの攻防戦に突入した。カスペン戦闘大隊には、MA-05Ad 戦闘支援型モビルアーマー ビグ・ラングが配備されるが、もはや担当できるテストパイロットすら、ジオン公国軍に捻出する余力はなく、オリヴァーがそれを務めることになる。そんな中、カスペン戦闘大隊にも下る攻撃命令!ビグ・ラングの力で一度は地球連邦軍を排除したものの、その戦いはジオン公国軍の敗戦が確定してもなお続く。オリヴァーたちは、このまま生き残ることが出来るのだろうか?


前作から続いたオリヴァーたちの物語も、今回でおしまい。最終決戦地となったア・バオア・クーでの戦闘は激しいものでしたが、オリヴァーたちもまた、その中に身を投じていました。今回はお話の構成が今までとかなり異なり、モビルアーマー:ビグ・ラングが登場するほか、それにオリヴァー自らが乗ることに。単に彼が出撃したというだけでなく、彼がその戦いを経て得た気づき、そして取り巻く仲間たちの奮闘も描かれており、30分1話のドラマとは思えないほど、濃厚なものが展開されました。


地球連邦軍ア・バオア・クー侵攻が本格化。そんな中、カスペン戦闘大隊にはMA-05Ad 戦闘支援型モビルアーマー ビグ・ラングが配属。しかし、このときのジオン公国軍はテストパイロットの派遣にすら窮する状況であり、やむを得ずオリヴァー自身がそれを務めます。1回目の試験がひと通り終わった直後、カスペン戦闘大隊は、ア・バオア・クー防衛戦のうち、手薄なEフィールドの防衛の任に就くことが決定。持てる戦力をほぼすべて投入することになり、ビグ・ラングも戦線へ投入されることになりますが、なんとパイロットに選ばれたのは、オリヴァーでした。今回は、序盤から戦闘シーンが展開され、ビグ・ラングも配属。オリヴァーがその試験を行い、これを通してそのスペックが明かされます。ビグ・ラングは1から設計されたモビルアーマーではなく、『ガンダム』にも登場したビグロに、ロケットブースター等を取り付けたものであり、ビグロの高機動性を自ら殺しているという、設計面における重大な欠陥がありました。ビグ・ラングという名称からビグロの名前はよぎりましたが、その名前や単に改造したという設定だけでなく、欠点まで設定しているのはGood。よく練られた設定だなと感じました。そんなビグ・ラングのテストパイロットとして、正式に任命されてしまったのが、オリヴァー。本来であればモニクが担当するのが相当であるところ、彼女は前回エルヴィンを失ったことから立ち直れていなかったため、オリヴァーが代わりに担当することになりました。とうとう自らの手で兵器試験を行うことになったオリヴァー。いつかはこうした展開が来るだろうなと思ってはいましたが、そうなるドラマの流れも、それにかかる理由付けも自然であり、唸らされましたね。

 

到着したEフィールドはすでに戦闘が激化しており、ヨーツンヘイムはヅダとオッゴを投入。地球連邦軍に対して徹底的に応戦しますが、やはり戦力不足は否めませんでした。しかしそのとき、最終調整の間に合ったビグ・ラングが到着し、戦局をひっくり返してひとまず地球連邦軍を一時撤退に追い込むことに成功。つかの間の休息の中、破損したオッゴの修理を行いつつ、オリヴァーは戦争や戦うことそのものを見つめなおします。Eフィールドは防御が手薄だったこともあり、地球連邦軍がかなり近くまで侵攻。これにまず応戦したのが、ヅダとオッゴでした。ここでは、今まで登場した兵器の奮闘が見られるのも良いのですが、その直前、オッゴにて出撃する少年志願兵たちに対し、マルティン艦長がかける言葉も強く印象に残りました。戦果を挙げることを指示しつつも、生きて帰って来いと言い切るそのセリフは、彼の優しさと思いをひしひしと感じましたね。そんなヅダとオッゴによって展開される戦闘は、劣勢の中でもしっかりと奮闘し、犠牲もゼロではなかったものの出来るだけ最小限に留める形に。しかし、物量的に差があることから、それでもヨーツンヘイムは追い詰められてしまいます。そこにギリギリのところで駆けつけたのが、オリヴァーの乗るビグ・ラングでした。ビグ・ラングは、ここで驚異的な強さを発揮。あれだけオリヴァーは「操縦には慣れていない」と言っていた割には、到着早々サラミスを撃破し、さらにはジムやボール等を次々に倒して、地球連邦軍を一時的に撤退に追い込んでいます。ビグ・ラングそのものの武装にかなり頼っていたことは否めませんが、それを加味しても、彼のモビルアーマーの操縦の腕は、ヘタクソではないと言えるでしょう。兵器に対する深い知識が、戦闘に生きた形かな。またここでは、オリヴァーがこの戦闘を通して、戦争や自分の任務に対する見方を新たにしたのも興味深いところ。敵味方問わず、未来へと繋ぐために記録を残したいという願いは、彼の技術中尉らしい、そして技術中尉だからこそ最も説得力のある一言だと言えるでしょう。

 

ヨーツンヘイム内では、カスペンがア・バオア・クーからの連絡が途絶した事実を受け入れられず錯乱。ようやく連絡が来たと思ったら、停戦命令という名の実質的な敗北宣言であり、彼はそれを受け入れることに躊躇します。その末に、ゲルググを出せとマルティン艦長を脅迫してきます。そのとき現れたのは―!敗色濃厚な戦局となっても、ジオン公国軍の勝利を信じて戦おうとするカスペン(軍人としては当たり前の行動と言えますが)。しかし、ア・バオア・クーからの連絡が途絶えており、いざ来たと思えば実質的な敗北宣言であったことから、さすがの彼も錯乱し、マルティン艦長に銃を突きつけます。この一触即発の状態に介入し、事態を沈静化したのは、復活したモニクでした。後半のこのシーンは、ドラマ面で最もハラハラさせられたところをカスペンが銃を取り出したときは、ついに引き返せない行動に出たかと思いましたし、直後モニクが出てきた際は、カスペンはここで死んでしまうのがと思いました。これだけでもかなり緊張感があるのですが、これら描写が視聴者のミスリードを生んでいるのが、さらに面白いところ。ここからこのあとのドラマ展開に繋がるとは、観ているときは正直想像すらしませんでした。

 

戦線のオリヴァーたちは、停戦命令に従い戦闘行動を停止しますが、対する地球連邦軍側は、恨みに駆られて再び攻撃を開始。友軍のサイド3への脱出路確保のために、彼らはやむを得ず応戦しますが、その際カスペンのゲルググとモニクのヅダが加勢。戦局を盛り返させます。オリヴァーはマルティン艦長に、一連の記録を送ると連絡し、そのまま戦闘に身を投じますが、カスペンのゲルググはハチの巣になり、オリヴァーのビグ・ラングも大破して音信不通になってしまいます。そうした犠牲を払って、ヨーツンヘイムは友軍すべてを脱出させ、地球連邦軍の排除に成功。このとき戦ったすべての兵士は、全滅したかに思われましたが―。公式には戦闘中止の命令が下っても、前線では小競り合いが続くというのは、一年戦争も同じ。オリヴァーたちはやむを得ず戦闘を再開することになりますが、やはり兵力の不足からピンチに陥ります。その際駆けつけたのは、カスペンのゲルググと、モニクのヅダでした。ここで颯爽と登場する2体のモビルスーツは、まさにカッコいいの一言。実はカスペンもモニクも考えていたことは同じであり、各々の拳銃をマルティン艦長に形見として託して出撃するさまは凛々しく、またこうした展開が待っているとは全然思っていませんでした。いい意味で裏切られて、思わず涙が出そうになりましたね。これにより戦意を取り戻したオリヴァーは、マルティン艦長に連絡を取り、自分たちの戦いを送信することから、記録するよう依頼。マルティン艦長はそれを聞き入れ、オリヴァーたちは最後の戦いに挑みます。この戦いは苛烈さを極めており、まさに弾丸やビームの雨あられが降り注ぐ戦場に。そうした中でも、オリヴァーたちは屈することなく耐え抜き、カスペンをはじめ犠牲となった者たちも、その命を賭して友軍の脱出路を死守し続けました。この戦いにおいて、メインキャラではカスペンのみ死亡。少年志願兵の乗るオッゴをかばい、ゲルググがハチの巣になっても全く退かなかったその姿は、あっぱれと言わざるをえませんでした。登場当初はイヤな上官かと思ったけど、なかなか漢気と優しさのある軍人だったな―。そして、この戦いではビグ・ラングも大破。オリヴァーもその爆発に巻き込まれ、ヨーツンヘイムとの通信が途絶し、誰もがその死を覚悟しましたが、彼は奇跡的にモニクのヅダに救出されており、生きてヨーツンヘイムに帰ってきます。静かになった戦闘宙域で、脱出路を死守したのと引き換えに、玉砕したかと思われたオリヴァーたち。そんな彼らが、最後の最後で帰ってきます。いや~、このシーンは本当にうるっときましたね。今までのドラマ展開なら、オリヴァーが死んでも全くおかしくない状況でしたが、あえてそれをしなかったことに、制作側のある種の信念を感じましたね。なぜ、優しさではなく信念なのか?それは、EDのラストにおけるオリヴァーのモノローグから、それが手に取るように感じられるからです。彼の取った記録だけでなく、彼自身も生き延びることによって、彼の経験した全てを未来に繋ぐ―。そんなメッセージが込められているように思えました。

 

オリヴァー「私が見つめた様々な兵器には、戦士たちの業が宿っていた。そして過ぎ去った多くの男たちの思いは、私の人生の道しるべとなるだろう。彼らの物語を、これで終わらせはしない。たとえ、ジオンの旗が、永久に消え去ったとしても。」

 

 

 

 

 

一年戦争において、ジオン公国軍は多種多様な戦力を投入した。それを初めて目の当たりにし、地上にて応戦した地球連邦軍の一般兵たちは、どのような感覚を覚え、そして戦ったのだろうか?

 

もはや我が腕により正義の鉄槌を下すため、“重力戦線”を形成すると。

真の自由のために、我々は重力のるつぼへと舞い降り、地球の解放を約するものである!

 

…というわけで次回からは、2008年発売のOVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO2  重力戦線』の感想記事が始まります。お楽しみに!

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